天の川銀河&大小マゼラン雲



 天の川銀河
 私たちが住んでいる"天の川銀河"です。
銀河系には数千億個の星でいっぱいなんですよ。
天の川銀河
夏は天の川銀河の中心の方向が見える季節です。
この写真は南半球から見た銀河系 (南半球では冬)
ニュージーランドのパリサー岬から撮影された天の川銀河の一部です。
低空には、伴銀河の小マゼラン雲(左)と
大マゼラン雲(右)もクッキリと見えています。




 宇宙のダイヤモンドリング
南米のチリにあるヨーロッパ南天天文台(ESO)で撮られた写真です。
アベル33
ここは地球から2500光年の距離。
青く見えているリングは「Abell33」という惑星状星雲です。
右下の明るい星は、地球からは肉眼では見えない星ですが、
高性能な望遠鏡で見ると、ダイヤモンドの指輪のように見えます。




 ハッブル望遠鏡からの画像です
 1990年に打ち上げられ、観測が始まって21周年。
ハッブルからのこの1年に届いた画像です。
2-106
左は天の川銀河内の天体です。
はくちょう座の方向、地球から約2000光年はなれたところにある
「シャープレス2-106」です。
黒い雲はガスとちりですが、砂時計のように上下に広がっています。
この砂時計のくびれたところに活溌な星があり、
そこから左右方向に水素ガスが勢い良く放出されているんですよ。

下は、天の川銀河内にある「カリーナ星雲」です。
南天のりゅうこつ座の方向、地球から7500光年はなれたところです。
黒くわきたっているのは、ガスとちりからなる雲です。
ここでは非常に多くの星が生まれていますが、
この黒い雲の高さは1光年もあるんですよ。
カリーナ星雲




 超新星爆発の残がい!
 太陽のような"恒星"は、その一生を終えると宇宙最大の爆発を起こします。
その爆発の後には「超新星残がい」が出来上がります。(以前は「惑星状星雲」と言っていました)
その残骸は秒速数千キロメートルもの速度で膨張します。
数万年かけて、直径数十光年にまで広がり、徐々に消えていきます。
E0102-72.3
左は我々の銀河系のすぐ隣にある"小マゼラン雲"内の超新星残がい"E0102-72.3"です。
地球から約19万光年の距離。
大質量の恒星が、1000年以上前に起こした超新星爆発の跡ですよ。

下はすぐ隣の"大マゼラン雲"の超新星残がい"N63A"です。
太陽の50倍以上もの大質量の恒星が爆発した跡です。
ここでは新しい星がどんどん誕生しているんですよ。
M33

 次は我々の天の川銀河内の超新星残がいです。
かに星雲
左はご存知の方も多いと思いますが、"かに星雲"です。
中央に見える白い小さな点はパルサーです。
パルサーからはジェットが噴き出しているのが見えますね。

下は超新星残がい"W49B"をX線(青)と赤外線(赤、緑)でとらえたものです。
青い部分は主に鉄やニッケルなどの1500万度Cのガス。
赤い部分は水素分子のガスです。
W49B



バタフライ星雲ここは銀河系の中。
地球から3800光年で、さそり座の方向にある「バタフライ星雲」です。
名前のとうり"蝶"の形をしています。
2200年前、太陽の5倍もある質量の星が死をむかえ、外側のガスを吹き飛ばしました。
この星雲の大きさは2光年以上の大きさです。





 ハッブルからの最新画像です!

 銀河系内と他の銀河の写真がありますが、まずは近いところから。
NGC2818
ここは銀河系の中、地球から約1万光年。
若い天体(散開星団)"NGC2818A"の中にある、年老いた天体(惑星状星雲)"NGC2818"です。
周囲に光っているのは散開星団の恒星たちです。
若い散開星団の中に一生を終えた惑星状星雲があるのは、とってもめずらしいことなんですよ。


NGC3324
散開星団「NGC3324」の中にある星雲です。
下のほうに黒っぽく雲のように見えるのは、非常に濃い水素分子のガスとチリでできた"壁"です。
よく見るとこの"壁"からガスが筋状にのびています。
これは、近くに若くて非常に重い星の集団があるからですよ。




 チャンドラX線天文衛星からの最新画像です!

 X線を観測することで、可視光線では見られない宇宙の状態が見られます。
チャンドラはそんなX線を観測できる天文衛星です。
まずは我々の銀河系の中の画像から。
NGC6543
地球から約3000光年、りゅう座の方向にある惑星状星雲「NGC6543」です。
通称「猫の目星雲」と呼ばれています。
太陽もあと数十億年後には赤色巨星となり、超新星爆発を起こし、
やがては惑星状星雲になります。


NGC604
ここは地球から約270万光年。
さんかく座の方向にある「NGC604」です。
新しい星がどんどん生まれているところですよ!






 スピッツァー宇宙望遠鏡の話は以前にも一度していましたので下に残している写真もありますが、今回はスッピーツァーからの最新画像です。
スピッツァーは赤外線の高性能カメラを搭載しており、宇宙のチリなどで人の目(可視光)では見えないところも撮影できるんですよ。

 スピッツァーは今「グリンプス」というプロジェクトをやっており、天の川全体を詳細に観測する計画です。
天の川
これがスピッツァーによって今まで観測された天の川です。
拡大
上の写真の左の部分を拡大した画像です。
これまでに撮られたものでは最も解像度の高い天の川の赤外線写真ですよ。



 アメリカのNOAO(アメリカ国立光学天文台)の地上望遠鏡からのものです。
我々の銀河系内の星雲のようすですが、
宇宙望遠鏡に比べて、地上望遠鏡はとても口径が大きいので、視野が広いのがメリットなんですよ。
ばら星雲
 ここは"いっかくじゅう座"の方向、4600光年にある星雲NGC2237(ばら星雲)の中央付近です。
ばら星雲は直径130光年にもなる我々の銀河系ではとっても大きな星雲のひとつです。
この写真の中央あたりでは新しい星がどんどん生まれているのですが・・・
あと5000万年もすれば星雲としての形は無くなると思われます。
(そのころ、まだ人間はいるのかなぁ・・・・・)
 ウ〜トリ見とれるほど美しいと思いませんか?
わし星雲
 ここは"へび座"の方角で地球から約5500光年の「わし星雲」中央あたりです。明るく輝いてるのはすべて生まれたての星たちです。
以前に掲載した下の写真と見比べて下さいね。
(同じ星雲の中でも場所によって距離が違います)




 ハッブル宇宙望遠鏡からの最新画像です!
我々の銀河系内から、ずーっと遠くの銀河までいろいろありますが、すべて可視光と近赤外光をミックスしたものです。
とっても"きれいな宇宙"ですよ。
 
わし星雲
ここは我々の銀河系内で、へび座の方向約6500光年の距離にある「わし星雲」(M16)の中央付近の一部です。
高くそびえ立つ巨大なガス雲の高さは9.5光年もあるんですよ。

 下の写真は拡大したものですが、
ガス雲の上部は、上からの恒星風によってガスがたなびいている様子が解ります。
 下部は暗黒星雲ですが、黒いすすのようなガスの内側では新しい星が生まれてるかもしれないんですよ。
わし星雲上部
わし星雲下部


次ぎは我々の銀河系の伴銀河である"小マゼラン雲"内の写真です。
この伴銀河は地球から約21万光年の距離です。
NGC346星雲
小マゼラン雲にあるNGC346星雲です。
青白く輝いているのは誕生してまもない星たちで、最も若い恒星は誕生から約500万年です。
って事は最初の人類が歩き始めたころに生まれた星たちなんですよね。




 3年くらい前に「スピッツァー宇宙望遠鏡」が打ち上げられたのはご存知の方も多いと思いますが、
その写真の特集ですが、とっても美しいのでゼヒ見て下さいね。
スピッツァー
 赤外線観測では最高の感度と解像度の「スピッツァー宇宙望遠鏡」です。
赤外線は宇宙の"チリ"などは通過して見えるので、星の誕生などの現場が見られたりするんですよ。

まずは我々の銀河系の中にある「三裂星雲」です。
ここは"いて座"の方向(銀河系の中心の方向)約5400光年の距離にあります。
三裂星雲可視光
宇宙に興味のある方でしたらご存知と思いますが、
以前から本などで見かけていた「三裂星雲」の可視光の写真です。
三裂星雲赤外線
この画像は赤外線3.6〜8.0マイクロメートルまで4種類の画像を合成したものです。
ちょっと難しくって、「何のこっちゃ?」ってカンジですかね・・・でも、美しけりゃいいんです。
三裂星雲赤外線
赤外線を24マイクロメートルで撮ったものです。
全く同じ星雲を撮っているのに、赤外線を使うとこんなに違うんですね。

そしてこれも同じ"三裂星雲"ですが・・・
三裂星雲赤外線
中央に明るく輝いているのが"生まれたての星"です
三裂星雲には"星の卵"が30個、"生まれたばかりの星"が120個あることがスピッツァーによって解りました。
宇宙の宝石
ここはケンタウルス座の方向、地球から約1万3700年光年、「宇宙の宝石」と呼ばれている"RCW49"です。
スッピツァーによって中心付近の青い星をはじめ、約2200個もの若い星が見つかりました。
宇宙の悪霊
とっても変わったニックネームがつけられていて「宇宙の悪霊」と呼ばれています。
こうして見るとガイコツの目と口にも見えますかね・・
ここは"はくちょう座"の方向、約3900光年の距離にある"DR6"です。中央の"鼻"にあたるところでは活発に星が生まれてきているんですよ。


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