ポウ・ポーをのせた一角獣は、まるで天空の星空を案内するかのように、暗がりに点在する淡い蛍水晶の小さな光の間を進み次の星座にやって来ました。そこは南の塔の近く、先ほどの「一角獣座」からは一番遠いところにある星座でした。はたしてそこにも「へび使い座」をかたどった水晶の配列が光をまとって星座絵のごとく浮き上がっていました。ポウ・ポーは一角獣から降りると丹念に星座をかたどった水晶の列石を調べてみました。けれど今回は期待に反して何も起こりません。途方に暮れていると、傍らにいた一角獣が鼻を鳴らしてポウ・ポーをうながします。「なんだろう?」ポウ・ポーが目を向けると一角獣は角の先端で、ある方向をさしました。「あっあそこにも蛍水晶がある!」そこには先ほどのシリウスのいざないのごとく美しく輝く水晶があったのです。

 その水晶は,先ほどの「へび使い座」からはあまり遠くないところ「へび使い座」の頭の上あたりです。しかしポウ・ポーはその水晶を見てビックリしてしまいました。なんと水晶の中に女の人が閉じ込められていたからです。生きているのか死んでいるのか、まるで人形のように微動もしません。でも無声映画を途中で止めたかのような表情は生き生きとしているのです。その人はすごく綺麗な人でした。そして手にしたハープを今まさに奏でている姿で閉じ込められているのでした。

 
ポウ・ポーはなんとか助け出そうと試みましたが、水晶は硬くどうすることも出来ませんでした。ポウ・ポーは思いました「これも魔法使いの仕業かもしれない。それなら何か魔法を解く方法があるはずだ?」でも考えはそこで行き詰まりどうやってもその方法はわかりません。「・・・そう!宣教師さまが話してくれた妖精達の絵の中にになにかヒントがあるかもいれない!そうだあの9枚の絵が魔法を解き明かす鍵だといっていた」・・・ポウ・ポーは直感的にそう感じました。この直感による衝動はポウ・ポーを再び「妖精画廊」へと向かわせたのです。

       

・・・へび使い座・・・

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