岩手県の網張温泉スキー場及び雫石スキー場でのスキー
2013(平成25)年12月26日改訂
先月スキー仲間と一緒に岩手県岩手郡雫石町にある(盛岡市のすぐ近くにあります。),網張温泉スキー場と雫石スキー場に行きスキーをしてきました。
1 持参したスキー板
私が持って行ったスキー板は,昨年末に購入した,オーストリア国フィッシャー製の2006-7年シーズン(昨シーズン)モデルです。
昨シーズンモデルなので定価(約10万円・ビンディング(取付金具)込みの値段)より安くなっていましたが,従来は型遅れモデルは半額以下になっていたのですが,しかし,昨今はそのように型遅れモデルでも極端には安くならないようでした。
私がフィッシャー製のスキー板を購入した理由は,最近スキーのアルペン競技のワールドカップなどでフィッシャー製のスキー板を履いて優勝したりして活躍している選手が多かったこと,また,カナダやオーストリアでスキーをしたときにレンタルで使用したフィッシャー製のスキー板が大変滑りやすかったからです。
一緒に行った元全日本スキー選手(上位入賞)であるT氏から,宿舎の乾燥室のスキー加工台の上で,その新しいスキー板にワックスをかけてもらい,T氏が持参した電気アイロンでスキー板にワックスを馴染ませてもらいました。
フィッシャー製
それで,ますます滑りがよくなりました。
そのフィッシャー製のスキー板はカービング形状のスキー板です。
カービングとは「削る」と言う意味であるとのことで,スキーで方向転換のため回転するのに,スキー板をずらさないで,カービング(雪を削る)の方法で滑ると,回転する毎に加速されます。
しかし,従来のストレート形状のスキー板でカービングの滑り方をするにはよほどスキーに熟達した人でないと難しかったのです。
ところが,カービング形状のスキー板ですとその滑り方が簡単にできるようになります。
元全日本スキー選手T氏から,カービングスキー板の滑り方を伝授されて,私もようやく方向転換して回転する毎に加速する感覚を身につけることができました。
方向転換する毎に加速する感覚は,極めてうれしい爽快な感覚です。
2 一日目の網張温泉スキー場到着まで
朝6時に山形蔵王インターチェンジに入り,山形自動車道から村田ジャンクションで東北自動車道に入り,ひたすら盛岡ICまで北上しました。
このときも,朝のETCの通勤割引サービスを効率的に使いました。
乗って行った車は,E氏の最新型のマツダ製のRV車です。
当初,Y氏の走行距離が40万キロメートルになんなんとするトヨタ「エスティマ」で行く予定でしたが,Y氏がエスティマの屋根にスキー板を乗せるスキーキャリアを取付けようとしたが,どういう訳かうまく取付けできなかったので,急遽E氏のマツダのRV車で行くことになりました。
E氏のRV車は,7人乗りで,後部ドアが左右両方ともスライド式で,尚且つ,オートドアという優れ物です。
その車の最後部の2人座席を倒して,後部に天井までスキー服などを一杯詰めた大きなバッグやスキーブーツやスキーのストックをギュウギュウに積めて,車の屋根のスキーキャリアにスキー板を乗せて行きました。
午前10時頃に網張温泉スキー場に到着しました。
宿舎でリフトの割引券をもらい,スキー服に着替えて,スキーブーツを履き,早速網張温泉スキー場でスキーを始めました。
S氏は一人山梨県から来ました。
網張温泉スキー場のスキーセンターで午後1時に待ち合わせをしていたのですが,山梨から東京まで来るJR中央線が故障のため2時間遅れてしまい,S氏が網張温泉スキー場に着いたのが午後4時頃で,間もなく営業時間が過ぎてリフトが止まってしまい,S氏は1日目スキーが出来ませんでした。
3 網張温泉スキー場の紹介
網張温泉スキー場は,二人乗りのペアリフトしかない比較的小規模なスキー場です。
ロープウエイやゴンドラはありません。
しかし,すごく魅力的なスキー場です。
網張温泉スキー場のゲレンデからは,遠くに秋田県のほうにある乳頭山や秋田駒ヶ岳が見えました。
また,すぐ近くには岩手山が見えました。
(ちなみに,乳頭山や秋田駒ヶ岳は,休暇村の露天風呂からも西のほうの夕焼けの色を背景に美しく見えました。)
網張温泉スキー場の下の方から中腹までは,ブナ林ですが,中腹から頂上までは青森トドマツが生えていて,雫石スキー場と比べて標高が高いスキー場です。
そして,その青森トドマツの幹や枝には雪が固まって付いていて半分樹氷になっていました。ただ雪がついていない側は,常緑樹である青森トドマツの幹や枝や深緑の葉が見えていました。
蔵王スキー場にある有名なスノーモンスターと言われるような樹氷ではないのです。
樹氷になりかけの状態です。
ただ,標高が高いので雪質が非常に良くて,山頂部のゲレンデはほとんど粉雪でふわふわした感触で,非常に滑りやすい雪質でした。
そして,ゲレンデは比較的広くて,中級と上級のゲレンデが接続している比較的長いゲレンデで滑りごたえがあります。
休暇村岩手網張温泉本館のすぐ脇にある第1リフトに乗り,それを降りてから,右に進み,斜度35度前後の急斜面(少しの距離だけ)を一気に滑り降りて,砲台状に高くなっている第2リフト乗り場に止まらないで勢いよく滑り込みます。
途中で止まってしまうと,第2リフト乗り場が結構高いので,スキー板を履いてエッチラオッチラ苦労して上らなければならなくなります。
第2リフトを降りると,右側に行き平坦なところを進んで第3リフトに乗ります。
第3リフトの降り場は,頂上直下の斜面です。
そこからスキーを担いで少し登ると山の頂上で,そこからは岩手山が真っ白に輝いているのが見えるらしいのですが,我々はスキー滑りを優先して,頂上に登らずに一気に滑り降りました。
中級のトドマツスロープ(Max22°/Ave20°/全長0,72キロメートル)から,ミズナラスロープ(中・上級/Max35°/Ave16°/全長1,0キロメートル),そして,カラマツスロープ(初級/Max20°/Ave10°/全長0,6キロメートル)を,列をなして飛ばしました。
進行するゲレンデ(スロープ)を確認するために,ゲレンデ(スロープ)の繋ぎ目のところでは止まりましたが,各ゲレンデ(スロープ)を一気にハイスピードで滑り降りました。
特に,元全日本スキー選手のT氏の滑りは豪快で,猛スピードでゲレンデを滑り降りるので,ゲレンデの脇で止まっているスキーヤーが見とれていました。
その見事な滑りに喝采を博していました。
また,第3リフトから降りて左側に行き,青森トドマツの林の間の平坦なところを滑っていくと,双子滑走コースがあります。
これは比較的急な斜面ではないですが,雪質も粉雪でふわふわしていて最高です。
それに接続してスラロームバーンがありました。
ここは,常設でポールが設置してありました。
そのスラロームバーンでは,回転競技や大回転競技を楽しめます。
設置してあるポールにそって試しに回転や大回転をやってみましたが,面白いです。
また,スラロームバーンの脇にある連絡通路のような狭いゲレンデ(スロープ)は,急な斜面や左右の曲がりが小刻みに次々に現れる,カナダのウィスラースキー場のブラッコム山の中腹にある,ツィスト&シャウトのゲレンデやロックンロールのゲレンデのような面白さがありました(ちなみに,カナダ・ウィスラースキー場でのスキーの紀行文もこのホームページにありますのでご覧になってください。)。
4 網張温泉スキー場のその他のお薦め
① 南部かしわ親子丼(1280円)は,休暇村岩手網張温泉で昼食に30食限定で出しているお薦めメニューです。
肉も卵も南部かしわです。ダシが肉,卵そしてご飯に染み渡って絶品です。
「南部かしわ」は,雫石町のブランド鶏で,豊かな自然のなか特製の飼料を与え,放し飼いで育てており,脂肪分が少なく,歯ごたえと深い旨味が特徴だとのことです。
(るるぶ´07~´08最新版岩手盛岡八幡平9頁・20頁)
② スキー場のレストハウスでの昼食は,大体がカレーライスかラーメン等の定番メニューであまり美味しいとは言えないのが多いのですが,今回は違いました。
第1リフトのすぐ近くにあるスキーセンター「アルペ」の2階の食堂のメニューで,「手作り網張ギョウザ」が絶品でした。
新鮮な野菜がたくさん詰まっていて肉も美味しいし,タレも醤油に味噌とゴマ油を配合した独特のものでギョウザの旨みを引き立ててくれました。
値段もリーズナブルで感激でした。
③ リーズナブルといえば,リフト料金も一日券が通常2000円と非常に安いし,シニア料金(曜日限定)は1500円と激安です。
それに,「得々日帰り半日サンQパック」が平日大人で「リフト半日券+昼食+温泉入浴券」がついて2390円,土曜・日曜・休日が2900円,そして,「得々日帰りONEデーパック」が,「リフト1日券+昼食+ソフトドリンク+温泉入浴券」付きで,大人が平日3000円,土曜・日曜・休日で3500円です。
ちなみに,2日目に滑った雫石スキー場のリフト・ゴンドラ共通の8時間券は,大人の平日で3900円,土・休日で4400円でした。
④ 温泉もグッドです。
カラマツスロープの下の第1リフト乗り場のすぐ脇で,第1駐車場のすぐ上に,休暇村岩手網張温泉本館があります。
その露天風呂に入りながら,夕焼けに映える乳頭山や秋田駒ヶ岳などの奥羽山脈の山々を見ることができます。
本館の中には,大浴場の温泉とその外にもう一つの温泉があります。
本館のすぐ近くに日帰り客のための温泉館があり,そこにも温泉があります。
スキーで疲れて冷えた身体を温泉で心ゆくまで暖めて,湯上がりのビールがまた事のほか旨かったです。
⑤ 夕食・朝食のバイキングが地産地消で地元食材を使用している。
休暇村岩手網張温泉本館の夕食及び朝食がバイキングで,特に,夕食には地産地消をテーマにして,前述した南部かしわの卵や鶏肉,山菜,雫石牛肉などの地元の豊富な食材が溢れるほど出てきます。
牛肉のステーキや山菜・魚のテンプラなどは,目の前で焼いたり揚げたりしたものを出してくれますので,大変に美味しかったです。
夕食のバイキング会場で久方ぶりの再会を祝して酒宴を開きましたが,そのようなバイキング料理のお陰で酒の肴はあり余るほどでした。
お陰で食べ過ぎて数キログラム太ってしまいました。
私のお薦めのスキー場です。
5 二日目(雫石スキー場でのスキー)
二日目は雫石スキー場で滑りました。
雫石スキー場は,西武グループが多額の資本を投下して造成した大きなスキー場です。
雫石プリンスホテルもスキー場に隣接してあります。
雫石スキー場のゲレンデからは,すぐ近くに,岩手高原スキー場(スノーパーク・今回はこのスキー場では滑りませんでした。)と網張温泉スキー場が見えました。
そして,その先に岩手山が見えていました。
雫石プリンスホテルの前からロープウェーがありますが,最初それには乗らないで,用事があって宿舎に引き返したT氏が戻ってくるまでは,第2ゴンドラで小高倉山の頂上直下の標高1215メートルまで登り,そこから稜線沿いに滑るレディースダウンヒルコースを滑りました。
尾根伝いにあるコースなので,狭かったです。
そして,ところどころに比較的急な斜面もありますが,雪の付きが悪く,下の方では小石や土が出ていました。
T氏が戻ってから,第1ゴンドラに乗り,高倉山の頂上手前の1276メートルのところまで行き,そこからメンズダウンヒルコースを滑りましたが,やはり尾根伝いのコースで狭くて混んでいて大変でした。
私は,広くて長いゲレンデで自分の好きなコース取りをして思う存分にスピードを出して滑るのが好きなのですが,ここではそれが出来ませんでした。
なお,第1ゴンドラ(メンズダウンヒルコースの起点までいく。)の乗り場と第2ゴンドラ(レディースダウンヒルコースの起点までいく。)の乗り場は,すぐ近くで目の前のところにあります。
雫石スキー場の頂上までブナ林が続いており,頂上付近はブナ林ではなく青森トドマツの林になっている網張温泉スキー場の標高と比べると雫石スキー場の標高は低いです。
だから,雪質は網張温泉スキー場ほどは良くないです。
ただ,雫石スキー場はゲレンデ(スロープ)が沢山あります。
S氏を除いたメンバーはコブ斜面が好きではないので,上級のコブ斜面を避けて,中級コースの,サンシャインコース,ジョイフルコース,ロマンスコース,熊落とし下山コース,そして,プリンスゲレンデなどで,膝や太ももがガタガタになるほど丸一日ハードに滑りました。
3日目午前中,1日目と同じ網張温泉スキー場で思う存分滑りました。
スキーを終えて,休暇村岩手網張温泉の温泉大浴場で汗を流し,昼食には,休暇村岩手網張温泉本館で前述した限定30食の南部かしわ親子丼(1280円)を食べました。
それから,秋田新幹線で東京まで行き山梨に帰るS氏を雫石駅まで車で送り,盛岡ICから元来た道を,心地よい疲労感をお土産に山形に戻りました。