妖精画廊を後にしたポウ・ポーは三角列柱の立ち並ぶ円形ホールを横切り中庭に続く大きな階段を降りてティファレットの庭に出ました。想像したとおりあたりを見ようにもそこは一面の闇。それでも広場をぐるりと取り囲む遺跡の窓からかすかにもれる常夜灯のみどりの明かりが、まるで夜光虫の発光にも似た微弱な存在となってかろうじて目に入って来るのです。その遠くの輝点から想像するとそこは中庭と言うより平原のような広大さを感じさせました。砂漠化した足もとの土の感触、澄んだ空気の中にあってもなんだかほこりっぽく感じる乾いた風それらが暗い夜空の下この遺跡の中に横たわっているのです。とにかく少し歩いてみよう・・・ポウ・ポーは気をつけながら一歩ずつ歩き出しました。そのときです。視界の隅にぼんやりとしたほんの小さな輝きを見つけました。「蛍水晶だろうか?」暗がりの平原にまるで導くような道標をみたようにポウ・ポーは思いました。




宣教師に出会ったホール

妖精画廊

西の塔

東の塔

南の塔

旅の業商猫 

伝言の森

空耳と空想い

絵画回廊

水晶森の住人

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ティファレットの庭

・・・ティファレットの庭で・・・