2003年アカハラダカ秋の渡り
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内山のアカハラダカ展望台(厳原側から) 内山のアカハラダカ展望台(内山側から)

◎ アカハラダカの秋の渡りが始まりました。
 昨年は、9月中に113,414羽が内山峠上空を通過しました。
 今年も、9月1日から地元の中谷守氏や高瀬豊氏のご好意に甘えその観察記録を紹介していく予定です。


 9月 30日現在累計:  29,221羽

注)今日(9/6)以降、ピンクで表示した数値は暫定速報値とします。黒字は確定値です。

月 日

天 候

羽 数

月 日

天 候

羽 数

月 日

天 候

羽 数

9/1(月)

曇・北風
湿度高く霧発生
観察不能

11(木)

雨・
北北西風
観察不能

21(日)

晴・強い北東風
1,729

2(火)

曇・南風
湿度高く霧発生
2

12(金)

曇・南東
湿度高く
霧発生
0

22(月)

晴・強い北東風 583

3(水)

曇・南西風
湿度高く霧発生
13

13(土)

曇・西風
湿度高く
霧発生
0

23(火)

曇時々雨・強い北東風 257

4(木)

曇・北西風
湿度高し
17

14(日)

曇後晴
西風
霞発生
555

24(水)

曇後雨・強い北東風 31

5(金)

曇・南西風
湿度高し
176

15(月)

曇・東風
濃い霞
1,376

25(木)

曇・北東風
濃い霧発生
62

6(土)

曇・南西風
湿度高し
133

16(火)

晴時々曇・東風 9,897

26(金)

晴・北東風
4,457

7(日)

曇・南西風
湿度高し
15

17(水)

晴・南西風
靄発生
7,421

27(土)

曇時々晴・北東風 709

8(月)

曇時々晴・南西風
155

18(木)

曇・南風
濃い霧発生
800

28(日)

晴・北東風 303

9(火)

曇時々晴・南西風
湿度高し
15

19(金)

雨・北東風
濃い霧発生
観察不能

29(月)

晴・北東風 459

10(水)

曇・南風
湿度高く霧発生
36

20(土)

曇・北東風
濃い霧発生
観察不能

30(火)

晴・北東風 20

























今日のコメント


9月1日 午前9時前から11時半まで断続的に峠に行ってみたが、深い霧で見通し悪く観察できなかった。
9月2日 今日は昨日ほどではなかったが、雲が低くたれていた。午前8時50分に霧に霞みながら2羽舞い上がったのみ。11時過ぎにハヤブサが出た以外に見るべきものはなかった。一年ぶりに本記録を提供していただいているN氏、T氏両名と歓談。
9月3日 今日も早朝は霧で観察不能だったが、11時ころから回復し、11時35分に4羽、45分に7羽が観察され、12時過ぎの2羽を加えて13羽が確認された。他にはハヤブサ3観察はT氏とN氏
9月4日 N氏が早朝の6時20分、前日から降りていたらしい4羽を確認。私は10時半ごろから合流。その後は昨日と同じく11時過ぎてからちらほらと出るに過ぎなかった。まだ半島に前線が停滞している。他にはアマツバメ21、オオタカ1。
9月5日 今日は朝鮮半島の停滞前線が北上したが、飛来は期待したほどなかった。それでも10時9分に出現した140羽の群れは今季最大。いよいよ渡りの本格化を示すものかと思われたが、南よりの風に流されてどうやら渡らず島内に下りたようだった。他にはハヤブサ5、チゴハヤブサ、アマツバメ100±。
9月6日 今日も早朝は晴れていたが、午前中には雲量10となり、正午過ぎには霧が発生し、午後1時過ぎには観察を終了した。今日は小さな群れ(10数羽〜50羽ほど)が数回にわたって出現したのが特徴。ハヤブサ2、ハリオアマツバメ20±。
9月7日 峠は一日中晴れたり曇ったりをめまぐるしく繰り返した。まだ半島に前線がかかっているせいかそれとも厳しい残暑のせいか今日はほとんど出現しなかった。正午ごろからハリオアマツバメ200±が断続して観察されたのみ。他にはハヤブサ4、イワツバメ、ツバメ。なお今日はN氏、T氏に加え、S氏ご夫妻、私、相棒を加え6人で今季最大の観察者数で、会話が弾んだのが収穫。
9月8日 朝からどんよりと雲が低く、時折雨の最悪の天気。韓国からの情報で出発地は昨日から本格的な雨だというので、今日は午前10時には観察を終了したが、午後から回復し午後1時に観察再開とのこと。他にハヤブサ30、チゴハヤブサ1、イワツバメ1、ハリオアマツバメ17。最も多いときは12羽の群れが見られたハヤブサはしっかりと渡っていったとのこと。
9月9日 早朝は雨。午前中は曇。時々青空が覗くが絶えず霧が発生する。午後に天気は持ち直したが朝鮮半島は雨のせいかほとんどアカハラダカは出なかった。他にはハヤブサ5、ハイタカ1、ハリオアマツバメ6。
9月10日 今日は早朝に雨が降ったが、その後は曇りで経過。しかし相変わらず霧で見通しが悪かったとのこと。その霧の合間に二度ほど小さな群れが観察されたのが幸運というべきか。霧の上は渡っているのだろうか。他にはエゾビタキ4。
9月11日 今日は朝から大雨洪水警報が出るような悪天候につき、観察中止。
9月12日 台風の前薄日がさす天候につき峠に行ったが、峠は霧で見通しが悪かったとのこと。
9月13日 台風一過、下界は晴れたが峠は西風が強く霧も流れて出現は期待できなかった。
9月14日 今日こそという気持ちを裏切るように昨日並みの強い西風に加え、濃い霞と雲にさえぎられて時折雲間に見え隠れする個体をカウントしたのみとのこと。実際はもっと飛んでいるはずと思われた。他にはハイタカ4・ハヤブサ・チゴハヤブサ・オオルリ2・イワツバメ50.
9月15日 今日も天候はまずまずなのに、濃い霞にさえぎられて観察し辛い。6時44分に600出た後は、数羽の群れは飛び交うが大きな群れがあまり出ない。10時過ぎに200,13時39分41分にそれぞれ120,170が大きな群れだったが、総数はやや期待はずれだった。他にはミサゴ2、ハヤブサ11、チゴハヤブサ5、チョウゲンボウ1、あとアマツバメ21、カケス2.
9月16日 今日は朝から雲ひとつない快晴。出るとすると高度が高くカウントしづらいと思われたが、時間が経つにつれ適度に雲が出現。午前11時34分に2800、12時42分に1700の大きな群れが観察されたのを筆頭に数十、数百の群れが断続して出現。1万台に迫る出現となった。午後には低い雲が出たため、出現したアカハラダカが雲に隠れてしまい、カウントできない分がかなりいたかもしれない。、他にはハチクマ1、ハイタカ2、ハヤブサ8、チゴハヤブサ7、チョウゲンボウ1、それにハリオアマツバメ29、ヒメアマツバメ21、アマツバメ不明。
9月17日 今日は快晴で一日中雲の発生もほとんどなく日差しが強く気温が上がった。渡る高度が高く青空から湧いてくる感じで出現、高度を上げると青空に吸い込まれていく。カウントできたのは高度を下げた群れだけではないだろうか。最大の出現は午前8時の1,700、ついで9:08の1,000で今日の渡りは午前中に集中した。他は、ハチクマ1、ハヤブサ3、チゴハヤブサ6、ミサゴ1、チョウゲンボウ3、ハリオアマツバメ38、あとエゾビタキ1。
9月18日 今日は濃い霧で早朝は視界不良。8時14分に203の群れが出たのが最高で後はぱらぱら。霧の上は飛んでいたらしいが、何とも悔しい一日だったようだ。他にはハチクマ9、チゴハヤブサ8、ハヤブサ1、ツミ1、オオタカ1、チョウゲンボウ1、ミサゴ1、それにカケス、キジバト。ハチクマ9は珍しい。
9月19日 早朝は振っていなかったが、濃霧で視界不良につき観察不能。その後雨となる。
9月20日 今日も低い雲、濃い霧で視界不良につき観察不能。下旬に入っても2万羽そこそこという記録はここ数年の観察以来始めて。烏帽子では一定数出ているので、雲の上を渡ってはいるのだろうけれど。
9月21日 台風15号の余波か、かなり激しい北東の風だったとのこと。他にはハチクマ2、ハイタカ1、チゴハヤブサ5、ハヤブサ2、イワツバメ6。
9月22日 今日は昨日ほどではなかったがやはり北東の強い風だった。7:37に170羽出たのが最大で、8時以降はぱらぱらの状態だったとのこと。本当に今年はこれで終わるのだろうか。他にはチゴハヤブサ6、ハヤブサ5.
9月23日 峠は昨日今日一気に気温が下がった。朝から小雨交じりの曇り空で北東の風が冷たかった。今日も最大は8時08分の150が最も多く、後は三々五々と言った感じの出方だったようだ。他にはハチクマ12、ハヤブサ1、チゴハヤブサ6、ハイタカ1。
9月24日 朝から北東の強風が吹き荒れ、観察もままならなかったらしい。結局昼までに61羽をカウントしたが内30は渡らず付近の山に下りたので記録は31とした。これは渡ったようである。他にはハヤブサ2、チゴハヤブサ4、オオタカ2、チョウゲンボウ1。今日は島外からはるばるT氏、Y氏が内山峠に来られた由。
9月25日 朝の8時ごろまで濃霧のため視界ゼロ。強い北東風で出が悪かった。他にはハヤブサ3、チゴハヤブサ5、オオタカ1。
9月26日 今日は靄は掛かったがおおむね晴の一日であった。10:50に800、12:45に2,700の大きな群れを観察したのをはじめ、100、200の群れが多かったとのこと。他にはハチクマ1、ハヤブサ6、オオタカ11、チゴハヤブサ4、チョウゲンボウ4、ハイタカ1、それにイワツバメ6、ノビタキを確認。
9月27日 午前中、多かった雲が、午後にはとれて来た。しかし北東の風が思いのほか強く、アカハラダカの出はいまひとつ。他にはハチクマ3、ハヤブサ7、オオタカ5、チゴハヤブサ2、チョウゲンボウ8、それにイワツバメ6、キセキレイ8
9月28日 雲量は20〜40%で観察には支障がなかったが風力4〜5の強い北東風のせいかあまり出なかった。他にはハチクマ17(これは今季最大)、ハヤブサ11、チゴハヤブサ7、オオタカ3、チョウゲンボウ4、それにイワツバメ120。
9月29日 今日は7時台に38,70,65、8時19分に225が出た。北東の風もあまり強くなく、雲も観察に支障がない状態だったが、9時過ぎからはパラパラとしか出なかった。やはり渡りは終わったのだろうか。他にはハチクマ2、ハヤブサ7、オオタカ8、チゴハヤブサ8、チョウゲンボウ2、ハイタカ4。
9月30日 今日一日の出現数20羽。観察最終日はさびしい結果となった。やはり渡りは終わったようだ。今年の総数29,221羽はここ10年来最低の記録である。今年の冷夏、9月の高温とピーク時における停滞前線の居座り等など悪条件が重なった結果だろうか。通常10月中旬に対馬の南部で観察されてきたサシバが内山峠のアカハラダカ観察時に初めて記録されたのも今年の異状を示すものかもしれない。他にはサシバ15、ハヤブサ4、オオタカ2、チゴハヤブサ7、チョウゲンボウ2、ハイタカ2、それにイワツバメ6、エゾビタキ4、カワラヒワ10。