南部縦貫鉄道を歩く 11
 困ったのは、胸の高さくらいまで笹が両側から覆いかぶさっているところだった。足元が見えづらいのはなかなか恐ろしいことだ。でも勇気を出し、いつか終わるさと、やぶこぎをする。ヘビがいたらどうしよう、なんて考えたら進めない。幸い、やぶのところにはトゲの木は生えていなくて、足に蔓などがひっかからないように気をつければどんどん進める。
 数十メートルでやぶは終わり、ほっとする。営農大学校の農場なのか、リンゴの木や、柵のなかでのんびりしているすごく大きい豚が見える。満開の桜の木。レール上の倒木をまたぐ。列車が走っていた頃は、まめに保守点検して、こんな倒木はあり得なかっただろうに。
(大きいぶたです。)