南部縦貫鉄道を歩く 6

(渡り終わってから、七戸方向をのぞむ)

 間もなく最初の川、高瀬川(七戸川)に出た。このとき初めて、「廃線跡を歩くというのは、橋梁で川を渡ったり、トンネルを通ったりしなくちゃならないのだ。」と気づいた。この最初の難関はというと、立入禁止の柵がなくて、恐ろしいほどの高さでもなく、長さもほどほど?なので、とりあえず一歩二歩と踏み出してみる。高所恐怖症ではないのだが、下に川が見えてくると、やはり少し怖い。持ち物を落としたら、あわてて足を踏み外すかもしれないし、枕木の真ん中に渡してある板が弱くなっているかもしれない。立ち止まって写真を撮るなんてバカなことは考えず、一歩一歩を確かめて、無事に向こう岸にたどり着いた。ほっとした。そこで地図を確かめると、この先野辺地までに、大きな川が2つある。幸い、どちらも国道からそう離れていないから、無理に渡ろうとしないようにしようと思う。なにより、ここをひとつ渡っただけでも、すげえと思う。これで少し度胸がついた。この先トンネルはなさそうである。