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新王国時代 第18王朝

ホルエムヘブ

Haremheb

在位年代;前1319−1292年
誕生名;ホルエムヘブ・メリアメン
(ホルスは歓喜する、アメン神に愛されし者)
即位名;ジェセルケペルウラー・セテプエンラー Djeserkheprure'
(聖なるものはラーの出現、ラーに選ばれし者)
別綴り;ホルエムハブ、ハレムハブ Horemhab, Haremhab
治世;28年

王朝の首都;テーベ 
埋葬地;王家の谷 KV57 
出身地;ヘラクレオポリス(フネス)

家族構成;先妻/アメニア(即位前に死去)  もう一人の妻/ムトノジュメト

出自不明の軍人。平民と考えられている。
出身地の守護神と思われる「フネス(Hnes)のホルス」に言及していることから、出身地はフネスだと考えられている。

アイと同じくアメンヘテプ3世の時代から仕えた古参の家臣で、アイが文官や神官を牛耳っていたなら、こちらは武官や軍人を掌握し、二大勢力となっていたと思われる。アイの没後、二大勢力は崩れ、すべては彼の手の中に握られることになる。ちなみにホルエムヘブはツタンカーメンの在位中から「王の後継者」の称号を持っていたので、本来はアイではなく彼が王位を継ぐはずだったのではないか、という説もある。

神官団に邪魔されないように、即位するや否や、息のかかった軍人出の者ばかりを神官に任命している。その上で、アメン信仰の復興、神殿の造営等を行った。

自分より前に即位したアイの墓を容赦なく徹底的に破壊させたが、ツタンカーメンの墓は見逃している。妻のひとりムトノジュメトはアイの娘だったという説がある。ただし実子はおらず、次の代は同僚(軍人)の息子を養子としている。ホルエムヘブのあとを継ぐのは同僚の軍人パ・ラメスで、ラメセス1世として即位するが、高齢のためすぐに息子に委譲している。


彼が即位した時代はエジプトの国力が低下している最中である。
ネフェルトイティの姉妹と考えられるムトノジュメト(ここは予測)を妻に迎え、辛うじて王家の血筋との繋がりを保っているが、通常なら王位の正当性は主張できないくらいのもの。王家の血筋とは全く関係なさそうな人物が即位できたということは、もはや、他に適当な人物がいなかったということだろう。
エジプト王家の血脈は、ここで確実に途切れている。


【歴史萌えポイント】古代エジプト第18→19王朝の移り変わりがドラマティックすぎた。


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