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台湾のサトウキビ鉄道を訪ねて その5

  天気はうすぐもり、風が心地よい。少し大きな川(急水渓)を渡り、がたがたと五分車は進む。市内を離れると周囲には建物がなく、空が広い。ここから先も、お寺(装飾が派手)や住宅がポツポツある程度で、田畑が多い。遠くに高圧鉄塔と工場がたまに見える。交差する道路・並行する道路共に交通量は少ない。殺風景と言えば殺風景。でも、畑に転がっている瓜や、沿線に何気なくある、たわわに実るバナナの木、真っ赤な花を咲かせる街路樹など、ゆっくりと観察して楽しんだ。
 線路のすぐそばの大きな木の下にひとつ、古くて小さな食堂があり、開いた窓越しに中の人と目が合う。近所のいつものメンバーがのんびりとおしゃべりをしている、という風情だ。無遠慮にカメラを向けるのは、はばかられた。

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