遺言無効確認訴訟と、仮に遺言が有効だったときにその遺言が遺留分を侵害する場合の遺留分減殺請求権の実務的行使方法

2015(平成27)年2月4日
2019(平成31)年2月22日改訂

 

 民法が改正され,2019年7月1日から,遺留分減殺請求権が遺留分侵害額請求権という金銭支払請求権に改正されます。

 

 相続人の遺留分が侵害される内容の被相続人の遺言があり、その遺言を被相続人が作成した時点で被相続人が判断能力を喪失していた場合等,遺言無効事由があると思われる場合の遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)の行使方法を検討します。

 

 このような場合は、当然に遺言無効確認訴訟を提起します。

 

 しかし、その訴訟の審理が1年以上かかり、裁判所がその遺言が有効だと判断した場合、その時点で遺留分減殺請求権を行使する意思表示をしても、遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)の法定行使期間の1年間を過ぎてしまっているので遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)は認められません。

 

 そこで、遺言無効確認訴訟を提起するのと並行して、内容証明郵便で仮に遺言が有効と判断された場合に備えて仮定的に遺留分を行使する旨の意思表示をすることが一応考えられます。

 

 しかし、この方法は、遺言が仮に有効だと裁判所が判断した場合という仮定的主張なので、法律的にみて遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)を有効に行使しているか疑問があります。

 

 そうすると、実務的には、内容証明郵便等の裁判外手続ではなくそのような遺言を知ったときから1年以内に、訴状の請求の趣旨を、主位的請求として遺言無効確認請求、予備的請求として遺言が有効と判断された場合に備え遺留分減殺請求(遺留分侵害額請求)とする訴訟を提起して、遺留分減殺請求(遺留分侵害額請求)の意思表示行使の有効性について争いの可能性を可及的に少なくするのが安全だと思います。

 

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