常念山脈縦走(常念岳等登山)

2011(平成23)年8月15日

第1 プロローグ

 今年の夏に常念岳とその付近の北アルプスの山々(常念山脈)を縦走してきました。

 長野県の安曇野市から西側に見える北アルプルの山脈で目立つのがピラミッド型(三角形)をした常念岳です。常念岳は深田久弥が選んだ「日本百名山」のひとつに数えられています。

 去年槍ヶ岳に登って槍ヶ岳の頂上から常念岳が見えたので,今年は反対に常念岳に登り,常念岳から槍ヶ岳を遠望しようと考えました。

 常念岳は上高地の川として有名な梓川(あずさがわ)をはさんで槍ヶ岳の東側に位置しています。

 以下は今回歩いた各地点の標高です。

(1) 中房温泉・標高1450メートル
(2) 燕山荘(えんざんそう)・標高2704メートル
(3) 燕岳(つばくろだけ)・標高2762メートル(日本200名山)
(4) 大天井岳(おてんしょうだけ)・標高2921メートル(日本200名山)
(5) 常念小屋(じょうねんごや)・標高2450メートル
(6) 常念岳(じょうねんだけ)・標高2857メートル(日本100名山)
(7) 蝶ヶ岳(ちょうがたけ)・標高2677メートル
(8) 三股(みつまた)林道ゲート・標高1350メートル


第2 登山までのアプローチ
(山形から安曇野の中房温泉まで移動して中房温泉で宿泊)

 朝5時に車で山形を出発しました。

 新潟・福島豪雨の日で,高速自動車道が2カ所で通行止めになっていました。

 東北日本海自動車道の聖籠新発田インターチェンジと新潟空港インターチェンジ間が通行止めになっていました。

 それで少し時間がかかってしまい,北陸自動車道の新潟市内の黒崎サービスエリアに着いたのが午前8時40分になりました。

 サービスエリア内の黒崎茶屋で「もち豚ギョウザ」と「栃尾名物のジャンボ焼き油揚」を食べて,再び出発しました。

 北陸自動車道の柏崎インターチェンジから柿崎インターチェンジまでの区間も通行止めがあり,その区間の一般道路を延々と走りましたので大分時間がかかってしまいました。

 それで,長野県の安曇野市に到着したのが,午後3時頃になりました。

 大王わさび農場で「本わさびソフトクリーム」と「わさびコロッケ」を食べ,安曇野ぱん工房「るんびに」で登山のための行動食としてパン3種類を購入し,車を駐車して穂高温泉郷のしゃくなげ荘前からタクシーで中房温泉に向かいました。

 しゃくなげ荘前から中房温泉までタクシー料金は6100円でした。

 中房温泉は道路が尽きるところにあり,山奥の1軒宿でまさに秘湯です。

 中房温泉の温泉は,大浴場等の内湯が数多くあるだけでなく,露天風呂も非常に沢山ありました。

 もちろん源泉かけ流しで,加水も加温もしていません。空冷及びラジエター式の水冷で工夫して高温の源泉を冷やしています。

 温泉があまりに沢山あるのですべての温泉を1日で堪能することは難しいと思います。

  • 第3 登山1日目
    (中房温泉から燕岳,大天井岳に登り常念小屋まで行き宿泊)

    午前5:00 中房温泉登山口出発

    7:00 合戦小屋到着
     合戦小屋名物のスイカの1ピース(1000円)の半分のハーフサイズ(500円)を購入して食べましたが,急登攀して大量の汗をかいた後なのでものすごくうまかったです。

  • 7:20 合戦小屋出発

    8:10 燕山荘到着

     中房温泉登山口から燕岳をめざす合戦尾根は北アルプス三大急登と呼ばれているらしいのですが(中房温泉登山口から燕岳までの標高差は約1300メートルあります。),各休憩ポイントにベンチが用意されてよく整備されているので非常に登りやすいです。

    8:15 燕山荘から燕岳にむけて出発

     燕岳はこれから行く大天井岳や常念岳と反対方向になるので,リュックを燕山荘のベンチに置いて貴重品だけを持って身軽になって燕岳へ出発しました。

     花崗岩が崩れて砂礫になったオフホワイトの砂地を延々と登りました。

     花崗岩が風化して「いるか」の形をした岩とか様々な形をした花崗岩が目を楽しませてくれます。

     途中コマクサが群生していてピンク色の可憐な花を沢山咲かせていました。

  • 8:40 燕岳到着,写真を撮りすぐ燕山荘へ出発

  • 9:00 燕山荘到着

    9:20 燕山荘を大天井岳に向けて出発


  • 11:30 常念岳と槍ヶ岳の分岐点到着

     小休止。エネルギー補給
     このときは,パン工房「るんびに」のパンと銀座モザイクの4階にある好日山荘で購入したゼリー状の食料が大変役立ちました。

    11:45 常念岳と槍ヶ岳の分岐点を大天井岳(おてんしょうだけ)にむけて出発

    12:10 大天荘に到着

    12:10 大天荘から大天井岳に向けて出発

    12:30 大天岳到着。写真撮影してすぐに大天荘に向けて出発

  • 12:50 大天荘到着。すぐに常念小屋にむけて出発

     途中一面にハイマツが群生している緑のじゅうたんのような斜面で雷鳥の親子合計7羽を発見し,すぐに写真に撮りました。

     雷鳥と出会うことが出来てすごくラッキーでした。

     また,沢山の高山植物が登山道の左右に色とりどりに咲いていました。

     梓川を隔てて西側にある槍ヶ岳や南岳,大キレット,北穂高岳等がガス(濃霧)で全く見えませんでした。雨も降ってきました。

  • 15:10 常念小屋到着。

    15:40 常念小屋に到着した山梨のS氏と合流。

     この日の行動時間は,休憩タイムもいれて合計10時間10分でした。

     常念小屋で宿泊

     常念小屋は収容人員約300名ですが,ほぼ満員でした。

     そして,雨が降ったので濡れたレインウェアやシャツ等を乾かすために乾燥室の天井からつるしたたくさんの物干竿には濡れたレインウエア等をかけたエモンかけがギッシリかけられて超満杯でした。


    第4 登山2日目
    (常念小屋から常念岳,蝶槍,蝶ヶ岳に登り,安曇野の三股・林道ゲートに下り。)

    午前4:30 常念小屋出発

     東側の安曇野を覆い尽した雲海から日の出が見えて,逆の西側の方向にある、槍ヶ岳,南岳,大キレット等がすごく美しいシルエットになって見えたのは感激でした。

  • 5:30 常念岳到着

  • 5:50 常念岳出発

    7:20 お花畑到着

     ニッコウキスゲの群落があり,ニッコウキスゲの黄色い花が沢山咲いていました。

  • 7:30 お花畑出発

    8:30 蝶槍到着,すぐに蝶槍を出発

    9:23 蝶ヶ岳ヒュッテ到着

    9:40 蝶ヶ岳ヒュッテ出発

    9:45 蝶ヶ岳到着

  • 9:50 蝶ヶ岳出発,下山開始

    11:20 豆打平(まめうちだいら)到着

    11:40 豆打平出発

    13:07 三股タクシー乗り場到着

     この日の行動時間は休憩タイムも入れて合計8時間37分でした。

     予約していたタクシーで安曇野駅近くに移動しました。

     タクシー代は三股林道ゲートからJR穂高駅近くまでで5400円でした。

    13:50 JR穂高駅の真ん前の「ひつじ屋」でスイカ生ジュースと安曇野湧水を使ったホットコーヒーを飲んで下界に下りた実感を味わいました。


    第5 常念岳等登山の感想

     この常念山脈縦走コースは,通常2泊3日コースですので,今回の1泊2日の日程はハードなスケジュールでした。

     常念山脈縦走コースは,北アルプルの登山(縦走)コースの中では,クサリやハシゴなどで登り下りする困難な箇所がほとんどないので,北アルプスの入門コースといわれています。しかし,行程中には岩場を通過する箇所が結構ありますので決して楽なコースではありません。

     今回の登山で大変ラッキーだったのは,ハイマツの斜面で7羽の雷鳥に出会えたこと。

     雲海からの御来光と槍ヶ岳,南岳,大キレット等のシルエットを見ることが出来たこと,そして,コマクサ,コバイケイソウ,ニッコウキスゲ等の沢山の高山植物の色とりどりの花を見ることが出来たことでした。

     このコースは,槍ヶ岳や穂高連峰の東側に平行して南北に延びている稜線歩きが多いので,天気が良ければ常に槍ヶ岳や穂高連峰を横に見ながら歩くことが出来,登山道の左右には色とりどりの高山植物が咲いている素晴らしい縦走ルートです。

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