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あ れ こ れ 考 え る 41
 猫又さん、ネット参入 『家元の女弟子』 名古屋古書即売会報告 今年最初の新刊購入 『目黒の狂女』 『淀君の謎』 『劇場の迷子』

 猫又さん、ネット参入 2003/1/14(火)

 コミック版『刑事ぶたぶた2』が出版されたらしいというので仕事帰りに新刊書店に行ってみたが、あいかわらず「1」しか売ってない(;_;) それ以外にも買いたい本はないし、つまらんな。

 しかたがないので猫又文庫へ寄ってみると、おっ、
『ベン・ケーシー 暗い秘密をもつ少女』W.ジョンストン(昭38年3月初版、昭38年4月第8版 学研新書)700円が置いてある。ラッキー!
 第8版というので、かなりの部数出版されたのだとは思うが、私は一度も遭遇したことがないのだ。それにしても昭和38年3月20日に初版で、4月10日にはもう第8版とは、いくらなんでも速すぎる気がするのだが?

 「ベン・ケーシーは珍しいですね」
 「ええ、でもね、巻末の広告によるとベン・ケーシーは少なくとももう1冊は出てるみたいなんですよ」
 なるほど、確かに『ベン・ケーシー 裁判狂の女』ベン・ケーシー第二弾が三月上旬発売予定と書いてある。しかし、第一弾の本書の初版が3月20日付なので、それより先に出たということもないだろうから、少なくとも第二弾の三月上旬出版は実現しなかったはず。ほんとに出たのだろうか。出てたらほしいな。
 なお、第二弾の作者名はN.ダニエルスとなっているので、1作ごとに作者が違っていたようだ。

 他には、『マイアミ・バイス 2 復讐ゲーム』、『マイアミ・バイス 3 危険を買う男』、『マイアミ・バイス 4 黄金の三角地帯』ステファン・グレイブ(1986年廣済堂出版)各400円を購入。

 猫又さんがキーボードを打ち続けている。いよいよ「日本の古本屋」に載せる本のリストを打っているのだという。
 入力はワークシートで行っているようですが、「送信はCSV形式でなければいけないということなんですよ」
 「ああ、でもエクセルならその形式で保存するメニューがあったんじゃなかったかな。どれどれ見てもいいですか」と知ったかぶって画面をのぞいてみたら、
 あっ、「桐」だ!
 ごめん、猫又さん。数々のソフトを使いこなしている私だが、唯一「桐」と、それから「Word」だけはさっぱりわからんのだわ(^^;

 それでも、「ADSLで接続している割に遅いんですよ」などと言いながら、サイトをサクサク廻る様子を見せられたときには妬んだぜ(-_-)
 「外国のホームページを見ても電話代はかからないんですか?」と尋ねる猫又さん。
 それは大丈夫ですよとお答えすると、マニアックな作家(誰かは忘れた(^^; )のサイトを、「おっ、おっ!」と次々とうれしそうに廻っておられました。
 こうやって見せてもらうと海外サイトもおもしろそうだな。今では翻訳ソフトやサイトも利用できるので、海外サイトだってまったく理解できないということもないだろうし、と改めて教えていただいた気分です。ありがとうね>猫又さん


 『家元の女弟子』 2003/1/11(土)

 今日の古本購入は、
『ゴジラ来襲!! 東宝怪獣・SF特撮映画再入門』坂井由人/秋田英夫(平10年KKロングセラーズ)350円
『SF MOVIES』SF映画の過去と現在(平14年 NEKO CINEMA BOOK)800円
『大集合ザッツパロディ』夏目房之介(K・Kサン出版 COMIC PET)1000円
『老いたる霊長類の星の賛歌』J・ティプトリーJr.(サンリオSF文庫)700円

 夏目房之介『大集合ザッツパロディ』は、鉄人28号、ゴルゴ13、森雪の隠し撮りや、太陽に突入したアトムへの突撃取材、ねじ式の世界探訪など盛りだくさんの内容。こういうのは好きなんだよね。


『家元の女弟子』戸板康二(1990年文藝春秋)読了
 傑作ぞろいの連作短編集、12編収録。この連作短編集では、主要登場人物として新たに雑誌レポーターの関寺真知子が登場する。

 「芸談の実験」では、関寺真知子が初登場。雅楽の目的が明らかになったとき、あっ、やられた!こんなふうに何気なく引っ掛けられるとうれしくなる。傑作です。
 「おとむじり」も傑作。本編では竹野が大活躍。関寺真知子が結婚することになってがっかりしている雅楽のために、竹野が一計を講じるのだ。結末の真知子の所作にも感動させられる。
 また、「市松の袢纏」に出てくる「歌舞伎座百年ちょっといい話」という企画には大笑い。

 詳細は、 → かくれた名作「中村雅楽探偵譚」 『家元の女弟子』


 名古屋古書即売会報告 2003/1/10(金)

 今日は名古屋古書会館即売会の初日。
 今回は久しぶりに目録注文もしているし、高くて注文できなかった本もひょっとしたら売れ残って棚に並んでいるかもしれないと思い、キャッシュカードで金までおろして駆けつけたのだが、目録注文していた4冊のうち当たっていたのは1冊だけだった(;_;)

『死にぞこない』飛鳥高(昭35年光風社)5000円
 これでテキスト的には飛鳥高が全部揃ったあ\(^o^)/
 いや、飛鳥高で既読なのは、最近河出文庫で出版された名作選のうちの最初の短編1編だけなんだけど(^^;
 当たったのはこの1冊だけだが、一番ほしかった本は入手できたので一応満足だ。

 ちなみに私が注文してはずれた3冊とは、『文殊の罠』鷲尾三郎(春陽文庫)2000円、『地獄の同伴者』楠田匡介(春陽文庫)2000円、『悪魔の唇』渡辺啓介(春陽堂探偵双書)6000円
 このうち 『文殊の罠』と『地獄の同伴者』がはずれたのは惜しいけど、『悪魔の唇』は、はずれてよかった。注文してから気がついたのだが、これは多分持ってるもの(^^; 

 今日はせっかく金までおろしてきたので、これだけで帰るわけにはいかない。それにしても、目録にかなり高額で出ていた本も棚に残っていないのには驚いた。『疑惑の夜』15000円とか、『死を運ぶトラック』12000円などという本もほんとに売れたんだろうか?

 売れ残っている棚から次のものを購入。
『テディ片岡ゴールデンデラックス』テディ片岡(昭46年三崎書房 Bunny Books)1000円
『殺人者国会へ行く』日影丈吉(昭51年ベストブック社 Big Bird Novels)2000円
『密室の妻』島久平(昭37年東都書房)2500円
 このうち『殺人者国会へ行く』はダブりだった。

 また別の棚から
『スーパーマンの最後』監訳モンキー・パンチ(1993年中央公論社)500円も購入。

 レジで男性が「今日は100円の袋もらえないの?」と尋ねている。係の方から「最終日だけですから」との回答を受けて残念そうだった。
 最近始まったサービスだが、最終日に1000円以上買った人は100円均一本入れ放題の袋をもらえるのである。
 もっとも私はそのサービスを受けたことがない。ほしい本があったら最終日まで買うのを待つことなどできないし、そもそも最近、古書市の最終日に行ったこともない。また100円棚でそんなにたくさんほしい本が見つかるとも思えないしね。
 現に今日も100円棚で買ったのは、
『男性滅亡』山田風太郎(立風書房)の1冊だけだったし。


 今日の新刊購入は、
『ホラー・ガイドブック』尾之上浩司編(平15年1月角川ホラー文庫)
『フレームアウト』生垣真太郎(2003年1月講談社ノベルス)
 『フレームアウト』は第27回メフィスト賞受賞作。「メフィスト賞史上最大の挑戦!!」とあるのはホントか?まあ誇大広告のような気もするけど(^_^)


 今年最初の新刊購入 2003/1/9(木)

 今年になってようやく初めて新刊書店で本を買う。

 まず、『本の雑誌 2003年2月号』(本の雑誌社)では、なんと1ページ丸々使って『未読王購書日記』の広告が!まるで社の命運をかけているかのようです。でも、とんでもないものに命運をかけているのでは>本の雑誌社
 発売は2003年2月下旬、予価1800円だという。って、もう来月発売じゃん!
 広告に載せられているページを目をこらして見ると2000年9月20日及び9月21日分なので、開設当初分から掲載されているようです。とにかく買わせていただきますね>『未読王購書日記』m(__)m

 他に買ったのは、
『「妖奇」傑作選 甦る推理雑誌4』ミステリー文学資料館(2003年1月光文社文庫)
 喜国雅彦氏の解説がすてき。喜国さんが雑誌の真髄を語る。

『本の旅人 2003年1月号』(角川書店)
 購入した目的は、大森望&吉田伸子&吉野仁による座談会「Next賞第一回受賞作を読んで」 この雑誌は1年間定期購読していたこともあったが、今はもうとっていないので、今回は三省堂で100円で購入。しかし普通こういう雑誌はタダのような気もしてちょっと気になっている。実際、以前別の書店でタダでもらったこともあるのだ。まあせこい話だけど。

『陰陽師11』岡野玲子/原作夢枕獏(平14年白泉社)
 ちょっと購入が遅れたが11巻を購入。購入が遅れたわけは、私がまだ1巻から10巻の、ただの1ページも読んでいないことにある。だからあわてて買う必要はなかったわけやね。


 別冊シャレードの「67号 山沢晴雄特集6」、「71号 天城一特集8」が届きました。贅沢な気持ちになれる本です。感謝、感謝。


 読書の方は戸板康二『家元の女弟子』を読み始めています。これも未読でした。ほんとに未読ばっかりだな(^^; 「芸談の実験」では、雅楽の目的が明らかになったところで、あっ、やられた!


 『目黒の狂女』 2003/1/7(火)

 さあ今年も1週間が過ぎ、きっと新刊がどっさり発売されていると思って新刊書店へ行ってみたのだが...... なんだ、目新しい本出てないじゃん。年末年始は新刊が出ないこともあって戸板康二を読むことにしていたが、それをまだ続けておきなさいということか?
 もっとも読み始めてわかったことだが、戸板康二はほとんど未読だったので、まだ読む本は残ってはいるんだけど。でも、もうちょっと読んでると思ってたのにへんだなあ(^^;


 古本屋は寒くてパス。雨の日でも雪の日でも行きたい頃もあったのだが、最近は根性なくなってるぜ。やはり古本集めも基礎体力が必要だと感じる今日この頃だ。そう、古本を集めるなら、まず睡眠時間を十分とり、喫煙飲酒もほどほどに、また朝食も毎日しっかりとり、適度の運動にも心がけ、体力の維持増進をはかることが大切だと思うのだ。(って、ほんとか?)


『目黒の狂女』戸板康二(1982年講談社)読了
 中村雅楽推理手帖と銘打った、粒ぞろいの連作短編集。10編収録。
 「女友達」では、雅楽がテレビのモーニングショーに出演することになったのだが、突然、番組編成に無理な注文をつけ始める。結末がきれいに決まる好作品。
 「女形の災難」で、雅楽がした推理が当たる確率は1%にも満たないだろう。この最高峰のご都合主義にはひれ伏すしかない!(^^;
 「俳優祭」では、雅楽が若手の女形が演じる催眠術に出演する。しかし雅楽には、ある目的があった。読後感も爽やかな傑作。
 「コロンボの犬」では、コロンボの吹替え俳優が登場。最後に彼が真相を解き明かすが、その台詞の書き割りは雅楽の手によるものだった。「刑事コロンボ」が推理の根拠に使われるところもおもしろいが、戸板康二も「刑事コロンボ」を好んで見ていたんだね。

 詳細は、 → かくれた名作「中村雅楽探偵譚」 『目黒の狂女』


 『淀君の謎』 2003/1/5(日)

 ひまなので早口ことばを作ってみました。
  隣の柿はよく客喰う柿だ
  生はげ生首生殺し
  バス核爆発
  太ももも内ももももものうち
  赤犬神青犬神黄犬神
  うらにわにははにわ にわにははにわ なかにわにもはにわが埋まっている


 今年の新刊はまだ出ていないだろうから、新刊書店は明日以降にして古本屋に2軒行ってみる。購入したのは、
『阿部定の犬』、『キネマと怪人』、『ブランキ上海の春』佐藤信(1976〜1977年晶文社)3冊2000円
 「喜劇昭和の世界」と銘打った佐藤信の戯曲3部作。阿部定が、明智が、二十面相が、昭和の時代を駆け巡る。
 明 智 いいから、思い切ってがあんとおやんなさい。探偵商売に情けは無用。
 小林君 やりましたよ、先生。フィリップ・マーロウのように細心に、マイクハーマーのように大胆に。


『淀君の謎』戸板康二(1983年講談社)読了
 8編収録、うち雅楽譚は「かんざしの紋」を除く7編。
 表題の「淀君の謎」は、淀君にまつわる謎に雅楽が挑む歴史ミステリー。淀君はなぜ家康に降伏せず豊臣家滅亡を選んだのか。その回答にはさすがにリアリティはないが、これを舞台で演じれば新解釈と呼ばれるのかもしれない。こういうあたりが雅楽譚をミステリー歌舞伎と呼びたい所以だ。
 私のお気に入りは「むかしの写真」。雅楽が昔の写真を見て、50年前、女形の市村芳之丞が急に大阪に去った理由に気付くという話だが、結末があざやかに決まる。

 詳細は、 → かくれた名作「中村雅楽探偵譚」 『淀君の謎』


 『劇場の迷子』 2003/1/3(金)

 さて、今日は新春古書即売会の初日。やることもないので朝一番で駆けつけてみたが、これといった本はなし。懐手で眺めていると、「おう」と声をかけられる。案の定、王様だ。
 「飛鳥高は出てるか」
 「いや、どうも来週のようですよ」
 「ふうん。まあどうせ安めの本には注文が入っているだろうから、当日は並びはせんだろうがな」
 王様も買う本には苦労しているようだが、年当初から手ぶらで帰るわけにも行かないのだろう、何冊かは手にしている。私も1冊だけだが購入。

『OH!SF映画 先駆的SF特撮映像論』大伴昌司(昭60年朝日ソノラマ)1500円
 大伴昌司が『SFマガジン』に掲載していたSF特撮映画ガイド「トータルスコープ」(昭40年5月号〜48年3月号)、読みきりルポルタージュ等を纏めたもの。トータルスコープの第1回(昭40年5月号掲載)は次の一文で始まる。
 「七月からTBSテレビ系列に待望の円谷SF映画『ウルトラQ』が登場します。」
 先駆的という副題はついているものの、実際には歴史を感じさせる良書だ。

 王様とファミレスでダベる。
 王様の本の刊行状況についてはやはり王様自身にもわからないようだ。出版社もこういう出版形態だと原稿を送ってもらう必要もなくて楽かもしれない。王様がアップしたHPにアクセスするだけでいいわけなんだから。
 その他、会話の中で専門用語もぽんぽん出てくるのだから我々もずいぶん進歩したものです。もっとも単語の意味はわからないので、
 「へたに書き込むと、どこの会社からかばれるそうだぞ」
 「それがIPアドレスということですね」
 「プロキシというのもあるだろ。何かの略称か」
 「うーん......」
 「うーん......」

 その後王様は新刊書店方面へ、私は猫又文庫さんへ。

 「猫又さんは今日は即売会にはおいでにならなかったんですね」
 「寝坊しちゃったからね。また明日以降に顔を出すかもしれないけど」
 猫又さんが入会を予定している「日本の古本屋」についてお話を伺う。
 公開されている内容だとは思うが、会費は登録冊数によって、例えば200冊までなら月2000円、1000冊まで月3000円、2000冊まで月5500円というぐあいに決まっているのだそうだ。さらに入会時に10000円かかるのだという。
 案外かかるもんなんですねえ。ご自分のHPを作るのとどっちがいいのかな。

 ここではレジ机に積んであった本の中から、
『ジュニア版世界の推理 皆殺しスパイ大作戦』ブリュース(昭47年初版、昭48年2版 集英社)700円を購入。フランスのスパイ小説O・S・S117号シリーズのジュブナイルだ。
 ついでに、『600万ドルの男 殺人クリスタル』『600万ドルの男 謎のリモコン人間』『600万ドルの男 未知からの挑戦状』(1977〜1978年 ミカサ・ノベルズ)3冊800円も購入。


『劇場の迷子』戸板康二(1985年講談社)読了
 そこそこの作品群、12編収録。うち雅楽譚は「市村座の後妻」を除く11編。
 「祖母の秘密」では、古書展で本を買い逃して未練たっぷりの竹野記者に思わず共感してしまう(^_^)
 「弁当の照焼」は、楽屋に配られた弁当で役者が体調を崩したと言い出す。雅楽は思いがけない方法で解決を図るのだが、なにもそんなことまでしなくても。
 「不正行為」は、カンニングを疑われた下敷に書かれた方程式の意味を、雅楽が読み解くという内容だが、こんな暗号わかるわけないよ。
 「写真の若武者」で、雅楽には子供も孫も存在しないことを前提にしていることに、おやっと思う。河出書房新社『車引殺人事件』の32ページ(講談社文庫『團十郎切腹事件』所収「車引殺人事件」では24ページ)にはこう書かれている。「すると、雅楽は顔色をかえた。彼の孫が、今四国の方へ就学旅行に行っているのだ。」ここを読むと、雅楽譚第1作の「車引殺人事件」の頃は雅楽に孫がいたようなのだが、どこかで設定がかわったのだろうか?

 詳細は、 → かくれた名作「中村雅楽探偵譚」 『劇場の迷子』

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