外宇宙の銀河



 遠い遠い未来の未来のまた未来、アンドロメダ銀河と天の川銀河が合体!
気の遠くなるような将来の出来事です。
ビッグバンから宇宙が膨張を続け、遠くの銀河はどんどん離れていっているのですが、
我々の天の川銀河は遠い将来、隣の大銀河アンドロメダと合体します。
(現在は230万光年離れていますが、秒速約109kmの速さで近づいています)
地球から見た夜空が今とは大きく変わり、大きなアンドロメダが夜空に現れます!
しかし、この出来事は約40億年〜70億年後のことですので、太陽の寿命も末期から消滅の頃です。
アンドロメダと天の川銀河
これは地球から見た光景。
約37億5000万年後、アンドロメダ銀河(左)と天の川銀河(右)が接近します。

そして約40億年後、
二つの銀河は衝突してお互いの形が大きく変わります。
下の写真は左が天の川銀河、右がアンドロメダ銀河です。
M33
そして二つの大銀河は合体して、約70億年後に大きな楕円銀河になります。
地球は消滅していてショックな話ですが、この数千万年から数十億年が宇宙のいとなみなんですね。


 ハッブル望遠鏡からの画像です

 1990年に打ち上げられ、観測が始まって21周年。
ハッブルからのこの1年に届いた画像です。
UGC1810&1813
左は、アンドロメダ座の方向、
地球から約3億4000万光年はなれたところにある天体「Arp273」です。
ここでは3つの銀河が衝突しているんですよ。
上の大きな渦巻銀河「UGC1810」
その下に縦長に見えるのが、伴銀河の「UGC1813」です。
(この写真には写っていませんが、UGC1810の右にも小さな銀河があります)
UGC1810とUGC1813は数万光年はなれていますが、
この距離は、銀河どうしが互いの重力に引かれ合う範囲の近距離です。
このため、これらの2つの銀河は、確実に衝突する運命にあるんですよ。

'12.01.31




 我々の住んでいる"天の川銀河"の家族のような銀河の紹介です。
 まずはお隣の大銀河、アンドロメダ銀河(M31)です。
我々の天の川銀河からは、大きな銀河ではお隣。約230万光年離れたところにある渦巻銀河です。
アンドロメダ銀河は、我々の銀河系のほぼ2倍。直径が約20万光年の大きさです。
大きな銀河のまわりには、小さな"伴銀河"があります。
アンドロメダ銀河
アンドロメダの上に明るく見えてるのが、"M32"です。
下のぼんやり見えているのが、矮小楕円銀河"NGC205"です。

下はM33
天の川銀河からは約250万光年にある小型の渦巻銀河です。
直径が約1万光年で、銀河としてはかなり小型です。
M33

 次は我々の天の川銀河に寄り添う"伴銀河"です。
「大マゼラン雲」と「小マゼラン雲」が有名ですが、これらの2つの銀河は決まった形をしていない「矮小不規則銀河」に分類されます。
ここには出していませんが、他には楕円銀河で「ろ座楕円銀河」や「しし座2」などがあります。
マゼラン大星雲
左は地球から16万光年にある「大マゼラン雲」です
画像の左上から右下に向かっている棒状のところに、大マゼラン雲のほとんどの星が集中しています。
棒状のすぐ左下に、ピンクや白で光っている領域が「タランチュラ星雲」と呼ばれ、活溌に星が作られています。

 下は地球から20万光年の距離にある「小マゼラン雲」です。
上から右下に向かって棒状の構造がのびています。その左にも星やガスが広がっているのが分かります。
小マゼラン雲では星形成領域が小規模で、大マゼラン雲に比べると星の形成活動が弱いです。
マゼラン小星雲
「天の川銀河」や「アンドロメダ銀河」の伴銀河には属さないところにも、小さな銀河がいくつかあります。
これらの銀河は乱れた形をしていて"矮小不規則銀河"です。
HTV
地球から170万光年「NGC6822」です。
およそ120億年以上前に星の形成がはじまり、
数十億年で徐々に誕生する星が少なくなったと考えられています。
しかし現在は多くの若い星が見つかっており、
1〜2億年前から星の形成が活溌になってきている事が分かりました。



 我々の銀河系より外の銀河のようすです。
NGC6317
ここはこぐま座の方向、
6000万光年の距離にある棒状銀河「NGC6317」です。
赤く見えるのが若い星の集団。
青く見えるのが少しだけ年をとった集団です。

五つ子銀河
ここは地球から2億9000万光年。
「ステファンの五つ子銀河」と呼ばれる銀河グループのうちの、4つまでの銀河です。
(右上の青い銀河は"五つ子銀河"に含まれていますが、ずーっと近くの銀河で、地球からの距離は4000万光年です)
左の2つの銀河は合体しつつある状態です。
下の銀河も形がゆがんだり、腕がのびていたりで、かなり相互作用があり、爆発的に星が生まれている銀河です。



Mrk817
ここは地球からの距離が4億3000万光年。
りゅう座の方向にある渦巻銀河「マルカリアン817」です。
渦巻の中心には、太陽の4000万倍の重さの巨大ブラックホールがあり
時速1400万キロメートルという高速で物質を吹き飛ばしています。

M101
ここは地球から49億光年。
くじら座の方向にある銀河団「アベル370」です。
無数の銀河の中に、円弧を引き延ばしたような天体が見えています。
これはアベル370より、さらに奥の銀河からの光が、銀河団の周辺を通るときに、銀河団の重力によって曲がり、このように見えています。
このような現象を「重力レンズ効果」と言います。

それにしても宇宙の写真はとてもきれいですね。
小生が宇宙の事に興味を感じたのは、"未知の事を知りたい"って事と、
きっと、この写真の美しさからだと思います。

'09.11.02




 次は我々の銀河系より外の銀河です。
NGC1275
ここはペルセウス銀河団の中心にあり、我々の銀河系に最も近い楕円銀河「NGC1275」です。
銀河の中心から赤い筋がいくつも見られます。
このひとつひとつはとっても巨大で、幅が200光年、長さは2万光年もあります。
これは、銀河の中心にある超巨大なブラックホールが周囲のガスを吹き飛ばすせいだと思われています。


M101
ここはおおぐま座の方向、地球から約2200万光年。
典型的な渦巻銀河「M101」です。
この画像は可視光、赤外線、X線の画像を合成したものです。
可視光はハッブル宇宙望遠鏡、赤外線はスピッツァー宇宙望遠鏡、X線はX線天文衛星チャンドラです。

宇宙の写真はとてもきれいです。
でも、我々の地球が一番美しいんでしょうね。

'09.05.30



 とーっても遠い銀河です。
MACS J0025.4-1222
くじら座の方向、地球から約56億光年の銀河団「MSCS J0025.4-1222」です。
青色の領域は可視光でややゆがんでいますが、
赤の領域はX線画像の領域です。


M101
ここは地球から約23億光年にある銀河団「Abell1689」です。
ここに写っているのはすべて銀河ですが、
明るく写っているのがアベル銀河団です。

太陽ができて50数億年と言われています。
上の「MACS J0025」は太陽が生まれたころの宇宙の状態ですよ。

'09.03.31




 ESO(ヨーロッパ南天天文台)がとらえた最新画像!

 日本からは見ることのできない、南半球にあるESOの地上望遠鏡がとらえた、かなり遠くの銀河です。

NGC3190
超新星爆発は非常にまれな出来事で、我々の銀河系ではほぼ400年に1回程度のイベントです。
ここはおとめ座の方向、地球からは約7000万光年の渦巻銀河「NGC3190」です。
ここでは2002年のたった1年の間に2回も超新星爆発が起きました。
周りに見えている小さいのも銀河たちですよ。


MCG-01-39-003
ここはてんびん座の方向、地球からは約8700万光年の渦巻銀河「MCG-01-39-003」です。
この画像には写っていませんが、左には「NGC5917」があり、その重力の影響で引かれ、渦巻きの形が崩れていってます。
これは決してめずらしいことでは無く、銀河どうしで影響を与えるのはよくあることです。
この画像にもたくさんの銀河が見えていますね。

 直径10万光年の我々の銀河系でも星が無くなり、そして生まれています。
遠くの銀河を見ていると、人間がとってもちっぽけに思えてきますが・・・
地球はいろいろな生物が住める偉大な星です。大事にしていきましょうね!

'07.12.31




 これが巨大ブラックホールです!

下の写真は"ろ座"の方向、約4500万光年にある棒渦巻銀河NGC1097です。
NGC1097
NGC1097
左の写真は上のNGC1097の中心付近を拡大したものですが、
まわりのリング状のところでは活発に星が作られています。
星のように見えているのは生まれたばかりの星が集まっている"星団"ですよ。


NGC1097
そして驚くことに・・
この中心にある"巨大ブラックホール"に"物質"が吸い込まれていく様子がハッキリ写っているんですよ!
とっても恐ろしい話ですが、我々の銀河系の中心付近でも同じような状態が想像されます。
 これらの拡大写真は南半球にある巨大望遠鏡VLT(口径8.2メートルを4基)が撮ったものです。
ほんとうに、近年の技術の進歩には驚くばかりでなく(恐ろしいけど)すばらしいものがありますね。

'06.7.31  




 下はおとめ座の方向2800万光年にあるNGC 4594「ソンブレロ銀河」の3種類の画像です。
可視光
以前から撮られていた"可視光画像"です。
濃いチリが取り巻いているようすが解りますね。
赤外線
スピッツァーが撮った赤外線画像です。
青いところは高温ですので、まわりのチリは高温で薄いリング状に分布している事が解ります。
ソンブレロ
可視光と赤外線を合成した画像です。
やっぱ宇宙の写真はこんなカンジで美しいのが一番!
 赤外線画像により以前は見えなかった宇宙が見えるようになりました。
それにしてもここ数年の技術の進歩には驚かされます!

'06.4.30  




次ぎはちょっと遠くで、地球から約3100万光年にある銀河「子持ち銀河M51」です。
子持ち銀河
左は伴銀河もいっしょの"子持ち銀河"の全体です。

下は渦巻銀河の中心あたりですが、赤く光る領域では新しい星がどんどん生まれています。これは伴銀河との衝突によって活発に星が生まれ出したと思われるんですよ。
子持ち銀河アップ


数十億光年の銀河たちです。
銀河群
 十字に交差した光は銀河系内の星ですが、
それ意外は約60〜100億光年の距離にある銀河たちです。
この写真には"渦巻銀河"や"だ円銀河"、衝突中の銀河など、すごい数が見られますよ。

 左の写真の左隅をアップしたのが下の写真です。
右上には衝突中の銀河、左下の赤の"だ円銀河"は約60億光年の距離です。
そのまわりに青く弧えがいているのは、この銀河によってできる"重力レンズ"によって、100億光年の銀河も見えているんですよ。
銀河群アップ


 こうして宇宙の写真を見ていると、やっぱ宇宙ってスッゴイ!
この趣味、やめられないかなぁ、ってカンジです。




我々の銀河系から出て、ちょっと遠くの銀河"M51"です。
子持ち銀河 ここは"りょうけん座"の方向、約3700万光年。
渦巻き銀河に小さな銀河が寄り添っているように見えていますが、ふたつの銀河が衝突しているところです。(吸収合併みたいなもんですかね)
 我々の銀河系も渦巻き銀河で、伴銀河のマゼラン星雲も寄り添うようにありますので、きっとこんなカンジなんですよ。
子持ち銀河
赤外線撮影によっていろいろな事が発見されたのですが・・
この伴銀河は特殊でチリがほとんど無く、よって星形成がほとんどされていないということがわかりました。この伴銀河は古い星で構成されているようです。
 スピッツァー宇宙望遠鏡によって、これまで見ることのできなかった星の誕生が観測できたり、今までは星が無いとされていた暗黒星雲に星が発見されるなど、多くの新しい発見が報告されています。
赤外線で観測するには地球の熱さえでもさまたげになってしまうのでスピッツァーはだんだん遠ざかる軌道をとっています。そして望遠鏡自身の熱すらじゃまになってしまうので液体ヘリウムで冷却しながらの観測です。そんな訳でスピッツァーの寿命は長くても5年です。あと数年の間にたくさんのデータが送られてくのがとっても楽しみですね。



 ここからはとっても遠くの宇宙ですよ!
遠い宇宙の写真は今までは、地球のまわりをまわっている「ハッブル」やハワイの巨大望遠鏡「すばる」からのデータが多かったのですが、
「すばる望遠鏡」のパートナーでもありライバルでもある
「ジェミニ望遠鏡」からのデータです。

 *南北両半球の全天をカバーするために、口径8.0メートルの望遠鏡をハワイ島とチリに設置されています。
ふたご座のことを"ジェミニ"と言いますが、それにちなんでこの2台の望遠鏡は「ジェミニ」と呼ばれています


NGC628
 渦巻銀河「NGC628(M74)」です。
ここは我々の銀河系よりもやや小さく、約1000億個の星からできていると推定されています。

五つ子銀河
 このページでは何度も取り上げた事のある「五つ子銀河」です。
ここは"ペガスス座"の方向、約3億光年の距離にあります。
銀河衝突中のそれぞれの銀河はおたがいの重力の影響で形がゆがんでいます。
(ただし右上の銀河(NGC7320)はこれらの衝突中の銀河よりはるか手前にあり、たまたま重なって見えているだけです)
「ジェミニ」からの写真はこんなカンジですが、それにしても美しいと思いませんか?

HCG87銀河群
 ここの光っているものはすべて銀河なのですが・・・
上に"渦巻銀河"、
右下に"だ円銀河"、
左下に"真横から見た銀河"と、とりわけ大きく見えている銀河群があります。
ここは"やぎ座"の方向、約4億光年のところです。

宇宙の果て
 ここに見えているものはすべて銀河です。
特に100億光年以上離れた銀河がたくさん見えています。
矢印の天体は121億光年の距離にあり、生まれてまもなく、銀河になる前の段階のクェーサー「QSOPMN2314+0201」といいます。

 遠くの天体の話をしていると、アタマがボ〜〜っとしてきちゃいますが・・・
それにしても写真は美しいですよね。




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