日本碍子

日本碍子
日本ガイシの本社があります。その他に、名古屋、知多、小牧、石川に工場や研究所があるようです。日本碍子は大正8年5月5日(1919年)設立、平成28年3月31日(2016年)売上4358億円(連結)、社員数3700名とのことです。日本碍子は高圧、超高圧送電線用の碍子のほか、電力蓄電用のNAS電池(鉛蓄電池の1/3のサイズ)、自動車の排気ガス浄化用や半導体製造装置用のセラミックスなどの産業用セラミック製品、ベリリウム銅などの特殊金属製品、エレクトロニクス事業、プラント事業などもやっているようです。
ベリリウム銅は、ばね材として極めて優れており、ばね材として安価なリン青銅は1回引っ張ると元へ戻りませんが、ベリリウム銅は多少無理に伸ばしても確実に元に戻りますので産業用のコネクタなどではベリリウム銅が使われているようです。また、岩谷産業などが力を入れている水素エネルギーの容器として1000気圧に耐えられる蓄圧容器を開発したとのことです。東京にも拠点があるようです。

日本碍子は半導体製造装置でシリコンウエハーを支持する、セラミックスのサセプターの新工場として3カ所目(知多市、小牧市につづく)となる、NGKセラミックス多治見工場(岐阜県多治見市)13万2500mで延べ床面積3万4000mの工場の建設に着手し、平成32年4月から量産を開始するようです。

日本ガイシは、330億円を投じて平成31年12月に江蘇省(中国)にGPS(ガソリン車向け粒子状物質除去装置)の新工場(敷地72000m2、4階建てのべ床面積79000m2)を立ち上げ、500億円を投じたタイの新工場(敷地227000m2)は平成30年稼働とのことで、ディーゼル車とガソリン車に対応しているようです。しかしながら自動車メーカはEVへの移行を進めているため、設備投資が回収できるか注目されているようです。

日本碍子は、新製品売上高の向上を目指しており、プロジェクタ用レーザー光源として低欠陥の透明GaNウエハー開発と高出力紫外線LED用の複雑形状レンズを石英ガラスで高精度に製造する技術開発なども行っており、平成30年には量産品を出荷するようです

日本碍子は、NEDOのプロジェクトで日立パワーソリューションズ、日立化成とともにドイツのニーダーザクセン州ファーレル市でリチウムイオン電池とナトリウム硫黄電池を組み合わせた大規模ハイブリッド蓄電システムを完成させたようです。リチウムイオン電池は日立化成の7.5MW(2.5MW/h)とナトリウム硫黄電池(NAS電池)は日本碍子の4MW(20MW/h)と日立パワーソリューションズの系統情報制御システムでシステム構築されているようです。ちなみにドイツは2050年までに国内電力需要における再生可能エネルギーの比率を80%まで高める目標を掲げているようです。

日本ガイシは、森村グループの会社で、明治9年(1876年)に森村市左衛門と森村豊兄弟が創立した森村商事がルーツとのことです。
ちなみに、森村グループは、明治37年1月(1904年)に日本陶器(現ノリタケカンパニーリミテド)が森村商事の創業者らによって設立、対象6年5月(1917年)に、衛生陶器部門を分離し東洋陶器(現TOTO)、大正8年5月(1919年)に碍子部門を分離して日本碍子、大正8年5月に、大倉陶園、大正13年2月(1924年)に、伊奈製陶(現INAX。平成13年10月、トステムと統合)、昭和11年9月(1936年)日東石膏(昭和60年6月(1985年)ノリタケに合併)、昭和60年10月、日本特殊陶業(日本ガイシNGK点火栓部門等より分離独立)などが設立されたようです。

近くにJFCCファインセラミックセンターもあるようです。