Studio's Literary


管理人手記 / 雑記帳

ここはこのサイトの管理人kuribowの日々の自堕落... もとい切磋琢磨している
様子が克明に記された血と汗と涙と そして笑いのドキュメントであ〜る...


2001 March : 初海外初留学初英語 抵抗は無意味か?
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Mar.1 (thu.) 
そんなわけでもう3月ですな。今年は特に時間の経過が早いように感じるのは何ででしょうかね?
出国準備の方はすっかり滞っております。
さ、明日はがんばるぞ〜〜!!準備・・・。
 
Mar.2 (fri.) 
いよいよ明日出発です。こちらでは本当にいろいろな人にお世話になりました!なんとお礼を言ったらよいの
か・・・。もうちょっとやそっとのことでは帰ってこれないです。まあ中途半端な気持ちで行くわけではありま
せんが・・・。しかしここまで長かったな〜!ハプニング続きでしたがなんとか出国できそうです。それでは、
 
ぶっ放してきます!!!
 
Mar.3 (sat.) 阿蒙珍道中記〜(序章)〜 
海外に何度も行かれている方には恥ずかしくてあまり読んでほしくないのですが、珍しいので書きます。
そんなわけで出国当日!関空→デトロイト→ボストン(家はケンブリッヂ)と一日かけて移動してきました!
わざわざ関空まで見送りに来てくれた皆さん、遠いところ本当にありがとうございました!!最後にいい思い出
が出来ました!で、嵐の太平洋上空、相当怖かったです。ダメだ、飛行機は・・・。12時間ぶるぶる震え
ながら(一睡も出来んかった...)デトロイトに到着し(少し感動)、入国審査を受ける、と言っても素通り。
実にあっけない。この辺になってくると日本人の数がだんだん減ってくるのよね。なんとなく心細くなる瞬間。
地域を出たことのない人間がいきなり海外でやって行けるのだろうかとか、まあそれなりにいろいろ考え始める
時間帯ですな。で、とりあえずボストン行きの飛行機を待っていたら、ボストンから来た人たちが搭乗口より
降りてきたわけですよ。これが驚愕!目の醒めるような百貫デブの大名行列!! 凄いとは聞いていたん
ですが、これは少なく見積もって8割が100kg級(女込みで)!!これが乗ってて落ちないなら何があっても大丈夫
だなって思えてきました。そんなわけでボストン行きは(彼らの)お蔭様で爆睡!機内飲まず食わずでした。しかしボストンの夜景は本当に綺麗でした!!その後タクシーを
捕まえ(結構苦労した)ようやくなんとか現地へ。母は痩せた小柄なおばちゃん。息子はパーティーへ(まだ会って
ない)!これまた絵に描いたようなアメリカンなアパート。果たして彼らとうまくやっていけるだろうか・・・・。
 
Mar.4 (sun.) 
で、エディ(息子)が朝の3時に帰宅。叩き起こされ挨拶。明日でええやんけ〜!!しかし、ファッキンメリケン
という感じではない。寧ろ可愛い。(変な意味はない) 顔は巨人のメイにロッテのミンチーを足して無理やり3で
割った感じ。(おっさん臭はしない。) で、今朝からイヴォン(母)が周辺を車で案内してくれた。左ハンドルの
日産製、結構新鮮。その後地図で確認。ようやく所在地が判明。ボストンからマサチューセッツ通りを北上しチャー
ルズ川を渡って道沿いに徒歩15分の辺り。地下鉄"central sta."のすぐ近所と判明。これでやっと出歩ける。
溜めていたメールの半分ほどを返信し、疲労回復のため暫らく睡眠。そして晩飯。やはり食えたものではないが、
背に腹は換えられないので取り敢えず食う。一応少食ということにしているが、渡米民には珍しく痩せて帰国できる
可能性が出てきた。拍手!
その後好奇心からテレビを点けてみる。言葉が殆ど分からないので天気予報くらい。何気に見ていると驚愕の事実!
ボストン近郊にどうやらブリザードが迫っているらしい。空港は閉鎖、一通りもまばらでやたらヘビースノーシャワー
を連呼している。2日は発着できないらしい。入国が一日遅れていたらと思うとちょっと恐かったりする。
明日から授業開始、14時間の時差、朝7時半起床、今までのリズムで夜行性人間を返上できそうだ。
 
Mar.5 (mon.) 
今日から学校。と言っても授業は明日から。クラス分けのテストがあるのでいつもよりも早めの始業らしい。
朝食はシリアルにミルクと相場が決まっているらしく、日米共通の味のするものとして美味しく頂くことにする。
老犬のbaby(14歳・♂)が私の足元で心地よさそうに眠っている。食後準備を整え8時過ぎにアパートを出る。
出た瞬間、・・・凍った。(笑) 猛吹雪!一面雪景色のボストンを初めて一人で歩く。少々緊張気味。学校まで
はおよそ徒歩15分くらいと聞いていたが結局25分かかり、まんまと遅刻。しかしテストを受け始めてからも
ぞろぞろ入ってくる。早い方だった!テストを受けてみて思ったことだが、読解試験はまあそこそこ分かる。が、
リスニング試験で木っ端微塵になり、記述試験で灰と化してしまった。おいらこんなに出来なかったっけ?
日本人は聞き取る能力が非常に低いって誰かが言ってたけど、私の場合特に酷い。通りで言葉の壁を感じるわけだ!
聞き取りさえ出来れば・・・。痛烈に感じた。人の話が理解できないこの孤独感!!さ〜みしぃ〜〜〜!!
しかしそう打ちひしがられてもいられないので、帰って勉強。
そうだ、洗濯物をどうしようか?イヴォン(母・小柄で細身・ストイック)に尋ねてみたところ、先ずドル札を
クォーターなる物に換えなければならない。どうやらこれは25セントコインのことを指しているようだ。早速
銀行へ!たかが銀行、されどこれは私にとっては大冒険に等しい。いざ中へ入ってみると行員らしき人間は
一人もいない。窓の向こうに座っているおばさんが数名。私服で且つ名札なし。コーヒーを飲みながら何だか
大騒ぎしている。目を疑ったが、尋ねてみると行員だった。日本では考えられない風景。なんという国だ・・・。
無事交換し、一旦帰宅。その後地下にある洗濯室に案内された。ようやく全てを理解した私は速やかに洗濯開始。
大雨、大雪なのに乾くのは相当早い!何だか今日も驚きっぱなしの一日だ。晩飯(勿論少食と偽る)の後、学校
より連絡。明日は嵐で休みとのこと。
あう〜、疲れたーー!!!!
 
Mar.6 (tue.) 
今日は一日中家の中にいた。というのも外はドカ雪。よって学校も休みだったのだ。しかし、ここは北極か?と
言うくらいブリザードが止まない。常に横殴りの風雪が一日中吹き荒れている。これがこちらでは日常なのだろうか?
積雪も相当あるが湿度の関係か極寒と言う訳でもない。ところで我が家はケンブリッヂ市を東西に抜ける大通り
マサチューセッツAve.の側にある。大体20分に1回位はパトカーのサイレン音が聞こえるが基本的には非常に静かな
住宅密集地である。基本的にはイヴォン(母)とエディ(息子)の二人暮し。アパートを借りて住んでいるのだが、
私はその中の一室を与えられている。部屋にはテレビ、ベッド、クローゼット、電話、小さな机。これだけあれば十分
生活できる。ところで彼らは一日中電話を掛けている。何を話しているかは見当もつかないので詮索のしようがない
のだが、日本では話し好きで知られていた私が驚嘆する会話量である。一体何をそんなに話すことがあるのだろう
か・・・・。今日一日彼らを観察していて面白いことに気が付いた。イヴォンは電話中一度も笑わない。彼女のクールで
ストイックなイメージは恐らくこのあたりにあるのだろう。しかし実際は私に非常に気を使ってくれていると感じる
瞬間がある。明らかに他の人との話し方が違う。まあいつもの調子で捲し立てたところで相手は話しが通じないのだから
無理もない、寧ろ助かる。で、エディの方だが、彼(17〜8歳の青年)は電話の受話器を取ると所狭しと家中を歩き
回るクセがあるようだ。勿論会話は家中筒抜け。結構汚い言葉を電話では多用しているが、至って素朴な青年である。
そういう年頃なのだろうが、そういうところが何とも微笑ましい。
いよいよ明日より学校。クラス分けの発表がある。腹を括って行くとしよう・・・・。
 
Mar.7 (wed.)  阿蒙珍道中記 〜奮闘編〜 
そんなわけで本日より授業開始。適度な緊張感が私を起床時間前に起こさせた。外を見ると昨日までの大雪が嘘の
ようにピタッと止んでいる。イヴォンは「金曜日にまたデッカイのが来る!」と言いながら私に朝食の皿を渡した。晩飯
がまあこういう状態なので朝は大量に咽喉に詰め込むことにする。シャワーを浴び、学校に出かける。このあたりは私
の日本での生活とさして変わりはない。もっとも学生時代の話だが・・・。
 
しかしよく降ったものだ。あたり一面真っ白!自転車がサドルまで埋まっている。まるでスキー場だ。2回転倒し学校
に到着。階段を上がり広間に出る。そこにはおびただしい数の外国人がそれぞれの母国語で話しをしている。
「坩堝(るつぼ)だ・・・」。世界中の言葉が入り乱れている。確かに私は英語を聞き取れないが、聞こえてくるのは英語
だけではない。今日初めて人間の肌色は3色でないことを確信した。まあこれだけ人がいてアメリカ人が一人もいない
場所も他にはそうないだろうと思った。やはり世界は広い・・・。
 
クラス分けが壁に貼り出されていた。クラスは文法、読み書き、会話&聞き取りの3つあり、それぞれ10段階評価で表
されている。因みに私の成績は順番に4・2・2という結果。まあ思った通り、何の文句もない。実際こんなもんだろう。
オール6もあればこちらでビジネスを始められる。程なく授業開始。勿論全編英語。オマケに早口&長文!おいおい、
私はレベル4だぞ!?しかし他の生徒の殆どはちゃんと理解している様子。特に南米人、よく喋る!訛り倒した単語
をひたすらプッシュ!何だ、コイツら?単語のみを連発する割には「臆する」「怯む」「謝る」等の単語は知らないらしい。
私とて中・高・大、苦手とはいえそれなりに勉強はしてきたつもりだった。受験の時も一番時間を割いたのは他でもない
英語だった。その時身にしみて「日本の英語教育は大きく間違っている」ことを悟った。地球規模でみて、普通レベル4
もあればそれなりに聞き取れるはず!なのだろう、日本を除いては・・・。授業の内容そのものは普通に理解できる。
これで自身が湧いてきた。逆にいえば、私は聞き取れないだけなのだ。文法、ボキャブラリ共勿論浅いが、当面はここ
が課題。そういうことだ。南米人には負けてられない。私も自称「南米系」、そう、ヤツらとは仲間なのだ!
その後の授業では積極的に喋り捲った。既に笑いも3回取った。ひたすら知ってる単語をプッシュ、実に名案だ。
 
少しだけだが、気分がいい。帰り道、初めてボストンの風景を直視しながら歩いた。本当にいい街だと思える日はそう
遠くないのかも知れない.........。
やはり2回転倒し帰宅。大量の宿題を前に雑記を書く私。実際こんなもんだろう?(笑)
 
Mar.8 (thu.) 
ブリザードが去った後というのは強ち平和なものではない。寧ろ気を付けていれば未然に防げる事故は少なくなり、
予期せぬハプニングがそこかしこに転がっている。昨日より太陽が少し見え隠れしていたのだが、雪が照らされると
夜には氷に変化する。翌朝、足元は泥濘(ぬかるみ)からアイスバーンに変わり、窓はつららで一杯になる。これまた
ボストンという街並みに非常にマッチしていて妙な説得力があるのだが、そこに悲劇は隠れている。
通学しようと家を出て、道が非常に悪くなっている状態。これはさすがに見ただけですぐ分かる状況。昨日計4回転倒
している憾もあり、取り敢えずは足元に気をつける。窓のつららも気になるので何となく歩道の真ん中辺りを歩く。
その時、そう、家を出てたった5分程だった。本能的に嫌な予感がした私は一瞬立ち止まり辺りを見回したその瞬間、
眼前を物体が横切った!(正確には縦切った!) 26インチ大のテレビはあろうサイズの巨大な氷柱が上空より私
めがけて落下してくるではないか!?九死に一生とはまさにこの事だ、そのまま歩いていれば私は直撃していた!
頭部に当たっていれば間違いなく死んでいる。足元には砕け散った氷塵が転がっていた。上を見上げれば6,7階は
あろうビルから細かい残礫(つぶて)が舞っている。暫らく立ち止まってしまった、と言うより、凍った!
だがそんな光景は到る所で起こっている。しかし彼らは動じない。何故?これも日常なのか?ショベルを担いで暢気に
雪かきをしている場合では無いだろう?今の私が見えなかったのか?次はお前の番だぞ!?
いや、やめよう、こんな事を考えるのは。これが彼らの気質なのだ、まったく・・・。
 
しかし、ドライバーのマナーの良さには驚いた。基本的に歩行者は信号が赤だろうが何だろうが水溜りがあろうが我が
物顔で歩いている。大通り同士の交差点でさえ車が来ないと見るや平気で渡る。勿論走ったりはしない。たまに車が
走っていても渡る。勿論歩いて。ただ、ドライバーは必ず歩行者に進路を譲っている。白だろうと、黒だろうと、私だろう
と(笑)、関係なくだ。これは見習いたい。弱者を立てる紳士の国であることは間違いないようだ。
 
ところで今日は現地で初めて「買い物」をした。昼飯だ。我が日本の支店によって窮地を救われた某有名コンビニだ。
パンにパイにペプシを何気に購入、まあ基本と思しきアイテムだ。しかしそれらは私の想像を遥かに越えていた・・・。
ペプシはいいだろう、まあ日本のそれと大差ない。ペットボトルが既に黒くニチャついている部分を除けば。しかし肝心
の食い物に驚愕!見た目は普通のパイ、しかし表面は砂糖でひたすらコーティングされていて食感が無い。パイだろ?
パリッとか言えよ!更に中は白く粉が噴いた状態で固まっている。無論、食えない。少々期待しつつパンを頬張る。
以下同文。砂糖の塊。背に腹は換えられない、取り敢えず食う。無事完食。午後の授業は地獄だったことは言うまでも
無い。味覚の問題か?私の記憶が確かならこちらに来てまだ一度も野菜に出くわしていない。芋のみだ。どうなってる?
そう言えば寮に住んでいる友人がちらほら出来つつある。話しを聞くに最低4品、果物にデザート。寮の食事はちゃんと
それなりの味も付いているという。私はこれから晩御飯。はううっ、話しが違う..............。
 
Mar.9 (fri.) 
今日もまあそれなりにいろいろあったんですが(先生が変わったり友達が出来たり飯がまずかったり午後から大雪
だったり鳥の鳴き声でさえ英語に聞こえたり)、今日は飼い犬ベイビー(チベット犬・14歳・♂・おとなしい。趣味:寝る
こと)のことについて書きます。犬が嫌いな方は今日は読まないで下さい。個人的には皆さんに感じて欲しいことなの
ですが・・・。
 
私が住んでいる環境はどうやらそれなりにマシな方かも知れない。基本的に朝は一人、学校からは徒歩20分強(地下
鉄で一駅、健康の為歩くことにしている)、晩飯は一応調理されたものが食え、生活に無くてはならない物や生活の仕
方そのものを教えてくれる家族がいる。アパートの一室とはいえ住まうには十分なスペースも与えられている。アメリカ
という国は面白い。日本では学校を卒業し、就職してとりあえず親元から離れ暫らくしてからようやく自立するパターンが
殆どだが、アメリカは違う。親は明らかに子供を自立させるために育てているのだ。子供は全力で自立しようとし、親は
全面的にバックアップする。日本では恐らくこういった意識は子供側にあっても親にはあまり感じられない。最近私は
息子のエディと少しづつ打ち解けてきたのだが、彼と話しをしたり(無論カタコト)、母イヴォンとの会話ややり取りを見
ていると、彼も丁度そういった意味では多感な時期であり、親もナーバスになる時期なのだと感じている。彼は今度の
8月(7月?)で高校を無事卒業する(見込み)。何となく口論が増え、気まずくなることもしばしば出て来る、そういう時
期なのだ。別に母子家庭特有の、という訳ではない。
そんな彼らの間に入り空気を和ますことが出来る存在、それが「ベイビー」なのだ・・・。
 
チベット地方にいる宗教信者等と共に高地を歩き回る犬、それがチベット犬だ。彼はチベット犬としは大分小柄で、基
本的には大人しく、特に雪の日だからといって走り回ったりもしなければ吠えたりもしない。一日の大半は家のどこか
でゴロゴロ転がっている。私が残したおいしい晩御飯をたいらげてくれたりもする。特に人懐っこいというわけでもない
らしいが、とりあえず私にはなついてくれている、なかなか見る目のある可愛いヤツだ。母イヴォンの足元に駆け寄り
尻尾を振って甘える姿などは非常に愛嬌があり、眺めているとつい頬が緩んでしまう。想像に容易い図だとは思うが。
ところが今日私は母イヴォンより衝撃の事実を告げられた。今日ほど自分の無力さを感じた日もそうは無い。というの
もついこの前の火曜日のことだったらしいのだが、アパートの管理側が、建物にいる犬や猫を全面的に排除するという
通達を出してきたらしいのだ。相当厳しい口調で言われたらしく、母イヴォンは相当参っていた。涙こそ見せないものの
14年間ここで一緒に暮らしてきた家族を追い出すと言われ、やがてそうなってしまうことを考えるとこの悲しみは並大抵
のものではあるまい。別に吠えもしなければ臭いもしない(私を含め3人共アレルギー持ち:真偽のほどは定かではな
い)、一緒に住んできた家族だ。母イヴォンは、私にこの事実と今後実家の庭で生活させる事だけを告げると、うつむ
き、そして口をつぐんだ。うっすら涙目になっていることはすぐに分かった。しかし、私はどうすることも出来なかった。
掛けるべき言葉も分からなかった。こんな時に慰めの言葉一つですら掛けることが出来ないのだ!私は心の中で自分
を大いに罵倒した。言葉の問題? 違う! 私というパーソナリティの問題。何故もっと彼女の身になれなかったのか?
 
付きかけていた自分への自信は、単なる砂上の楼閣だったのだと思い知らされた。こういうのが一番辛い・・・。
 
Mar.10 (sat.) 
基本的に土・日は学校が休み。今日は特に何も予定を入れてなかったので、荷物の整理と溜め込んだ衣類の洗濯、
週末なので多い目に出された宿題を片付ける予定を立てる。洗剤を買いにセブンイレブンへ出かける。コンビニと言え
ど店内の9割以上は食べ物ばかり。売ってないかと思ったが、ほんの少しだけ生活用品を売っているスペースが確保
されており、そこにあった。いわゆる普通の洗剤。$1.75払って店を出る。さすがはアメリカ、生活用品は安心の価格・・・、
って、あれ? $1.75? いくら何でも安すぎないか?日本円に直しても\200前後!一キロ弱の普通のサイズで!!
不信に思い値段表を見てみるとちゃんと$4.65と書いている。しかし後戻りは出来ない。いや、しない、したくない!
「これはきっと神が頑張る私に与えた束の間の至福なのだ!!」 そう自分に言い聞かせ帰宅。らっき〜〜♪♪
 
洗濯していると一足先に音大に行っている友達から電話が掛かってきた。かれこれ8ヶ月ぶり位だろうか?私を心配
して様子を伺ってくれたのだ。こっちに来てからの話や音大の入学手続きでかなり振り回されている話など相当参って
いる状況を素直に話すと相談に乗ってくれるという。早速彼女に指定された場所に向かうことにする。「CT1と書かれた
バスで10分位揺られるとボストンに出られる。(チャールズ川の)橋を渡ってすぐのところで降りるように」と言うことだっ
たので先ずはバス停に向かう。
・・・・・・・・?、
--------??                                          むむむ???
 
しかし待てど暮らせどバスは来ない・・・・。行き先の判らない他のバスに乗るのも恐いので、仕方なく歩いて現地へ向
かうことにする。(後から知ったのだが、このバスは土・日は運休しているようだ。) 徒歩30分で現地へ着く。そこには
見覚えのある建物が立っている。「音大」だ(写真で見たことがある)!!程なく彼女と久しぶりの再会。何と学校のこと
に詳しい男の人を連れて待っていてくれたのだ!喫茶店に入り話し込むこと3時間。彼らは親切に色々なことを教えて
くれた。ボストンのこと、音大の事情、手続きのこと、楽器屋のこと、ダウンタウンのこと、音の出せる場所や美味い店
などなど。非常に密の濃い時間を彼らのお陰で過ごすことが出来た。先人がいると心強い。なんとなく見えてきたような、
視界が開けてきたような感じがする。感謝せねば・・・。しかし何と爽快♪
 
気分がいいのでまた歩いて帰ることにする。チャールズ川に映った大きな月とビルの夜景が私を勇気付けている・・・。
 
Mar.11 (sun.) 
話は前後するが、金曜日の2限目(お昼前)の授業で「お昼ご飯はどこで食べてますか?」という話しになった。そこで
おいしいアジア料理屋が近くにあるということで、授業後クラスの数人で食べに行った。お世辞にも食えたものではな
かったが(食い物の話はもう止めよう)、カタコトの英語で話しが弾み、日曜日に皆でダウンタウンに行こうということに
なった。まだこちらに来て間なし、入国後早々学校&嵐ということもあってボストン観光することをすっかり忘れていた。
 
正午に一旦学校に集合し出かける。私を含め日本人、中国人、台湾人、韓国人と同じ顔のクセして殆ど話しの通じな
い数名で出発。ほぼ全員がボストン初という状況。半ば観光客丸出し状態で恐々地下鉄に乗り込む。既にこの時点で
珍道中になる予感はあったのだが・・・。そう言えば私自身公の交通機関を利用するのは初めてのこと。システムや
ルールなどは全く知らない。因みに今日一日は私にとって初物尽くしの一日となる。で、ボストンの地下鉄は、感じで
言うと名古屋のそれに近い。東京・大阪ほど網の目でもなければ、京都・神戸ほど少なくも無い。1ドルを「T」と書いた
小さなコインに先ず交換する。自販機を使うなり人に換えてもらうなりして入手。それを改札口(コインなのに「改札」
とはこれ如何に?)に投入し入場する。やはり「上り」「下り」があり、「上り」がボストン方面。基本的に1コインで改札
さえ出なければどこまででも行くことが出来るようだ。
揺られること約20分程でダウンタウンに到着。その後地図を片手に歩きまくる。クインシー市場やボストンコモン(大き
な公園)、如何にも由緒のありそうな建物群を見て歩く。そして、折角ここまで来ていながら何故かマクドナルドに入る。
更に何故か店員全員が中国人。笑った。レジ厨房中国語でバカウケ!困るっちゅうねん、こっちは現地初マクド(関西
人なんで)でドキドキやのに・・・。そんな心配をよそに仲間の台湾人がオーダーを取ってくれた。自分でしたかったが好
意なので甘えてしまった。でレジの兄ちゃんに中国語でオーダー、おやおや・・・。
 
そこでそれぞれの生活環境のことについて色々話した。ホームステイの場合は、「家が近く飯がマズい」か「家が遠く飯
が旨い」のどちらかでみんな生活していた。遠い子は本当に遠い。どうやら物臭な私にとって今の環境は決して悪条件
でないことが改めてよく分かった。本当に一長一短。みんなそれぞれに納得したところで帰宅の徒に就く。
 
一人になった所でもう一度「マクド」にアタック!どうしても自力でオーダーしたかったのだ。「エクストラバリュー(こっち
で言うバリューセット)」のオーダーを試み、まんまと玉砕!!結局欲しいものが食えなかった・・・。次、頑張ります。
 
Mar.12 (mon.) 
今まで日本で曜日や時間にあまり捕われない生活をしていたせいかもしれないが、週明けがこんなに気怠いものであ
ることを今更ながら思い出した。こちらに来て規則正しい生活を送り始めてようやく体がリズムというものを思い出した
ようだ。夜11時半に寝て朝7時半に起きる、ただ単にそれだけのことなのだが、日本にいてそういう生活は叶わなかっ
たし、またミュージシャンのキャリアを再スタートさせれば、そのリズムは完全に見失うだろう。しかし現段階で脳を非常
に多用するこの時期にリズムを作れなくては語学どころか生活に支障を来たす恐れがある。人と接する時は常に緊張
状態だ。今まで人と接する時無意識にこなしていた動作は全て通用せず、新たなるシステムを創造しない限りこの状態
は続くのだ。つまり日常会話程度の英会話が出来ないことにはそう自由にはならないということだ。何とか卒業までには
リズムが狂ってもどうにかなる程度の語学力を身に付けなければならない。目標の高低は問題ではないと今は考える。
 
今日学校の授業終了後、テラスに入り空を眺める。雲ひとつ無い青空。一羽のカモメが大きく弧を描きながら港を目指
し飛んでいる。その方向に目をやると凛と聳える古い教会が立っており歴史の重みを感じさせている。そこでしばらく英
語でグツグツ煮えきった頭を冷やしつつこんなことを考えていた。
 
心のどこかで(無意識のうちに)会話を求めている以上、その欲求は達成されるべきだろう。しかしその欲求を達成する
為には大きな緊張感と戦わなければならない。ここにちょっとしたジレンマが生じてしまう。慣れては来たものの、全ての
語句を聞き取ることが出来ないことによる対人プレッシャーは相当なものだ。これを解消するよい方法は無いものか?
答えは案外すぐに浮かんだ。現時点での結論はこうだ。
 
「会話レベルが同程度の”外国人”とガンガン話す」
 
昨日外人同士数名で出かけた時、彼らとの会話時にはプレッシャーは無かった。環境が同じであることは大きな安心
材料になる。それどころか彼らが話そうとする言葉も自分で勘繰れ且つ採点できる。同時解決だ。英語で会話すること
への恐怖を取り除かなければならない現状で、ひたすら耐えることが有効だとも思えない。これは名案だ!
正しい発音、正しい文法は授業で教わる。それを実践しやすい環境を作らなければ・・・・、などと考えていた。
 
気怠い週明けは私に一つの方向を示した。来週には目標を変えられれば尚良しだが・・・。
 
Mar.13 (tue.) 
もう食い物の話しはするまいと思っていたのですが、結構この辺のメールでの質問が多く、私個人的にも思った以上に
この壁がデカイため、少しこの事についてちょっと触れてみたいと思います。堅い文章は嫌いなので少し柔らかく・・・。
 
こちらに来て先ず最初に気になったことが、「コイツらどんだけ食うねん!」って事ですね。とりあえず食う量が量が半端
じゃありません。尚且つ腹いっぱい食います。マクド(改めて、関西弁ですが)なんかに行っても味は関係ありません。
ハンバーガー(或いはチーズバーガー)を腹いっぱいになるまで食います。2個、3個、4個・・・、5個(!)
大きさ自体は日本のそれとあまり変わりませんが、更に日本では考えられない量のポテトを食います。飲み物は勿論
ペプシorコーク!もう小錦養成所です。途方もなく食います。次に味。味覚に関しては賛否ありますが、私から言わせ
れば彼らはズバリ「味覚後進国民」と言えるでしょう。確かに「日本人の味覚はデリケートすぎる」と思うようになりました
が、彼らの合理主義的な国民性が味覚よりも手っ取り早さを優先させているとは言えます。食うのがとにかく早い!
あと当然作るのも早いです。大体の料理は1行程で出来ています。「茹でる」「焼く」「揚げる」(これですら殆ど無い)の
どれか一つです。野菜は生で食うので「盛る」のみですね。日本人が「ブリ照り」を食いたくなる理由がよく分かります。
因みに母イヴォンは小柄で細身だと書いていますが、相当大食いです。(アメリカでは標準) 特に運動しているわけ
でもなければダイエット薬を飲んでいるわけでもありません。一度私に「寝るのが嫌いだ」と言い放ったことがあります。
もう成人病まっしぐらですな。まあ人の事は言えませんが・・・・。
 
何故こんな話しをするかと言うと、最近どうやら食が細くなって来ているようで、今まで程の食欲は一切ありません。
ある程度食いだめして来ているのでほぼ問題はないのですが、少し感覚が狂ってきています。いや、明らかにこれは
麻痺です。感覚のズレが錯覚を起こしているようで、少し食べれば一気に満腹になります。日本では一つのものをひた
すら食べ続けるなどと言うことはしたことが無いので非常に比較しにくいのですが、日本で食べていた量の半分くらい
で用が足ります。一気に食べてしまえば大丈夫なんでしょうが、今までのペースで食べていると、一品が大量なので当
然食べている最中に飽きてきます。「デカい」というイメージも勿論あります。半分ほどで満足できてしまいます。
味のほうもするものは軒並み濃く、無いものは味が本当にありません。極端です。分かり易過ぎます。迷惑です。
日本人の平均寿命が世界一長いのは恐らく安定した食文化に裏打ちされてのことでしょう。どう考えたって体に悪い!
一人のよぼついた白髪の老人がハンバーガーを食べる際、一生懸命パンを捲(めく)っていたので、見慣れない光景
だと思い暫らく眺めていた。食べにくいのでバラして食べるのかと思いながら見ていると、まあ「塩コショウ」の類のもの
をハンバーグ一面に振り掛けているではないか!表面真っ白(肉が見えない)!こんなのを3つも!?
見ているだけでお腹一杯になれます。と言うよりものを食う気は一挙に失せます。ある意味幸運です。
 
出国の際に「10kg増宣言」をして出て来ましたが、この調子で行くと「10kg減」も夢ではありません。日々合宿状態です。
複雑なものを嫌う国民性は、時には人に、時には己に刃を向けます。そうやって突き付けられた刃を、我々外国人は
飲むしかないのです。「郷に入らば郷に従え」、重い言葉です・・・・。
 
Mar.14 (wed.) 
さすがに学校も10日程行くと、友達と呼べる人間がちらほら出来始める。それぞれがそれぞれ目的を持ってここに来て
おり、そんな彼らと一緒に勉強できることは非常に刺激になる。居ながらにして励まされる思いだ。勿論全ての人間が私
にとっての「グッドパーソン」という訳ではないが、人間的に興味を引かれる、魅力のある人間に囲まれている現状はや
はり面白いの一言に尽きる。ドミニカから来ている獣医、台湾から来ているファッションデザイナー、同じ日本から来てい
る医療機器エンジニア、韓国から来ている作曲家、更には記者を目指す者、有名アパレル会社を目指す者、3ヶ国語目
をマスターしに来たものなど様々なれどそれぞれ興味深い。
 
その中でも最も興味深い人物が韓国から来ている男で、「社会福祉」をより広く勉強するために来ているのだという。
歳は私と同じ26歳で中肉中背。非常に優しい顔立ちをしており、実際見た目通りだ。私に最初に話し掛けてきた外国
人でもある。今ではすっかり打ち解けそれぞれの国やそれぞれの環境のことなどを話せる大切な友人の一人である。
そんな彼の積極的にコミュニケーションを図ろうとする姿勢は、常に私に熱いものを抱かせる。と言うのも、彼は少し重
めの「小児麻痺」という大きなハンデを背負っている。いつも自分より一回りほど大きなカートに乗っており、狭いわりに
人の多い校内は彼にとって非常に移動しづらく、教室間を移動するのに健常者の5倍ほどの時間がかかってしまう。本
来ならば話すことさえ難しいのかもしれない。更に儒教の国韓国出身ということもあってか我々日本人よりも遥かに多く
「アイムソーリー!」を連呼している。そんな時私は「ソーリーと言うべきではない、君は悪くない!」と彼に言うのだが、
「イエス」と私に笑顔で返事するのみで、一向に直らない。一緒にいられるときはなるべく一緒にいるようにしている。心
配だ。周囲は案外冷たい。みんなそれなりにいい顔はするが、それ以上のことはしない。愛嬌のあるいいヤツなに・・・。
エンジニアの友人が同じ寮だという事で、今日は歩いて3人で帰宅。若干私の方が遠いのだが、方向は同じ。エンジニア
の友人も彼のことを心配しているらしく、なるべく一緒にいてやろうと思うと話していた。今週末に両親が韓国に帰国して
しまうらしいのだ。さて帰ろうとして歩き始めた瞬間、彼はあさっての方向に向かってカートを走らせ始めた。不審に思いつ
つ「帰りやすい道があるのかも」と話しながら彼に暫らく着いて行ったのだが、彼はしっかり帰り道を見失っていた。なんで?
 
自分のことはちゃんと自分でするし、助けて欲しい時は「ヘルプミー」とはっきり要求を言う。心配はないのだろうが・・・。
因みに彼は初対面の私に向かって「映画スターみたいだ」と言った。思わず笑ったが、それだけお世辞が言えれば世
の中も旨く渡って行けるに違いない。天然だが、逞しいヤツである。つくづく興味深い男だ・・・・・。
 
Mar.15 (thu.) 
今日の雑記は管理人の都合によりお休みさせて頂きます。都合って言うか、単に大量の宿題と明日催されるであろう
小テストの広大な範囲にうんざりしているだけなんですけどね・・・。なら書け?分かりました、少しだけ・・・。
 
学校から帰ってきてふと来月の授業料の振込みのことを思い出した。一応4ヶ月ほどいる事にしてはいるのだが、一括
で払わず一か月分の授業料を毎月払うことにしている。ここより安いところがあるかもしれないからという理由も若干
あるのだが、寧ろ音大への入学が早まるかも知れないという仄かな希望を捨て切れていないという部分の方が大きい
かも知れない。まあ払ってしまったものは全額は帰ってこないみたいなので慎重を期する意味でということだ。
 
ところで一か月分の授業料と言えどとても馬鹿に出来る金額ではない。正確な額はまだ確かめていないのだが、凡そ
この位かなという金額を引き出しに銀行へ出向く。一度でも行った事のある場所はきょろきょろせずに真っ直ぐ
目的地に到達し、速やかに行動を遂行できる、筈だった・・・。ATMより2000ドルほど引き出したかったのだが、
見るもの聞くもの初めての単語ばかり!カードを差し込んだものの、考えている間に時間切れになりカードが戻って
来てしまう。こんな経験は勿論日本では無い。見たことのない単語を一気に覚えてから、まとめて辞書を引きようやく
一部を理解。金額設定で$2000.00(2千ドル)と打ち込むと機械のほうが暫らく考え、「駄目だ!」と返事してきた。
その画面を見ながら思わず音読。なるほど、600ドル以上は一度に引き出せないらしい。手数料を多めに取る魂胆だな?
と思いつつしぶしぶ分割で引き落とす。大量の$20札!これには思わず鼻歌が出てしまった。「ドルを引き出したぜ♪」ふふ....。
この作業を繰り返しているうちに背後に大きな気配を感じた。鏡越しにチラッと後ろを見ると、グラサン掛けた髭面の巨大な
黒人が距離を置きこちらの様子を伺っている。何故だろう? 私の両隣は空いている。何故だ? こ、恐いじゃないか・・・!
待て!ひょっとして私をどうにかするつもりなのか!?何が欲しい?やはり金か? またまた凍ってしまった私。
手元が震える。数回ボタンを押し間違える。カードが出てくる。まだ全額引き落とせていない!しかし・・・・。
しばし葛藤しつつ結局全額引き落とし(この辺が関西人)、振り返ると彼は真後ろに立っていた!完全に凍っている私を横目
に、彼はその機械で金を引き落とし始めた。数秒後ようやく解凍。彼がスペイン語で機械を触り始めたからだ。私が使っていた
機械のみがスペイン語対応だったらしい。驚かせやがって!
 
恐々家に帰り宿題をしようとファイルを開けるとATMの日本語版説明が書かれた紙が挟んであった!やられた.........。
(結局長々と書いてしまった・・・・。)
 
Mar.16 (fri.) 
テストの方、無事玉砕してきました!もうどうにもなりませんでした。あうあう・・・。
少し前に週明けはだるいみたいなことを書いたばかりなのにもう週末。一週間のうちで一番語学力に歪みを来たす曜日
が金曜日だ。何せ数々の消化不良を抱えたまま日は一刻と過ぎ、授業は容赦なく進む。土日は学校が無いのでとりあ
えずは一息。出来ない。やはり大量の宿題・・・。テレビは愚か自分の勉強の時間すらない。雑記は書く。自分の為。
まあ焦っても仕方が無いので土日は遊びに行こう。しかしもう2週目が終了か。などと他愛も無い葛藤で自分と遊ぶ。
そんなことをしている時間が勿体無い。駄目だ、同道巡りだ。いつも通り好きなようにすることにしよう・・・。
 
好きなようにするで思い出したが、私の友達に台湾から来ている子がいると最近の日記に書いたように思うが、彼女の
行動力にはいつも驚かされる。感じで言うと、財前なおみを奥二重にした感じ。さすがファッションデザイナーというだけ
あって身なりはきちんとしており、ひたすらマイペースで、行動が早い。先週の日曜日にダウンタウンに出かけたと書い
たが、発案は彼女だ。結局7人での大所帯となったのだが、そんなものは御構い無し。行きたい所へガンガン進む。
ひたすら進む。突き進む!実際何度か見失った。まあそんな彼女のお陰でダウンタウンを隈なく歩けたのだが・・・。
 
家はT(地下鉄)で1時間半ほどとかなり遠く、しかも往復。しかし授業が終わると必ずショッピングに出かけたり映画を
見に行ったりして時間を使う。たまたま授業が3つとも同じなので(丁度会話レベルも同等)同量の宿題をこなしている
はずなのだが、翌日にはきちんと済ませ涼しい顔で授業を受けている。この若々しい(内緒だが、結構年上)行動力は
一体どこから湧いてくるのだろうか?
 
4月末まで言葉を勉強した後、ニューヨーク→ヒューストン→ロサンゼルスと一ヶ月かけて見て廻るらしい。全く以って
脱帽だ。私も決して行動は遅い方ではないが、確かに「石橋を叩いて渡らない」タイプなので行動力そのものは非常に
乏しい。見習うべき点が山ほどある。「いつも学校終わったらどうするの?」と聞かれたので「まっすぐ帰るよ」と答える
と、訝し気な表情で「買い物しなきゃ!」って言われた。妙な説得力があり思わず「そうだね!」って言ったしまった。
「何で?」って言葉は不思議と出てこなかった。この行動力は羨ましい。
 

頭であれこれ考え遊ぶ私のクセは、大胆な行動力を阻害してしまっているかも知れない。同道巡りのスタートだ・・・。
 
Mar.17 (sat.) 
今日、約1年振りに我がバンド”JETS”で長年ギターを務めてくれていたケンと再開した。しかし何故かあまり久しぶり
という感じはしなかった。彼との付き合いはもうかれこれ7年になるだろうか。軽音時代に寝食苦楽を共にした仲間で
あり、私にとって最良の「悪友」である。やはり彼も”音大先発組”(私自身こう呼んでいる)であり、その類稀なる独特
のセンスで多くの客の耳と頭脳を滅ぼして来た男である。私の音楽には無くてはならない存在であり、良き理解者でも
ある。彼なくしては、今の私の音楽的構築は成し得なかったであろうし、お互いが意識し合える数少ないミュージシャン
の一人だ。彼と今日一日色々な話をした。まあ相変わらずというか、とりあえず元気そうだった。
 
昨日彼から電話があった。「生きとるか〜?」
 
細かい話はとばして今日会う約束を交わし、私の学校の友人(エンジニア)と彼の友人(ピアニスト)の4人で「セント・
パトリック祭」を見に行くことになった。今日の外は最高の天気。昼頃にサウスボストンに集合。取り敢えず昼飯を食お
うということで、近くにあった寿司屋に入る。そして2週間ぶりの「茶」を飲む。そして寿司! ところが私味覚が完全に
麻痺しているようで、何を食べても美味くも不味くもない。はぁ、、、。思ったほどの感動を得ることは出来なかったのだ
が、日本産の米に出会えたことに甚く感激してしまった。というか重症だな・・・。恋しくなったらまた来よう。
 
食後目的地をうろうろするも肝心の祭りが見当たらない。何でもアイルランド系移民の年一のお祭りだそうで、パレード
まで行われるという話だったのだが、一向に見当たらない。気配すらない。小一時間歩き回り、疲れて結局諦める。
その後ボストンで一番高いビル「ジョン・ハンコック」という何とも胡散臭い名前のビルに入り、ボストンを展望する。
60階というからやはり相当見晴らしはいい。そこからボストン中が本当に一望できるのだ。何気なく見下ろしていたの
だが、ふと、この地で私は一体何を思い、何を得られるのだろう、などと考えてしまった。勿論何でも自分から積極的に
行動を起こさなければ、得られるものなど何も無いこと位は分かっている。しかし、大きく変わった生活、環境、日常の
なかで何か大切なものを忘れてしまっていそうな気がして、居ても立ってもいられなくなってしまった。ともかく、私の中
で何かが動いたことは確かなのだ。ベタな表現だが、自分を見失いかけているようだ・・・。
 
ともあれ今日一日付き合ってくれた皆さん、本当にありがとう御座いました。(誰も見てないだろうが・・・。)
彼とはまた長い付き合いになりそうだ。しかし「腐れ縁」とは上手く言ったものだ・・・・・。
 
Mar.18 (sun.) 
最近疲れが溜まって来ているな?と思う今日この頃。京都にいた頃は原チャリに車、極端な話歩くことすら無かった
私が最近堰を切ったかの如く歩きまくっている。交通費をケチる生活が板についてきたということもあるが、寧ろ歩く
ことが楽しくなってきたのだ。2週間前なら考えられないような話である。とにかく空気がよく景色も綺麗とくれば歩くこ
とが全く苦にならないのだ。もちろん移動にはそれなりの時間を要するが、その分英語か音楽のことをじっくり考えられ
る時間が発生する。しかし、一番の要因は「末期的な乗り物酔い」を患っていることかも知れない。実際地下鉄で15分
揺られるくらいなら、1時間歩いた方が私の中では価値が高い。こちらの地下鉄の乗り心地はもう最悪。急ブレーキ急
発進は当たり前。まあこの話題については後日改めて話すとして、今日は日本人3人で晩飯を食いに出かけた。この
話題について話したい。
 
金曜日の授業終了後、韓国人の彼が母と家に帰るということで少し学校でゆっくりしていた。そこでエンジニアをやって
いる「タケシ」氏と、記者志望(これは未定だそうだが)の「カズ」氏に会い、「そろそろ美味いものが食いたくなってきた
なぁ・・・。」などと話していた。こちらに来てまだ2週間弱、皆週末に予定を入れるほどの余裕はまだない。しかし、考え
てみればこれは勿体無い話である。出かけなければネイティブと話す機会はより減ってしまうのだ。何となくあとの2人
も同じようなことを考えていたらしく、外食提案にあっさり合意。夕方より出かけることとあいなった。私は気づかなかった
のだが、この時「日曜日は英語のみ」という約束をいつのまにかしていたらしい。無論、異存はない。
 
最近知ったのだが、エンジニアをやっている「タケシ」氏の住んでいる寮が私の家から徒歩5分くらいのところにある。
「カズ」氏の家は遠く、先ず私とタケシ氏が近所で合流し、現地で彼を待つというプランを立てていた。たまたま私が
15分前に家を出たところでタケシ氏に遭遇。カズ氏との約束は45分後。なんとなく歩こうという雰囲気になり、現地ま
で歩くことにした。道さえ間違わなければ時間丁度に着けたのだろう・・・。20分の遅刻。彼は既に待っていた。
文句の一つも考えていたのだろう、彼は英語で我々を捲し立てたが、取り敢えず笑って済ませた。問題ない。彼も笑っ
ていた。彼の提案で食堂街をぐるっと回り、結局ラーメン屋に落ち着いた。いつもの事だが何でこうなるのだろうか・・・。
 
ところで「カズ」の話す英語が非常に面白い。我々より遥か上のクラスにいるのだが、彼と話していると、不思議と会話
が成立する。既に彼の術中なのだろうが、非常に勉強になる。タケシは無口になる。我々の会話を観察している。それ
もまたよし。とにかくそういう状況を我々はそれぞれに楽しんでいた。「一日中英語のみ」。厳しいが、面白い。こういう
ステップを経てスキルは上昇していくものなのだと感じた。それなりの会話になっていることに自分でも驚いた。なんだ
かんだ言って少しは話せるようになっている。私の場合ネイティブ相手に通じるかどうかは別だが。
 
とか言いつつ結局週末は遊び倒してしまった。歩きまくり、話しまくる。これで疲れが溜まらないわけが無い・・・・。
 
Mar.19 (mon.) 
最近日本にも進出してきている大手カフェ「スターバックス」にてコーヒーを飲みすぎたせいか体調が悪化しております。
昨日3人で帰り際にがぶがぶいってしまい、未だに相当気分悪いです。うげぇ・・・。
只今脳みその約85%が機能不全を訴えており、本日はロクな内容の雑記が書けそうもありません。縮小版です。
 
昨日コーヒーを大量に煽ってから地下鉄に乗ったせいか、胃がひっくり返った状態で帰ってきたために、昨夜は殆ど
寝られておりません。寝起きも最悪。おまけに週明け。朝からそんな調子だったので今日は俯き加減な一日。
申し訳ない、今日はもう限界です・・・。
 
Mar.20 (tue.) 
リカバリーならず、今日も一日ひぃひぃ言いながら授業を受けてきた。授業開始より半月、体調不良を訴えているのは
どうやら私だけではないようだ。タケシもカズも同じようなことを言っていた。車椅子の韓国人「ジェボン」も同様。
しかし、一番顕著且つ如実に疲労困憊を露呈しているのが南米人だ。ついこの間までは始業前だろうが授業中だろうが
お構い無しにのたまい倒していたクセに(勿論休憩中も)最近は皆さんすっかり大人しい。ざま見ろ!!
 
そう考えるとアジア製はなかなか安定しているように見える。日本製も捨てたものではない。総じて疲労の色は
出ているが、持久性、耐久性にはかなりの性能が備わっているように見受けられる。平均的ではあるが、それぞれの
アビリティは比較的高い。特に台湾産は持久力抜群だな。未だに買い物による出費は上昇しているという。どれだけ
金を溜めてきたのだろう、と言うよりどんな神経をしているのだろうか。全く信じられん女だ・・・・。
先日南米産が面白いことを話していたのだが、彼らの性能も地域格差がかなりあるらしい。まあ私から見ればみんな
「お祭り大好き」「会話大好き」「自分大好き」と3拍子揃っている以上同じようにみえるのだが、西海岸側と東海
岸側(一部の内陸)では少し違うようだ。西海岸側というとコロンビア、エクアドル、チリなどの辺り。この地域の
人たちは一往に気性が激しく、かなりの勢いで自分を押し出すらしい。よく言えば素直で早くから自我を確立している
と言う。逆に東側(ベネズエラ、ブラジル、アルゼンチン、パラグアイの辺り)の人間は陽気で人懐っこく、西側より
は大人しいのだそうだ。しかしいくら大人しいと言っても我々日本人から見ればマシンガンと火炎放射器を比較して
いるような感じ。所詮火縄銃の出番ではない。
ただ共通して言える事は、無駄な会話をひたすら話しているのではなく、大切な部分はしっかり押さえながら話して
いるということだ。この辺りが恐ろしい。勿論、枝葉末節が甚だ長いということは言うまでも無いが・・・。
 
そんな彼らと接していながら自分のペースが多少オーバーしながらもある程度キープ出来ていることを考えると、
私は「強くなった」のか或いは、「実は南米人だった」かのどちらかなのだと考えてしまう。ノイローゼ気味か?
しかし彼らへの興味は尽きない・・・。
 
Mar.21 (wed.) 
ここ数日ほど体調の方が思わしくない。疲れがそろそろ噴出してきている時期なのだが、こういう時は得てして精神的
にも下降線を辿る。賢明なる訪問者諸氏は既に経験済みのこととは思うが、体調が悪いと精神にダイレクトに影響す
る。最近は”ナーバス”を通り越して”ストレス”を感じ始めている。「気が滅入る」というのが正しい表現なのかも知れな
い。何をやっても上手く行かない、何を考えてもしっくり来ない、そんな時期にさしかかり始めた。
一日単位で爽鬱を繰り返せばやがてこういう精神状態に追い込まれることは初めから分かってはいたのだが、いざ到
来してみるとやはり辛い。捌け口が無い上にスキルは低下する。必然的にモチベーションも低下してくる。すると本当に
運気は逃げ、巡り合わせの歯車が噛まなくなってくる。この状態で体調だけ回復したところで精神的やるせなさは募り、
自分を責め始める。一度踏み入れた悪循環の連鎖はそう簡単に解くことは出来ない。
確かに体調は回復傾向にあるのだが、精神的浮上のきっかけを未だ掴めないでいる。こういう現状、お分かり頂ける
であろうか?以下ぼやき。今日一日の流れはこうだった・・・。

昨日の日記、実はあれだけで2時間費やしてしまった。いつもは大体1時間足らずで書き上げる。体調のせいか頭が
全く冴えず、乱筆後力尽きるかのように就寝し、今朝30分程寝坊をしてしまった。いつもは10分ほど早めに学校に到
着し、軽く頭の体操などをしているのだが、本日は間一髪で到着。
一昨日告知された小テストが始業後間もなく始まり(前回のテストは始業後1時間程は経過していただろうか、運気が
逃げている)、抵抗する間もなく終了。職業柄朝日を見ることなく生活していたせいか、朝は相当弱い。残尿感とでも言
おうか、引きずったまま1限目を終える。この時点で頭脳はまだ稼動していない。
2限目、会話をしながら文章を構築するという内容。50歳過ぎのオーストリア人の女性とペアを組んだが、思いっきりド
イツ語訛りで話し掛けられさっぱり聞き取れない。文法も単語も発音も何もかも間違った英語で自分の意見を押し通さ
れ、何を言っているか分からないと言うと、「どうして分からない?」と聞き返す始末。他のグループがすっかり終了して
いく中、辞書を引きまくりああでもないこうでもないと言いながら難しい文章を作ろうとしている。授業終了時、まだ3分の
1すらできていない。結局お持ち帰り。すっかりエクストラホームワークを増やしてくれた。この時点でフラストレーション
は爆発寸前。
昼食はいつもの面子。タケシ・カズ・ジェボンと私。この鬱憤を車椅子のジェボンに向けかけたところではたと気づき、
全力で押さえる。心のどこかで彼のことを見下しているのだろうか・・・、など考え更に自責の念が怒涛の如く押し寄せ
半泣きになる。
3限目、カンバセーションとコミュニケーションが中心。私の英語が誰にも通じず(今まではこんな風ではなかった)すっか
り孤独感を味わう。題材が苦手な内容ではなかっただけにすっかり動揺。いつもより2時間は長く感じて終業。南米産の
ガキども、ナメんな、くそっ!
終業後、皆はバスケの試合を見にボストン市へ。私とタケシはジェボンの送迎。やはり一人で帰らすのは余りにも恐い。
私自身さほどバスケには興味ないのだが、私のいないところで皆が楽しんでいるかと思うと少し悲しくなったりもする。
自分自身に余裕のない時、一人でいることが少し恐いのだ。しかし、彼らと遊びに行きたいという気持ちはジェボンにも
あるはずだと思うとこの気の迷いを再び悔いる。そして塞ぎ込んでしまう。その時私は決して笑顔ではなかったように思
う。そんな私の気を察してか否か、彼は私に韓国訛りのカタコトの英語で一生懸命話題を振ってくれた。まどろっこしい
が(話し始めると車椅子が止まる)、気持ちは嬉しいが、素直に喜べる余裕がない。複雑な思いが交錯し、結局悔いる。
いつもの倍の時間をかけて帰宅。今日のことを振り返る・・・・。

はっきり言ってボロボロだが感じているのは辛いということだけではない。怒り、悲しみ、憤り、妬み、焦り、羨み、動揺、
反感、混乱、落胆など殆どのバッドエモーションを今日一日で、いや半日で浚えた。しかし何故かこの状況が楽しいのだ。
言っておくがMの気はない。むしろSだ。いやそんなことはどうでもいい。今、これは明らかに逆境である。しかし一体何
が私をこう感じさせているのだろうか?
 
Mar.22 (thu.) 
お陰様で好評を頂いているこのコーナーですが、思うところあって日記を不定期更新という形にしたいと思います。
なるべく日本語を使わないように したいってこともあるのですが、このところ体調が思わしくなく、
日記を書くことへの精神的負担(日本語で考えまくる1時間)を軽減したいというのが大筋です。
 
もちろん日記という形ではなく、何らの形で毎日書きますので、マメに覗きに来てやって下さい。
 

今日覚えた単語:hung over/二日酔い oversleep/寝坊 ultravioret rays/紫外線
 
Mar.23 (fri.) 
訪問者諸氏には私の最近の言動ですっかり心配をお掛けしてしまっていたようで、この場を借りて一言言わせて頂きます。「関西人はタダでは起きません」。今度ヒヨった事を言うようなことがあれば御指摘下さい。当方復活間近です。
 
一つ誤解を解いておきたいのですが、日本人同士で話す時も大体英語です。日本語を話すことがあっても脳はあまり使わないようにしています。しかし、何故日本人の友達が出来てしまうのか? 答えは簡単です。「他に日本語を話す民族がいないから」です。私個人の所見ですが、この事実は大きく分けて2つのケースを引き起こします。(最終的には併発) 1つ目は皆さんが御想像されている通り、「話しやすい、理解しやすい友人を欲しがる」からです。いわゆる「保険」みたいなものを欲しがる心境は我々日本人だけでなく、人間であれば誰もが求めたくなるものです。これに関しては自分の匙加減一つで環境を自由に出来る余地を残しているので、「保険」さえ「解約」すれば同族同士の癒着は絶たれます。しかし、大きいのは寧ろ2つ目のケースで、「複国語族が単一語族を避ける」傾向があるということです。スペイン語族、中国語族、ポルトガル語族、ドイツ語族などは、往々にしてクセは違えど同じような言葉を話す「共通語族外人」と仲良くなろうとします。特に日本語は他国語に比べ英語と全く共通項が無いために(韓国語然り)、特に敬遠されがちです。具体的に話すと、ラテン語族ではなく(アルファベットを使用しない)、語順が異なり(中国語は語順が酷似)、世界で一番ルールの多い言語だとされています。無口で勤勉というイメージも残念ながら世界中で相当根強いです。先日陽気なドミニカンから「サイレントソルジャー」という称号を与えられてしまいました。授業中も隙有らば喋っているというのにです。実際、我々が初対面の彼らに話し掛けることがあっても、初対面の彼らが私に話し掛けてきたことはほんの一度もありません。保険無しでこの状況に立ち向かえる日本人は、はっきり言って凄いと思います。
 
こうなれば、選択する道は一つです。「先ず日本人と英語で会話し、外人との輪を広げていく」という手段です。これが一番賢明な選択だと今の私には思えます。手っ取り早く、スキルアップが望めます。「思い立ったが吉日」というわけで本日早速学校の地下にあるアイリッシュパブに出かけてきました。何と都合のいい場所にタイミング、ここは金曜終業後に多くの講師と生徒が集まってくる名所です。ジェボンを一旦家まで送り、再び学校へ。その後数人でパブへ直行。こちらに来て初めての酒を煽る。久しぶりに飲む酒はうまいの何の。さらに輪が広がって行くのを肌で感じた。これは収穫大です。週末になってようやく元気が出てきました。
 
今日覚えたフレーズ:I'm leaving./行ってきます。 帰ります。 (「行ってきます」に決まった言い方は無いらしい) 
 
 
Mar.24 (sat.) 
今日は学校が休み。韓国人のジェボンに誘われてタケシと3人で韓国料理屋で昼食をとった。そもそも私は辛いもの
が大好きな人間、ここに来て3週間まともに辛いものをまだ口にしていない。胸が高鳴る。ふふふ♪ 因みにそこは
結構本格的な料理を出す店で、韓国料理店としてはこの辺りでは有名な場所らしい。少々値は張ったが、腹一杯
旨辛いものが食えた。基本的にアメリカンは辛いものをあまり食べず、従って辛いものを食わせる店が相当少ない。
とにかく辛いものに飢えていたので、ここぞとばかりに一気に頬張ってしまった。少し後悔している。次回はちゃんと
味わうことにしよう。きっと旨かったはずである。ところでこの韓国料理屋の真ん中隅に、何故か寿司カウンターが
設置してある。ウェイターもウェイトレスも全員コリアンなのに、板前だけ思いっきりオヤジオブジャパニーズ。しかも
眉間の皺の寄り具合から見ても末期的な頑固じじい。今にも「何だテメー、日本語で注文しやがれ!」という声が聞こ
えてきそうなほど、不機嫌極まりない顔をしていた。そこで私は思った。「自分、そんなとこに居るしやん!」
 
その後夕方よりカズ邸でパーティーがあるというので無理矢理参加させてもらった。カズ邸にはハーバード大学院に
通っているアルゼンチン人と、語学留学中の韓国人2人、あと3日前に転がり込んできた年齢不詳のサウジ人が
同居している。いつの間にか総勢12人のでっかいパーティーになっていたのだが、全員ペラペラ。非常に面白い時間
を過ごさせてもらった。しかし、皆の話していることの半分も理解できなかった。改めて日常会話が如何に重要である
かを再度痛感。よい刺激になった。個人的には毎週土曜日に催して頂きたいのだが・・・・。
 
今日覚えたフレーズ:got a drunk/酔っ払う no way/まさか いやだ
 
Mar.25 (sun.) 
ダメだ、夜遅くまで飲んでいると夜行性人間の血がどうしても疼いてしまう・・・。
起床12時。いかん!これでは今まで日本にいたときの生活とまるで同じではないか!?
そうだ、今まであまりしていなかった面倒くさい家事などをして気を引き締めよう。
「そうだ、洗濯をしよう。」
早速溜めに溜め込んだ大量の洗濯物をもってランドリーへ。そして洗濯開始!
ぐるぐる洗濯機が稼動するのを見て部屋に帰り、軽くブランチを食べる。30分経過。
「よし、そろそろ完了しただろう。」
ランドリーに引き返してみると、ありゃ? 全く稼動しておらんではないか???
「1回フタを開けたからかな? くそっ、$1.25損したではないかっ!」
お金を取りに帰り再び洗濯物を回す。今度はフタを開けることなく2分ほど稼動を確認し、帰って30分待つ。
再びランドリーに帰ってくると、ありゃりゃ?? 脱水が完全にできてないぞ!
まとめて洗濯したせいか重さでダルが回らなかったらしい。とほほ・・・。慣れんことを張り切ってすると
こうなる。乾燥機を使うために残しておいた最後のクオーター5枚もさっき使ってしまった。
「仕方がない、部屋で干すか・・・。」
 
しかし今日はどうも頭がスッキリしない。スッキリしてからまとめて宿題をやろう。待ってろ、宿題。あとで
たっぷり相手してやる。
そうだ、久しぶりに曲を作ろう。そういえば「プロフィール」「スケジュール」「ミュージック」あたりに
まだアップしていなかった。そうそう、アイディアはストックしてあるのだ。しかし、こんな状態で作った
ところで価値はない。
「分かった、作ってみて価値がなければ不採用にしよう。」
数時間経過。当然ロクなものは出来ない。
「ぬぅ、体を休めるのも楽ではない。こうなったら  ・・・・・・・  寝よう。」
 
そして夜中、大量の宿題と死闘を相見える私であった・・・。(完)
 
今日覚えた単語:rip off/ボッタクリ momentary/刹那的な
 
Mar.26 (mon.) 
こちらに渡って早3週間。今までに難問、奇問、珍問など数々の質問を頂き、笑わせて頂いております。
その中でも特によく寄せられる質問について、この場を借りて解答したいと思います。
 
Q:ボストンという場所
 
ボストンはニューイングランドというところにあります。ニューイングランドって何かというと、メーン、マサチューセッツ、
ニューハンプシャー、ロードアイランド、バーモント、コネチカットなどアメリカの最北東部全体を指して言います。
イギリス移民最初のネジロというわけですな。
やはり歴史的建造物が多く、独立の際はイギリス軍との戦場にもなった場所です。そのニューイングランドの首都とも
いえる場所だと聞き及んでおります。マサチューセッツを南北に寸断するかのように大河「チャールズ」がゆったり流れ、
南にボストン市、北にケンブリッジ市があります。
 
Q:街並み
 
先にも述べた通り、レンガ造りの教会やシティーホール等の歴史的建造物(と言っても300年程前のものだが)が
そこら中にそのままの状態で現在も利用されています。私はボストン市の隣、ケンブリッジ市という所に住んでいます
が、数段静かです。ボストン市は港町で、「タイタニック」が目指していた場所としても知られています。基本的には穏
やかで、物価が高い街です。通りが住所を表しており、どんな細く小さな道にも名前が付けられています。家も殆どが
レンガ造りです。あとは木造。
 
Q:気候
 
ニューイングランド地方はカナダと隣接しており、寒さは相当厳しいです。5月まで雪が降ると聞き及んでおります。
天気の変わり方がかなり早く、どんなに晴れてても傘は毎日持参しております。空気が異常に乾燥しており、よく
鼻血を流してしまいます(粘膜が弱い)。乾燥している分、あまり寒さは感じません。夏場は絶好の避暑地として観光
客で賑わうとのことです。
 
Q:食べ物
 
この手の質問が一番多いですね。皆さんどのような食料をイメージされているかは分かりませんが、大体アメリカ人
が普通食するものを食べます。強いて名物を挙げるとするならば、「クラムチャウダー」でしょうか? 絶品です。
カフェ「スターバックス」と、ドーナッツ「ダンキン」がこれでもかっ!っていう勢いで立ち並んでいます。
生活必需品は「セブンイレブン」か、何故か薬局「CVS」で大体揃います。
 
Q:主要交通機関
 
バス、地下鉄、タクシーなど。日本とほぼ同じです。車はデトロイトやヒューストンほど走ってはいません。逆に言えば
車が無くても生活できる場所です。タクシーに関してはほぼ日本の相場ですが、地下鉄が乗り換え込みで1ドル、バス
は市内ならばどこまででも75セントと相当安く感じます。因みに公衆電話は35セントと相当高いですね。
 

また事件の無い日にでも続きをアップします。
もし興味のあることなどあれば、メールかBBSにて質問下さい。
 
今日覚えた単語:skyscraper/(空に届くの意で)超高層ビル sneeze/くしゃみ
 
Mar.27 (tue.) 
はっきり言って今自分の考えをまとめきれずにいますが、今思っていることを素直に書いてみます。衝動に駆られて
書いているので少し描写が見えにくい部分があるかもしれませんが、どうかご容赦ください。
 
今日何があったかというと、今月の英語学校のセッション終了を待たずに一足お先に帰国する友人の送別会を
密かに(5人で)催しました。明日の早朝出国するとのことで、普段から仲良くしている連中達でわいわいやろうと
いう企画をボストン市内にあるファミレスでやったのですが、会話をしている間に、「自分のバックグラウンド」につい
ての話になった。いつのまにかそれぞれの背負っているハンデや利点についての深い内容の会話に発展していった。
 
それぞれが自分のこと、他人のことを非常によく考えている。しかし、各々それに伴う大きな悩みを抱えていることがわかった。今まで自分の主張がなく、周りの状況を判断してでしか行動が出来ないということが自分の大きな欠点である
と信じて疑わなかったのだが(だから形振り構わず海を渡った訳だし、勿論解消しようと努めている)、それぞれがボス
トンにまで来て自分の信念を確たるものにするために、或いは自分を探しに来ているという話を聞かされ、強ち欠点と
いうほどのものでもないと感じることが出来た。皆同じような悩みを持ち日常(この場合日本に於いて)への煩わしさや
宿命と戦っているのだと強く感じたのだ。この時点で正直自分のプライドに火が付いてしまったことは否定しない。
 
自分を信じてもいいのかも知れないという安堵感からか、今までで自分が培ってきた価値観や教訓などを洗いざらい
ぶちまけてしまった。話すのは嫌いな方ではないし(皆さんご存知かもしれないが)、皆頷きつつ話しを聞いてくれた。
恐らく少し前の私ならば口をついて出てくるであろう筈のない、内容のある話をしていた。自分の意見が共感を得られ
た時、それは大きな自信につながる。誰かと共有できる価値観を持ち合わせているという実感がそこにはある。
そのことにどれだけの意味があるかは分からないが、今の自分にとって他に換え難い有意義な時間が流れていた。
少なくとも、その時はそう考えていた。
 
一通り別れを惜しみつつ解散。又もやケンブリッヂまで徒歩で帰る。1時間は雄にかかる。紳士の街ボストンとは云え
ど、夜になると若干その姿を変える。しかし、どうしても歩いて帰りたかった。少し考えたかったのだ。実は店を出る時、
若干の後悔があった。思いの全てを言えなかったからとか、そういった理由ではない。
 
「自分の考えていることがこんなに簡単に言葉に出来てしまっていいのだろうか?」
「たったこれだけの時間で私は何を言い切ったというのだろうか?」
「たったこれだけの時間で言った言葉に私はどれだけの責任を持てるというのだろうか?」
 
自分の手の内を曝してしまったことに後悔し、防具を取り払ったことに畏怖しているのだ。
またもや経験の無い感覚に躊躇を憶え、整理できないでいる。この雑記でさえ素直に書けば書く程混迷を深めている。
或いは消化するのに時間がかかることなのかもしれない。
「表現する」という所作の難しさを今頃になって感じているのだろうか・・・・・。
 
今日覚えた単語:farewell/別れ urge/人を駆り立てること、衝動
 
Mar.28 (wed.) 
最近テスト続きで相当ハードな毎日を送っております。そりゃぁもう大変!
 
今日はトーフルっていういわゆる上級者向きのテスト(任意)を受けてきました。
結果、大変へこみました。当然です。何たって上級者対象ですから。出来るわけがありません。
では何故受けたか?
答えは簡単。「無料」だったからです。やはり当然です。
毎月実施されているので、受けていれば自分がどれくらいスキルアップ(悲しいかなダウン然り)したかの
目安にもなります。本来ならば私のようなレベルの人間が受けるようなシロモノではありません。寧ろ無謀
です。
テキスト5〜60行分の聞き取り(相当流暢)や専門用語での読み取り(各分野)、あらゆる文法の正誤
判断など内容てんこ盛りの2時間余り。
言ってしまえば「苦痛」でしかありません。何度逃げ出そうと思ったことかっ!
しかしここは一つ前向きに考えましょう。そう、そこで私はこう考えます。
 
「問」の意味は全て理解できました!
 
拍手ものです!
答えがわかった問題など5%未満です。雨がほぼ降らない時の降水確率並です。
しかし、その問題が何を尋ねているかは全て分かったのです。素晴らしい! 出国前なら無理でした。
確実に(遅めだが)スキルアップしております。褒めてつかぁさい!
点数は後日この場で発表します。どうぞ御鑑笑下さい。
 
今日覚えたフレーズ:I can't help it!/仕方ないじゃないか!
 
Mar.29 (thu.) 
明日は今セッションの最終試験日。
分かりやすく言うと「期末試験」というやつです。
もう一つ言うと「今回のテストの成績如何で次回レベルが決定する」大切な試験です。
因みにグラマー(文法)オンリーです。が、カンバセーション(会話)に比重を置いている
私にとって少々冷や汗ものです。最善は尽くします。先に謝っておきます。ごめんなさい。
 
さてこちらの方の結果も後日この場で報告します。どうか罵倒してやって下さい。
まあ現実逃避はこの位にしてそろそろ勉強を始める用意をします。あくまで用意です。
気が向いたら始めます、勉強。
 
昨日あたりから日記にやる気が感じられないと思ったあなた!鋭いです。
改行を多用しております。確かに。
本当に時間が無いんです。じゃあ書くな? それは言わない約束です。
やっぱり皆さんには毎日来て欲しいじゃないですか。淋しいんですよ、こう見えても。
 
そろそろ本当に始めます、用意。いや、勉強。
 
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今晩の9時半頃(日本時間)起きます。締め切り時刻ですな。一体何通来ますかね?
ハイブリス(ウィルス)とか添付しないように。このPCが唯一のライフラインです。
暇な方、Whisper Boardの方にでも予想数を残していって下さい。当然1桁です。
 
何だかメールみたいになってしまった。
いい加減始めます。皆様の心温まるメール、お待ちしております。
 
今日覚えた単語:Kazakh/カザフスタン人・カザフスタン語(正式にはカザクスタン)
 
Mar.30 (fri.) 
テスト、無事終了いたしました。応援メール(1通来ました!)ありがとうございました!
無事進級の運びと相成りました。95点(エクストラ除く)というなかなかの成績でした。褒めるように。
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そんなわけで今日は金曜日。
金曜日と言えば、そうです、アイリッシュバーに教員職員生徒一同が押しかける日です。
特に今日はセッション終了日。これは行くしかないでしょう。
カズ(因みにペラペラ・発音最悪)含む数人で乗り込む。
そこは想像通り相当面白い図になっていた。その画たるや正に最後の晩餐。泣く者あればひたすら笑い続ける者有り。
そんな彼らを尻目にマイペースで飲み始める我々。
そこそこ酔いが回ってきたところで講師を名指しで呼びつけ、我々のつたない語学力での会話にひたすら付き合わせる。彼らもプライベートで飲みに来ているのに......。全く可愛そうである。しかし、我々はそれが目的で来ているのだ。
タダでネイティブなエキスパートとのカンバセーション。今の私に一番必要な教材がごろごろ転がっているのだ。これを
「戦士」という職業柄、指をくわえて見過ごす訳にはいきません。彼らも生徒に嫌な顔をする訳にはいきません。お互い
生活かかってます。
 
結局4〜5時間いただろうか?
教員生徒が掃けた後もひたすら飲み続けていた。その時、カズ氏がおもむろに非常に興味深いことを語り始めた。
彼が言うには、旅をしている時が日常で普通に日本で生活している時が非日常だという。私も始めは理解に苦しん
でいた。話しているうちに、彼は今の日本という国そのものの将来について真剣に危惧している大馬鹿野郎であるこ
とがわかった。当然、良い意味で。
タイ・シリア・ベトナム・キプロス・エジプトなど10カ国を放浪してきたという。その中でも、いわゆる「第三世界」を旅する
ことによって、初めて自分のアイデンテティが保たれるのだという。日本という国は、どうやら彼に虚構の事実だけを与
え続けて来たようだ。彼にとって日本にある全ての大都市が「嘘」によって築かれ、「偽り」によって塗り固められている
という不安を与えるらしい。その中で「自分」をキープし続けることが困難になって来ているというのだ。
 
恐らくだが、彼がこのことに対する一応の答えを見出すまでにそう時間は要さないだろう。今彼は私と同じようにこの地
で悩み、換え難い経験をしている。彼のパーソナリティを一瞬でも垣間見ることができたのは私にとっても大きい。
 
ああ、にっぽんどこへゆく・・・・・。
 
今日覚えた単語:leak roof/雨漏り
 
Mar.31 (sat.) 
昨日の雑記に「褒めてくれ」って書いたら、何と本当に来ました。1通。ありがとうございます。
「stay healthy !」って書いてありました。健康にまで気を使ってくださって・・・。
勘違いですか? いえいえ、全てを前向きに捕らえることから英語の上達は始まります。上達してないので
何とも言えませんがね。あくまで持論です。弱気になるとダメです。そういうもんです。
そんなわけで、みなさん思いっきり励ましてみてください。
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まあすっかり元気なんですけどね。「調子に乗ってる」とか思わないように。やり過ぎ? 何でもやり過ぎ
くらいが丁度いいんですよ。
 
今日から3連休です。宿題無しの。万歳〜!でも嬉しいというより何か拍子抜けしてしまいますね、糸を切られた
みたいで。やることはいっぱいあるのでボーっとはしてられません。で、メールの返信に取り掛かろうとすると友人
から電話。「リエコ」さん(以下敬称略:理由は下記)という年上の学校のクラスメイト。仲の良い友人がほぼ全員
帰国して且つでっかい家に一人でいる、この状況がいてもたってもいられなくなったらしい。
掛けてすぐ後若干後悔したらしいが(悟られるのが嫌だったらしい)、やはり淋寂と退屈には勝てないらしく、結局
カズも含めて3人で出かけることにした。はっきり言って彼女、相当「お子ちゃま」です。
 
暫らくカズ邸で同居人ホーホー(サウジアラビア人:18歳:ID上は24歳:見た目は34歳)と4人でうだうだしたあと、
リエコが帰国する友人に会っておきたいというので、地下鉄で彼女の寮まで会いに行く。しかし彼女は既に出国し
た後だった。我々も結構仲良くしていた人物だっただけに少し落胆。きっとひっそり帰りたかったのだろう。確かに
彼女自体そういう空気があまり好きでない風ではあったが、少し壊れかけていたので会って確認しておきたかった。
 
話は変わるが、一日中英語で話そうとしていると、何だか話せているような気がしてくる。今のところカズは私の
格好の話し相手である。何となくだが、日に日に上達していくような実感が込み上げてくる。
もっとも家に帰ってしまえばそんな実感も母イヴォンの手によって完膚無きまでに叩き潰されるのだが・・・。
 

今日覚えたフレーズ:That's figure/予想通り never mind/いや何でもない
 

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