状態の転倒

状態の変化永遠の地獄永遠の死

 

 

天界の秘義6977

 

「あなたが川から取り出した水」。これは状態の転倒を意味している事はすぐ以下に述べられていることから明白である、なぜなら『それは乾いた(地)の中で血となるであろう』と言われ、そのことにより自然的なものの中で真理がことごとく誤謬化され、剥奪されることが意味されているからである。このことが起ると、状態は完全に転倒してしまい、そこから、これらの言葉は、状態の転倒を含んでいるため、またそれを意味していると言われている。自然的なものの中で、それが誤謬により全く占領されると、その状態はまた全く転倒してしまうのである。このことは人間が世に生きている間はそのもとにめったに起りはしないが、しかし他生では地獄に投げ込まれる凡ての者のもとに起るのである。そのことは人間が世に生きている間はそのもとにめったに起りはしないことは、人間はその時、自由の中に在って悪から遠ざかりさえするなら、改良されることが出来る状態に絶えず置かれているためである。しかし死後は彼の生命は彼に従って行き、彼は世におけるその生命の全過程により獲得した状態の中に止まるのである。

 

 

天界の秘義6977

 

その時悪の中にいる者は最早改良されることは出来ない、そしてその者は天界のいかような社会とも交流を持たないようにと、真理と善とはことごとくその者から取り去られてしまい、かくて彼は悪と誤謬の中に止まるが、その悪と誤謬とは、彼が世で獲得したところの悪と誤謬とを受ける能力に順応して、そこに増大して行くのである。にも拘らず彼はその獲得された限界を越えることは許されてはいない。この状態の転倒がここに意味しているされているものであり、それは彼は最早その内部の方面では匡正されることは出来ないで、ただ外部の方面でのみ、即ち、刑罰の恐怖により匡正されることが出来る底のものとなるのである。彼はそうした刑罰を幾度も受けた後で、遂に悪から遠ざかるが、それは自由から行われるのではなくて、強制によっており、悪を為そうとする欲念は依然存続しているのである。この欲念は、前に言ったように、匡正するための外なる、強制的な手段である恐怖により抑制されているのである。これが他生の悪い者の状態である。

 

 

 

 

天界の秘義3816[2]

 

 にもかかわらず報酬は、未だ導き入れられていない者たちには連結の手段として役立っている、なぜなら未だ善とその情愛の中に導き入れられていない者たち(すなわち、未だ充分に再生していない者たち)は報酬について考えないわけにはいかないからである、なぜならかれらはその行う善を善の情愛から行わないで、自己のために祝福と幸福とを求める情愛から、また同時に地獄を恐れる恐怖から行うからである。しかし人間が再生しつつあるときは、これが転倒して、善の情愛となり、そのときはかれはもはや報酬を目当てとはしないのである。