ブログ記事 文の構造

 
文の構造1  (2007/02/18)
今回から何回かにわたって、エスペラントの文の構造について説明していきます。
また日本語と英語の文の構造とも比較して説明します。

第1回は文の柱となる人・物と出来事についてです。

文はいくつかの単語の組み合わせでできています。
文の軸になるのは「出来事」を示す単語です。
そして、その「出来事」に関係している「人・物」を示す単語が
「出来事」の説明として加わります。
文の基本はこの「出来事」と「人・物」の組み合せになります。

単語には、文の中で果たす役割によって、いくつかの種類に分類されます。
「出来事」を示す単語は「動詞」、
「人・物」を示す単語は「名詞」と呼ばれています。

例)動詞 kuras(走る, run) flugas(飛ぶ, fly)
  名詞 kato(猫, cat) birdo(鳥, bird)
  文  Kato kuras.(猫が走る。 A cat runs.)
     Birdo flugas.(鳥が飛ぶ。 A bird flies.)

エスペラントの場合には、名詞には一部の例外(*)を除き、
単語の最後にoが付きます。
また、動詞の場合は現在のことを示す場合は単語の最後にasが付きます。
過去はis、未来はosが付きます。

*注記
例外とは、代名詞の場合と固有名詞の場合です。
代名詞は名詞と違う分類をする場合がありますが、
ここでは、「人・物」を示すということで、同じ仲間として扱います。

代名詞
  人称代名詞
    mi(私, I)
    ni(私たち, we)
    vi(あなた、あなたがた, you)
    li(彼, he)
    s^i(彼女, she)
    g^i(それ, it)
    ili(彼ら、それら, they)
    si(自身, self)
    oni(人々, people)
  指示代名詞
    tio(それ, that)
    tiu(あの人, that one)
    io(何か, something)
    iu(ある人, someone)
    c^io(すべて, everything)
    c^iu(各々, everyone)
    nenio(何も~ない, nothing)
    neniu(誰も~ない, none)
  関係・疑問代名詞
    kio(何, what)
    kiu(だれ, who)

以前の記事「ゴンドランドのマジ」の中で紹介した、以下の文に触発されて、 今回、このシリーズを始めてみようと思い立ちました。
 エスペラントが人間の言葉の手本であるということについては、 既にお話しました。その論理的な構造のおかげで、言語の全体像が 見えてくるのです。ちなみに、エスペラントは教育的価値が強調さ れることが多いのですが、それはこの言語構造に基づいているのです。
英語を学ぶ前段階の教育に、エスペラントを用いるのが良いと 主張している人もいます。 英語を学ぶ前に、エスペラントを少しやっておけば、 エスペラントをしなかった人よりも上達が早いそうです。 これは propedeu^tika efekto(予備教育効果)と言われています。 トニー・ラズロ氏は週刊Student Times 2006年6月16日号で次のように述べています。
言語習得には、一般的に長い時間が必要だと考えられているが、 実は近道があるのをご存じだろうか。 言葉や民族の壁を越えるために考案された人工言語である エスペラント語に最初に接していれば、その次の言語習得が 比較的容易になるという。 小学校に導入するのなら、英語ではなくいっそエスペラント語に してみたらどうだろう。 私は常に言語に秀でるには、単に時間をかけることだと考えてきた。 そして、それには近道はないと。だが、それは間違っていたかもしれない。 事実、言語を学ぶ時間量を短くする方法がある。 それは、最初に他のある言語を研究して、 次に、目標言語に移行することである。 最初にエスペラントを学習した人々が、しばしば目的の言語だけを 学んだだけの人より上手に目的の言語を習得することができる。 それは、文法、発音、語の組み立てがとても論理的で規則的であるため、 学生たちは比較的早くエスペラントを理解することができるからだ。
今回のシリーズでは、エスペラントの文の構造について理解することで、 英語の文の構造についても、従来の学校教育では得られなかった ことが得られればと思っています。
文の構造2  (2007/02/19)
第2回は文中の名詞の数についてです。

1つの文は1つの「出来事」について表します。
文は「出来事」が基軸ですから、「出来事」は必ず出てきます。
「人・物」は「出来事」に付属するものですから、
「出来事」だけがあって「人・物」がない文はありますが、
「人・物」だけがあって「出来事」がない文はありません。
ですから、1つの文には、必ず「出来事」を示す動詞が1つ出てきます。

文の中には「出来事」に「人・物」が全く絡まないこともありますし、
逆に、複数の「人・物」が「出来事」に絡むこともあります。
ですから、1つの文の中の「人・物」を示す名詞の数は、
0の場合、1の場合、2の場合、3の場合があります。

名詞の数が0の場合
  「出来事」に対して、「人・物」がないときや、
  あえて言及する必要がないとき、動詞だけの文になります。
  例)Pluvas. (雨が降っている。 It is raining.)
  英語の場合は、文法上、名詞のない文が許されないため、
  形式的な名詞 it が用いられます。
  エスペラントの場合は形式的な名詞は必要ありません。

名詞の数が1の場合
  前回で出たので省略します。

名詞の数が2以上の場合

  1つの文の中の「人・物」が複数出てくる場合、それぞれの「人・物」の
  立場が違ってきます。
  例えば、「太郎は本を読む」の場合、「人・物」は「太郎」と「本」の
  2つが出てきますが、「太郎」は読む側で、「本」は読まれる側です。
  文の中でそれぞれの名詞がどの立場なのかを区別する方法が
  必要になります。方法には次の4つの方法があります。

  1.文上の動詞に対する位置で示す。
    例)英語 Taro reads a book.
      読む側を動詞の前に、読まれる側を動詞の後に持ってきます。

  2.語の形を変えて示す。
    例)エスペラント Taro legas libron.(legas:読む libro:本)
      読む側はそのままの形、読まれる側に語尾nを付けます。
      英語 Taro give me a book.
      与えられる側の I を me に変える。

  3.名詞の前に立場を示す語を付け加える。
    この語のことを前置詞といいます。
    例)エスペラント Taro donas libron al mi.
      (donas:与える al:~へ mi:私)
      与えられる側の mi の前に前置詞 al を置く。
      英語 Taro give a book to me.
      与えられる側の me の前に前置詞 to を置く。

  4.名詞の後に立場を示す語を付け加える。
    この語のことを助詞といいます。
    例)日本語 太郎が本を私に与える。
      与える側の「太郎」に後に「が」を置く。
      与えられる相手の「私」に後に「に」を置く。
      与えられる物の「本」に後に「を」を置く。

  エスペラントでは、2と3の方法をとります。
  日本語では4の方法をとります。
  英語では1と2と3の方法をとります。

  動作をする側を「主語」、動作をされる側を「目的語」と言います。
  上記の例のように1つの文に目的語が2つある場合があります。
  それぞれ「移動される物」と「移動先の相手」という立場があります。
  「移動される物」を直接目的語、
  「移動先の相手」を間接目的語と言います。

  エスペラントの場合、直接目的語は語尾nを付けて示し、
  間接目的語は前置詞を前に置いて示します。

  英語の場合には、間接目的語は前置詞を前に置い表す他に、
  前置詞なしに、動詞の後に、「間接目的語」「直接目的語」と
  いう順に並べて示すこともあります。
  エスペラントではこの方法はしません。

  英語、エスペラントとも直接目的語がなくて間接目的語だけを
  持つ文もあります。
    例)エスペラント Tiu libro aparteni al mi.(~に属する)
      英語 That book belongs to me.

文の構造3  (2007/02/20)
第3回は形容詞についてです。

形容詞は名詞に対して説明を付け加えます。
これを修飾すると言います。
エスペラントや英語の場合、名詞の前か後に形容詞を置きます。
日本語の場合、前にしか置けません。

例)名詞  kato(猫, cat) floro(花, flower)
  形容詞 granda(大きい, big) blua(青い, blue)
  組合せ granda kato(大きい猫, big cat)
      blua floro(青い花, blue flower)

エスペラントの場合には、形容詞には一部の例外(*)を除き、
単語の最後にaが付きます。

*注記
例外とは、代形容詞、冠詞、数詞の場合です。
代形容詞、冠詞、数詞は形容詞と違う分類をする場合がありますが、
ここでは、どれも名詞を修飾するということで、同じ仲間として扱います。

代形容詞
  指示形容詞
    tiu(あの, that)
    tia(そのような, such)
    ties(その人の)
    iu(ある, some)
    ia(ある種の, some kind of)
    ies(だれかの)
    c^iu(各々の, every)
    c^ia(すべての, every kind of)
    c^ies(各人の)
    neniu(どの~も~ない, no)
    nenia(どんな~も~ない, no kind of)
    nenies(誰の~でもない)
  関係・疑問形容詞
    kiu(どの, which)
    kia(どのような, what)
    kies(だれの, whose)
冠詞
    la(その, the)
数詞
    unu(一, one)
    du(二, two)
    tri(三, three)
    kvar(四, four)
    kvin(五, five)
    ses(六, six)
    sep(七, seven)
    ok(八, eight)
    nau^(九, nine)
    dek(十, ten)
    cent(百, hundred)
    mil(千, thousand)

文の構造4  (2007/02/21)
第4回は名詞、形容詞の述語化についてです。

文の中では動詞が「出来事」を示す役割を担っています。
このように、文の中で「出来事」を示す語のことを「述語」といいます。
通常、述語は動詞ですが、名詞、形容詞もある方法で、
述語になることができます。

エスペラントの場合、名詞、形容詞を述語にするには、
その前に estas を置きます。
英語の場合は be 動詞を前に置きます。
日本語の場合は名詞の後に「だ」または「です」を置きます。
日本語の形容詞はそのまま述語になれます。

例)Tiu floro estas rug^a.(その花は赤い。 That flower is red.)
  Rozo estas floro.(バラは花だ。 Rose is flower.)

形容詞が述語になると動詞と同じように、目的語を持つことができます。
しかし、動詞ではないので直接目的語を持つことができません。
そこで、前置詞を置いて間接目的語の形で目的語を持ちます。

例)
  ~ estas favora al ...  (...に好意的だ)
  ~ estas diferenca de ...(...と違う)
  ~ estas kapabla por ... (...する能力がある)
  ~ estas certa pri ...  (...に確信がある)

  英語でも次のようなものがあります。
  ~ is afraid of ...  (...を恐れている)
  ~ is interested in ...(...に興味を持っている)
  ~ is good at ...   (...が上手だ)

文の構造5  (2007/02/24)
第5回は副詞についてです。

形容詞は名詞を修飾しますが、副詞はそれ以外の語を修飾します。
動詞だけでなく、形容詞、副詞、文全体などいろいろと修飾します。

エスペラントの場合には、副詞には単語の最後にeが付くものと
付かないものがあります。

単語の最後にeが付く副詞は、形容詞のaをeに置き換えて作られるので、
派生副詞と言われます。
英語の場合は形容詞にlyを付けて派生副詞を作ります。
日本語の場合は形容詞の連用形が派生副詞に相当します。
  例) 白い > 白く

eが付かない副詞は、本来副詞、代副詞の場合です。
本来副詞とは、形容詞からの派生でなく本来からある副詞です。

本来副詞には、何かを修飾するというよりは、特別な働きをする
ものがあります。これらはどの品詞にも含めるのができないので、
本来副詞の中に含めています。

例)
一般的に修飾するもの
  動詞を修飾する例
    rapida(速い, quick) > rapide(速く, quickly)
    Tiu kato kuras rapide.
    (その猫は速く走る。 That cat runs quickly.)
  形容詞を修飾する例
    tre(とても, very)
    Tiu floro estas tre bela.
    (その花はとても美しい。 That flower is very beautiful.)
  副詞を修飾する例
    Tiu kato kuras tre rapide.
    (その猫はとても速く走る。 That cat runs very quickly.)
  文全体を修飾する例
    felic^a(幸福な, happy) > felic^e(幸福に、幸福にも, happily)
    Felic^e li ne mortis.
    (幸福にも彼は死ななかった。 Happily he did not die.)
    比較例(動詞だけへの修飾)
    Li ne mortis felic^e.
    (彼は幸福には死ななかった。 He did not die happily.)

特別な働きをするもの
  疑問文に関するものの例
    c^u(~か?)
    C^u vi estas infano?(あなたは子供ですか。 Are you a child?)
    jes(はい, yes)
    ne(~でない, no)
  名詞も修飾するもの例
    nur(~だけ, only)
    Li estas nur infano.(彼はただの子供だ。 He is only a child.)
  間投詞的なもの例
    jen(そらここに, behold)
    Jen estas libro.(ほら、本がある。 Behold there is a book.)
  その他の例
    c^i(近接を示す)
    tiu(あの,that) > tiu c^i(この,this)

*注記

本来副詞
  時を表すもの
    hierau^(昨日, yesterday)
    hodiau^(今日, today)
    morgau^(明日, tomorrow)
    baldau^(まもなく, soon)
    jam(既に, already)
    j^us(たった今, just)
    nun(今, now)
    tuj(すぐ, immediately)
  程度を表すもの
    plej(最も, most)
    pli(より, more)
    plu(さらに, farther)
    tre(たいへん, very)
    tro(~すぎる, too)
    ankorau^(もっと, still)
    apenau^(かろうじて, hardly)
    c^irkau^(約, about)
    kvazau^(まるで, as)
    preskau^(ほとんど, almost)
    des pli(それだけますます, the more)接続詞の ju pli と対
  疑問文に関するもの
    c^u(~か?)
    jes(はい, yes)
    ne(~でない, no)
  名詞も修飾するもの
    ankau^(~もまた, also)
    ec^(さえ, even)
    nur(~だけ, only)
    almenau^(少なくとも, at least)
  間投詞的なもの
    tamen(とはいえ, however)
    nu(さて, well)
    ja(実に, indeed)
    do(そこで, so)
    jen(そらここに, behold)
  その他
    c^i(近接を示す)
    ajn(無差別を示す)
    for(離れて, away)
    mem(自身, self)
代副詞
  指示副詞
    tiam(その時, then)
    tie(そこで, there)
    tiel(その様に, thus)
    tial(それゆえ, therefore)
    tiom(そんなに, so much)
    iam(ある時, ever)
    ie(どこかで, somewhere)
    iel(どうにかして)
    ial(ある理由で)
    iom(いくらか, some)
    c^iam(いつも, always)
    c^ie(いたる所で, everywhere)
    c^iel(いろいろに)
    c^ial(あらゆる理由で)
    c^iom(全部, all)
    neniam(決して~ない, never)
    nenie(どこにも~ない, nowhere)
    neniel(どうしても~ない)
    nenial(どんなわけでも~ない)
    neniom(少しも~ない, no)
  関係・疑問副詞
    kiam(いつ, when)
    kie(どこで, where)
    kiel(いかに, how)
    kial(なぜ, why)
    kiom(どれほど, how much)

文の構造6  (2007/02/25)
第6回は従属句についてです。

複数の意味ある単語の集まりを句と言います。
この句が文の中で1つの単語のように振舞うものを従属句と言います。
従属句は1つの文のような意味を持ち、それがさらに文の中に組み込まれます。
ある文が文の中に従属しているので従属句と呼ばれます。
このようにして複雑な文が組み上げられます。

従属句を作るものには、前置詞、不定詞、分詞、接続詞、疑問詞、関係詞、
「目的語+補語」があります。
これが、名詞的、形容詞的、副詞的に文の中に従属します。

句の構造

  前置詞句=前置詞+名詞
  不定詞句=動詞不定詞+(目的語)+(間接目的語)
  分詞句 =動詞分詞 +(目的語)+(間接目的語)
  接続詞句=従属接続詞+[文 or 不定詞句 or 名詞]
  疑問・関係詞句=疑問・関係詞+[文 or 不定詞句 or 名詞]
  「目的語+補語」句=目的語+補語

各句の用法の対応表

            名詞的 形容詞的 副詞的
  前置詞句       ×   ○    ○
  不定詞句       ○   ○    ○
  分詞句        ○   ○    ○
  接続詞句       ○   ×    ○
  疑問・関係詞句    ○   ○    ○
  「目的語+補語」句  ○   ×    ×

前置詞句
  前置詞は、名詞で他の語を修飾したい場合に、
  その名詞の前に置いて用います。
  前置詞句は形容詞的、副詞的に他の語を修飾します。

  例)
  形容詞的な前置詞句
    de(~の, of)
    G^i estas libro de Sato.
    (これは佐藤の本だ。 It is a book of Sato.)
  副詞的な前置詞句
    al(~へ, to)
    Li iras al lernejo.
    (彼は学校に行く。 He goes to school.)

不定詞句
  不定詞とは動詞から時間の要素を取り去った形です。
  不定詞は通常の動詞と同様に目的語などを持つことができます。
  エスペラントでは動詞の語尾をiにします。
  英語では動詞の原形の前にtoを置きます。
  不定詞は文の述語とはならずに、文の中で、名詞的、形容詞的、副詞的な
  役割をします。

  例)
  名詞的な不定詞句
    ludas(演奏する, play) > ludi(演奏すること, to play)
    Li amas ludi pianon.
    (彼はピアノを弾くことが好きだ。 He likes to play piano.)
  形容詞的な不定詞句
    komprenas(理解する, understand)
     > kompreni(理解する~, to understand)
    la kapablo kompreni vian ordonon
    (あなたの命じることを理解する能力
     the ability to understand your order)
  副詞的な不定詞句
    ac^etas(買う, buy)> ac^eti(買いに, to buy)
    Mi iris ac^eti.
    (私は買い物に行った。 I went to buy.)

分詞句
  分詞は不定詞と同様に、文の中で、名詞的、形容詞的、副詞的な
  役割をします。
  不定詞と違って時間の要素を持っています。
  エスペラントでは、6種類の分詞があり、それぞれ、名詞、形容詞、副詞の
  語尾を付けることができます。
    現在能動分詞 -ant-
    現在受動分詞 -at-
    過去能動分詞 -int-
    過去受動分詞 -it-
    未来能動分詞 -ont-
    未来受動分詞 -ot-
  英語では2種類の分詞があります。それぞれ、名詞、形容詞、副詞では
  形は同じです。
    現在分詞 -ing
    過去分詞 -ed

  例)
  形容詞的な分詞句
    動詞の語尾をantaにすることで分詞形容詞を作ります。
    kuras(走る, run) > kuranta(走っている~, running)
    Mi vidis viron kuranta en la parko.
    (私は公園で走っている男の人を見ました。
     I saw a man ranning in the park.)
  副詞的な分詞句
    動詞の語尾をanteにすることで分詞副詞を作ります。
    sidas(座っている, sit) > sidante(座って, sitting)
    Mi legis libron, sidante en la parko.
    (公園で座って、私は本を読んだ。
     I read a book, sitting in the park.)

接続詞句
  従属接続詞は、文全体を他の文の名詞的、副詞的な語として用いたい場合、
  その文の前に置いて用います。

  例)
  名詞的な接続詞句
    ke(~すること, that)
    Ni scias ke la terglobo estas bula.
    (私たちは地球が青いことを知っている。
     We know that the earth is blue.)
  副詞的な接続詞句
    se(もし~なら, if)
    Mi ne iros, se pluvos.
    (もし雨が降るなら、私は行かないでしょう。
     I will not go, if it will rain.)

文の構造7  (2007/02/26)
第7回は従属句についての続きです。

疑問詞・関係詞句
  疑問詞・関係詞句の中では、主文の対象となる語と、
  従属文の疑問詞・関係詞が関係します。
  主文の対象となる語のことを先行詞といいます。
  主文の先行詞を従属文の疑問詞・関係詞が代名詞(代形容詞、代副詞)の
  ようにして受けとり、その先行詞の詳細な説明を従属文の中で行ないます。
  関係詞とは、代名詞(代形容詞、代副詞)と接続詞を兼ねたものと
  考えることができます。
  先行詞は省略される場合が多いです。
  以下の例では、省略された先行詞を括弧の語で補って説明します。

  例)
  名詞的な疑問詞句(間接疑問文)
    kiam(いつ, when)
    Li scias (tion), kiam s^i s^telis monon.
    (彼は彼女がいつ金を盗んだのか知っている。
     He know when she stole money.)
    主文の先行詞 tio を 従属文が疑問詞 kiam で受け詳細を説明します。
    「彼は tio(何か)を知っていて、それは kiam(何かの時)であり、
    その時とは彼女がお金を盗んだ時」。
  形容詞的な関係詞句
    kiu(~する~, who)
    Mi vidis viron, kiu kuris en la parko.
    (私は公園で走っている男を見ました。
     I saw a man who ran in the park.)
    主文の先行詞 viro を 従属文が疑問詞 kiu で受け詳細を説明します。
    「私は viro(男)を見て、それは kiu(誰か)というと、
    公園で走っていた人」。
  副詞的な関係詞句
    kiam(~するとき, when)
    Mi dormis (tiam), kiam li venis.
    (彼が来たとき、私は寝ていました。
     I was sleeping when he came.)
    主文の先行詞 tiam を 従属文が疑問詞 kiam で受け詳細を説明します。
    「私は tiam(ある時に)眠っていて、それは kiam(何かの時に)であり、
    その時とは彼が来た時」。

「目的語+補語」句
  動詞のあとに続く目的語+補語が1つの文になっているものです。
  目的語が従属句の主語、補語が従属句の述語になっています。
  補語部分には、名詞、形容詞、前置詞句、不定詞句、分詞句がきます。
  正式な述語ではないので名詞や形容詞がきた場合には、estasは要りません。

  例)
  補語部分が名詞の場合
    La patrino nomis la bebon Taro.
    (母親はその赤ちゃんをタロウと名づけた。
     The mother named the baby Taro.)
    「目的語+補語」の部分が la bebon estas Taro という
    文にとらえる事が出来ます。
  補語部分が形容詞の場合
    Tio faris min felic^a.
    (そのことは私を幸せにした。 That makes me happy.)
    「目的語+補語」の部分が mi estas felic^a という
    文にとらえる事が出来ます。
  補語部分が不定詞句の場合
    Mi vidis la turon fali.
    (私は塔が倒れるのを見た。 I saw the tower fall.)
    「目的語+補語」の部分が la turon falas という
    文にとらえる事が出来ます。

日本語の場合

  分詞、不定詞にあたるのは、動詞、形容詞の連用形、連体形です。
  連用形は副詞的な句、連体形は形容詞的な句を作ります。
  名詞的な句は連体形に「こと」や「もの」を付けて表現します。

    終止形 動く     赤い
    連体形 動く(こと) 赤い(こと)
    連用形 動き、動いて 赤く

  前置詞にあたるのは助詞です。
    「の」 彼の本
    「を」 本を読む
    「に」 ここにいる
    「で」 ここでする
    「へ」 そこへ行く

*注記
等位接続詞(文と文、語と語を対等に結ぶ)
  kaj(そして, and)
  au^(または, or)
  nek(~もまた~ない, nor)
  sed(しかし, but)
従属接続詞(従属句を作る)
  ke(~ということ, that)
  ol(~よりも, than)
  c^ar(~だから, because)
  se(もし~なら, if)
  kvankam(~だけれども, although)
  ju pli(~すればするほど, the more)本来副詞の des pli と対
前置詞
  de(~の, of)
  da(~の(数量), of)
  al(~へ, to)
  el(~の中から, from)
  per(~によって, by)
  c^e(~のところで, at)
  en(~の中で, in)
  sur(~の上に, on)
  por(~のために, for)
  pro(~の原因で, for)
  pri(~について, about)
  kun(~と共に, with)
  sen(~なしに, without)
  antau^(~の前で, before)
  post(~の後で, after)
  super(~の上方に, over)
  sub(~の下に, under)
  apud(~のそばに, beside)
  preter(~のそばを通って, past)
  lau^(~に沿って, along)
  kontrau^(~に対して, against)
  c^irkau^(~のまわりに, around)
  krom(~のほかに, besides)
  ekster(~の外で, outside of)
  inter(~の間に, between)
  tra(~を通して, through)
  trans(~の向こうに, across)
  malgrau^(~にもかかわらず, in spite of)
  anstatau^(~の代わりに, instead of)
  dum(~の間, during)
  g^is(~まで, until)
  po(~づつ)
  je(意味不定)

文の構造8  (2007/02/27)
第8回は相対句についてです。

相対句 = 先行詞 ・・・ 従属句

相対句とは先行詞の詳細内容がその語の後ろの従属句に説明されている
というものです。

特に関係詞の文がこれに相当します。
関係詞の文では、2つの文が先行詞と関係詞で結ばれています。
先行詞を含む文と関係詞を含む文があり、
先行詞の詳細内容を、関係詞を含む文が説明しています。
先行詞には主に普通名詞や指示詞(tiu tio等)が用いられます。
日本語の場合、指示詞の表す内容は、指示詞が出てくる前しかありません。
エスペラントや英語の場合、指示詞の後ろに出てくる場合があるのです。
これは、日本語にはない、ヨーロッパの言葉の大きな特徴です。
関係詞文がこれに当たります。

次の文は一般的な関係詞の文です。
  Mi vidis tiun , kiu kuris en parko.
  (私は公園で走っている人を見ました。)
  Mi vidis viron , kiu kuris en parko.
  (私は公園で走っている男を見ました。
   I saw a man who ran in park.)
tiu, viro が先行詞、kiuが関係詞です。
tiu は「その人」という指示詞ですが、
それが指している内容が kiu 以降の文に表されているのです。

比較文も関係詞文の一つのバリエーションです。
  Mi estas tiom alta, kiom li.
  (私は彼と同じくらい背が高い。
   I am as tall as he.)
まず先行詞 tiom で、「それくらい高い」と言っておいて、
「それくらい」の具体的内容を、その後の kiom の句で
「彼くらい」と述べています。

また次のような接続詞 kiam も関係詞文と考えることができます。
  Mi dormis (tiam), kiam li venis.
  (彼が来たとき、私は寝ていました。
   I was sleeping when he came.)
つまり先行詞 tiam が省略されていると考えるのです。

接続詞として使われる関係詞には次のものがあります。
  kiam(~する時, when)
  kie (~する所に, where)
  kiel(~するように, as)
  kiom(~するだけ, as much as)

間接疑問文も関係詞文と考えることができます。
  Mi scias (tion), kiam li venis.
  (彼がいつ来たか、私は知っています。
   I know when he came.)
先行詞 tio が省略されていると考えます。

エスペラントで便利なのは、接続詞か間接疑問文かどちらかあいまいなときに、
省略されていいる先行詞を補うことで、あいまいさを解決できることです。
上の例で言うと、tiam だと接続詞、tion だと間接疑問文だとわかります。

相対句は関係詞文以外もあります。
従属句に ke, c^u の文も含むと考えると、
次の文も相対句の文と見なすことができます。
  Mi estis tiom laca, ke mi ne iris al lernejo.
  (私は学校に行くことができなかったほど、疲れていた。
   I was so tired that I did not go to school.)
tiom が指す詳細を ke 以降で説明しています。
上の文は次ように直訳できます。
  私はその程度疲れていた。
  「その程度」とは「学校に行けない程度」だった。

相対句の文には次のようなものがあります。
  tia ... kia ---(---のような...だ, such ... as ---)
  tia ... ke ---(---するような...だ, such ... that ---)
  tial ... kial ---(---なので...だ, so ... as ---)
  tial ... ke ---(---するので...だ, so ... that ---)
  tial ke ---(---するので, so that ---)
  tiel ... kiel ---(---のように...だ, as ... as ---)
  (tiel) kiel ---(---のように, as ---)
  tiel ... ke ---(---するように...だ, so ... that ---)
  tiel ke ---(---するように, so that ---)
  tiom ... kiom ---(---ほど...だ, as ... as ---)
  (tiom) kiom ---(---ほど, as much as ---)
  tiom ... ke ---(---するほど...だ, so ... that ---)
  tiom ke ---(---するほど, so that ---)
  la sama ... kiel ---(---と同じ...だ, the same ... as ---)

英語のit ... that ... もエスペラントでは相対句の文に
当てはめることができます。
  Tio estas malfacila, ke mi uzas komputilo.
  (私がコンピュータを使うのは難しい。
   It is difficult that I use a computer.)

さらに次のようなものも相対句に含まれます。
  pli ... ol ---(---よりは、もっと...だ, more ... than ---)
  tro ... -i ---(---するには、あまりに...すぎる, too ... to ---)
  des pli ... ju pli ---
    (---であるほど、もっと...だ, the more ... the more ---)


ここで述べた相対句とい構造は、私がエスペラントを学んで、 初めて気がついた構造です。 英語で同等を表すには次のように言います。   Taro is as tall as Masato.   (タロウはマサトと同じくらい背が高い。) 私はこれを見て、なぜ as が2つ必要なのか不思議でした。 as は一つでいいのではと思ったのです。 いろんな参考書を読んでも疑問は解かれないまま、 時間が過ぎていきました。 この疑問が解けたのは、同じ意味のエスペラントの文を見た時です。   Taro estas tiom alta kiom Masato. これは関係詞の文だったのです。 前の as (tiel) は先行詞(指示副詞)で、 後の as (kiel) は関係詞(接続詞)です。 エスペラントは言語の仕組みが整理されているので、 このような構造が明るみになったのです。
文の構造9  (2007/02/28)
第9回はその他の句についてです。

la + 形容詞 -> 名詞句
  形容詞にlaをつけると名詞的な意味を持ちます。
  例)la mia  私のもの
  例)la morta 死者

de 抽象名詞  -> 形容詞句
  「de 名詞句」は形容詞的意味を持ちます
  例)G^i estas de bona kvalito. それは良い品質です。

副詞 da 名詞 -> 名詞句
  「副詞 da 名詞」は名詞的意味を持ちます
  例)Kelke da serpentoj 何匹かのヘビ

前置詞 + 前置詞-> 前置詞
  de, el, g^is とほかの前置詞を組み合わせて、
  移動の起点、到達点を表す前置詞句を構成します。
  例)el sub ~のしたから

前置詞 + 副詞 -> 副詞句
  de, el と場所を表す副詞を組み合わせて、
  移動の起点を表す副詞句を構成します。
  例)de malproksime 遠くから

副詞 + 前置詞 -> 前置詞
  副詞と前置詞を組み合わせて、前置詞を構成します。
  例)fine de ~の終わりに

前置詞 + 接続詞-> 接続詞
  前置詞と接続詞を組み合わせて、接続詞を構成します。
  例)antau^ ol ~する前に
    post kiam ~した後で
    de kiam ~したときから
    por ke ~するために
    krom ke ~するほかに
    krom se ~する場合を除いては

副詞 + 接続詞 -> 接続詞
  副詞と接続詞を組み合わせて、接続詞を構成します。
  例)tuj kiam ~するとすぐ
    nun kiam 今や~したからには
    c^iufoje kiam ~するたびに
    escepte ke ~するほかに
    escepte se ~する場合を除いては

複数の語の集まり -> 副詞句
  複数の語の集まりで副詞的な意味を持つことがあります。
  例)unu al la alia お互いに
    mano en mano 手に手をとって

名詞 + 語尾n -> 前置詞句
  名詞に語尾nを付け加えることは、
  前置詞の置く代わりになることがあります。
  ・前置詞 al の代わり。
    例)Mi iris al la lernejo. -> Mi iris la lernejon.
      私は学校へ行った。
  ・前置詞 dum の代わり。(期間の長さ)
    例)Mi lernas Esperanton dum 3 monatoj.
     ->Mi lernas Esperanton 3 monatojn.
      私はエスペラントを3ヶ月間学んでいる。
  ・前置詞 en の代わり。(日付)
    例)Taro iris al Ameriko en la 22a de januaro.
     ->Taro iris al Ameriko la 22an de januaro.
      タロウは1月22日にアメリカへ行った。
  ・前置詞 je の代わり。(関係、時刻、回数、数量)
    例)S^i kredas je dio.
     ->S^i kredas dion.
      彼女は神を信じている。

副詞 + 語尾n -> 副詞句
  ・場所を表す副詞に語尾nをつけることによって、
   その場所への移動を表す副詞句になります。
    例)hejmen 家へ
      kien どこへ

文の構造10  (2007/03/01)
第10回は助動詞についてです。

助動詞というのは、日本語、英語、エスペラントとも共通した役割
をもっています。それは動詞に付いて、動詞の意味を広げることです。

日本語の場合

  時間的な意味の付加
    「た」(過去)
  機能の付加
    「ない」(打ち消し)
  動作の行為者と受け手の立場の変換
    「れる」「られる」(受身)
    「せる」「させる」(使役)
  話者の心的態度の表現
    「れる」「られる」(可能)
    「う」「よう」(推量)
    「たい」(希望)

英語では、このような機能は主に助動詞であらわされますが、
助動詞ではないもので表されることもあります。

  時間的な意味の付加
    過去は助動詞を使わずに動詞の語形を変化させます。
    未来は助動詞 will で表します。
    進行は助動詞 be と現在分詞で表します。
    完了は助動詞 have と過去分詞で表します。
  機能の付加
    打ち消しは助動詞 do と not で表します。
  動作の行為者と受け手の立場の変換
    受身は助動詞 be と過去分詞で表します。
    使役は助動詞を使わずに動詞 make と原形動詞で表します。
      例)I made him sing.(私は彼に歌わせた。)
  話者の心的態度
    可能は助動詞 can で表します。
    推量は助動詞 may で表します。
    希望は助動詞を使わずに動詞 want と不定詞で表します。

エスペラントには助動詞がありません。
英語の助動詞に相当するものは、次の3つのいずれかに当てはまります。

1.動詞の語尾

  未来を表す場合、英語では will を使いますが、
  エスペラントでは、動詞の語尾を os にします。
    Estos pluvo.(雨が降るでしょう。 It will be rain.)

  意志を表す場合、英語では shall を使いますが、
  エスペラントでは、動詞の語尾を u にします。
    C^u ni dancu?(踊りましょうか。 Shall we dance?)

  仮定を表す場合、英語では would を使いますが、
  エスペラントでは、動詞の語尾を us にします。
    Se mi estus juna, mi irus kun vi.
    (私が若ければ、あなたと一緒に行くのだが。
     If I were young, I would go with you.

2.動詞+不定詞

  可能を表す場合、povi を用います。
    Mi povas nag^i.(私は泳ぐことができる。 I can swim.)

  断定、義務す場合、devi を用います。
    Mi devas iri tien.
    (私はそこへ行かなければなりません。
     I must go there.)

3.esti+分詞形容詞

  受け身の文を作る時は esti を前に置き、
  動詞の語尾を受動分詞の形容詞 -ata の形にします。
    Mi estis vidata de tiu homo.
    (私はあの人に見られた。
     I was seen by that man.)

補足

  ・過去を表す場合、英語と同様に語形を変化させて、動詞の語尾を
   is にします。
  ・打ち消しは助動詞を使わずに、副詞 ne を動詞の前に置きます。
  ・使役は英語と同様、助動詞を使わずに、動詞 igi と動詞の
   不定形で表します。
     例)Mi igis lin kanti.(私は彼に歌わせた。)

*注記
英語の場合、助動詞は動詞に似ていますが、以下の点で動詞と違っています。
・分詞、不定詞にならない。
・過去形が無いものがある。
・目的語に原形動詞(toの無い不定詞)をとる。
 (動詞ではtoの付いた不定詞のみ目的語にとれる。)
・be, haveは原形動詞ではなく分詞をとる。

文の構造11  (2007/03/02)
第11回は動詞のパターンについてです。

動詞がとる名詞のパターンで多いのは次の2つです。

1.主語だけのもの
  (例)Mi sidas.(私は座っている。)

2.主語と直接目的語があるもの
  (例)Mi legas libron.(私は本を読む)

今回はこれ以外のパターンをとる動詞を説明します。

3.名詞、形容詞を述語にする動詞

  第4回で名詞、形容詞を述語にするには estas を前に置くと
  説明しました。
  esti 以外にも名詞、形容詞を述語にする動詞があります。

  esti  (~である, be)
  s^ajni (~のようである, seem)
  aperi  (~のようである, appear)
  farig^i (~になる, become)
  ig^i  (~になる, get)
  aspekti (~に見える, look)
  resti  (~の状態にとどまる, remain)

4.直接目的語と間接目的語をとる動詞

  第2回で目的語が2つある例を説明しました。
  直接目的語は語尾にnが付き、間接目的語は前置詞が付きます。

  doni 物 al 人   ((人)に(物)を与える, give 物 to 人)
  rakonti 物 al 人  ((人)に(物)を告げる, tell 物 to 人)
  raporti 物 al 人  ((人)に(物)を告げる, tell 物 to 人)
  prunti 物 al 人  ((人)に(物)を貸す, lend 物 to 人)
  sendi 物 al 人   ((人)に(物)を送る, send 物 to 人)
  montri 物 al 人  ((人)に(物)を示す, show 物 to 人)
  transdoni 物 al 人 ((人)に(物)を渡す, pass 物 to 人)
  pagi 物 al 人   ((人)に(物)を支払う, pay 物 to 人)
  oferti 物 al 人  ((人)に(物)を提供する, offer 物 to 人)
  promesi 物 al 人  ((人)に(物)を約束する, promise 物 to 人)
  alporti 物 al 人  ((人)に(物)を持ってくる, bring 物 to 人)

  ac^eti 物 por 人  ((人)のために(物)を買う, buy 物 for 人)
  fari 物 por 人   ((人)のために(物)を作る, make 物 for 人)
  fari 事 por 人   ((人)のために(事)をしてやる, do 事 for 人)
  akiri 物 por 人  ((人)のために(物)を得る, get 物 for 人)
  postlasi 物 por 人 ((人)のために(物)を残す, leave 物 for 人)
  mendi 物 por 人  ((人)のために(物)を注文する, order 物 for 人)
  elekti 物 por 人  ((人)のために(物)を選ぶ, choose 物 for 人)
  kuiri 物 por 人  ((人)のために(物)を料理する, cook 物 for 人)

  danki 人 pro 事  ((人)に(事)を感謝する, thank 人 for 事)
  demandi 人 pri 事 ((人)に(事)をたずねる, ask 人 事)
  respondi 人 pri 事 ((人)に(事)を答える, answer 人 事)
  envii 人 pri 事  ((人)に(事)をうらやむ, envy 人 事)
  pardoni 人 pri 事 ((人)に(事)を赦す, forgive 人 事)
  informi 人 pri 事 ((人)に(事)を伝える, inform 人 about 事)
  interesi 人 pri 事 ((人)に(事)の興味を持たせる, interest 人 in 事)

  preferi A al B  (BよりAを好む, prefer A to B)

5.目的語と補語をとる動詞

  第7回では目的語の後に補語をとる例を説明しました。
  目的語と目的語補語が主語、述語の関係にあります。

  nomi ... ---   (...を---と名づける, name)
  elekti ... ---  (...を---に選ぶ, elect)
  konsideri ... --- (...を---と思う, think)
  opini ... ---   (...を---と思う, think)
  kredi ... ---   (...を---と信じる, belive)
  senti ... ---   (...を---と感じる, feel)
  trovi ... ---   (...を---とわかる, find)
  remarki ... ---  (...を---とわかる, find)
  teni ... ---   (...を---にしておく, keep)
  fari ... ---   (...を---にする, make)
  vidi ... ---   (...が---するのを見る, see)
  au^di ... ---   (...が---するのを聞く, hear)
  igi ... ---    (...に---させる, have)
  lasi ... ---   (...に自由に---させる, let)
  helpi ... ---   (...が---するのを手伝う, help)
  g^eni ... ---   (...が---するのをじゃまする, hinder)

6.間接目的語だけをとる動詞

  直接目的語をとらずに、間接目的語(前置詞付きの目的語)だけを
  とる動詞があります。

  alig^i  al ...    (...に申し込む)
  c^agrenig^i  pri ... (...を悩む)
  fieri  pri ...    (...を自慢する)
  konatig^i  kun ...  (...と知り合う)
  konsisti  en ...   (...に本質がある)
  partopreni en ...   (...に参加する)
  suferi  pro ...    (...で苦しむ)
  aparteni  al ...   (...に属する)
  dependi  de ...    (...に依存する)
  interesig^i  pri ... (...に興味を持つ)
  konsisti  el ...   (...から成り立つ)
  manki  al ...     (...に欠けている)
  temi  pri ...     (...を話題にする)
  edzig^i  al ...    (...と結婚する(夫になる))
  edzinig^i  al ...   (...と結婚する(妻になる))
  rekontig^i  kun ...  (...と出会う)

  主語に物がくる動詞もあります。

  物 plac^i al 人  ((物)が(人)のお気に入りである)
  物 necesi por 人 ((人)には(物)が必要である)

7.esti+形容詞+間接目的語の場合

  形容詞は直接目的語を持つことができないので、
  前置詞を通じて間接目的語を持つことができます。

  esti favora al ...   (...に好意的だ)
  esti diferenca de ... (...と違う)
  esti kapabla por ...  (...する能力がある)
  esti certa pri ...   (...に確信がある)

  間接目的語が、前置詞句ではなく、不定詞や文の場合は、
  前置詞を置かない場合があります。

  esti facila por ...i  (...しやすい)
  esti kapabla ...i   (...する能力がある)
  esti preta ...i    (...する準備ができている)
  esti ema ...i     (...しがちだ)
  esti g^oja , ke ...  (...ことをうれしく思う)
  esti certa , ke ...  (...ことに確信がある)

文の構造12  (2007/03/03)
第12回は品詞のまとめです。

  エスペラント   英語       日本語
-----------------------------------------------------------
  動詞       動詞       動詞
  名詞       名詞       名詞
   (代名詞)    (代名詞)    (代名詞)
  副詞       副詞       副詞
   (代副詞)    (代副詞)
  形容詞      形容詞      形容詞
   (代形容詞)   (代形容詞)   (形容動詞)
   (冠詞)     (冠詞)     (連体詞)
   (数詞)     (数詞)
           助動詞      助動詞
  前置詞      前置詞      助詞
  接続詞      接続詞      接続詞
  間投詞      間投詞      感動詞

文の中心となる出来事を表す「動詞」。
その出来事を取り巻く人・物を表す「名詞」。
この2つが、文の骨となります。

動詞を修飾する「副詞」。
名詞を修飾する「形容詞」。
動詞の表現範囲を広げる「助動詞」。
名詞の表現範囲を広げる「前置詞」や「助詞」。
これらによって文が肉付けされます。

「接続詞」によって、文と文、語と語がつながります。
「間投詞」や「感動詞」によって、文に感情や音や情景等を盛り込みます。

これ以外に代名詞、代形容詞、代副詞、冠詞、数詞、形容動詞、連体詞
などの品詞があるという説もありますが、これらは、この8種類の
品詞の一部とみなすことができます。



品詞転換について

ある品詞を別の品詞的に使いたいときは、
エスペラントでは語尾を付け替えて、簡単に品詞転換ができます。
これは、他の言語にはではないエスペラントの特徴です。
しかし、この方法で作られた品詞の意味は長年の使用の中で、
固定的な意味が決まってきますので、
各話者が自由に行なえるわけではありません。
例えば、krono(王冠)の動詞形 kroni は、
「王冠をかぶる」ではなく、「王に任ずる」です。
profeto(予言者)の動詞形 profeti は、
「予言者になる」ではなく「予言する」です。
oro(金)の動詞形 ori は、
「金をつくる」ではなく「金メッキする」です。
語尾を付け替えて品詞転換した単語を使用するには、
意味を辞書で確かめる必要があります。
自由に品詞転換したいときは、実際には、下記のような、
語の組み合わせ等で、行ないます。

エスペラントの場合

       名詞的用法 動詞的用法 形容詞的用法 副詞的用法
  名詞   ---------- esti +   de +     前置詞 +
  動詞   不定詞   ---------- 分詞     分詞
  形容詞  la +    esti +   ------------ 語尾をeに付替

  語を前に置いたり、不定詞や分詞にすることによって、
  品詞の転換が行なわれます。
  形容詞から副詞への転換は語尾を付替るしかないようです。

英語の場合

       名詞的用法 動詞的用法 形容詞的用法 副詞的用法
  名詞   ---------- be +    of +     前置詞 +
  動詞   不定詞   ---------- 分詞     分詞
  形容詞  the +    be +    ------------ 語尾にly付ける

  エスペラントの場合とほぼ同じなので説明を省略します。

日本語の場合

       名詞的用法 動詞的用法 形容詞的用法 副詞的用法
  名詞   ---------- + だ    + の     + 助詞
  動詞   + こと   終止形   連体形    連用形
  形容詞  + こと   終止形   連体形    連用形

  語を後に置いたり、連体形や連用形にすることによって、
  品詞の転換が行なわれます。



*注記

間投詞
  ha(ああ, ah)
  ho(まあ, oh)
  ve(ああ(悲哀), wo)
  u^a(ワァ(叫び声), wah)
  fi(チェッ, shame)
  he(おーい, hey)
  adiau^(さようなら, good-by)
  bis(アンコール, encore)
  hura(万歳, hurrah)

日本語の形容動詞、連体詞とは。
形容詞には「白い」「美しい」などの「い」で終わるものと、
「穏やかな」「この」などの「い」で終わらないものがあります。
「い」で終わるものだけを形容詞とし、終わらないものを別に扱う
説があります。
「穏やかだ」というように述語になれるものを形容動詞と呼び、
「この」のように述語になれないものと連体詞と呼びます。

エスペラントの文の構造 補足編1  (2007/06/08)
以前「文の構造」と題して全12回でエスペラントの文の構造を
説明しました。その後、「エスペラントの基礎」の「練習問題集」
の中のすべての文を調べ、「文の構造」の内容で説明できるか点
検してみました。すると、補足説明を必要とする文がいくつか見
つかりました。今回はそのことについて何回かに分けて説明して
いきます。

「~にある」という意味の esti   以前、esti は、名詞や形容詞を伴って「~は~だ」という   ことを表すと説明しました。   その他にも、esti は、場所を表す副詞句を伴って、「~は   ~にある」ということを表すことができます。     La libro estas sur la tablo.     その本はテーブルの上にある。     Jen estas pomo.     ほらここに、リンゴがある。     Kie estas la libro kaj krajono?     どこに、その本と鉛筆があるか?   Jen や kie のときには、主語が esti の後に来るのが、   一般的です。
esti の補語   esti の補語には、名詞、形容詞以外に、kielの接続詞句が   なることができます。     Nia regimentestro estas por siaj soldatoj kiel bona patro.     私達の連隊長は自分の兵士にとってよい父のようである。   主語が無いときや、主語が不定詞句や接続詞句の場合、   esti の補語には形容詞の代わりに副詞を使います。     Resti kun leono estas dang^ere.     ライオンとともにいるのは危険だ。
不定詞句の意味上の主語   不定詞句の意味上の主語が、属している文の主語の場合     Li amas ludi piano. (Li が意味上の主語)     彼はピアノを弾くのが好きだ。   不定詞句の意味上の主語が、属している文の目的語の場合     Mi vidis lin ludi piano.(lin が意味上の主語)     私は彼がピアノを弾くのを見た。   不定詞句の意味上の主語が、属している文の前置詞句の場合     Estas malfacile por mi ludi piano. (por mi が意味上の主語)     私がピアノを弾くのは難しい。
不定詞の名詞的以外の用法   iri, veni, kuri の後の不定詞がその意味を補足し、   「~しに、行く(来る、走る)」を表します。     S^i tuj kuris bati s^in.     彼女はすぐ彼女を走っていき叩いた。     Mi iros gliti.     私はすべりに行くだろう。   抽象的な名詞の後の不定詞がその名詞の意味を補足します。     Jam estas tempo iri domen.     すでに家へ帰る時間です。   kurag^i の意味を不定詞が補足し、「~する勇気がある」を   表します。     Kiu kurag^as rajdi sur leono?     だれがライオンに乗る勇気があるか。   c^esi の意味を不定詞が補足し、「~するのをやめる」を   表します。c^esi(やむ)は自動詞なので、目的語を取りませ   んが、後の不定詞は何のことについて止んだのかを説明して   います。「仕事することにおいて、私がやんだ」となり、   意味的には「私が仕事をやめた」となります。     Li c^esis labori.     彼は仕事をやめた。
ke 接続詞句の名詞的以外の用法   ke 接続詞句が副詞的に使われます。     La sepan tagon de la semajno Dio elektis,     ke g^i estu pli sankta, ol la ses unuaj tagoj.     週の7番目の日を、最初の6日より聖くあるように、     神は選んだ。   ke 接続詞句が副詞を補足します。     Kia demando! kompreneble, ke mi lin amas.     何ていう質問だ!もちろん、私は彼を愛している。     kompreneble(もちろん、理解できる)を ke 接続詞句が     補足し、何を理解できるのかを示しています。   ke 接続詞句が名詞を補足します。     Mi faras al vi donacon,     ke c^e c^iu vorto, kiun vi diros,     el via bus^o eliros au~ floro au~ multekosta s^tono.     あなたが話すそれぞれの言葉で、     あなたの口から花や高価な石が出るという     贈り物を私はあなたにする。     donaco の説明を ke 接続詞句が行なっています。   指示代名詞の内容が ke 接続詞句で示されます。     Tio c^i estis la unua fojo,     ke s^i nomis s^in sia filino.     彼女(母)が彼女(少女)を自分の娘と呼んだのは     これが初めてだった。     Tio c^i さす内容は ke 接続詞句になります。
エスペラントの文の構造 補足編2  (2007/06/09)
間投詞以外の間投詞的な使い方

  間投詞とは感動、応答、呼掛けを表す語です。
  また主語、述語、修飾語となることがなく、
  他の語に修飾されることもありません。
  つまり他の語と文法上の関連を持たない品詞のことです。

  次のようなものがあります。
    ha(ああ)ho(まあ)ve(ああ)
    u^a(ワァ)fi(チェッ)he(おーい)
    adiau^(さようなら)bis(アンコール)
    hura(万歳)

  本来は間投詞でないものも、間投詞的に使われることがあります。

  人に対する呼びかけ

    Ludoviko, donu al mi panon.
    ルドビク、私にパンを下さい。

  あいさつ

    Bonan matenon!
    おはよう。

  応答の ne, jes

    Ne, vi eraras.
    いいえ、あなたは間違っている。

  応答的な副詞

    Tre volonte, mia bona.
    喜んで。私の良い人よ。

数詞の名詞的用法   数詞は形容詞的に使われるのが普通ですが、   次のように名詞的に使われることがあります。     Kvin kaj sep faras dek du.     5と7で12になる。     この場合、目的語になっても語尾nは付きません。
hodiau^, hierau^, morgau^ の名詞的用法     hodiau^(今日), hierau^(昨日), morgau^(明日)は     名詞ではなく、副詞です。     形容詞的に使われる場合は、語尾aを付けて、hodiau^a     (今日の)という形にします。     しかし、名詞的に使う場合は、語尾oを付けるよりも、     そのままで使うことが一般的です。     Hodiau~ estas la dudek-sepa (tago) de Marto.     今日は、3月27日だ。     Hodiau~ estas bela frosta vetero,     今日は美しい厳寒な天候である。     C^u hodiau~ estas varme au~ malvarme?     今日は暖かいか寒いか。     hodiau^ は名詞的に使われても、やはり副詞なので、     esti に続く語は形容詞でなく、副詞になります。
名詞の省略 形容詞の後の名詞を省略することがあります。     El s^iaj multaj infanoj unuj estas bonaj     kaj aliaj estas malbonaj.     彼女の多くの子供たちの中で、ある者は良くて、     他の者は悪い。     unuj homoj(ある人々), aliaj homoj(他の人々)の     homoj が省略されています。     En tiuj c^i boteletoj sin trovas diversaj acidoj:     vinagro, sulfuracido, azotacido kaj aliaj.     これらの小びんの中に様々な酸がある。     酢、硫酸、硝酸、その他。     aliaj objektoj(他の物)の objektoj が省略されています。
限定詞の省略   la, mia などの限定詞は反復の省略がよく行なわれます。     mia frato kaj fratino estas la bogefratoj de mia edzino.     私の兄弟と姉妹は私の妻の義兄弟姉妹である。     mia frato kaj fratino の mia が複数になっていないのは、     fratino の前のmia が省略されていると考える。     la hundo kaj kato その犬とその猫
主語がない例   気候を表す場合は、主語がありません。     Pluvas. 雨が降っている。   命令文では主語の vi が省略されるのが一般的です。     Iru for! あっちへ行け!   接続詞句に主語がない例。     Se estas tiel, mi devas tien sendi mian filinon.     もし、そうであるなら、私はそこへ娘を行かせるべきだ。
エスペラントの文の構造 補足編3  (2007/06/10)
受け身

  いろいろな受け身表現について説明します。

  esti+~ata

    Tiu c^i komercaj^o estas c^iam volonte ac^etata de mi.
    この商品はいつも快く私に買われている。

    受身の文の de は、その行為者(買った人)を表わします。

  他動詞+sin

    Pas^tas sin grandaj brutaroj.
    多くの家畜の群れが放牧されている。
    (pas^ti 放牧する  pas^tas sin 放牧される)

    Sin trovas bolanta akvo.
    沸騰している湯がある。
    (trovi 見つける  trovi sin 見つけられる → 存在する)

  ~ig^i

    Li palig^is de timo kaj poste li rug^ig^is de honto.
    彼は不安で青白くなった、そして後で彼は恥かしさで赤くなった。
    (paligi 青ざめさせる palig^i 青ざめる)

    de は青白くしたもの、赤くしたものを表わします。

形容詞+前置詞句   形容詞を前置詞句が補足する例を紹介します。   plena je (~で満たされている)     glaso da vino estas glaso plena je vino.     「glaso da vino」はワインで満たされたグラスである。
目的語に前置詞 po が付く時   目的語の前に po(~ずつ)が前に付く場合、po は前置詞で   あるので、その後の名詞には語尾nが付きません。     Al c^iu el la infanoj mi donis po tri pomoj.     子供たちそれぞれに、私は3個づつリンゴを与えた。     ただし、最近では、poを副詞とみなし、tri pomojn と     する場合もあります。
sola の用法   sola(唯一の、一人の)は形容詞ですが、次の文のように、   副詞的に使われることがあります。     kion s^i faras tie c^i tute sola.     たった一人で彼女がここで何をしているか。     この sola は主語 s^i にかかります。     訳は「一人で」ですが、普通は副詞 sole にしません。     sole を使うと、動詞の方にかかってしまいます。     S^i venis sola. 彼女だけが来た。     S^i venis sole. 彼女は来ただけだ。
形容詞的な副詞   ec^, nur, ne, ankau^, almenau^ は副詞なので、動詞にかかる   のですが、名詞や前置詞句にかかることがあります。   この場合、強調する語句の前に置きます。     Ec^ infano scias tion. 子供でもそれを知っている。     malfermita ec^ en dimanc^o 日曜日でも開いている。     Nur s^i venis. 彼女だけが来た。     S^i nur venis. 彼女は来ただけだ。     Vi ne vidis min. あなたは私を見なかった。     Vi vidis ne min. あなたが見たのは私ではない。     Mi konas ankau^ tion. 私はそれも知っている。     Ankau^ mi konas tion. 私もそれを知っている。     Almenau^ tri homoj venis. 少なくとも3人が来た。     Li havas almenau^ tri mil enojn.     彼は少なくとも3千円持っている。
エスペラントの文の構造 補足編4  (2007/06/11)
s^ajni の用法

  A s^ajni B で、「AがBのようだ」を示します。

    Vi s^ajnas laca.
    あなたは疲れているようだ。

  s^ajni al A  ke B で、
  「A には B に思える」を示します。

    S^ajnas al mi,
    ke el s^ia bus^o elsaltas perloj kaj diamantoj!
    私には、彼女の口から真珠とダイアモンドが
    飛び出しているように思える。

peti の用法   peti de 人 事 で「人に事を頼む」を示します。     S^i petis de s^i trinki.     彼女は、彼女に飲ませてくれるよう頼んだ。     この場合、「事」が直接目的語、「人」が間接目的語に     なります。   peti 人 pri 事 で「人に事を頼む」を示します。     Petu s^in pri pardono.     彼女に許してもらいなさい。     この場合は逆に、「人」が直接目的語、     「事」が間接目的語になります。   peti 人 事(不定詞か ke 接続詞句)で   「人に~することを頼む」を示します。     Malric^a virino petis s^in,     ke s^i donu al s^i trinki.     貧しい女が彼女に飲ませてくれるように頼んだ。     この場合は不定詞か ke 接続詞句が間接目的語に     相当しますが、前置詞 pri は付きません。   peti A al B で「AをBの所に通す」を示します。     Se li jam venis, petu lin al mi.     彼がすでに来ていたら、彼を私の所に通しなさい。
pardoni の用法   「pardoni al (人) (事)」で、「(事)について(人)を赦す」   という意味があります。     Pardonu al mi, patrino, ke mi restis tiel longe.     私を赦してください、お母さん、とても長くかかってしまって。
helpi の目的語   helpi の目的語には、前置詞 al が付くことがあります。     Mi povos helpi al vi.     Mi povos helpi vin.     私はあなたを助けることができるだろう。
連語   複数の単語または略語の組み合わせで、接続詞、副詞的な意味   を持つ句を作ります。   t. e. (tio estas)(つまり)     Por c^iu tago mi ricevas kvin frankojn,     sed por la hodiau~a tago mi ricevis duoblan pagon,     t. e. dek frankojn.     毎日、私は5フランを受け取る、     しかし、今日は、2倍の支払、     つまり、10フランを受け取った。   tute egale cu^ ~(~であるかをどうかを問わず)   直訳すれば「~である場合も、そうでない場合も全く同様に」。     en tiaj okazoj ni uzus la finig^on "n"     tute egale c^u ia prepozicio starus au~ ne.     そのような場合には、     なんらかの前置詞があるかないかを問わず、     語尾 "n" を使う。   kiel eble pli ~(できる限り~)     Sed estas bone uzadi la vorton "je" kiel eble pli malofte.     しかし、"je" という語はできる限りまれに使うのが良い。
エスペラント、英語、日本語の文の構造  (2012/11/05)
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