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あ れ こ れ 考 え る 28
 『バースデイ・イブは眠れない』 『空のオルゴール』 『幽霊は身元不明』 『見えない精霊』 名古屋古書即売会報告 テルミナ古書即売会報告 『嘘つきパズル』 定期観測報告 棋譜附きの労作 安易なコンセプト 『名探偵Z不可能推理』 『聯愁殺』

 『バースデイ・イブは眠れない』 2002/4/29(月)

 今日は昼はラーメン屋へ。ようやく券が7枚たまったので餃子がタダで食べられるんだよ。前回の紫色の券は5枚ぐらい残っているところで有効期限が切れてしまい残念な思いをしましたが、今度のオレンジ券の有効期限は6月末までなので無駄にならずにすんでよかった\(^o^)/
 食べ終わって、さて次は何色の券になるのかなと受け取ってみれば...あやっ、まだオレンジ色の券ではありませんか!これって、あと2か月でまた7枚集めろってこと?うううっ、きびしい(;_;)


 古本購入は、
『プラネタリウムへ行きたくなる本』小林悦子編(1992年リバティ書房)650円
 執筆陣は(財)天文博物館五島プラネタリウムや名古屋市科学館などに勤務されている方々。内容はプラネタリウムの設備や展示品、特別番組の製作、シナリオ・絵コンテの作成、投影後の質問の仕方や友の会への入会など盛りだくさん。
 ああ、ミステリーの舞台にも使えそう>プラネタリウム(^^;)


『バースデイ・イブは眠れない』小野不由美(昭63年講談社X文庫)読了
 小野不由美のデビュー作。子供向けの作品らしくネタは冒頭からバレバレで、いっそ潔い。
 さらに相手役の男性の名前が万里(まさと)という名前だったので、これはひょっとすると万里(まり)という女性だったというのもありかなとも思いましたが、さすがにそこまではありませんでした(^^;)
 いずれにせよ、これだけ素直な作品だと、まず復刊はないだろね(^_^)


 『空のオルゴール』 2002/4/28(日)

 小野不由美の『バースデイ・イブは眠れない』(講談社X文庫)を読み始める。こういう本は通勤途上では読みにくいので、読むとしたら休みの日に限られるからね。

 でもゴールデンウィークといっても、普段の休日と変わりがあるわけでもなく古本屋へ(^^;)
『スターライトこねくしょん』火浦功(昭60年集英社文庫)300円
『量書狂読』井家上隆幸(1992年三一書房)1000円
『戦争論』西部邁(2002年ハルキ文庫)340円
『小説推理三億円事件』中島河太郎編(昭50年グリーンアロー出版社)600円

 これでは、まるでものたりないので新刊書店にも行く。
 スティーヴン・キングの『アトランティスのこころ(上)(下)』は単行本と文庫本の同時刊行だ。私はもちろん単行本の方を買うつもりでしたが、単行本は上下巻とも各2,800円、文庫のおよそ4倍だ。
 よーし、単行本の方はもっと仕事に精を出して、貯金ができてから買うことにしよう!(^^;)
 でも、こんな売り方をしたら単行本の売れ行きの方への影響は避けられないよね。

 というわけで、新刊では次のものを購入
『アトランティスのこころ(上)(下)』スティーヴン・キング(平14年5月新潮文庫)
『本格ミステリこれがベストだ!2002』探偵小説研究会(2002年4月創元推理文庫)
『爆笑問題の日本原論 世界激動編』(2002年5月幻冬舎)
 すぐ読み終えてしまいました。最近は時事ネタでも鬼畜系が目立っているので、ややおとなしい感じを受けますが、本書もほんとはけっこうキケンな部類に入るのでしょうね。
『バクマン!』爆笑問題/おおひなたごう(2002年5月幻冬舎)
 爆笑問題のマンガですが、自伝マンガのようなものではありません。これもすぐ読み終えてしまいましたが、やっぱり爆笑問題のマンガとしか言いようがないかな(^_^)
『おまえが言え。』北野誠/竹内義和(2002年4月主婦と生活社)
 つい最近横浜市長になった中田宏、山本一太(自民党)、前原誠司(民主党)を迎えての対論集。


『空のオルゴール』中島らも(2002年4月新潮社)読了
 『ガダラの豚』のような作品を期待すると拍子抜けする。
 奇術家集団とファンダメンタリスト集団との闘いの話なんだけど、奇術家集団は始終酔っぱらっているし、ファンダメンタリスト集団は麻薬でラリっている... ストーリーもだらだら...
 知人に聞いたところによると、アルコール依存の噂があるそうですね>中島らも
 ひょっとして自ら酔っぱらって書いた実験小説?
 でもどういう書き方をしたとしても、できあがった作品がすべてなのだから、異論もあるとは思いますが一応駄作と言っておきます。


 『幽霊は身元不明』 2002/4/24(水)

 久しぶりにH2さんの店に行ってみると、
 「風邪をひいてしまったので、あまり近づかないで下さい」
 ええっ、今ごろ風邪?
 ほんとにあまり近づかずに早々に立ち去る冷たいオレ(^^;)


 新刊では、
『こんなにヘンだぞ!『空想科学読本』』山本弘(2002年5月太田出版)を購入。
 『空想科学読本』シリーズの批判本。
 もともと柳田理科雄著作の『空想科学読本』シリーズは、アニメや特撮番組などを分析し「科学的に間違っている」「科学的に推論するとこうなるはずだ」などと主張する批判本だ。
 本書は、その批判本をさらに批判するというコンセプトで書かれているわけで、よりサブカル的な本であると言えるだろう。柳田氏の推論は対象作品の非科学性を上まわるほど非科学的なものであり、しかも柳田氏が対象作品の内容を著しく歪め、または内容を誤解した上で批判している点でもモラルの欠けるものだというのである。
 よくぞ『空想科学読本』の批判本を書こうなどと思ったものです。なんか知らんが、偉いぞ>山本弘


『幽霊は身元不明』矢崎在美(平14年4月角川スニーカー文庫)読了
 前作の『幽霊は行方不明』で感じたとおりシリーズものとして引っ張るようです。シリーズのテーマとして置かれるのは「幽霊に関する謎」ということなのでしょう。前作は「死体の<想い( ゴースト)>はどこに消えたか」。今回は「幽霊の正体は誰なのか」 さて今後はどんなバリエーションが登場するのでしょうか。おそらく最終回は美海の正体がテーマになるのだとは思うけどね。


 『見えない精霊』 2002/4/23(火)

 帰りが遅くなってしまい新刊書店にしか寄れない時間。それでも何かは買いたいので、
『空のオルゴール』中島らも(2002年4月新潮社)を購入。
 『ガダラの豚』のような作品かとも思いましたが、40ページ位読んだところではそれほどスケールの大きな作品ではないような......

 別冊シャレードの『天城一 5』が発行されたので注文する。ものはついでに品切れになっていないものでまだ持っていないものも合わせて買うことにする。
 今回注文したものは、『No.21 井上ほのか』、『No.35 村瀬継弥』、『No.38 津島誠司』、『No.42 城平 京』、『No.46 竹本健治2』、『No.47 鯨統一郎』、『No.53 今邑 彩』、『天城一 5』の8冊。
 なんか買いすぎのような気も(^^;)


『見えない精霊』林泰広(2002年4月光文社カッパ・ノベルズ)読了
 マジックショーはいいけれど、それを成立させるための条件作りはかなり強引。
 少女側は主人公たち4人を殺すにあたって、ジャッジ役の村人5人によって、精霊が主人公を殺したと納得される必要がある。これがマジックショーの核心。しかし、その5人の村人はなぜかお互いの嘘を見破ることができるという特異な能力を持っているのだという。この点にはトリックはないので、そのまま受け入れなければならない。
 また、舞台となる飛行船の3つの部屋は、Aの部屋からはBの部屋へしか行けず、Bの部屋からはCの部屋しか行けず、Cの部屋からはAの部屋にしか行けないという特殊な性質を持っている。
 その他、ダブルミーニングなども各所に存在するのだけれど、それがダブルミーニングになるのにもかなり偶然が左右しているのだ。
 トリック自体はシンプルで優れたものではあるけれど、ここまで不自然な設定が必要ということになるとかなり評価は差っ引かれることになると思います。


 名古屋古書即売会報告 2002/4/20(土)

 今日は名古屋古書会館の即売会2日目。案の定、どうしてもほしいという本は見当たりませんでしたが、それでも何かは買っておきたい(^^;)
『ゴニラバニラ』舟崎克彦(昭50角川書店)500円
『宇宙怪獣ゾーン』バン・ボクト(昭44偕成社SF名作シリーズ5)1000円
『吉祥寺探偵局』いしかわじゅん(昭62講談社ノベルズ)100円
 今、見直してみるとそんなに悪い買い物でもなかったな(^_^)


 新刊購入は、
『見えない精霊』林泰広(2002年4月光文社カッパ・ノベルズ)
 帯には泡坂妻夫氏の「久しぶりに活字による大マジックショーに出会った」との大賛辞。そこまで言われたら買わなくっちゃね。
『推理日記Y』佐野洋(2002年4月講談社文庫)
 『推理日記PARTZ』(1995年講談社)、『推理日記PART8』(1997年講談社)の合本文庫化。
 単行本も買っていますが、たぶん『PART8』の方は読んでいないし、昨年出版された『PART9』もどこにいってしまったことやら(^^;)


『世界は密室でできている。』舞城王太郎(2002年4月講談社ノベルズ)読了
 読んでいる間も、なんとなく波長が合わないなあと思っていましたが、読了後もその印象はかわりません。
 雑多に事件が起こり、適当に何人かが死んで、密室になったり、犯人がいたりもするのだけれど、そこには別に小説としての必然性はないような......ひょっとしてこれが新しい波のひとつになるのかなあ。でも、少なくともカタルシスを感じるというような小説ではないので、読了後、満足感を得るのはむずかしいと思うけどね。


 テルミナ古書即売会報告 2002/4/18(木)

 今日はテルミナ古書即売会の3日目。普通の感覚なら落穂拾いもいいところなのだが、今回は名駅で行う古書市というだけあって、各店とも一般客を対象とした品揃え。もともとあまり珍しいものは出品していないようです。それなら無視すればいいのかといえば、店の意図とはうらはらに珍しいものが出てしまうのが古書。まったく無視というわけにもいかないんだよな(^^;)

 やはり客層は主として一般人。おばさんがレジのお兄さんに
この本と同じ本を、さっき500円で買ったばかりなのよ」と訴えかけている。
 おそらく買ったあとで、もっと安い値のついた同じ本を見つけてしまったのでしょう。そのショックはわからんでもないが、だからといって安いものと買いかえるというのは古書即売会では難しいのだ。
 本に貼ってある紙片には、金額と、その店名を表す「F」とか「A」とかの記号しか書かれておらず、売却時にこの紙をはがしてお金を受け取り、閉店後にこの紙片で売上を分配するのだ。したがって本から紙をはがしたあとでは、その紙片がどの本についていたのかわからない。したがって本を返却されても、500円の紙片のうち、どの店のものを売上から外せばいいのか特定することができないのだ。
 それも知らずに訴えつづけているのは、やはり初心者というしかありません。とはいっても、買った直後にそれより安いものを見つけて悔しがるのは僕らも一緒なんだけどね(^^;)

 これといって珍しい本はないので、テレビ朝日編の『朝まで生テレビ』各300円をまとめ買い。『原発』、『原発2』、『激論!消費税』、『激論マスコミ&ジャーナリズム』、『日本人とプロ野球』、『どうする?どうなる?90年代日本』
 『激論!消費税』と『激論マスコミ&ジャーナリズム』は現役で買っていたような気もするが、まあどっちみち出てきっこないから同じことだ。
 『日本人とプロ野球』なんてテーマでも討論していたんだね>朝ナマ  ちょっと意外。
 そのほか古本で買うつもりだった、
『シャーロックホームズの醜聞』小林司/東山あかね(1999年晶文社)1000円を購入。

 明日は名古屋古書会館の初日なんだけど、ちょっと行けそうにないので、また土曜あたりに落穂拾いかな(;_;)


 『嘘つきパズル』 2002/4/15(月)

 朝の通勤時間でくろけんさんの『嘘つきパズル』を読み終えてしまいました。うう、帰りに読む本がない。新刊はけっこう買いだめしてあるのに、家に置いてきていては何の役にも立ちません(;_;)
 というわけで帰りにまた新刊書店に寄ってみましたが、こう頻繁だとさすがに買うものがない。
無理して『ファイナル・セーラー・クエスト完全版』火浦功(平14年角川スニーカー文庫)を購入。
 でも買ったことに安心してしまい、帰りの車内では目をつぶって半眠状態でした(^^;)

『嘘つきパズル』黒田研二(2002年4月白泉社My文庫)読了
 島に漂流した7人のうち2人にだけ「嘘をつくことができない」という呪いがかけられる。呪いがかけられているのは誰なのか。また、それに並行して起こる殺人事件の犯人は?
 これは傑作!
 伝説の名刑事「ぜにーちゃん」が活躍する長編本格推理。
 登場人物7人のうち呪いをかけられた2人は真実しか語れない、という条件から論理的に真理が明かされていくところは本格推理以外のなにものでもありません。一見短編ネタのようですが、このネタを有効に用いるには長編の方が適していることが読んでみてよくわかりました。しかも描かれている世界が心地よく、いつまでもこの世界にひたっていたいと感じるような作品です。究極の名探偵というアイディアもすばらしくよかったね。


 定期観測報告 2002/4/13(土)

 休日の定期観測。まずは天白区の店へ。
『シャーロックホームズの愛弟子 マリアの手紙』ローリー・キング(2000年集英社文庫)100円
『眼のない人形たち』森真沙子(平11年日文文庫)100円
 レジ横に見慣れぬ目録が置いてあるので手にとる。「古本情報誌かわらばんNo.5」と書いてあります。
「これはこちらのお店の目録ですか?」
「ええ、届いてません?どうぞお持ちください」
 最近、目録注文することがほとんどないので、届く目録も目に見えて減ってるんだよな。せっかくだから、何か注文しようかなと思って、今、見直してみたけれど、やっぱりほしい本がないや(^^;)

 2軒目はまだ開いていないので、その近くにある「パセリ」というとんかつ屋で昼食をとる。
 家族連れ4人がカウンターに座っていて、他の方に出される定食の量の多さを見て、いちいち「すごい量だね」「これは小盛にしてもらった方がいいね」などと話合っているのが目立っている。
 食事が出てきても「全然小盛じゃない」などと不満そう。でもその直後に出された私のトンカツ定食を見て、やっぱりこれでも小盛なのかと納得したようでした。
 一応食べ終わってからチェックしてみると、皆さんまだ半分位しか食べていない。ちょっと得意になってお金を払って出てくる小市民なオレ(^^;)

 H2さんの店でも、この「パセリ」の常連客が増えているそうです。爆発定食というとんでもない定食を食べ終えたお客さんもいるらしい。やはり上には上があるもんです(^^;)
『メイキング・オブ・円谷ヒーロー』(講談社X文庫)を100円にまけてもらって購入。

 続いて、スプーキーさんが開いた猫又文庫に寄る。すでに本格的に開店したそうで、すでに常連客もできているようです。よかったね。
『ザ・サバイバル』ジェームズ・ハーバート(1978年サンケイノベルズ)1000円
『ハードボイルド傑作選1』中島河太郎編(昭51ベストブック社ビックバードノベルズ)800円

 あれこれ話をしていたら、映画やさん登場。ここはこの前までは映画やさんの店だったのです。
「あれ、まだ映画やさんの本も置いてるんですか」
「映画のパンフレットを置かせてもらってるんですよ。あと、友人との待ち合わせ場所にも使ってます」
 待ち合わせ場所?そういう場所にも使われてるわけ。スプーキーさんの店らしいわね(^_^)


 棋譜附きの労作 2002/4/12(金)

 新刊書店には昨日行ったばかりですが、15分位しか時間がなくあまり見てまわる暇もなかったため、今日も帰りに寄って、買いもらしの本を確保。

『ヒカルの碁 碁ジャス キャラクターズガイド』原作ほったゆみ/漫画小畑健(2002年4月集英社ジャンプ・コミックス)
 これは意外な労作!ヒカルVSアキラ、アキラVS佐為、佐為VS塔矢行洋など本編で闘われた対局22局の棋譜が載っているのだ。佐為VS塔矢行洋の対局ではヒカルが指摘した黒逆転の手まで紹介されているのにはびっくり。まさか棋譜まできっちり考えてあるとは思わなかったな。いや、ますます見直しました。
 もっとも棋譜を見たところで、私にはなにも解らないんだけどね(^^;)

 他には、
『パンプルムース家の犬』マイケル・ボンド(2002年4月創元推理文庫)
『嘘つきパズル』黒田研二(2002年4月白泉社My文庫)
『幽霊は身元不明』(平14年4月角川スニーカー文庫)
『ウラグラ』唐沢俊一(2002年4月アスペクト)
 を、ごちゃごちゃと購入。

 舞城王太郎の『世界は密室でできている。』はやっぱり波長が合わないので読むのを断念。くろけんさんの『嘘つきパズル』を読み始めることにしました(^_^)


 安易なコンセプト 2002/4/11(木)

『怪網倶楽部』唐沢俊一(2002年4月講談社)はアヤシゲなネットサイトの紹介本だ。
 しかし、あやしげな本を出版するのと比較しても、あやしげなサイトを公開するのは比べ物にならないほど容易にできるし、その結果アヤシゲサイトが氾濫しているのが現状である。したがって、アヤシゲサイトの紹介は、わざわざ手間暇かけて出版されたあやしげな本を紹介するものに比べてもかなりインパクトが小さく、その企画自体、安易なコンセプトと言われてもしかたあるまい。

 久しぶりに新刊書店に寄ってみると、しばらく見ないうちにけっこう新刊が出てる(;_;)
 しょうがないので、ごちゃごちゃ買う。
『水谷準集 お・それ・みを』日下三蔵編(2002年4月ちくま文庫)
『少年探偵王』芦辺拓編(2002年4月光文社文庫)
『鮎川哲也名作選』日下三蔵編(2002年4月河出文庫)
 この3冊はデフォルトで購入
『メフィスト』2002年5月増刊号(講談社)
 推理系の雑誌の中では、好きな作家が並んでいてもっとも楽しみにしている雑誌です。今日買った本で必ず読むと思われるのはこれだけ(^^;)
『本の雑誌』2002年5月号(本の雑誌社)
 背表紙には「春のお楽しみ3本立て!」と書かれているのですが、目次を見てもなにが3本立てなのかわかりません。わかった方、教えて(^^;)

 舞城王太郎『世界は密室でできている。』を読んでいるところなのですが、これがちっとも進まない。おもしろいという雰囲気は感じるのですが、なにか波長が合わない感じで、のめりこむことができません。どうしてなのかなあ。


 『名探偵Z不可能推理』 2002/4/7(日)

 今月は、講談社ノベルズの密室本が3冊刊行されました。これらには、『編集部ホンネ座談会』という非売本を申し込むための応募券がついているので、そのためだけに購入。 
『世界は密室でできている。』舞城王太郎(2002年4月講談社ノベルズ)
『四月は霧の00密室』霧舎巧(2002年4月講談社ノベルズ)
『芙路魅 Fujimi』(2002年4月講談社ノベルズ)
 これで集まった応募券は4枚。あと1枚で5枚集まります。
 でも、5枚集まったらどうしても購買意欲は減少するから、刊行が遅い作家ほど営業的には不利なのでは?
 いや、そもそもこんな企画がなかったら、これらの本も買っていたかどうかわからないわけだから、やっぱりしてやられているのか?(^^;)
 
 古本購入は、
『月刊オール川柳 1999年3月号』460円
 特集の「寺山修司と川柳」では、「彼が23歳という若さで語った川柳論は、実に興味深い内容であるのにあまり知られていない」と言い、寺山修司の川柳に対する見解をたどるというもの。
 「川柳の生き残る道は、万人が作者になり、歴史というとてつもない大きな土蔵の壁に落書することなんだ」という彼の予言は、サラリーマン川柳や大阪弁川柳などとして顕現化しているともいえるだろうが、特集記事としては突っ込みのたりない内容だ。

『名探偵Z 不可能推理』芦部拓(2002年4月ハルキノベルズ)読了
 Q市で起こる怪事件の数々を、論理ぶっ飛び探偵の乙名探偵(おとなとるただ)が解決する、超絶推理短編集。18編収録。
 「芸能界から忘れられた女優が復帰するための手段はダイエット本の出版だ」などというところから積み上げられる超絶推理がすばらしい!
 アパートの住居人、管理人の26人がいっせいに姿を消す、「26人消失す」の真相も忘れられないし、また、少女怪盗Ψの登場以後は、古きよき時代の探偵小説という趣まで醸し出し始める、なかなかいかした短編集です。
 作者あとがきでは中田ダイマル・ラケットの漫才を絶賛していますが、あいにく私には覚えがありません。よくラジオでCMをしていた「片目の予算で両目が買える」の漫才師でしょ?でも、こんなふうに煽られては聞きたくなるではありませんか!>ダイマル・ラケットの漫才

 

 『聯愁殺』 2002/4/3(水)

 4月になって暖かい日が続いていますが、当方はあいかわらずブックオフに行っては買うものがないなどと、ぼやいております(^^;)

 新刊購入は、
『名探偵Z 不可能推理』芦部拓(2002年4月ハルキノベルズ)
 乙名探偵が活躍するぶっとび推理連作短編集、18編収録。最初の数編を読んでみましたが、第3話の、アパートから依頼人を除く居住者と管理人の全員がある日突然いなくなる「26人消失す」は秀逸。こんな真相、気がつくかいな。

『聯愁殺』西澤保彦(2002年3月原書房)読了
 若い男に部屋におしいられあやうく殺されそうになった梢絵は、なぜ自分が襲われたのか、調査を<恋謎会>に依頼する。2001年の大晦日、恋謎会の4人、警察官の双侶、梢絵の6人が集まり推理合戦が展開される。
 推理合戦テーマの小説はあまり好みではないが、西澤保彦にはこのテーマで『夏の夜会』という名作もあるので、この作品も読んでみた。
 たいていこういったテーマの場合、推理合戦のメーバーの中に犯人がいることを疑いながら読むことになるのだが、なるほどそういう騙しね。悪くはないじゃない。
 それにしても、いつものことながらこの作家の登場人物の名前の読みにくさはどうにかならないものか。すぐ読み方を忘れてしまい、いちいち登場人物表を見直さなければならないのがかなりわずらわしいのだが。


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