南部縦貫鉄道を歩く 12
 また少しやぶのなかをこいでゆく。・・・と、10メートルくらい先に白い猫がいて、こちらを振り向いている。おおーい、ねこさーん、とばかりに少し急ぎ足になるが、当然猫にはやぶのレール上を歩いてくる人間の友達なんていない。しばらくやぶを走ると、右へそれ、リンゴ畑の方へ行ってしまった。(写真は撮れず、残念)
旧営農大学校前駅をのぞむ
  右に大学校の校舎らしいのが見えてくる。草がわずかに生えるレール上を歩いて、旧営農大学校前駅に到着。満開の桜が美しい。レールの脇には、水仙の花もたくさん咲いている。ここでひと休み。暑いくらいなので、シャツを1枚脱いだ。お茶にキャラメル。出発しようとして、暑くて途中ではずし手に持っていたスカーフがないと気がつく。いまさらやぶだの倒木だのの方へ戻って行く気にはなれない。特別に思い出がある品物というわけではないし、諦めようと思う。・・・でも、ほんの少しだけ、と、草の上を50メートルも戻らないうちに、レール際に落ちているのを見つけた。なんてことない物でも、やっぱりみつかればうれしい。きちんとリュックにしまい、改めて出発。