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あ れ こ れ 考 え る 39
 年末年始の読書計画 『海鳴』 『千年岳の殺人鬼』 『ファンタズム』 名古屋忘年会オフ 苦手な書店 『神様のパズル』

 年末年始の読書計画 2002/12/20(金)

 今日は古書会館即売会の初日だけどパス。今回は年末恒例になっている(といってもまだ2年目だけど)全品均一本セールなので、朝一番で行くのでなければあまり意味がない。どうせ猫又さんも行ってるだろうから後から行っても何も残ってないだろうし。
 明日、猫又さんの店に寄って何があったか教えてもらうことにしよう。(でも何かあったのなら悔しいから、やはりやめた方がいいかも)

 新刊購入は、
『本格一筋六十年 思い出の鮎川哲也』山前譲編(2002年12月東京創元社)
 内容は100名による追悼文と担当編集者による座談会、鮎川哲也年譜など。

『猫は聖夜に推理する 猫探偵正太郎の冒険U』柴田よしき(2002年12月光文社カッパ・ノベルス)読了
 カッパノベルズの猫探偵正太郎シリーズとしては2冊目だが、その前に角川文庫からも2冊出ているので、つごう4冊目。本書では番外編として22世紀を舞台としたSFミステリも登場するなど、多様な連作短編集となっている。

 戸板康二の『美少年の死』を読み始めている。本格歌舞伎ミステリーとして読むと疑問を感じる点もないではないが、ミステリー歌舞伎譚とでもよんだらいいのか、歌舞伎のように味わう小説なのだろう。年末年始に雅楽ものを中心に未読のものを何冊か読んでみようと思う。もっとも今までにどれを読んでいるのか、よくは覚えていないけれど (^^;


 『海鳴』 2002/12/19(木)

 新潮文庫の『ドイル傑作集』T〜Zを100円〜300円で載せている目録を発見。このくらい安ければ注文してみる気もするが、まあ当たらないのだろうね。

 今日の新刊購入は、
『少女武侠伝 野良猫オン・ザ・ラン』早見裕司(2003年1月エニックスEXノベルズ)
 おっ、新年を飾る早見さんの新作だ! って、ちょっと発売がフライング気味かも(^_^)

『綺堂は語る、半七が走る 異界都市江戸東京』横山泰子(2002年12月教育出版江戸東京ライブラリー)
 岡本綺堂の怪奇譚ガイドブック。著者は、一見怪談とは無関係な半七物にも怪談のテキストを読み解くヒントが隠されているというのだが......


『海鳴』明野照葉(平15年1月双葉社)読了
 歌い手となるべき使命を持って生まれてきた人間には神の恩寵が授けられている。
 15年前、歌手を夢みていた良江は、今は鎌倉の料理宿で若女将として暮らしていた。ところがある日、14歳になる自分の娘、恵の歌を聞いて驚愕する。特別な子、この子には神がついている。その日から良江は、恵を歌手にすべく行動を開始する。
 一気に読ませる傑作。動揺と混乱の中で娘を歌手にしようと躍起になる母と、物事に動じない娘のコントラストが効果的。サスペンスを織り交ぜながら、神に選ばれた者の幸福と庶民の幸福のどちらもが、かけがえもなく尊いものであることが語られていく。読後感も爽やかだし、安心しておすすめできます。


 『千年岳の殺人鬼』 2002/12/15(日)

 今日はたまっていた目録から、4軒に注文を入れる。もっともどの店に対しても注文した本は1冊ずつだけだから、アリバイ作りの注文といわれても仕方がない。ついでに懸案だった講談社特製ノベルスの応募もしておく。
 ところで、いつのまにか普通郵便用の差入口が年賀郵便用の差入口に変わっていて、あわてた。間違えて投函したら正月まで届かないかもしれないし、この時期は気をつけなきゃね(^_^)


 古本購入は、
『笑点』立川談志(昭41年有紀書房 Key books)500円
 笑点の初代司会者、立川談志の著書。最近出版された『大笑点』の原点になる著作だ。当時の回答者は、桂歌丸、春風亭笑橋、三遊亭円楽、林家こん平、三遊亭金遊(後の小円遊(故))。このうち歌丸、円楽、こん平が現在も現役なのがすごい。


 新刊購入は、
『千年岳の殺人鬼』黒田研二/二階堂黎人(2002年12月光文社カッパ・ノベルス)
『猫は聖夜に推理する 猫探偵正太郎の冒険U』柴田よしき(2002年12月光文社カッパ・ノベルス)
『海鳴』明野照葉(平15年1月双葉社)
『夏目&呉の復活!大人まんが』編・著 夏目房之介/呉智英(実業之日本社)
『ジャーロ 2003年WINTER』(光文社)
 『ジャーロ』の特集は、追悼<ありがとう鮎川哲也>


『千年岳の殺人鬼』黒田研二/二階堂黎人(2002年12月光文社カッパ・ノベルス)読了
 犯人の趣向については早い段階でわかりました。って、これはほとんどの人は気付くよなあ。ワーム・ホールを組み合わせた割には、タイムスリップ現象の扱いも平凡な印象を受けたし、すみません、何をやりたかったのかよくわかりませんでした。


 『ファンタズム』 2002/12/12(木)

 おおっ!
 『本の雑誌 2003年1月号』掲載、「2003年 本の雑誌の新刊ラインナップ」のトップにあがっている本はこれだ!>『未読王購書日記』
 王様のHPが元になっているのだろうが、書籍版では写真や書影なども掲載されているのでしょうか?あるいは付録に未読王蔵書目録などが付いていたりもするのでしょうか?個人的には秘蔵本が当たる懸賞希望だが、なんとなくあいかわらずテキストのみという気もする>書籍版『未読王購書日記』(^_^)
 (なお、丸善でサイン会も希望)

 その他の新刊購入は、
『メフィスト 2003年1月増刊号』(講談社)
『2003本格ミステリ・ベスト10』(原書房)
『甦る推理雑誌3 「X」傑作選』(2002年12月光文社文庫)

『ファンタズム』西澤保彦(2002年12月講談社ノベルス)読了
 よくこんなこと考えたよなあ。こんな真相、誰も看破できないよ。それどころか作者が西澤保彦じゃなかったらそもそも成り立たない真相かもしれない。評価が分かれる作品だろうが、私は傑作だと思う。


 名古屋忘年会オフ 2002/12/7(土)

 今夜は名古屋忘年会オフの予定だが、それに先立って3時半から鶴舞の古書会館で王様主催のプレオフが開催される。
 といっても、すでに古書会館には行ってしまっているし、しかも今回は1冊の収穫もなかったので、もう一度行きたいとは全然思わない。さらに王様と二人だけのオフになったら王様だっていやだろうからここは不参加が妥当だ。

 今日の新刊購入は、
『2003年版このミステリーがすごい!』(宝島社)
『ダ・ヴィンチ 2003年1月号』(メディアファクトリー)
 『ダ・ヴィンチ』は立ち読みではどこに載っているかは見つけられなかったが、くろけんさんの文章が載っているらしいというので購入。

 まだ時間があるので喫茶店で昨日買った『闇匣』を読むことにする。
『闇匣』黒田研二(2002年12月講談社ノベルス)読了
 密室本だからといって平凡な密室事件にはしたくなかったのだろう。フーダニットの本格推理としてきっちりまとめた良作品。「サウンド・オブ・サイレンス」にはヤラレタ!

 集合場所のクリスタル広場には、すでに王様と三重女子連合のこいんさん、メイさん、もんどさん、やまさんが集まっている。驚いたのは、みな今まで王様といっしょに古書会館に行っていたというのだ!王様が裏でそんな取引をしているとは思わなかったぜ。そんなことなら、くろけんさんの本を読んでいる場合ではなかった。ちぇっ(-_-)

 ようやく忘年会が始まったのだが、誰が何をしていたのか実はあまりよく覚えていないので、記述は適当だ。
 まず丸善てんちょうが来週転勤という衝撃的な発表をする。
あわてるくろけんさん。
「すると、今後はもう僕のサイン会はないんですね」(;_;)
「てんちょうの後がまの方はどこから来るんですか」
「それは内部です」
「ほら、くろけんさん。それなら大丈夫ですよ。それにI女史は残るんでしょ」
「はい」と微笑むI女史。
「でも、てんちょうは僕のサイン会を開いたためにトバされたんでは?」
 そりゃ自爆だよ>くろけんさん 実力者なんだからもっと威厳をもってもいいのに。
 それでも、てんちょうの転勤先が東京とわかり
「それなら東京に行ったときの宿は確保できたと思っていいんですね」ときげんをなおすくろけんさん(^_^)

 この機会に私も丸善の印象について話す。
「僕らの時代には、丸善さんて夕方は6時位に閉めてたし、日曜日も休みだったから、いつでも閉まってる本屋さんという印象だったんですけど」
「そう、そう。閉店は5時でしたけどね」
「私も開いてるところを見たことがなかった」
と同意するてんちょうとI女史。
「ストで閉店ということも多かったよなあ」
 結構みんな古いこと知ってるよな。ひょっとしたら市電の話でも支障なく話せるんじゃないか。

「ぽかぽかさんが言っていた、袋を持っている客を追い出す店ってどこなんですか」
「D堂です。私、この店で一昨年位前に10万円ぐらいの全集を買ってるんですよ。そんな大お得意様に対してさえ、野良犬扱いなんですから」(;_;)
「ところで万引きというのはどのくらいあるもんなんですかねえ」
「大きな書店だと月250万円ぐらいでしょうか」
 あわてて計算を始める一同。月250万円ということは1日およそ10万円、単価を1000円とすると100冊?
「毎日100冊も盗まれて気が付かないもんなんですかねえ」
「う、う」と苦しむてんちょう。
 さあ、もっと言ってやれ、もっと言ってやれ(^_^)

 今年読んだ中で一番の本を順番にあげていく。私が選んだのは斎藤肇の『たったひとつの浦川氏の事件簿』
 とたんに、皆から「それは昨年の作品でしょ」と突っ込まれる(;_;)
 そんな固いこと言わんでも...... この作品の仕掛けにはほんとに感心したんだから。
「それじゃあ、ぜにーちゃんだ」と訂正する。この本は、I女史も(職業がら)あげていた。おそらくこの場で2票入ったのはこの作品だけではないだろうか。
 偉いぞ>ぜにーちゃん!

 むこうでは、1941さんと王様コンビがもんどさんに飲ませ続けている。どうやらもんどさんには酔うとぬぐといううわさがあるらしいのだ...... おやじコンビか?>1941さん&王様

 プレゼント交換で私に当ったのは、いつみねこさんからの手編みのマフラーだ\(^o^)/
おそらく私のために縫ってくれたマフラーだと思う。
 もっともほんとは太田さんかくろけんさんが本命だったかもしれない。あるいは、いつみねこさんの趣味を考えれば、てんちょうか王様、またはサーザさん、ひょっとしたら1941さんであっても決しておかしくはないけれど......
 私が持ってきたラッパを吹く人形(名称不明)はI女史へ。先日閉店まぎわの名鉄百貨店で子供向きのプレゼントを店員に聞いて買ったものだ。子供向けですまん>I女史
 プレゼントで驚いたのはこいんさんから(だったか?)大矢さんへのプレゼントになった「ぶたぶた人形」だ。よく見つけたなあ。これもほしかった。ちなみに、今、職場では「ぶたぶた」の本が散乱していて、中には机の上に立てかけて飾りになっている本まであるのだ。
 今回幹事をしてくださった大矢さんのプレゼント「味噌煮込み飴(?)」を当てたのはくろけんさん。規約により次期オフの幹事になるということなので、ぜひ次のオフでは、一同で紙袋を持ってD堂へ行くという企画をたててほしいものです(^_^)

 2次会へ行く道すがら、かおかおさんに
「今年はもう世田谷のマジック賞は終わったんでしたっけ?」と尋ねると、
「予定はあったけどつぶれちゃったんだって。でもどうせ私は行けなかったから、かえってつぶれてラッキー」\(^o^)/
 多少自分勝手なところもあるけれど、『飛奴』で泡坂さんのシリーズがまたひとつ閉じちゃったことは残念そうでした。ほんとのファンなんですね。

 この後2次会では大矢さんとゆーたんさんの間に座ったが、なぜか私とゆーたんさんには座布団がなかった。冷たさを耐える二人(;_;) ひょっとしたら大矢さんが座布団を3枚敷いているのかもしれないとも思いましたがどうしても尋ねることはできませんでした。このあと2次会、喫茶店での3次会と続くのだけれど、長くなってきたので続きは(あれば(^^; )後日。


 苦手な書店 2002/12/6(金)

 今日三省堂書店では、係の方が数人、通路に座って通行人の数をカウンターで数えていた。こういうことをされると私のような店内を行ったり来たりする客にとってはかなりのプレッシャーだ。今日はあまりうろちょろしないで、引き上げることにする。

 もっともこの三省堂書店では、おそらく英会話の会社だと思うが、毎日2人が貼り付けで「抽選で図書券があたります」と連呼しながらアンケートをとっているので、今日に限らず、行ったり来たりするのにはプレッシャーを感じるのだが。
 それにしてもこのアンケート、毎日2人を朝から晩まで貼り付けにできるくらいなのだからよほど儲かるのだろう。以前、いったいどんなアンケートなのだろうかと、アンケート用紙に手を出してそのまま持ち去ろうとしたことがあるのだが、すかさず「この場でアンケートにお答えください」と言われ、あわてて返したことがある。残念ながら何のアンケートかはわからなかったな(^^;

 しかし苦手な書店と言えば、やはり私の場合「マナハウス」ということになる。苦手な原因は、
 (1) 会員になると恩典があるらしいが、本を購入したときに受け取るレシートには本のタイトルまで載っているため、どんな本を買ったかの履歴が残りそうでとても会員になどなる気がせず、結果として会員になれないことにより損をしているという気分だけが残る。
 (2) 入店する際のロッカー使用時に、いったん100円玉を入れる必要があるため、入店前に100円玉を持っているかどうか確認しておかなければならない。
 (3) 店を出る際、おうおうにして、ロッカーの鍵をあけたときに戻ってくる100円玉をとるのを忘れる。
 (4) レジが1階と5階にしかなく、さらに2階にある喫茶店では未清算の本を持ち込むことができないため、この喫茶店が利用しにくく、そのため本を購入したときにもらえる喫茶店の割引券を使うことができない。

 なお、(1)のレシートに本のタイトルが載ることに関連して、おそらく本の補充もコンピュータで管理しているらしく、この店では購入した本からスリップが抜き取られない。
 したがって、スリップ付きの完本を揃えたかったら(もっとも私は完本の構成要素にスリップは含めないが)、マナハウスで買うのがいいだろう。

 今日の新刊購入は、
『闇匣』黒田研二(2002年12月講談社ノベルス)
 くろけんさんの新刊だあ\(^o^)/
『ファンタズム』西澤保彦(2002年12月講談社ノベルス)
 西澤保彦の新刊だあ\(^o^)/
『絶対ミステリーが好き2』(ぶんか社)
 特集は「本格ミステリーは「密室」で読め」

 今日は名古屋古書会館即売会の初日なのだが、無理していくほどのこともないので明日行くことにする。
 ところが王様の告知によると、明日のオフに先立って3時半からこの古書会館でミニオフを開催するとのこと。これに参加してもいいのだが、また二人だけのオフになる危険もあるし、だいたい二人とも、それ以前に抜きがけでひととおり本は見た後のはずだから、何もすることはなくなっているはずだし...... うーん(^^;


 『神様のパズル』 2002/12/3(火)

 今日の新刊購入は、
『ミステリーの辺境を歩く』長谷部史親(2002年12月アーツアンドクラフツ)
『J'sミステリーズKING&QUEEN』相川司/青山栄編(2002年12月荒地出版社)
『『私』の秘密』中島義道(2002年11月講談社選書メチエ)


 『ミステリーの辺境を歩く』の帯には「誰も知らない、隠れたミステリ36作。過去に邦訳され、忘れ去られた海外の名作を掘り起こす」とあるが、翻訳されていて誰も知らないということはないだろ。書誌もあまり詳しく書かれておらず、資料的には今ひとつか。
 『J'sミステリーズKING&QUEEN』は、戦後日本ミステリーのガイドブック。1人2ページずつの紹介記事が中心で、北村薫・折原一の対談記事はあるものの、さほど新味のある本ではないようだ。
 というわけで、この2冊、まず読まないような気がする (^^; 無理に新刊で買わなくてもよかったか。
 結局、今日買った本で必ず読むのは中島義道『『私』の秘密』だけということになりそう。私とは何かを問う、中島義道の最新刊だ。


『神様のパズル』機本信司(2002年11月角川春樹事務所)読了
 第3回小松左京賞受賞作。
 宇宙が「無」からできたと言うなら、人間にだって作れるかもしれない。「無」ならそこら中にある。
 「宇宙の作り方」という大風呂敷なテーマの割には落ち着いた小説に仕上がっている。
 これは、テーマの発端がある一人の老人の疑問から始まること、小説全体を読者の等身大の人物を語り手とした日記形式という設定にしたこと、また、「宇宙の作り方」の追求の物語と並行して進む田植え作業の行程のプロセスなどが、一種独特のリアリティを醸し出していることによるものだろう。
 「宇宙とは何か」、「自分とは何か」という究極の問題に真正面からぶつかり、しかも読後感も爽快なエンターテインメントに結実させた作者を賞賛せずにはいられない。


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