弁護士に関するいくつかの質問に対する回答

2005(平成17)年12月20日

 以下,私がなぜ弁護士になったか等よく質問される内容についてある程度の回答を記載します。

1 弁護士とはどういう仕事ですか。

 弁護士は,依頼者の依頼を受けて,物を売ったお金が支払われないので,そのお金の取立のため,物を買った人を相手(被告といいます。)として売掛金請求訴訟を裁判所に提起したり,お金を借り過ぎて返済できなくなった人について,自己破産申立の代理をしたり,また誰かが亡くなって相続が発生したが,その遺産の分け方の話し合いができない時に,家庭裁判所に遺産分割の調停申立をしたりなどして,依頼者の代理人として依頼者の権利を守り依頼者の権利が十分実現できるようにいろいろな法的な手続きを行う仕事です。

 また,刑事事件では,検察官が,この人は悪い事をした人(被告人と言います。)だとして起訴して刑事裁判がなされた場合に,その人の弁護人となって,その人は無罪であるとして争ったり,刑罰が軽くなるように弁護活動をします。

 刑事裁判になる前の捜査段階での刑事弁護活動もします。

2 なぜ弁護士になろうと思いましたか。

 弁護士になろうと思ったのは大学2年生の頃で,その時私は経済学部の学生でした。

 普通,経済学部からは税理士や公認会計士になるのですが,私には弁護士の仕事の方が税理士や公認会計士の仕事より向いていると考えました。

 その理由は,法律的な権利義務という考え方で,人間の生活に関する物的・人的関係の紛争を解決することができ,そのような法律を活用する仕事が自分に向いていると思ったからです。

3 弁護士になってよかったことは何ですか。

 依頼者から訴訟や調停または相手方との交渉の依頼を受けて弁護活動をして,判決や調停や和解で依頼者の要望を充分に実現できたときに,依頼者が,それまでの非常に困っていた状態から解放され,平穏な生活に戻ることができ,私の弁護活動に満足し感謝してくれることです。

4 弁護士になって苦労したことは何ですか。

 依頼者の要望を実現するために法律的な知識を高め判例や法律の文献を調べ,依頼事件にあてはめて法律構成をすることは,楽しい反面根気のいる仕事です。

 しかし,そのような努力をしても,必ずしも依頼者の要望する結果がいつも得られるものとは限りません。

 場合によっては,その依頼者の希望する結果を実現する事が困難な場合もあります。

 その場合に依頼者に,希望する結果を法律的に実現することが難しい状態にあることを説明することが大変な場合があります。

 また,依頼者の希望していた内容の判決が裁判所から出なかった場合に,その判決を覆(くつがえ)すために控訴または上告をし,原判決を覆すために大変な法律的作業をすることがあります。

 そしてその結果控訴審や上告審で逆転勝訴判決を得られた時は非常に嬉しいです。

5 弁護士になるためにどんな努力をしましたか。

 弁護士になるためには司法試験に合格する必要があります。

 その試験に合格するためには憲法,民法,商法,刑法,民事訴訟法,刑事訴訟法等の法律を十分に勉強する必要があります。

 その勉強は法律の条文が多いので,一定時間の集中した勉強をする努力が必要です。

 これからの司法試験は,大学の法学部や他の学部を卒業した後,法科大学院(ロースクール)に入学して2年又は3年間勉強して卒業しないと受けられなくなります。

6 弁護士になるためにしておいたほうがよいことは何ですか。

 学校の勉強をしっかりやること,また,小説などを読んでいろいろなことを知ること,更に,論理的にものを考える考え方を身につけることが,弁護士になるためには役に立つことだと思います。

7 子供の時の夢は何でしたか。

 旅行作家になることでした。また,船乗りになって世界の海や世界の港,世界各地を見聞したいと思っていました。

8 検察官(検事とも言います。)について

 検察官は,悪いことをした人を捕まえて,その犯罪の証拠を集め,裁判所に刑事裁判を申し立てて,悪いことをした人に刑罰を与えるように裁判所に請求する仕事をします。

 検察官も弁護士と同じで,司法試験に合格しないとなれません。

9 裁判官(判事とも言います。)について

 裁判官は,売買代金請求事件などの民事訴訟や,検察官が請求する刑事訴訟,そして,遺産分割や離婚などの家庭の事件について,法律的に強制力のある判断(判決・決定や審判などと言います。)をして,紛争を公正に解決する仕事をします。

 裁判官も,弁護士と同じで司法試験に合格しないとなれません。

 以上

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