2004年アカハラダカ秋の渡り |
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内山のアカハラダカ展望台(厳原側から) 内山のアカハラダカ展望台(内山側から)
{一言} 今年のアカハラダカの秋の渡りは、9月中に120,916羽が内山上空を通過しました。これは昨年の約4倍の渡りでした。それでもまだ少ないように感じます。今年も9月中、天候不順の日が多かったのですが、こんな日も霧や低い雲の上を渡っていたに違いないと思われます。対馬で観察不能の日に佐世保の烏帽子岳でそこそこの数がでていることも考えると私たちのカウントはまだかなり少なめであると感じます。
それにしてもこの9月中観察を継続された中谷、高瀬両氏に心から感謝したいと思います。とりわけ中谷氏はここ数年もう限界かなあと話されながら今年もほぼ毎日、観察不能の日にも一度は内山峠に立たれたようで、その情熱に頭が下がります。おかげで今年もこうして内山峠の観察記録を報告できました。
9月31日現在累計: 120,916羽
お詫び)観察終了にあたり9月中の集計を再確認したところ、集計漏れやダブルカウントなどが
見つかりましたので、赤字で訂正しました。
月 日
天 候
羽 数
月 日
天 候
羽 数
月 日
天 候
羽 数
9/1(水)
曇
西風0 11(土)
曇
北東〜北風観察不能 21(火)
曇
北西5,159 2(木)
晴・霞、
西→北風0 12(日)
晴
南〜南南東(17) 22(水)
曇
東風1,113 3(金)
晴
北東風103 13(月)
晴
南〜南南西(6) 23(木)
曇時々雨
東風631 4(土)
曇
東風0 14(火)
曇
南〜南東103 24(金)
曇一時雨
北東風987 5(日)
曇
北風0 15(水)
雨
北〜北北西観察不能 25(土)
曇
北東風122 6(月)
曇
北風観察不能 16(木)
曇後雨
南〜南西64 26(日)
曇一時雨
北東風観察不能 7(火)
台風
暴風雨観察不能 17(金)
雨後曇
北西〜南西30,620 27(月)
曇一時雨
北東観察不能 8(水)
曇
北西風4,222 18(土)
雨
南東〜南西観察不能 28(火)
曇一時雨
北東強風(15) 9(木)
曇
北東〜南東971 19(日)
曇
南東〜北東5,230 29(水)
雨
北東強風観察不能 10(金)
雨
北西〜北風観察不能 20(月)
曇
北西〜南東69,677 30(木)
晴
北東〜北1,914
今日のコメント |
月日 今日のコメント 他のタカ類 他の渡り鳥 9月1日 待ちに待ったアカハラダカの観察を開始しました。しかし初日は出現せず。でもハイタカとチゴハヤブサの飛翔を確認。渡りはしなかったがタカ類の姿が確認できたのが収穫。 ハイタカ1
チゴハヤブサ1アマツバメ3 9月2日 朝のうちは霧、昨日に引き続き西風で渡る気配なし。これまでの実績から西風は渡る方向と異なるため出現しないことが多い。 チョウゲンボウ1 - 9月3日 アカハラダカ、待望の出現。午前8時台に42、9時台に60.ただし今日はそれ以降は出現せず。早いので前日島内にとどまっていた個体かもしれない。その他のタカ、渡り鳥も見られるようになった。 チョウゲンボウ2
オオタカ1ショウドウツバメ2
エゾビタキ30±9月4日 下のほうは全体的には北の風だが、内山峠は東風が強かった。朝と昼ごろの2回登ってみたが1羽もでなかったとのこと。北九州に前線がかかり、南方海上には台風という天気図から当分は期待できないようだ。
- - 9月5日 今日は9時過ぎまで濃霧、その後霧はとれたが低い黒雲が峠にかぶさって観察の環境ではなかった。 チゴハヤブサ1 - 9月6日 今日は雨こそなかったが深い霧と雲のため観察できず。 - - 9月7日 今日は台風通過。激しい暴風雨である。 - - 9月8日 台風一過とはならない天候だったが、昼前に風向きがそれまでの西から北が入った途端、次々にアカハラダカが出現。11時55分の150を皮切りに12時28分に600、31分には500.13時47分には今日最大の700の群れが出現。これまで悪天候でたまっていたのが一気に渡った感じだった。 チゴハヤブサ4
チョウゲンボウ2
オオタカ2
ツミ1、ハヤブサ1ハリオアマツバメ20±
ショウドウツバメ9月9日 全般的にうす曇だったがほとんど無風の状態で上昇気流もあまりできないようで、出現したアカハラダカの多くが羽ばたく場面が見られた。北九州方面の前線が災いしてか、出現のピークは島内からの飛び立ちと思われる8時台で、半島部からの飛来はほとんどなかったのではないだろうか。 チゴハヤブサ2
ハヤブサ4エゾビタキ4 9月10日 風向きは悪くないが何せ雨。観察には最悪条件。 - - 9月11日 朝から濃霧のため視界は100mほどだったとのこと。従って観察不能。 - - 9月12日 天候は晴だったが、南よりの強い風が吹き10数羽のアカハラダカは出たがすべて風に流されて渡らなかった。ただしツバメ類は渡っていった。上空に浮かぶ雲はまるで夏雲。蒸し暑い一日だった。 チゴハヤブサ2
ハイタカ2
チョウゲンボウ2ショウドウツバメ40±
アマツバメ20±
ハリオアマツバメ1
エゾビタキ9月13日 峠付近は濃い霧で観察しにくい天候だったとのこと。今日も南風に流されて渡らなかったらしい。 ツミ2、 ハヤブサ2、
チョウゲンボウ1ショウドウツバメ20±
イワツバメ20±9月14日 相変わらず朝鮮半島の天候が回復しない。加えて内山峠は濃い霧が絶えず流れる。午前10時前までは霧がとれた一瞬、上空にアカハラダカが見えるがすぐ霧に隠れてしまう。10時過ぎにはますます濃くなり観測にはならなかった。上空はアカハラダカが渡っているはずなのに! ハヤブサ1 - 9月15日 天気の回復が遅れ、今日も現地は雨模様で霧が深く観察できなかった。風向きは渡るのに適していたので、確実に渡っているはず。 - - 9月16日 今日も早朝から濃い霧。霧の間に若干の群れが出現していたが、10時半過ぎから、雨になって全く観察不能となった。なお、ハチクマは今季初の出現。今日は悪天候の中遠くは北海道、本州、北九州など島外からの観察者が8名ほど来ておられた。一方、9時半ごろ佐賀の自宅上空に4羽のアカハラダカを確認とのこと。 チゴハヤブサ1
ハチクマ1- 9月17日 今日は午前9時ごろまで曇。その間に2,500あまりが霧の切れ間に出現。その後11時過ぎまで強い雨で観察不能。11時半にようやく雨があがると待てかねていたようにアカハラダカの飛翔が始まる。渡りは3時半ごろまで続いた。今日一日で何と昨年の総計を越える29,308羽を記録した。観察者も今季最多数だった。 チゴハヤブサ4
サシバ1
オオタカ1
ハヤブサ1
ハイタカ5ハリオアマツバメ20± 9月18日 早朝から雨。正午ごろを除きほぼ終日雨と強い風で観察しようがなかったとのこと。 - - 9月19日 今日は午前中はあまりで出なくて、午後2時過ぎになって数千羽が渡ったとのこと。 チゴハヤブサ2
ハチクマ3
チョウゲンボウ1
ハヤブサ2- 9月20日 今日は曇り空だったが、時折強い日差しもあり風も弱くて、観察には絶好の天候となった。午前中は間断なく何度も1,000を越える大群がタカ柱を作っては渡り、トータルでは今季最大のカウントとなった。また今日はハチクマの10羽を越える群れが二度見られたが、内山峠で20を越えるハチクマの観察は初めて。西のほうに渡っていった。 ハチクマ27
チゴハヤブサ4
チョウゲンボウ1
ハヤブサ2
サシバ1ハリオアマツバメ70± 9月21日 今日は朝から北西の風で内山峠は昨日とは打って変わって肌寒い天候だった。アカハラダカの渡りは早朝から始まりピークは9時台、渡ったのは島内泊の群れだろうか、11時過ぎるとほとんど出現しなくなった。なお、島外の観察者は最後の2人が午前中に撤収。以後は島内常連のみとなる。 チゴハヤブサ3
ハヤブサ2ハリオアマツバメ10±
アマツバメ30±9月22日 今日も内山峠は濃い曇り空。東の風は弱かったが、アカハラダカの出はいまいち。昨日と同じく午後にはほとんど出なかったとのこと。 チゴハヤブサ3
ハヤブサ3
ハチクマ2ハリオアマツバメ5 9月23日 今日は朝から降ったり止んだりの天気。それでも霧がかからなかったので雨の合間に渡るアカハラダカの姿が捉えられたとのこと。しかし確認できたのは7時台のみ チゴハヤブサ3
ハヤブサ2ハリオアマツバメ5 9月24日 今日も天候はあまり芳しくなく、地元で休んでいた個体が9時前までに飛び立ったようだ。9時過ぎに一時雨。昼前に天候が回復したが飛ばなかったとのこと。 チゴハヤブサ3
ハヤブサ4- 9月25日 今日もふもとは日がさしているのに峠は低い黒雲に覆われていた。おまけに北東の風が強くて渡ったのは9時前にパラパラと122羽。その後は1羽2羽と姿を見せるがみな山中に消えた。 チゴハヤブサ1
ハヤブサ2
チョウゲンボウ1- 9月26日 今日は朝8時ごろまで雨、その後は濃霧でまったく観察にはならなかったとのこと。今日は地元の一般客による観察会が行なわれたが、説明を聞くだけの会だったようだ。 - - 9月27日 今日も降ったり止んだりの天候と濃霧でまったく観察不能だったとのこと。 - - 9月28日 今日も厚い雲に覆われて朝から時折パラパラ小雨の天気。北東の風が強く一旦飛び立ったアカハラダカも再度近くの山に降りたためカウントせず。 チゴハヤブサ1
チョウゲンボウ1- 9月29日 今日は台風21号の影響による悪天候のため観察中止。 - - 9月30日 今日は今年の観察期間中で一番の好天気だったが、惜しむらくは北東の風が強すぎた。それでも例年からすると月末に渡った数としては多いほうである。観察者の中谷、高瀬両氏は今年は渡りが遅れている可能性があるとして明日から数日様子を見るとのことだった。 チゴハヤブサ3
ハヤブサ3
ハイタカ3
サシバ5、チョウゲンボウ1ハリオアマツバメ10