ルーリン彗星 その1


作用素の定理から作用素理論へ
p=、sinh(π-x)フーリエ級数に作用素∫(0〜p) e^(-x)を適用
p=π、sinh(π-x)フーリエ級数に作用素∫(0〜p) e^(-x)を適用
p=π/2と3π/2、sinh(π-x)フーリエ級数に作用素∫(0〜p) e^(-x)を適用



2009/4/29             < 作用素の定理から作用素理論へ >

定理3
  G(x)は、べき級数展開したとき収束半径がrである関数とすると、その半径内のxにおいて、次が成り立つ。

     e^x∫e^(-x)G(x)dx(∫+∫^2+∫^3+・・・)G(x)

 ここで∫の積分範囲はすべて0〜xである。

(注意)右辺は∫G(x)dx+∫∫G(x)dxdx+∫∫∫G(x)dxdxdx +・・を略した書き方である。∫^2は∫∫の2回積分、∫^3は∫∫∫の3回積分・・など
   の重回積分を表す。


 「小島彗星」では、上の定理3(作用素の定理)に次のフーリエ級数の公式

 (π-x)/2 =sinx/1 + sin2x/2 + sin3x/3 + sin4x/4 + ・・       ( 0 < x < 2π)       ----@

を適用してゼータの香りが漂う式を導出してきた。例えば次のようなものである。

[kπ/3代入]
 1/(1^2+1) + 2/(2^2+1) - 4/(4^2+1) - 5/(5^2+1) + 7/(7^2+1) + 8/(8^2+1) -10/(10^2+1) - 11/(11^2+1) + ・・・
                              =(π/√3){e^(5π/3)-e^(π/3)}/(e^(2π)-1)


 その場合は、定理3の
     e^x∫e^(-x)G(x)dx=(∫+∫^2+∫^3+・・・)G(x)      ----A

A左辺に@左辺を、A右辺に@右辺を適用したり、また逆にA左辺に@右辺を、A右辺に@左辺を適用したりして
様々な式を導いたのであった。
 さらにわかったことがある。
それは定理3の左辺のみを用いても同じ式を導出できる!ということである。
つまり e^p∫(0〜p e^(-x) いやもっと短縮して(0〜p) e^(-x)に@の両辺を作用させだけで小島彗星で出した式すべてが
出てくるのである。これは結局、フーリエ変換やラプラス変換などの作用素と同じものと考えられる。
 作用素=∫(0〜p) e^(-x)
である。(pにπやらπ/4やらが入る)
具体的に示すまでもなく、読者は「なるほど」と思われたに違いない。小島彗星を全面的に書き直すことはしないが、「作用
素の定理」(定理3)での結果と、この作用素を用いた結果は同じになる。作用素の定理という大道具を使うまでもなく、
この作用素を使うだけでもっと簡潔に計算できるとわかったのである。

 @式の結果は既に「小島彗星」で見たから、別のフーリエ級数の公式を調べてみることにしよう。
ここでは、

(π/2)sinh a(π-x)=sinh(aπ){1sinx/(1^2+a^2) + 2sin2x/(2^2+a^2) + 3sin3x/(3^2+a^2) + ・・}
                                                             ( 0 < x < 2π)
を取り上げる。 sinhx=(e^x-e^(-x))/2 である。
(この公式は、例えば「数学公式U」(森口・宇田川・一松著、岩波書店)p.78やp.247を参照)

 上でa=1とした次式を調べていくことにしよう。(aが他の値でも同様にできるが)

(π/2)sinh (π-x)=sinh(π){1sinx/(1^2+1) + 2sin2x/(2^2+1) + 3sin3x/(3^2+1) + ・・}   ----@
                                                   ( 0 < x < 2π)

これに作用素(0〜p) e^(-x)を作用させると世にもふしぎな式が次から次へと導出されてくる。ごく一部をあげると、

1/(1^2+1)^2 + 2/(2^2+1)^2 - 4/(4^2+1)^2 - 5/(5^2+1)^2
     + 7/(7^2+1)^2 + 8/(8^2+1)^2 - 10/(10^2+1)^2 - 11/(11^2+1)^2 +・・・
        =(π^2/√3){e^(11π/3)-e^(7π/3)}/(e^(2π)-1)^2 - (π^2/(6√3)){5e^(5π/3)-e^(π/3)}/(e^(2π)-1)

これなどは冒頭の式の兄弟といえる(高級版!)。また

1/(1^2+1)^2 + 1/(2^2+1)^2 + 1/(3^2+1)^2 + 4/(4^2+1)^2 + ・・・
                        =-1/2 + (π/4)(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1) + π^2・e^(2π)/(e^(2π)-1)^2

ζ(s)の親戚であり、「小島彗星 その6」で出した

1/(1^2+1) + 1/(2^2+1) + 1/(3^2+1) + 1/(4^2+1) + 1/(5^2+1) + ・・・=-1/2 + (π/2)(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1)

兄弟ともいえるだろう。すべてゼータの香りが漂う式なのである。
小島彗星でも述べたが、これらが三角関数に潜む巨大な対称性という泉から沸き出てくる。
小島彗星と同じようにp=2π、π、kπ/2、kπ/3、kπ/4を見ていきたいが、まず最も簡単な2π代入から見ていくこと
にする。



2009/4/29   < p=、sinh(π-x)フーリエ級数に作用素∫(0〜p) e^(-x)を適用 >

 では、p=2πから。

[p=2π]
フーリエ級数の公式

(π/2)sinh (π-x)=sinh(π){1sinx/(1^2+1) + 2sin2x/(2^2+1) + 3sin3x/(3^2+1) + ・・}   ----@
                                                   ( 0 < x < 2π)

の左右両辺に作用素(0〜p) e^(-x)を適用する。
まず@の右辺にこの作用素を作用させる。
 A=∫(0〜p) e^(-x)[sinh(π){1sinx/(1^2+1) + 2sin2x/(2^2+1) + 3sin3x/(3^2+1) + ・・}]dx
を計算する。
部分積分により、
 ∫(0〜p) e^(-x) n・sinx/(n^2+1) dx={n・e^(-p)/(n^2+1)^2}・{-sin(np)-n・cos(np)} + n^2/(n^2+1)^2

となるから、p=2πとしてAを計算すると

 A=α{1^2/(1^2+1)^2 + 2^2/(2^2+1)^2 + 3^2/(3^2+1)^2 + ・・・}    ----A

となる。
 ここでα={(e^π-e^(-π))(1-e^(-2π))/2}     ----B

 A右辺の右側の{}の式に注目しよう。これは、
1^2/(1^2+1)^2 + 2^2/(2^2+1)^2 + 3^2/(3^2+1)^2 + ・・・
=(1^2+1-1)/(1^2+1)^2 + (2^2+1-1)/(2^2+1)^2 + (3^2+1-1)/(3^2+1)^2 + ・・・
=(1/(1^2+1) + 1/(2^2+1) + 1/(3^2+1) + ・・・) - {1/(1^2+1)^2 + 1/(2^2+1)^2 + 1/(3^2+1)^2 + ・・・}
=-1/2 + (π/2)(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1) - {1/(1^2+1)^2 + 1/(2^2+1)^2 + 1/(3^2+1)^2 + ・・・}

と変形できる。
途中で「小島彗星 その6」2π代入での結果
1/(1^2+1) + 1/(2^2+1) + 1/(3^2+1) + ・・・=-1/2 + (π/2)(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1)を使った。

よってAよりAは次となる。

A=α[-1/2 + (π/2)(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1) - {1/(1^2+1)^2 + 1/(2^2+1)^2 + 1/(3^2+1)^2 + ・・・}]    ----C

 次に@左辺に作用素(0〜) e^(-x)を作用させる。
簡単な計算により、
 ∫(0〜2π) e^(-x)・(π/2)sinh (π-x) dx=(π/8){-e^(-3π) + e^π- 4π・e^(-π)}     ----C
となる。
  C=Dであるから、
α[-1/2 + (π/2)(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1) - {1/(1^2+1)^2 + 1/(2^2+1)^2 + 1/(3^2+1)^2 + ・・・}]
                                       =(π/8){-e^(-3π)+e^π-4π・e^(-π)}
これより(αはBだから)、

1/(1^2+1)^2 + 1/(2^2+1)^2 + 1/(3^2+1)^2 + 1/(4^2+1)^2 + ・・・
                       =-1/2 + (π/4)(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1) + π^2・e^(2π)/(e^(2π)-1)^2    ---D

となる。
 冒頭でかかげた式のうちの一つが求まった。

以上。

 念のため、Excelを用いてDの数値検証も行ったがOKであった。

フーリエ級数の公式

 (π/2)sinh (π-x)=sinh(π){1sinx/(1^2+1) + 2sin2x/(2^2+1) + 3sin3x/(3^2+1) + ・・}
                                                   ( 0 < x < 2π)
に作用素∫(0〜p) e^(-x)を作用させて次式を導出した。

[p=2π]

 1/(1^2+1)^2 + 1/(2^2+1)^2 + 1/(3^2+1)^2 + 1/(4^2+1)^2 + ・・・
                        =-1/2 + (π/4)(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1) + π^2・e^(2π)/(e^(2π)-1)^2


 または萩L号で表現すると次となる。

  (n=1〜∞) 1/(n^2+1)^2-1/2 + (π/4)(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1) + π^2・e^(2π)/(e^(2π)-1)^2




2009/4/29   < p=π、sinh(π-x)フーリエ級数に作用素∫(0〜p) e^(-x)を適用 >

 次にp=πを見る。

[p=π]
フーリエ級数の公式

(π/2)sinh (π-x)=sinh(π){1sinx/(1^2+1) + 2sin2x/(2^2+1) + 3sin3x/(3^2+1) + ・・}   ----@
                                                   ( 0 < x < 2π)

の左右両辺に作用素(0〜p) e^(-x)を適用する。
まず@の右辺にこの作用素を作用させよう。
 A=∫(0〜p) e^(-x)[sinh(π){1sinx/(1^2+1) + 2sin2x/(2^2+1) + 3sin3x/(3^2+1) + ・・}]dx
を計算する。
部分積分により、
 ∫(0〜p) e^(-x) n・sinx/(n^2+1) dx={n・e^(-p)/(n^2+1)^2}・{-sin(np)-n・cos(np)} + n^2/(n^2+1)^2

となるからp=πとしてAを計算すると

A={(e^π-e^(-π))/2}[(1+e^(-π)){1^2/(1^2+1)^2 + 3^2/(3^2+1)^2 + 5^2/(5^2+1)^2 + ・・・}
                  + (1-e^(-π)){2^2/(2^2+1)^2 + 4^2/(4^2+1)^2 + 6^2/(6^2+1)^2 + ・・・}]    ----A

となる。
 A右辺の{}の二つの級数式に注目しよう。まず一つ目の級数は
1^2/(1^2+1)^2 + 3^2/(2^2+1)^2 + 5^2/(3^2+1)^2 + ・・・
 =(1/(1^2+1) + 1/(3^2+1) + 1/(5^2+1) + ・・・) - {1/(1^2+1)^2 + 1/(3^2+1)^2 + 1/(5^2+1)^2 + ・・・}
 =(π/4)(e^π-1)/(e^π+1) - {1/(1^2+1)^2 + 1/(3^2+1)^2 + 1/(5^2+1)^2 + ・・・}
 =(π/4)(e^π-1)/(e^π+1) - B                                    ----B
と変形できる。
ここで 1/(1^2+1)^2 + 1/(3^2+1)^2 + 1/(5^2+1)^2 + ・・・=Bとおいた。また途中で「小島彗星 その6」π代入での結果
1/(1^2+1) + 1/(3^2+1) + 1/(5^2+1) + ・・・=(π/4)(e^π-1)/(e^π+1)を使った。

また二つ目の級数は
2^2/(2^2+1)^2 + 4^2/(4^2+1)^2 + 6^2/(6^2+1)^2 + ・・・
 =(1/(2^2+1) + 1/(4^2+1) + 1/(6^2+1) + ・・・) - {1/(2^2+1)^2 + 1/(4^2+1)^2 + 1/(6^2+1)^2 + ・・・}
 =-1/2 + (π/4)(e^π+1)/(e^π-1) - {1/(2^2+1)^2 + 1/(4^2+1)^2 + 1/(6^2+1)^2 + ・・・}
 =-1/2 + (π/4)(e^π+1)/(e^π-1) - C                                 -----C
と変形できる。
ここで1/(2^2+1)^2 + 1/(4^2+1)^2 + 1/(6^2+1)^2 + ・・・=Cとおいた。また途中で「小島彗星 その6」π代入での結果
1/(2^2+1) + 1/(4^2+1) + 1/(6^2+1) + ・・・=-1/2 + (π/4)(e^π+1)/(e^π-1) を使った。

よってB、Cより、Aは次となる。

A={(e^π-e^(-π))/2}[(1+e^(-π)){(π/4)(e^π-1)/(e^π+1) - B}
                  + (1-e^(-π)){-1/2 + (π/4)(e^π+1)/(e^π-1) - C}]      ----D

 次に@左辺に作用素(0〜π) e^(-x)を作用させる。
簡単な計算により、
 ∫(0〜π) e^(-x)・(π/2)sinh (π-x) dx=(π/8){-e^(-π) + e^π- 2π・e^(-π)}         ----E
となる。
  D=Eであるから、
{(e^π-e^(-π))/2}[(1+e^(-π)){(π/4)(e^π-1)/(e^π+1) - B}
     + (1-e^(-π)){-1/2 + (π/4)(e^π+1)/(e^π-1) - C}]=(π/8){-e^(-π) + e^π- 2π・e^(-π)}

整理して
 -B(e^π+1) - C(e^π-1)=e^π/2 - 1/2 - (π/4)e^π - (π^2/2)e^π/(e^(2π)-1)    ----F
となる。
 Eは一つの式に二つの未知数であるから、このままではB,Cが求まらない。ところが一つ上のp=2πの結果を見ると、
 B + C=-1/2 + (π/4)(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1) + π^2・e^(2π)/(e^(2π)-1)^2    ----F

となっていることに気づく!
 E、Fを並べよう。

 -B(e^π+1) - C(e^π-1)=e^π/2 - 1/2 - (π/4)e^π - (π^2/2)e^π/(e^(2π)-1)       ----E

  B + C=-1/2 + (π/4)(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1) + π^2・e^(2π)/(e^(2π)-1)^2    ----F

二つ式に二つの未知数の連立方程式となっているから、これは解け、

 B=π/8 - (π/4)/(e^π+1) - (π^2/4)e^π/(e^π+1)^2

 C=-1/2 + π/8 + (π/4)/(e^π-1) + (π^2/4)e^π/(e^π-1)^2

すなわち、

 1/(1^2+1)^2 + 1/(3^2+1)^2 + 1/(5^2+1)^2 + ・・・=π/8 - (π/4)/(e^π+1) - (π^2/4)e^π/(e^π+1)^2

 1/(2^2+1)^2 + 1/(4^2+1)^2 + 1/(6^2+1)^2 + ・・・=-1/2 + π/8 + (π/4)/(e^π-1) + (π^2/4)e^π/(e^π-1)^2

と求まった。

以上。

p=πとp=2πの二結果からうまい具合に連立方程式がたつという美しい構図を味わっていただきたい。
また途中で、(π-x)/2のフーリエ級数の結果がこれまたうまい具合に使えることにも注目すべきである。
とてつもない構造がひそんでいる。

 念のため、Excelを用いてこの二式の数値検証も行ったがOKであった。

フーリエ級数の公式

 (π/2)sinh (π-x)=sinh(π){1sinx/(1^2+1) + 2sin2x/(2^2+1) + 3sin3x/(3^2+1) + ・・}
                                                   ( 0 < x < 2π)
に作用素∫(0〜p) e^(-x)を作用させて次式を導出した。

[p=π]

 1/(1^2+1)^2 + 1/(3^2+1)^2 + 1/(5^2+1)^2 + ・・・=π/8 - (π/4)/(e^π+1) - (π^2/4)e^π/(e^π+1)^2


 1/(2^2+1)^2 + 1/(4^2+1)^2 + 1/(6^2+1)^2 + ・・・=-1/2 + π/8 + (π/4)/(e^π-1) + (π^2/4)e^π/(e^π-1)^2


  または萩L号で表現すると次となる。

 (n=1〜∞) 1/((2n-1)^2+1)^2π/8 - (π/4)/(e^π+1) - (π^2/4)e^π/(e^π+1)^2

 (n=1〜∞) 1/((2n)^2+1)^2-1/2 + π/8 + (π/4)/(e^π-1) + (π^2/4)e^π/(e^π-1)^2




2009/4/30   < p=π/2と3π/2、sinh(π-x)フーリエ級数に作用素∫(0〜p) e^(-x)を適用 >

 次にp=π/2と3π/2を調べるが、まずp=π/2を見よう。

[p=π/2]
フーリエ級数の公式
(π/2)sinh (π-x)=sinh(π){1sinx/(1^2+1) + 2sin2x/(2^2+1) + 3sin3x/(3^2+1) + ・・}
の両辺をsinh(π)を割って、
(π/(2sinh(π)))sinh (π-x)={1sinx/(1^2+1) + 2sin2x/(2^2+1) + 3sin3x/(3^2+1) + ・・}   ----@
                                                   ( 0 < x < 2π)
とする。この左右両辺に作用素(0〜p) e^(-x)を適用する。
まず@の右辺にこの作用素を作用させよう。
 A=∫(0〜p) e^(-x){1sinx/(1^2+1) + 2sin2x/(2^2+1) + 3sin3x/(3^2+1) + ・・}dx
を計算する。
部分積分により、
 ∫(0〜p) e^(-x) n・sinx/(n^2+1) dx={n・e^(-p)/(n^2+1)^2}・{-sin(np)-n・cos(np)} + n^2/(n^2+1)^2

となるからp=π/2としてAを計算すると

A=-e^(-π/2){1/(1^2+1)^2 - 3/(3^2+1)^2 + 5/(5^2+1)^2 - 7/(7^2+1)^2 + ・・・}
          + e^(-π/2){2^2/(2^2+1)^2 - 4^2/(4^2+1)^2 + 6^2/(6^2+1)^2 - 8^2/(8^2+1)^2 + ・・・}
             + {1^2/(1^2+1)^2 + 2^2/(2^2+1)^2 + 3^2/(3^2+1)^2 + 4^2/(4^2+1)^2 + ・・・}   ----A

となる。
 A右辺の{}の三つ目の級数式に注目する。これはp=2πでも示したとおり、
1^2/(1^2+1)^2 + 2^2/(2^2+1)^2 + 3^2/(3^2+1)^2 + ・・・
={1/(1^2+1) + 1/(2^2+1) + 1/(3^2+1) + ・・・} - {1/(1^2+1)^2 + 1/(2^2+1)^2 + 1/(3^2+1)^2 + ・・・}
と変形できる。
 ここでこの二つの{}の級数は「小島彗星 その6」2π代入の結果とまた冒頭のp=2πの結果と同じであるのでそれを
そのまま用いると
1^2/(1^2+1)^2 + 2^2/(2^2+1)^2 + 3^2/(3^2+1)^2 + ・・・
 ={1/(1^2+1) + 1/(2^2+1) + 1/(3^2+1) + ・・・} - {1/(1^2+1)^2 + 1/(2^2+1)^2 + 1/(3^2+1)^2 + ・・・}
 =(π/4)(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1) - π^2・e^(2π)/(e^(2π)-1)^2
となる。よって、
 B=1/(1^2+1)^2 - 3/(3^2+1)^2 + 5/(5^2+1)^2 - 7/(7^2+1)^2 + ・・・
 C=2^2/(2^2+1)^2 - 4^2/(4^2+1)^2 + 6^2/(6^2+1)^2 - 8^2/(8^2+1)^2 + ・・・
とおくと、Aは次のようになる。

 A=-e^(-π/2)・B + e^(-π/2)・C + (π/4)(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1) - π^2・e^(2π)/(e^(2π)-1)^2     ----B

 次に@左辺に作用素(0〜π/2) e^(-x)を作用させる。
簡単な計算により、
 ∫(0〜π/2) e^(-x)・(π/(2sinh(π)))sinh (π-x) dx=(π/4){-e^π + e^(2π)- π}/(e^(2π)-1)      ----C
となる。
  B=Cであるから、
-e^(-π/2)・B + e^(-π/2)・C + (π/4)(e^(2π)+1)/(e^(2π)-1) - π^2・e^(2π)/(e^(2π)-1)^2 
                                      =(π/4){-e^π + e^(2π)- π}/(e^(2π)-1) 
整理して
 -B + Cπ^2・e^(5π/2)/(e^(2π)-1)^2 - (π/4){e^(3π/2)+πe^(π/2)+ e^(π/2)}/(e^(2π)-1)    ----D

 一つの式に二つの未知数であるから、このままではB,Cが求まらない。ところが次のp=3π/2を計算すると、
連立方程式のあと一つのペアとなるべき式が出るのである!

[p=3π/2]
 上とやり方は全く同じであるので結論だけ書く。p=3π/2として同様に計算すると、

 B + Cπ^2・e^(7π/2)/(e^(2π)-1)^2 - (π/4){e^(π/2)+3πe^(3π/2)+ e^(3π/2)}/(e^(2π)-1)    ----E

が出る。
(注釈:p=π/2をやっていると、この式を出すのはじつは非常に簡単である。π/2と3π/2が、3π/2=2π-π/2という
関係だから sin(2π-p)=-sin(p) 且つ cos(2π-p)=cos(p) がいえ、そのことからp=3π/2の場合は、p=π/2の結果を
ほぼそっくり利用できるからである。)

[連立方程式]
 D、Eを並べよう。
 -B + Cπ^2・e^(5π/2)/(e^(2π)-1)^2 - (π/4){e^(3π/2)+πe^(π/2)+ e^(π/2)}/(e^(2π)-1)    ----D
 B + Cπ^2・e^(7π/2)/(e^(2π)-1)^2 - (π/4){e^(π/2)+3πe^(3π/2)+ e^(3π/2)}/(e^(2π)-1)    ----E

二つ式に二つの未知数の連立方程式となっているから、これは解け、

 B=(π^2/2){e^(7π/2)-e^(5π/2)}/(e^(2π)-1)^2 - (π/8){3πe^(3π/2)-πe^(π/2)}/(e^(2π)-1)
 C=(π^2/2){e^(7π/2)+e^(5π/2)}/(e^(2π)-1)^2 - (π/8){(3π+2)e^(3π/2)+(π+2)e^(π/2)}/(e^(2π)-1)

すなわち、
1/(1^2+1)^2 - 3/(3^2+1)^2 + 5/(5^2+1)^2 - 7/(7^2+1)^2 + ・・・
   =(π^2/2){e^(7π/2)-e^(5π/2)}/(e^(2π)-1)^2 - (π/8){3πe^(3π/2)-πe^(π/2)}/(e^(2π)-1) ----F

2^2/(2^2+1)^2 - 4^2/(4^2+1)^2 + 6^2/(6^2+1)^2 - 8^2/(8^2+1)^2 + ・・・
  =(π^2/2){e^(7π/2)+e^(5π/2)}/(e^(2π)-1)^2 - (π/8){(3π+2)e^(3π/2)+(π+2)e^(π/2)}/(e^(2π)-1) ---G

と求まる。
 後者の式は、さらに本質的な形に変形できるのでやっておこう。
 2^2/(2^2+1)^2 - 4^2/(4^2+1)^2 + 6^2/(6^2+1)^2 - 8^2/(8^2+1)^2 + ・・・
=(2^2+1-1)/(2^2+1)^2 - (4^2+1-1)/(4^2+1)^2 + (6^2+1-1)/(6^2+1)^2 - (8^2+1-1)/(8^2+1)^2 + ・・・
={1/(2^2+1) - 1/(4^2+1) + 1/(6^2+1) - 1/(8^2+1) + ・・・}
           - {1/(2^2+1)^2 - 1/(4^2+1)^2 + 1/(6^2+1)^2 - 1/(8^2+1)^2 + ・・・}
={1/2 - (π/2){e^(π/2)+e^(3π/2)}/(e^(2π) -1)}
          - {1/(2^2+1)^2 - 1/(4^2+1)^2 + 1/(6^2+1)^2 - 1/(8^2+1)^2 + ・・・}  ---H

と変形できる。途中で「小島彗星 その6」での結果
 1/(2^2+1) - 1/(4^2+1) + 1/(6^2+1) - 1/(8^2+1) +・・・=1/2 - (π/2){e^(π/2)+e^(3π/2)}/(e^(2π) -1)
を使った。
 よってG、Hから次が出る。
1/(2^2+1)^2 - 1/(4^2+1)^2 + 1/(6^2+1)^2 - 1/(8^2+1)^2 + ・・・
  =1/2 - (π^2/2){e^(7π/2)+e^(5π/2)}/(e^(2π)-1)^2 + (π/8){(3π-2)e^(3π/2)+(π-2)e^(π/2)}/(e^(2π)-1)

 結局、このp=π/2、3π/2から、次の二式が求まったことになる。

1/(1^2+1)^2 - 3/(3^2+1)^2 + 5/(5^2+1)^2 - 7/(7^2+1)^2 + ・・・
   =(π^2/2){e^(7π/2)-e^(5π/2)}/(e^(2π)-1)^2 - (π/8){3πe^(3π/2)-πe^(π/2)}/(e^(2π)-1)

1/(2^2+1)^2 - 1/(4^2+1)^2 + 1/(6^2+1)^2 - 1/(8^2+1)^2 + ・・・
  =1/2 - (π^2/2){e^(7π/2)+e^(5π/2)}/(e^(2π)-1)^2 + (π/8){(3π-2)e^(3π/2)+(π-2)e^(π/2)}/(e^(2π)-1)

 面白い式ではないか。
 念のため、Excelを用いて数値検証も行ったがOKであった。
 次元の低い場合の結果(前段の結果)が流れるように次々に利用できて、最後は対称性から連立方程式が
うまくたってぴったりと求まるという驚くべき構図となっているのである!

 ゼータ惑星も美しいが、ゼータの香り漂う式の世界もそれに劣らず美しい世界である。


フーリエ級数の公式

 (π/2)sinh (π-x)=sinh(π){1sinx/(1^2+1) + 2sin2x/(2^2+1) + 3sin3x/(3^2+1) + ・・}
                                                   ( 0 < x < 2π)
に作用素∫(0〜p) e^(-x)を作用させて次式を導出した。

[p=π/2,3π/2]

1/(1^2+1)^2 - 3/(3^2+1)^2 + 5/(5^2+1)^2 - 7/(7^2+1)^2 + ・・・
          =(π^2/2){e^(7π/2)-e^(5π/2)}/(e^(2π)-1)^2 - (π/8){3πe^(3π/2)-πe^(π/2)}/(e^(2π)-1)


1/(2^2+1)^2 - 1/(4^2+1)^2 + 1/(6^2+1)^2 - 1/(8^2+1)^2 + ・・・
  =1/2 - (π^2/2){e^(7π/2)+e^(5π/2)}/(e^(2π)-1)^2 + (π/8){(3π-2)e^(3π/2)+(π-2)e^(π/2)}/(e^(2π)-1)


  萩L号で表現すると次となる。

 (n=1〜∞) 1/((2n-1)^2+1)^2
   =(π^2/2){e^(7π/2)-e^(5π/2)}/(e^(2π)-1)^2 - (π/8){3π・e^(3π/2)-πe^(π/2)}/(e^(2π)-1)

 (n=1〜∞) 1/((2n)^2+1)^2
  =1/2 - (π^2/2){e^(7π/2)+e^(5π/2)}/(e^(2π)-1)^2 + (π/8){(3π-2)e^(3π/2)+(π-2)e^(π/2)}/(e^(2π)-1)





その4
その3
その2


ゼータ系の彗星群

数学の研究