富山県黒部市の宇奈月温泉とトロッコ電車と鐘釣の河原の露天風呂
2013(平成25)年12月27日改訂
今月富山県の宇奈月温泉に行ってきましたので,宇奈月温泉とトロッコ電車等のことを書きます。
1 宇奈月温泉
大学で民法を習うと,最初に出てくるのが宇奈月温泉の地主がなした引湯管撤去請求が権利濫用で請求棄却された判例です。
その事件の場所が宇奈月温泉です。富山県にあります。
山形から車で行くと,小国町,新潟県を通り,北陸自動車道の黒部インターチェンジで下りて宇奈月温泉の案内板に従い30分くらい走ると宇奈月温泉に到着します。
山形から約400キロメートルあり,6時間くらいかかります。
2 宇奈月温泉の源泉・湯質
宇奈月温泉の源泉は,トロッコ電車で少し山奥に入った黒薙(くろなぎ)温泉で,そこから太い引湯管で引っ張っているとのことです。
無色透明なアルカリ性単純温泉ですごく温まります。
美肌効果が高いとのことです。
3 トロッコ電車
黒部峡谷にダムと発電所をつくるために設置された作業員や建設資材を運搬するためのトロッコ電車が,一般乗客にも解放されて観光客も乗れるようになったのが,黒部峡谷鉄道トロッコ電車です。
宇奈月駅が始発駅です。
ちなみに,すぐ近くに富山地方鉄道宇奈月温泉駅があり,そこから3分歩くと黒部峡谷鉄道宇奈月駅があります。
宇奈月駅から欅平駅までの区間がトロッコ電車の区間です。
約1時間20分かかります。
トロッコ電車の線路は,非常に険しい黒部峡谷に設置してあるために非常に狭く新幹線の軌道の半分の幅だそうです。
従って,客車も非常に狭く,普通客車(これがいわゆるトロッコ電車です。両脇が全くオープンで,両側の乗り口にチェーンをかけて落ちないようにします。非常に解放感があります。)のベンチタイプの椅子に4人が並んで座ってぎちぎちです。
1時間以上背もたれもなくベンチ座席に座っているので,結構体力がいります。
電気機関車も小さくかわいいです。電気機関車2両で客車を引っ張っていきます。
普通乗車賃プラス360円で特別客車に乗れます。この客車は窓付きで,やはりベンチタイプの椅子に4人が座ります。
プラス520円でリラックス客車に乗れます。この客車は一列3人がけでゆったり座れます。
プラス630円でパノラマ客車に乗れます。
この客車は,天井にも窓があり,展望は抜群だそうです。一列3人がけです。
それ以外に保線車や貨物車がありますが,乗車できません。
4 猿専用の吊り橋
上流に数カ所ダムが出来て黒部川の渓流が湖になったりしたので,猿が黒部川をはさんだ両側の山を往来できるように,猿専用の吊り橋がかけられています。
私がトロッコ電車に乗って猿の吊り橋を見たら,数匹の猿が吊り橋を渡っていました。
その吊り橋には橋板があるだけで手摺りがありません。
とても危険で人間は渡れません。
5 冬期歩道
宇奈月温泉から欅平までの黒部峡谷トロッコ電車は,冬期は積雪5メートル以上の豪雪のため毎年12月から翌年4月中旬くらいまで運休となります。
黒部川には数個のダムや水力発電所があり,そこで働いている人達もトロッコ電車に乗って通勤しています。
トロッコ電車が運休になると,その人達は冬期歩道を歩いて各ダムや発電所に行くのだそうです。
トロッコ電車の線路に沿って延々とコンクリート製の箱のような形やカマボコの形をしたトーチカのようなトンネルが続いています。
外は雪に埋もれていてもトンネルまでは雪が入らないので,トンネルの中をヘッドランプをつけながら歩いて職場にいくのだそうです。宇奈月温泉から欅平までトンネルを歩くと6時間かかるとのことです。
6 鐘釣の河原の露天風呂
欅平駅の少し手前に鐘釣駅があります。鐘釣駅から20分歩いて河原に下りると,河原の至るところから温泉が湧いています。温泉が湧いている河原の砂利を掘って湯船を造り,適当に黒部川の水が入るようにして湯加減を調整します。
即席の天然露天風呂が満喫できます。
ただ,対岸をトロッコ電車が走っていてトロッコ電車から丸見えですので,露天風呂に入るときは水着を着た方がよいです。
鐘釣駅近くには満年雪の展望台もあります。
7 欅平駅
欅平駅付近には,猿飛山荘や名剣温泉,祖母谷温泉等の温泉があります。
欅平駅に降りたら,散策する前に帰りの電車の乗車予約をしておくのがよいです。
満員で乗車できない場合がありますから。
8 宇奈月地ビールと岩魚(イワナ)塩焼き
宇奈月温泉に黒部の銘水を使って醸造した宇奈月地ビールがあります。
トロッコ電車の宇奈月駅の軽食売店で,宇奈月地ビールの缶ビールを400円で,枝豆付きの宇奈月地ビールの生ビールを650円で販売しています。宇奈月地ビール美味しいです。
そして,黒部川で採れた天然のイワナの塩焼きを自転車で宇奈月駅前や宇奈月温泉街まで売りにきてくれます。中サイズのイワナで500円です。宇奈月駅の売店前に駐車場に面してビーチパラソルと折り畳み式のテーブルと椅子があります。
そこに陣取って,枝豆とイワナの塩焼きを酒の肴に,宇奈月地ビールを心行くまで飲んで,至福の一時を過ごしました。