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はしらのはなし・14


(まっすぐ立つ14番(右)と、カギカッコ型の15番。2002年7月)

 なんか気にくわぬのです、15番16番の態度は。あっち向いたり、こっち向いたり。はしらならば、堂々とまっすぐに立っていたら良いではないですか。せっかく、1番から私14番の所まではまっすぐまっすぐで保ってきたというのに。危なっかしく見えて、落ち着きません。だから、私はいつも肩に力を入れて(モノレールのはしらに肩?なんて言わぬように!)、全体の安定を保つためにがんばってきました。
 私の数字の両脇に取り付けてある街灯のバランスも良いではありませんか。 人間で言うならば、体操選手が着地に成功したときの腕のポーズです。 ばっちりです。 安定を保っています。モノレールの安全は、私が保証しているような気さえしてきます。もしも私が人間ならば、名前は「保」で決まりです。

 それなのに、それなのに、どういうわけか先に壊されたのは私の方でした。(下の写真)


(15番もまもなく取り壊された。2002年10月)

 

 

(2005年5月16日/記)