第10話 『盗賊達』





『え〜もうすぐで受付を終えます』

その声にラウドらは急いだ。
麓についたのはなんと
1週間後ギリギリだったからである。
そんな焦っている二人を
色んな集団が面白げに観察していた。


そんな一つの集団に
お揃いの紺色のバンダナをした者達がいる。
彼らはピスカを含む"北地区"といわれるとこでは
有名な盗賊団である。

【グローバー】というグループ名で
現在の"世界6大属団"と呼ばれる
属(賊)の一つでもある。

『素人だな』

と髪の毛が長く、金髪で
それを垂直に立てている一人の男がそう言うと

『ターゲットにしますか?』

と体格のデカイ男がその男に聞いている。
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『別にほっとけばいいじゃないのか?』

と剣士の風格の男が口を出す。

その話を、口に風除けのための
ガードみたいなモノをした男が
ただ黙って聞いている。
そんな感じの集団である。

もちろん全員
紺色のバンダナをしている。
バンダナといってもディルの朱色のそれとは違い
グローバーの一員を示すためのアイテムである。


やはりグローバーはこの地方では
ある程度名前が通っているので
他の集団からも注目視されている。
もちろん目印のバンダナがあるので
余計注目されているのだが。

他には別の意味で目立っている集団というか4人組がいる。
4人とも迷彩服のような服を着ていて、
頭は迷彩色のスカーフみたいな物をつけており
口元もスカーフのようなもので覆っている。
分かるのは目元のみで、
まるで忍者のような格好である。
身長とボディーラインから分かるとこで
その中の一人は女性のようである。

そんな彼らはあまり有名ではない小盗賊である。
それでも世界的に活動をしているらしく
アジトは南地区といわれる大陸にあるらしい。
そして彼らは盗賊や悪いものからしかモノを盗まないという
義盗賊的なポリシーもあるらしい。

彼らは目立っていない風に思っているようだが
思いっきり目立っていた。


だいたい麓に残っている人達は
今のような盗賊団であったり、
何かの集団である。
だから、ラウドとディルのような人らはとても珍しく写った。

『なんかみんなこっち見てないか?』

ラウドはディルに聞くと

『最後だからじゃないか?』

と切り返しする、が、
ディルはこの独特の雰囲気を分かってはいて、
受付が早く終わるのを待っていた。

ようやく受付が終わると
そこにいた受付員から
公園の時のような諸注意が話されて始めていた。


その時、グローバーの一人で
体格のデカイ男が後ろから
ラウドらに近づいていた。

『そういえば
ピスカ山に入ったら
一ヶ月だけ滞在できるんだよな。
その間に宝を見つけないと
政府に消されるんだっけ?』

とラウドか確認をする。

『あとは、アクセスポイントという
七秘宝の子供みたいなものがあるみたいだな』

とディルも確認する。

『だが、政府だけで
この大会をしてるとは思えないんだが』

とディルは疑問を口にする。

『なんか引っかかるのか?』

と七秘宝探しに燃えているラウドには
全然疑問はない。
そこに先程の男が割りこむ。

『なんにも知らないんだな、やっぱり・・・』

とからかう様に
ディルの後ろから話しかける。
二人はその男に気付き反応する。

『政府がこんな"殺人大会"主催しないだろ?』

と特に殺人大会を強調して言うと
ディルとラウドの肩に手をかけた。
殺人というセリフで
ディルはその肩にかけた腕を振り払う。

体格のデカイ男はムッとはしたが
それはその反応を楽しんでいる様にも見える。

『殺人大会とはなんだ!』

とディルは怒りを言葉で表した。
その怒りをからかう様に言葉を返す。

『なに怒ってんのさ。
冗談だよ。
でも宝捜しのわりには
結構人が死んだりしてないかい?』

とディルのほうを向き
をなだめる様にそう言った。

『それは、聖剣つぶしだろ?』

とラウドが間髪いれずに返すが
その男は聞こえていない様に言葉を返さなかった。

しかし、その間は少しだけで
再び二人のほうを向き

『誰が教えるかよ。
というかお前等みたいな冒険家は
この山に入ったら死ぬぜ。
それこそ、その聖剣潰しにでもやられてな。
さっさとお家に帰んなよ』

と嫌味を含めて言うと
反対方向を向き
仲間のほうに戻ろうとしたが

『誰が死ぬかよ!
俺らは七秘宝を探してんだ。
ただの冒険家じゃないぜ』

と自信満々にラウドが言いきった。

当然にここでも
七秘宝という言葉に反応するものが多い。
そして何よりもこの体格のデカイ男が
すぐさま反応した。

『七秘宝狙ってんのか?お前ら?
・・・。
こりゃ傑作だわ。
笑わせんじゃねーよ』

と振り向きざま言うと
大笑いをした。
他に聞いていたものもつられて
笑いそうになっている。

『な、なんだよ』

とラウドはちょっと笑われたことが
頭にきていた。
しかし体格のデカイ男は
また逆に振り向き

『見つかるといいねぇ。
七秘宝さんよ』

とまた笑いながらそう言うと
仲間のいるほうへ歩こうとした。

これにはラウドは完全馬鹿にされてると気付き
喧嘩腰になろうとするが
その前にディルが手で体を抑えつけた。

そして何故かディルが体格のデカイ男に近づく。
そして先ほどその男がした様に
ディルはその男の肩に左手をつける。

『そちらこそ聖剣つぶしには気をつけたほうかいいかもな』

というとラウドの方を向き
その男の反対方向に向かって歩いて行く。
ラウドもディルニついて行く形でその場を離れる。

一方で体格のデカイ男は
ディルのセリフが嫌味返しの所詮強がりだろうと思って
納得はしていたが、それでも
山の中で会ったらただじゃ返さねぇ。と誓った。


ところでこのディルの行動には
ある理由があった。

ディルはラウドがからかわれている時に
服の中のなにかを探していた。
そしてラウドが喧嘩腰になりかけた時に
その探し物を左指に持ち
その後の行動で体格のデカイ男の肩に
おいてきたのである。

それはその男もラウドも気付かなかったが
ディルは一人、してやったの表情をした。
表向きにはあまり感情を顔に出さない
ディルのそれは珍しい表情であった。

『ラウド、少し待っててくれ』

というとディルはさらに歩き出して、
他の集団のほうに向かっていった。
ディルの行動に少し不思議な感じがしたラウドであったが
それは今に始まったことじゃないので、
あんまり気にしなくなっていた。

ディルはそこらにいる集団に
話をしようとしていた。
ある程度の集団は面白がって
ディルとたいしたことのない話をした。

その時にやはりあんまり必要なない行動として
肩を触ったりなどをしてその場を去っていく。
さすがに毎回肩を触るわけではなかったが
隠れながら服などに左手をつけたりしていた。

その行動を不信がる者ももちろんいたが
あまりほとんどは初心者のやることだと思い
構ってやるという感じでしか見ていなかった。

もちろんディルは左手で何かをしようとはしていたのだが
時には左手をフェイクに使っていたりしていた。
そんな行動を終えた頃
受付員の説明も終わり
各自が山の中に入って行った。


『ディル、あきらかに変な行動してたぞ?』

とラウドは突っ込んだものの

『いいんだよ。これで』

とディルは軽く返すにとどまった。
そして、山に入っていった。

ラウドは何が良いのかかわからないまま
ディルについて行く様に
ピスカ山に入っていった。







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