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はしらのはなし・営業日誌(2007年秋)  その7

・新風舎のこと

先週、新風舎が会社更生法の申請をしたとのニュースを知りました。
自分は出版を終えており、「不幸中の幸い」と思いますが、
今後も書店やインターネット書店で置いていただけるのか、
などを考えると、正直、多少ゆううつではあります。

このブログでは引き続き、今まで自分がやってみた
「自分の本の営業(のまねごと)」について記録しておくつもりです。

もしもこれから、「自分の本を書店に置いてもらいたい」と
自ら動いてみる方の目に留まればいいなと思います。
私自身、書店まわりをするにあたり、
「自分で営業している人はいるのかな?」と
調べてみて、そういう記述がなかなか見つけられなかったのでした。

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・営業その22

2007年10月の第4週。この日の目標は、川崎駅方面だ。
最初に、「営業その18」の書店を再訪する。

レジには男性が二人立っていた。
年かさの方が店長さんならいいなあ、と思ったが、二人とも違った。
この前の女性と同じく、
「店長に話して欲しいが現在はいない」とのこと。
夕方4時過ぎならばいるというので、後で寄ろうと思う。
しかし結局、川崎方面で時間をくってしまい、
再訪したときにはとても忙しそうな時間となっていたので
声をかけるのをやめてしまった。

向河原駅で下車。
調べたところでは、書店は2軒あるらしい。
だけど、見つからない。
南武線と交差している道をしばらくまっすぐ歩いたが、
あきらめて駅に戻ることにした。
その途中、ふと横道へ入ってしばらく歩くと、一軒見つけた。

小さな店で、ひさしからビニールをかけ、
降り出した雨から本を守ってある。
レジのところに、おじさんが暇そうに座っている。
エイヤッと中に入り、棚を眺め始めてまもなく
「何かお探しですか?」と声をかけられた。
「あ、いやあの、実は自費出版の本を置いて頂きたくて
歩いてまして・・」と話すと、
「うーん、でもウチはほとんど雑誌と漫画が中心だからね・・」
とのこと。素直に頭を下げて店を出た。

さすがに、
「お忙しいところすみませんでした」
と言える雰囲気ではなかったけれど。

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・営業その23

雨が強くなってきた。
平間駅も下車を予定していたが、やめた。
次は、鹿島田駅に下車。

調べたところでは、駅から少し離れたビルにあるらしいのだが、
下車してすぐに調べた書店と同じ名前の書店を見つけた。
そこに入ってみた。

店の奥の方で棚の整理をしていた女性に話しかけた。
「今、担当を呼びますね・・」と、電話を取り出した。
少し待つと、レジのところににこやかな男性が立っていた。

本と注文チラシを出しかけたところ、
「あれ?今日、新風舎の営業の方が来てチラシを置いていった・・」
と言って、レジの脇のファイルから
まさに「はしらのはなし」のチラシを取り出し、見せてくれた。
注文を入れるつもりでいたとのこと。
「川崎についての本だということで営業に見えました」と言う。
おっと、却って新風舎の営業の邪魔になってしまったかな?
と、内心赤面する。

この書店も、地域活動に貢献したいということで
子育てサークルなどと交流したり、
川崎市内の散歩道案内の本を出したりしているとのこと。
これからも何かご縁があるといいですね、などとお話ししてくれた。
「勉強になりました」と頭を下げて店を出た。

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・営業その24

川崎駅で下車。
この町には、駅のすぐそばにあるビル内に大手書店がいくつかある。
だめでもともと、訪ねてみた。

A書店。とても広い。鉄道関係の本も多い。
レジの近くで本の整理をしていた年配の男性に話しかけた。

あちこちの書店を回ってみて、
店長をしている方はわりと若い人が多いようだ、
ということがわかってきた。
今までは年配の男性を見かけると、
なんとなく「店長っぽい」と思っていたが。

というわけで、
ここで声をかけた男性も、店長さんではなかった。
でも、穏やかで人当たりが良く、
「店長は今打ち合わせ中ですが、5分ほどで終わりますので・・」
とのこと。少しして、
「本の見本と取引条件の紙を店長に見せてきましょう」
と声をかけてくれたので、見本と取引条件の紙を渡した。

数分して、店長の男性が登場。
ちょっと優柔不断っぽい雰囲気の方。
ちょうど、その月発売の雑誌『散歩の達人 川崎鶴見特集号』の
新刊本紹介コーナーに取り上げていただいていたので、
そのことも含めてアピールした。
でも、注文チラシと取引条件の紙をコピーして、
「・・それじゃあ、これで注文を検討してみます」
というような、あいまいな返事だった。
まあ、ワクワクと期待するしかありません。

後日、平積みの所に私の本が置いてあるのを見つけた。
うれしかった。

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・営業その25

次に、別の駅ビル内のB書店へ。
以前にこの店には来たことがあるような気がするのだが、
思っていたよりも活気がない。お客さんが少ない気がする。
下のフロアのテナントが変わったせいかもしれない。
鉄道関係の本も少ない。

この店に限らず、廃線跡に関する本は
ブームが去ったということなのか、
以前よりもぐっと目立たなくなってしまった。
JTB『鉄道廃線跡を歩く』シリーズも、
全巻揃っていない店が多い。
ブームの頃に自分の本が出版されていたら、
便乗してもう少し置いてもらえたのかな?
なんて考えることもある。

レジにいた男性店員に声をかけた。
自費出版の本を置いてもらいたくて来たと話すと、
「そういうものは受け付けていないんですよ」と言われる。
とにかく注文チラシを取り出して見せると、
一応受け取ってもらえた。
先ほどのA書店より、もっと見込みは薄い。

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・営業その26

もうひとつ、一番新しいショッピングモール内のC書店へ。
しかし、1階にあるのはわかるのに、
2階の現在地からなかなかたどり着けなくてあせる。
階段があったと思うと建物の外に出てしまうし、
案内図をみてもよくわからない。
しばらく迷って、時間を無駄にした。
やっとのことで着いたC書店は、
17時を過ぎてとても混んでいた。

旅行関係の本が置いてある付近にいた女性店員に声をかけ、
「自分の本を置いてもらいたくて来たのですが
担当の方とお話しできますでしょうか」と言うと即、
「今忙しいので誰もつかまりません」と
キッパリ言われた。でも、
「チラシとかがあれば貰っておきます」とのこと、
注文チラシを渡すことはできた。

「はしらのはなし」を新刊本紹介ページで取り上げてくれた
『散歩の達人』鶴見川崎特集号が
この店の店頭に見本として広げてあったから、
紹介ページをしっかり開いて帰りました。。