ときどき日記(20020601〜20020615)

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2002/06/04(火)

 勝てたかなあ。まあ、でも、やれることがわかったからよしとすべきなのかな。うーん…

鋼の錬金術師(2)/荒川弘(エニックス・ガンガンコミックス)

 引き続き好調の第2巻。どうやら話の進む道筋が見えてきて、思ってた以上に長い話になりそうです。こういう大きな話をゆっくりしっかり進める力が作者にある、というのもはっきりしてきた感じ。
 このままのペースで先を急がず進めてもらえれば、とりあえず言うことはありません。ながく楽しめそうでうれしい。

ちさ×ポン(1)/中野純子(集英社・ヤングジャンプコミックス)

 ヤンジャンのシリーズ連載作。最初は読切でした。
 はじめはいかにもなシチュエーションのすけべまんがとしてスタートしたはずの漫画なのに、いつのまにか真摯な恋愛漫画へと姿を変えている(すけべなままだけど)。そもそも高校生の恋愛を真摯に描こうとするとすけべを抜かしてはうそになるので、こういうスタイルは大いにありでしょう。
 雑誌掲載分のストーリーはここからもう少し進んでいて、恋愛関係が陥りがちな泥沼へと行き着きつつある。読んでいて古傷やまだ新しい傷やなんやが痛む人が大量にいそうな、すごくリアルでリアルな分とてもいやなでもやっぱり描くならこうだよな、という内容。この作者の漫画はそれなりに読んでるけど、たぶん、まじめな人なんだろな。そう勝手に思っていたりします。
 願わくば主人公ふたりの結末が幸せでありますように。


2002/06/03(月)

Dr.リアンが診てあげる(1)/竹内元紀(角川書店・角川コミックス・エース)

 6月1日に発売された本。実は発売日に感想あげようと目論んでいたのですが、予定はあっけなく崩れ去りました。なぜならこの単行本、1日ではとても読めなかったのです。
 理由はふたつ。ひとつは単純で、このまんがは特異といっていいほどネームが多い。どれくらい多いかを示すために、少年エース2002年7月号に掲載されていた漫画(4コマを除く)のネームの数を数えてみました。数え方はいい加減なのでけっこう誤差はあるだろうけどだいたいこんな感じ。

タイトルページ数ネーム数ページ平均
ケロロ271866.9
ヱデンズ28722.6
エヴァ20954.8
GIRLS241727.2
忘却331644.0
ランブル342076.1
RATS!241446.0
低俗霊20894.5
ラグナロク16724.5
リアン1926714.0
がぁ〜でぃあん241606.8
はるはる16976.1
ササメケ321835.7
グレネーダー331895.7
サイコ401293.2
にるちゃな12796.6
警死庁311294.2
なつめ161086.8
アンネ32842.6
ちまちま161027.0

 いかにこのまんがのネームが多いかがよくわかります。いやまさかこんなによくわかることになるとは思わなかった。やってみるもんだ。
 理由のもうひとつは、そんな感じでばらまかれたネームの確実に何割かが下ねただから。まんがの系統としては古賀亮一のまんがあたりと同系ながら、特有のダメパワーにあふれたあちらと違い、より汎用性の高い(中学生が喜んで使いそうな)下ねたばっか。引用するとあまりおもしろくないうえにこのサイトの品位を不必要に下げるのでしません。というか引用しておもしろくする自信がない。
 いったいこのまんが単行本でまとめて読むとどうなるんだろうとずっと思ってたけど、答えは簡単でした。こんなの一日じゃ読めません。もともと疲れていたせいもあるだろうけど、一日に2話読むととげっそりきてしまってそれ以上読めない。よっぽど体調整えて読まないと一気読みはできないような気がしないでもないです。
 それでもおれがこのまんが喜んで読んでるのは、こんだけのネームの数を読ませるだけのテンポとスピード感は間違いなくあるから。そのうえ下手な鉄砲もじゃないけど一話にひとつふたつはつぼに来る下ねた(ううやだなあ)が必ずあって、ついげらげら笑ってしまいます。あまり人様にすすめやすいタイプのまんがじゃないけど、しょうもないまんがをこよなく愛する人と、しょうもない下ねたをこよなく愛する人(やだなあ)には、自信を持っておすすめします。いやほんと必読かも。


2002/06/02(日)

 少年チャンピオンでたくさん始まった新連載の中で、「無敵看板娘」(佐渡川準)の勢いがいいです。インパクト十分の主人公を擁してすべりだし好調、ここからどう変わっていくか。しばらく追ってみることにします。

Black Bird(前編)/中島零(コミックガム2002年7月号)

 ガムで何回も読切描いてる人だけど、ここにきて絵とお話が両方こなれてきた感じを受けます。殺し屋兼業のラーメン屋の少女に「人を殺したい、殺し方を教えて」と弟子入りした女の子、情が通い出したところで前編は終わり。後編をどう締めるか楽しみ。

Take It Easy!/もとみやあゆみ(BJ魂2002年7号)

 草野球が舞台の掌編、主人公のカップルは大学生かな。男に混じって元気いっぱいの彼女、2つ年下でつき合ってることをみんなに言えない彼氏、その彼女に別のチームのスラッガーが言い寄って、一球勝負で買ったらつき合ってと言われた彼女はわくわくしてつい勝負を受けてしまい…登場人物3人の気持ちがきれいに伝わって後味のいい好編。作者は初めて見る人かなあ。

コミックフラッパー2002年6月号

 リニューアルしたのはいいが、この表紙のセンスはどうなんだろう…
 「風の天使」(都筑和彦)が印象に残る。作者は自分にとってはCG作家として昔からしってるけど、漫画は実はあまり読んだことがなくて、じっくり読んだのは実は初めてかもしれなくて、読んでみると描きたい伝えたいものをきちんと形にする技術があるんでしょう、さすがに上手いです。まとまりのいいファンタジー。ただひとつ気になったのはなぜこの主人公がきわどい格好してるんだろうということ。普通の方がよいような気が。
 読切もうひとつ「銀翼の幻」(浅見淳)は黒の効いた絵が印象的、お話はもう少し踏み込んだ方がよかったかな。最終回「そして船は行く」(雑君保プ)はきれいにまとめたと思わせて最終ページでぶち壊し。この作者らしい最終回でした。


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