スペインのフラメンコ

2003(平成15)年1月1日 

  昨年スペインを旅行したときに,有名なフラメンコの踊りを観て来た。

 フラメンコはスペイン国内にいるジプシー民族の踊りがルーツとのことである。

 セビリア市内のパティオ・セビリアーノというフラメンコショー劇場で10人以上の男女の踊り手によるショー化された華麗なフラメンコの踊りを鑑賞した。

 動きの激しい情熱的な踊りだった。



 しかし,伝統的なジプシーのフラメンコダンスを観るには,グラナダが良いとのことである。

 有名なアルハンブラ宮殿があるグラナダ市内のサクラモンテの岩山を掘って造った洞窟に多くのジプシーの人達が居住している。

 その洞窟で行われているジプシーの家族や親族が総出演するフラメンコダンスは一見の価値があった。

 ロス・タラントス,ザンブラ ギターナという店に入ったが,その店の洞窟は,狭く,天井は低く,奥行きもそれほどない。

 天井や両側の壁は手掘りの跡があり,凸凹である。

 その洞窟の天井や壁は漆喰で白く塗られており,その天井から沢山の手つき鍋がぶら下がっている。

 その洞窟が劇場となり,洞窟の両脇に小学生用くらいの小さな椅子をずらりと並べて,洞窟の中央付近にフラメンコダンスの踊り手と歌い手そしてギター等の奏者が数人並ぶのである。

 フラメンコダンスが始まる前に有名なサングリアという赤ワインでつくったカクテル等が振る舞われ,それから踊りが始まる。

 床は岩の上にボードが置いてあるが,そのボードはフラメンコダンサーの激しいタップにより踊り手が立つところは削れていた。

 ギターの演奏と歌い手の物悲しい歌に合わせて水玉模様とか濃い原色のフラメンコ衣装を着た踊り手が観客のすぐ目の前で手を振り回し,足を激しくタップして挑発的に艷しく踊る。

 汗が観客に飛び散り,振り回す手が目の前を通過して危うくぶつかりそうである。

 私が行ったときはフランスからの団体の観光客が30人くらいいてそれで満席状態だった。



 その夜はアルハンブラ宮殿の敷地内にある有名な国営ホテルのパラドール・サンフランシスコでの宿泊だった。

 広いテラスがついていて,デッキチェアがあり,そのデッキチェアに身を預けると頭上にはマロニエ(栃)の木の枝が広がり,夜空には半月が輝いていた魅惑的な夜だった。

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