不伐の森「函南原生林」



大ブナ

函南かんなみ原生林の
巨大ブナ
樹齢 約700年

   

東京からこれほど近いところに、多種多様な樹木が鬱蒼と生い茂る原生の森があるとは、数年前まで知らなかった。その名は函南原生林。

箱根峠の南、箱根の古期外輪山の南西斜面に広がる原生林で、江戸時代に水資源を確保しようと、関係者が自発的に樹木を保護するようになったのが、この森林が今なお存在するゆえんという。

森林の中には、ブナ・アカガシ・ヒメシャラなどを観察しながら歩ける、1周約1時間半の「学習の道」がある。人気のない別世界で、小鳥のさえずりに心地よさを覚えながら、ブナとはどんな樹皮をしていて葉はどんな形かなど、関心のある人は樹木の勉強もできる。そして何よりも、オゾンに満ち溢れた(ように感じられる)空気を胸いっぱい吸い、快い汗をかけるのがいい。

歩いていて一番目を引くのがヒメシャラである。樹皮が赤茶色でつるつるしており、とにかく目立つ。つばき科と聞けば、納得がいく。森を訪れた二回目のときに、入り口で30人くらいの集団に出合った。学者風のリーダが説明しているのを何気なく聞いていたら、この辺りがヒメシャラの北限なのだそうだ。

この森林は、静岡県と函南町が大切に守っている。訪問者もきちっと決まりを守り、これからもずっと今の姿を保ち続けさせなければならない。


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