・営業その35、営業できず

この日3軒目、藤が丘駅で下車。
以前は、駅近くの3階建てくらいの建物1階に書店があった。
特徴あるブックカバーが気に入っていたし、
少し薄暗くて、店は大きくはないけれども
棚がずいぶん上までぎっしりと本で埋まっていて
雰囲気の良い書店だったという印象がある。

しかし、久しぶりに下車してみると跡形もなく、
全然雰囲気の違うレストランができていた。
でも、そこにあった書店は場所を移し、
名前も変えて営業中とのこと。
駅の反対側へ歩く。

やや小柄な男性が、雑誌の山を抱えて店を出てきた。
その人が店長さんかなあ、と思う。
その人を待つような気持ちで棚を見ていたが、
現れず。昼休みかもしれない。
そして、レジの女性たちはちょうどお客さんが立て込んでいて
忙しそうだ。
小さな店内で長いことうろついたあげく、
営業することを断念した。

店に入ったのに声をかけそびれたのはこれが初めてで、
少しめげた。

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・営業その36

この日4軒目、青葉台駅で下車。
ここには大きな書店が2つ。
ひとつのチェーン店は、
ほかの支店ですでに置いていただいているので
行かないことにする。

もう一つの大きな書店へ。とても広い。
前の書店で声をかけそびれたこともあり、
ここでもしばらくウロウロ。
本職の営業らしい方もチラホラ見かける。

棚の本の奥付を見て、
出版してから半年、一年たっていても増刷していない本が
意外と平積みになっているのだなあ、とか、
棚に一冊だけ差してある本を見て、
あーん、私の本もここに混ぜてー、なんて思ったり。

そうしているうちに、他の営業の方とお話をしていた、
ワイシャツ姿の男性が目に留まった。
ほかの店員さんは皆エプロンをしているが、
この人はしていない。
店長さんかもしれない。

レジのところの女性に話しかけたところ、
この男性にすぐ視線を移した。やはり店長さんらしい。
本を取り出して説明する。
「少しでも多くの人に手にとって欲しい。
目に触れて欲しいのです。」と話すと、
無表情だがアッサリと
「じゃあ注文しておきます」と言ってもらえた。
注文チラシを渡そうとしたら、
「POSシステムでできますから」と
奥の機械で本のバーコードを読み込み、しばし操作をして
「注文しておきました」と。
お礼を行って店を出た。

「10日売れなかったら返品しよう」なんて
思っているのかもしれないけれど、
まあいいや、と思いながら。

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・営業その37

次に、長津田駅で下車。
駅の構内に書店がある。
以前に比べると、書店のスペースはとても狭く、
その分がカフェのようになっている。

レジ脇にいる女性に話しかけると、
レジの中にいる男性に「店長」と声をかけた。
本の説明をするが、あまり乗り気ではなさそうだ。
「何分、この狭い店で頼まれたものを全て置くわけにもいきませんので、
新風舎さんに問い合わせて他の店ではどのような棚に置いているかなど
聞いてみます」とのこと。

     

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はしらのはなし・営業日誌(2007年秋) その11