法律事務所のOA化パート9(フルカラーコピー機)

2002(平成14)1月15日(火)


フルカラーコピー機

 少し前まで,フルカラーコピー機は高価であり,また,1枚あたりの印刷単価も非常に高く,当事務所でフルカラーコピー機を導入することは遠い先のことと思っていました。

 ところが,思いがけなく2001(平成13)年9月14日にフルカラーコピー機を当事務所に導入しましたので,そのことについて雑感を書いてみます。

 1999(平成11)年から当事務所では,私を含めて事務局スタッフ各人の机の下にはIBM300GLシリーズのタワー型パソコン本体が置かれ,各人の机の上には15インチの液晶ディスプレイが置かれています。

 それらのパソコンは有線LAN(ローカルエリアネットワーク)で結ばれています。

 そして,各パソコンにISDNの電話回線とその中継にルーターと呼ばれる機械を設置することにより,各パソコンから自由にインターネットに接続してEメールのやりとりやホームページの検索ができるようになっています。

 それらのパソコンとともに,1999(平成11)年に,モノクロコピー機とファックスとプリンターとスキャナーの1台4役の複合機が開発されましたので,これを導入することにしました。

 このリコーのモノクロコピー機イマジオ(MF2730-65)は,コピー機能,ファックス機能,そして,パソコンのプリンターとしての機能の外にスキャナーとして文書をそのまま読み取る機能(以下「スキャナー」という。)があります。

 そして,このコピー機はケーブルで事務所のパソコンのLANに接続してあり,スキャナーで読み取ったデータをそのままパソコンで読むことが出来ます。

 スキャナーで読み取っただけのものであると,パソコンで処理するのは画像データとして絵としてしか認識していません。

 これはこれで,画像データのままで見ることができます。

 私が出張している場合,事務所に来た文書を,事務局でスキャナーで読み取り,その読み取った文書をファイル添付でEメールに付けてもらうと,出張先の私は携帯電話にパソコンを繋ぎ,Eメールを受信してその画像データの文書を見てそれについての対応を出張先ですることが可能です。

 その外に,文書の読み取りをスキャナーでやる場合,例えば判例とか日弁連からの文書とか他の弁護士が書いた文書を読み取り,それをリコーの「リドックデスク」というソフト(OCRソフト)を使用してテキストファイルという文書形式に変換することをやっています。

 そうすると,その変換した文書をパソコンのワープロソフト等で加工して自分で使用する別の文書を作成できるので非常に便利です(入力の手間が省けます)。

 スキャナーの解像度が高いのでこのスキャナーの読み取りからOCRソフトを介しての文書変換は文字の誤認識が非常に少なく,ほぼ正確に文字データに変換するのでその後の作業が大変楽です。

 そのように大変重宝してモノクロコピー機イマジオMF2730-65を使用していたのですが,最近当事務所で訴訟事件の証拠を作成する際に,カラー写真やカラーカタログを証拠としてカラーコピーして提出する機会が非常に増えてきました。

 事務所ではモノクロコピー機しかないので,近くのコンビニエンスストアに行ってカラーコピーをとるしか方法がありませんでした。

 ちなみに,私の事務所の近くではローソンとセブンイレブンの2つのコンビニエンスストアがありますが,カラーコピー速度はセブンイレブンのほうが早いようです。

 そのように一々カラーコピーを事務所外でするのは面倒ですし,証拠を紛失してしまう危険もあります。

 そこで,フルカラーコピーができて,かつ,ファックスができ,パソコンのプリンター機能もあり,しかも,スキャナー機能もあり,かつ,LANに接続できる複合機の登場をまっていました。

 それが,2001(平成13)年9月に新発売になりました。

 リコーのimagioColor5105itです。

 プリント速度は,モノクロで1分間51枚,フルカラーで1分間13枚プリント及びコピーすることができ,非常に高速です。

 そのほかに,このフルカラーコピー機は20ギガバイトのハードディスクを内蔵し,OSソフトとしてウインドウズNTがインストールしてあるとともに大型TFT液晶画面が設置してありいわばオフィスコンピューターかサーバーという大変な機械です。

 そして,このフルカラーコピー機にはフロッピーディスクドライブが設置してあり,デジタルカメラで撮影した画像を記憶させたフロッピーディスクやコンパクトフラッシュやスマートメディア(PCカードアダプターに入れて)を挿入して画像データをこのコピー機に取り込み,それをこのコピー機で編集してフルカラーコピー印刷をすることができます。

 この一連の操作は液晶画面をさわって行うタッチパネル方式で簡単に行うことが出来ます。

 更にこのコピー機が取り込んだ画像データをLANを経由して個々のパソコンに取り込むことが容易にできるようになりました。

 当事務所の最大懸案であった,フルカラーコピーが事務所内ででき,そして,デジタルカメラで撮影した画像データが手軽に扱えるようになったことは画期的なことです。

 交通事故現場や破産管財物件をデジタルカメラで撮影し,それを迅速に証拠化したり,記録できるようになり,事務処理がよりスピーディーになりました。

 つい最近までフルカラーコピー機は非常に高額でしたので,フルカラーコピー機を当事務所で当分は導入できないと思っていました。

 それが,実現できました。

 技術の進歩は本当に速いと思います。

 当事務所で使用しているデジタルカメラは,平成12年12月に購入したOLYMPUS CAMEDIA C-990 ZOOMがあります。

 今後はもっとこのデジタルカメラを活用して従来のスチールカメラに替わる画像データ処理ツールとして定着させたいと思っています。

 また,このフルカラーコピー機は,スキャナー機能も高性能で,フルカラーの文書読取りが1分間30枚,モノクロ文書の読取りが1分間48枚と非常に速いです。

 その他にもメール送受信機能など非常に便利な機能が沢山搭載されています。

 当事務所では従来からパソコンのカラープリンターとしてはインクジエットプリンターが1台ありました。

 それはプリンターとしてはフルカラーなのですが,コピーをフルカラーですることはできず,また,スキャナー機能はありません。

 別個にスキャナーやデジタルカメラの画像取入れのアダプターを設置すれば可能なのでしょうが,一々それらの機械を別個に操作するのは手間がかかり,また,設置スペースが足りなくなっているという当事務所の面積の問題もあり,フルカラーコピー複合機の出現を待っていたのでした。

 なお,インクジェットプリンターでのフルカラーコピーとフルカラープリント及びフルカラースキャナーの機能がついた廉価なフルカラープリンター機がありますが,インクジェットのカラー印刷物は,耐久性(日焼けや水によるにじみ等)の点で裁判所や事務所で使用する正式文書として適するか検討が必要と考えて,結局レーザープリンターのフルカラーコピー機を選びました。

 なお,平成13年9月時点でのimagio Color 5105itの導入は山形県内で第1号とのことでした。

以上

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