Studio's Literary


管理人手記 / 雑記帳

ここはこのサイトの管理人kuribowの日々の自堕落... もとい切磋琢磨している
様子が克明に記された血と汗と涙と そして笑いのドキュメントであ〜る...


2002 March : ようやく落ち着きかけてる時期です

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Mar. 1 (fri) 

先日プルデンシャルの頂にあるバー『ハブ』で撮影したボストンの夜景などをご覧下さい。
 



 

いい眺めです。
 
Mar. 2 (sat) 

 
日記です。
 
今日は練習の鬼と化してました。
一畳あるかないかのスペースに6時間。
ホントは毎日これくらいの時間練習したいんですけどね。
 
その後吉川君(癒し系)を指導。
音色に関してあーだこーだ吹いたり話したり。
楽器のコンディションが悪いと機嫌が悪くなる困ったちゃんなのだが
とにかく飲み込みが早い。
 
練習後、ケイジン邸で韓国風焼肉、『プルコギ』パーティ。
韓国人の友達2人が作ってくれたのだ。
風邪気味の身体に染みる染みる。
めちゃくちゃ美味かった!
 
帰宅後、パソコンのメールソフトがクラッシュ。
眠いので明日復旧させます。
 
では、おやすみなさい。
 
 
Mar. 3 (sun) 

 
最近疲れているせいか土・日はあまり目立った行動をしないため、
ネタに困ります。
別に面白くなくても許して下さい。
 

明日から中間テストウィーク。
個人的な練習もさることながら、準備に手間がかかってます。
与えられた課題を消化するのにてこずっております。
 

そうそう、結局メールソフトの復旧はなりませんでした。
 
この間にメールを下さったみなさん、まだ見れてません。
暫らくご迷惑をおかけするかも知れませんが、速やかに復旧の意思はあります。
それまではこちらのアドレスにお願いします。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
studiojets@hotmail.com
 

では、ちょっと一息ついて頂きましょうかね。
ボストンの夕方から夜にかけての風景をお楽しみ下さい。
 

 


 
ハーバード大学(ケンブリッジ市)です 1年程前はこの辺に住んでました
 

 

 
ボストンからケンブリッジを撮影 ボストンのベッドタウンみたいな感じの場所です
 

 

 
ボイルストン・マサチューセッツアヴェニュー交差 学校のある交差点です
 

 

 
夜のチャールズ バックベイ地域の河川敷沿道 夜景はケンブリッジ
 

 

 
ボイルトン・ストリート 私は好きですね、こういう雰囲気
 

 

 
夜の教会 ボストンのど真ん中・コプリースクェアにある教会 
 

 

 
ケンブリッジよりボストンを撮影 特に思い入れのある景色です
 

 

 
ニューベリー・ストリート 雰囲気ありますね、夜中でも
 


 

夜のボストンをご覧頂きました。
 
 
Mar. 4 (mon) 

 
最近アパートの玄関に一人の老人がよく佇んでいる。
 
顔や肌の色から察するに南米系だろうか。
小柄で華奢、薄汚い風体で草臥れた表情を浮かべいつも煙草をふかしている。
この国は館内禁煙が常識で、室内で喫煙することが出来ず外に出てきて吸っているのであろう。
私が学校や買い物に出かけるときによく見かける。1日に4度見かけた日もある。
 
私が 'Hi !' と挨拶すると、『はい』とやはり草臥れた感じで訛りのある返事をする。
始めは不審に思いやや警戒していた。
風貌からして物乞いか盗賊の類である。
しかし何度か挨拶を交わしてるうち、笑顔で返してくるようになった。
しかもその力なさ加減が私の抱くその疑念を払拭した。
 
彼は煙草をふかす時に非常に穏やかな、いい表情を浮かべる。
本当に煙草が好きなんだろう、ゆっくり味わいつつふかしている。
「喫煙を楽しむ」男の姿がそこにはある。
しかもそれだけが楽しみだと云わんばかりの背中で。
 

ふと我が身を振り返った時、そういう動機で煙草をふかしていない自分がいる。
もちろん煙草をふかす動機など人それぞれだし、それどころか格好で吸いたがる中学生や
高校生も可愛気があっていいと私は思う。
(※これを見ている中高生諸君、確かに成長期である君達には向きません)
ただ、こういう余裕みたいなものが今の自分には圧倒的に欠けている、そう感じたのだ。
ある意味この老人が羨ましくも映った。
 

確かに今現在、余裕をかましている場合ではない。
しかし、我武者羅に突っ走る事で自分を見失うのは本意ではない。
元来常に自分を捉まえておきたい性分ではある。
しかしあの深みのある笑顔はとてもじゃないが出すことはできない。
 

こういうことを考えている時点でこれっぽっちの余裕もないと悟らされる。
さて、あの笑顔。いずれ出てくるものなのだろうか?
 
Mar. 5 (tue) 

ベーシスト来る
 

火曜日はフランク師のプライヴェート・レッスンの他にアンサンブルの授業があります。
 
正しくはスモール・ジャズ・アンサンブルという名前らしいのですが、要するにセッションです。
先生が持ってくる曲を演奏するだけ。シンプルです。
クラスによっては生徒達に曲を持ってこさせるケースもあるようです。
基本的な位置付けとしては生徒のアンサンブル能力の向上に主眼を置いた授業ってところです。
 

ただ、生徒の振り分け方に若干の問題があります。
 
ここ十数年来ギター生徒の大量増殖によって楽器別のバランスが取り辛くなってます。
マレット系楽器や管楽器を除くそれぞれの楽器は各クラスに1人づつくらいいます。
ただギタリストに関してはクラスに必ず2人います。上限2人と決められている為です。
普通、登録単位の上限を超えていない限り基本的には無制限にこの授業を登録できますが、
ギタリストに限りこの授業は登録1つまでと決められている状態です。
自分の肌に合わないとか方向性が違うという理由でドロップアウトすれば、
そのセメスターはこの授業無しということになってしまうのです。
卒業に必要な単位と言う訳ではありませんが、数少ない実践の場ではあります。
楽器によって取得上限や人数制限が生じてしまっているのが現状です。
 
あと、レベルごとにクラスが分けられているので楽器の欠員が多かったりします。
各レベルにそれぞれ満遍なく生徒がいるとは限らないんです。
特に全体の中でも絶対数の少ないベーシストに関してはほぼ取り合い状態になります。
 
そして本日ようやくベーシストをゲットしました。
そう、今まで何とベーシスト無しで授業が開講されてました。
始めの3週間はドラマーさえいませんでしたが...。
(※彼は単に登録ミスってただけなんですけどね。嘘みたいないいグルーヴしてますけど。)
 
先生が長らく奨学金を得て在籍しているベースの生徒を当たっていたのですが、
結局誰も現れずに今週の授業に至ってました。
 
たまたま教室の前を通りがかったベーシストに先生が話しかけた(交渉した)ところ、
彼が何のためらいも無く快諾したため、ようやく全パートクレジットの運びとなりました。
私の予想では、彼はベーシストの需要過多を知っていて始めから単位登録無しで入れる場所を探し、
このクラスに何となくチェックしに来たと思われる節はありましたが。
供給が満たされていない場合、こういうカタチでの参加を大学は認めている模様。
何にせよベーシスト到来。めでたしめでたし。
 

 

 

 

 

 
いや、ところがですよ。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2週間前ほどからギタリストが現れてないんですよ、それが。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかも2人とも....。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日談ですが、早まってドロップアウトした模様。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんという悲劇!
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ先生がギタリストなので我々は痛くも痒くもないんですが....。
 

 

 
しかし可愛そうな彼ら。
 
そんなわけで今日のセッションはメッチャ楽しかったです。
ベーシストもこのクラスレベルには勿体無い凄腕。ラッキーでした。
 

 
いや、彼らには非常に申し訳ないですが、これからが非常に楽しみなクラスです。
 

ぢゅる...。
 
 
Mar. 6 (wed) 

ハーモニー(理論)の授業で作曲の宿題が出されました。
 

と言っても「ブルース」と「循環」(何れもシンプルなコード進行のスタイル)での作曲。
ジャズを1年でも真面目にやった経験のある人にはさほど苦になるような宿題ではありません。
命がけで美しくカッコいいアレンジに仕上げようと思えばどんな曲でも手は掛かりますが、
授業で出された宿題程度の精神的負荷において、そんなアレンジ自分に課しません、普通。
つまり、手を抜かずとも割合容易に面白い曲が書きやすいフォームってことです。
まあ実際の所わたしは昔に書いた曲を持っていくつもりですがね、ふふふ...。
 
ところで「循環」が何か知ってる人に対するうんちくですが、
(曲で言うとRhythmaning / Cotton tail / Oleo / Anthropology / etc...)
これらをこちらでは"Rhythm Change"と呼ぶらしいです。
ガーシュインの名曲I got rhythmが、やはりこの進行を用いてる事からのネーミングだそうです。
リズムチェンジというとチュニジアグリーンドルフィンをつい思い浮かべてしまいますが。
 

 
一緒に授業を受けている黒人のピアニストが作曲を手伝って欲しいというので、
授業終了後しばらく彼の作曲に付き合うことにした。
 
彼はいわゆる初心者の部類に入るだろうか、しかし意気込みの熱いいい奴だ。
要するに彼が作ったメロディーを吹いて欲しいというだけの事だったので1時間ほど。
 

確かに今まであまりジャズは聞いてなかったというだけのことはあり、非常にゆっくり丁寧に
推敲を重ねながら作っていた。
ところがどうしてなかなか面白い3拍子のブルースに仕上がった。
自慢げな彼。
 

思いがけずいい曲になったので私も調子に乗って色々吹いて見たところ、
 

 

 

 

 

 

 
「友達のスタジオをタダで使わしてやる。」
 

 

 

 

 

 

 
「いい金になる仕事を紹介してやる!」
 

 

 

 

 

 

 
「一緒にクラブツアーをしないか?」
 

 

 

 

 

 

 

 

 
「レコーディングに付き合ってくれ!」
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
「俺とお前で世界に船出しよう!」
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
志して早々に転覆する気ですか!?
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんたと船出したら撃沈は目に見えてるよ...。
オマケに鼻息荒いし。
 

 

こっちの人ってどうも極端でいけない。
大体スタジオって大学に沢山ありますし。しかもあんたバンド持ってないよ。
 

 

 

具体的なプランを「気合い」の一言で片つける乱暴者。ある意味「素敵」ではありますけどね.....。
 

 
 
Mar. 7 (thu) 

 
以前、私のメールボックスに『召集令状』が入っていたとギャーギャー騒いでた事がありましたが、
その授業が今日からでした。
 

 

 

 

 

 

ポップ・ロックアレンジの演奏要員で召集された兵隊達。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みんな至って普通のジャズ屋でした。
 
っていうかロック系のオーラなんか微塵もないし。
 

 

 
しかしぞんざいな我々の扱い!
 

 

 

 

 

 

 
挨拶も無し...
 

 

 

場所指定も無し...
 

 

 

無言で待つ事一時間...
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

君達、今日は帰っていいよ。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
具体的なプランってものがねぇのかテメーらには!!!(激怒)
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
アルトの兵隊が帰り際にボソッと一言。
 

僕、今日これだけなんですけど...
 

早くも犠牲者が出た模様。
 

 
Mar. 8 (fri) 

 
吉川くん電化計画
 

周囲で千度唆した結果、まんまと彼はパソコンを購入してしまいました。
お金が無い』という理由で昼は即席ラーメン・夜は肉無しトマトスパという炭水化物満点の
食生活を送ってきた彼にとって、清水の舞台から飛び降りるくらいの決断だったに違いない。
 
確かに我々の周囲にはいわゆる電脳派が多く、パソコンを所持していないのは
彼くらいのもので、私がネットしている時でも横で指を咥えて見ていることがしばしば。
さして見るべきサイトもそんなに多くはないんだろうが、隣の芝は青々と茂ってるわけです。
日本にいる家族に購入・郵送してもらい、本日到着。
 



マニュアルを見ていながら接続設定に苦しむ吉川くん(癒し系)

 

どこまでも可愛気あります。
 
さて、彼がパソコンを購入したという事は、この日記もそのうち見るだろう事になるわけで、
迂闊な事は全く書けなくなってしまいました。
これで彼をネタに日記を書くことが難しくなりましたが、
これからはネットアイドルとして彼を売り出していく事に決めました。
 

そんなわけで皆さん、彼を宜しくお願いします。
 
Mar. 9 (sat) 

丁度私が初めて海を渡ってきたのが1年前。
 

 
写真を撮ったのがたまたま夜だったため全体はぼやけてしまっているが、
古くからある教会を学校として利用している建物だ。
この教会風の建物の前を通り、毎日語学学校に通っていた。
 
この風景には実に癒された。
特に私の中では思い入れのある、それこそ一生ものの一枚だ。
よくこの建物の前で煙草をふかし、コーヒーを飲み、そして物思いに耽った。
当時の日記には記していないと思うが、初めの頃はここで大粒の涙をよく浮かべていた。
 

初めの1ヶ月間は生きている心地すらしなかったのを鮮明に記憶している。
言葉の壁がここまで大きいとは思ってもみなかった。
全ての人が私より大きく見え、全てのものに怯えていた。
上は愚か正面を向いてでさえ歩けなかった。
そう、いつも、じーっと下を見ながら歩いていた。
 

本当に孤独だった...。
 

このままではいけないと思い、顔を上げ歩いた時、初めてボストンという街が見えた。
そして私が初めて感動を受けた建物であり、初めて見たボストンの建物である。
私が彼に気付く前から、彼は私のことを見ていただろう。
初めて彼を見上げた時、カモメが一羽彼の上を旋回していた。
 

その時初めてこれは逆境なのだと悟った。
 

私の語学学校時代の記憶は、この建物に全て封印されている。
 
彼を思い出すことで、全ての記憶を鮮明に甦らせることが出来る。
彼を思い出すことで、私は初心に帰ることが出来る。
 

 
この写真は、私の記憶と共に何物にも変え難い一生ものの1枚なのである。
 

 
Mar. 10 (sun) 
テストが月曜日から佳境に入ります。
 
本来はこの週からがテストウィークということになってますが、
この1週間に全授業のテストが集中するという事態を回避しようとしてくれる教授がちらほら。
その前の週にテストを実施する教授が中にはいる、というくらいの感じです。
 
因みに金曜日にあったテストは、教授が次の週に来る春休みを1週間引き伸ばすって理由で
我々を巻き添えにしやがりました。
家族でバハマへバカンスだそうです。やっぱ金持ってんですね、先生達。
 
まあ我々生徒にしてみれば今週の負担が軽減されるという結果に必然的になるわけで、
相互利益だ。
と主張する彼の思惑通りになります。
チェアにはバハマから電話で「娘が入院した」と説明するそうです。
テストで悪い点付けたらチェアに暴露してやります。
 

とにもかくにも私にとって久しぶりの中間テストです。
大学生に戻った気で(大学生なんですが)がんばります。
 
Mar. 11(mon) 

 
先日セッションで一緒にやらせて頂いたサックスのいわきさんのリサイタルがありました。
リサイタルといってもこの前お話した卒業演習ではなく、ただ講演目的のリサイタルです。
いや〜、かなり凄かったです。
5拍子のイスファハンやドッテドエイス(付点八分)割のサテライトなど圧巻でした。
全くポリを感じさせる事無く(しかもいやらしくなく)演奏し切れるポテンシャルの高さに、
そして曲が持っている雰囲気を損なわない繊細な感性に驚きっぱなしでした。
この方、やはりタダモノではありませんでした...。
 

そう、最近いわきさんには仲良くして頂いております。
この方経歴も凄いんですが、とにかく凄くいい方です。
 
自分のライブが終わったあと、彼を頼って日本から遊びに来ている弟弟子(小曽根門下)達と
我々を中華街へ晩飯食いに行こうって自ら誘ってくれました。
しかもその後ジョージ・ガゾーンのライブを見に行こうって話に自らしました。
すごいバイタリティーです。トリオのフリージャズですよ!?
(結局ジョージ・ガゾーン仕切りのライブだったのに彼はとうとう来ませんでしたが...。)
 
そうそう、一応許可は得ているのでいわきさんの写真などアップしときます。
 




 

 
写真、撮りますよ〜♪」って言ってから実際撮るまでに1分ほど時間かかるんですが、
ず〜っとこのポーズで待っておいででした。
 

 
そこでやっと気付きました。
 

 
この人が付く天然素材だ・・・
 

 

 
惚れた
わたくし、只今この人に惚れました
 

 
この場を借りて、兄さんと呼ばさせて頂きます!
 

 

この一つの事に集中すると他が見えなくなる性格。
これぞまさに日記の救世主出現です!
 

 
この人のそばにいれば当分ネタには困りません。今後ぴったりマークの方向で...。
 
 

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