No. 08 小貝浜

こがいはま

一言メモ 大小の奇岩が散在する奇勝地
市 町 村 日立市
東  経 140.42.51.1
北  緯

36.39.15.0


 詳しい地図↓

 
   

最終更新日:2002.6.17.

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小貝浜(北側から)


小貝浜(南側から)


鵜の岬方面


崩落しているあたり


断崖から海を望む


断崖


灯台


蚕養(こがい)神社


蚕養神社から南側を望む

【ここの概要(歴史、自然など)】

 ここは鵜の岬のすぐ南にあたる。鵜の渡来地として文化財指定を受けていて、ここで捕獲される鵜は岐阜県の長良川に送られたりしている。
 茨城の海岸によく見られる断崖絶壁が続いており、厳しい太平洋の波風を受け、浸食が続いている。
 断崖絶壁の上から見る太平洋はなかなか美しい。小貝浜緑地が整備されていて、散歩に憩いにちょうどよい。釣り人も多く見られる。
 ただ、釣り人があちこちに入り込むため、海鵜が警戒し、近寄らなくなっているとも聞く。釣り人はマナーを守ってもらいたい。
 遊歩道沿いには灯台や蚕養神社などがある。

【行ってみた感想】 2002.1

 断崖絶壁に沿って歩くのは怖いけれども気持がよい。この前に行ったのは97年だが、その時期から比べると海岸の浸食が進んでいて、遊歩道の一部が立ち入り禁止になっていたり、崩落している所もあった。
 現在進行形で景観の変わる所なので、ちょくちょく行ってみるとよい。ただし、安全には細心の注意を払うこと。

【看板説明文】

● 日立指定文化財(名勝) 小貝浜
指定 昭和五十五年八月二十八日
 小貝浜は、常陸国風土記に碁石のとれる浜としてみえ古くから景勝の地として知られ、茨城百景の一つにも選ばれています。
 海に面した崖の上は枝ぶりの良い老松が見られこのなかに遊歩道路が約一キロメートルにわたって整備されており、春夏秋冬それぞれに趣のある景観が楽しめます。
 遊歩道を回遊する折りには、蚕養(こかい)神社、茨城百景の碑、波切不動尊石像、灯台などをたどり、眼下の二見岩を眺めて憩うのも情緒があります。また、県指定文化財(天然記念物)海鵜渡来地があり、十月から四月頃にかけて渡来する海鵜の群も見られます。/日立市教育委員会

● 海鵜渡来地
 この地は茨城県文化財保護条例により、昭和三十一年五月二十五日付けで天然記念物に指定されました。
 海鵜は敏しょうな渡り鳥です。頸は長く足には水かきがあり、両翼を広げると一メートル余もあります。鵜の種類はわが国で四種を見られます。日本で漁猟に鵜を用いたのは六世紀末頃といわれております。現在でも岐阜県長良川の鵜飼いは有名です。長良川で使用する鵜は、川尻海岸で捕獲されたものが非常に敏しょうでよろこばれております。
 海鵜は北海道や千島等で生殖卵期を過し、越冬のため十月中旬より東北地方以南の荒海や岩礁の多い海岸に渡来し、三月下旬より五月上旬に再び北上して帰ります。
 川尻町小貝浜一帯は磯石が散在し、屹立する断崖に老松を添え自然景勝の地で、南下または北上する海鵜の群が翼を休めるには絶好の場所です。岩礁や岩壁にたくさんの海鵜が憩う様子は可憐で興趣に富み、観光客の心をたのしませてくれます。/日立市教育委員会

● B日立史跡めぐり
県指定文化財 海鵜渡来地/環境を守る日立市民会議

● 伝説 金色姫物語
 昔、常陸國(ひたちのくに)豊浦港(現在の川尻小貝浜)に繭の形をした丸木船が流れついたのをこの地に住む神官権太夫がみつけた。さっそく丸木舟を割って見ると中から美しい姫があらわれたので、家に連れてきてわけを聞いた所、「私はインドの大王の一人娘で金色姫と申しますが母は早くなくなって今の継母様は私をにくんで毎日ひどくいじめました。
 その様子を見兼ねた大王は桑の木で丸木舟を作り宝石のような赤貝で作った首かざりを私の首にかけて舟に乗せ、慈悲深い人に助けられることを願って海に流しました。 」と泣きながら手を合わせました。身振りでそれと知った子どものない権太夫は、それから毎日我が子のようにやさしくいたわりそだててきましたが、五年たった今、姫は急に泣きながら、「私の命も今宵限りとなりました。私の身は前世(ぜんせ)の宿縁(しゅくえん)を蚕という虫に生まれ変わり蚕葉(こば)という桑の葉に養われて宝の繭をかけるまで四度の衣をぬぎすてますが、これは継母様にいじめられたなやみの衣です。それから父母こいしと泣きながら糸を吐いて作り、その繭の中にこの身を入れて葬るのです。よい繭を作るには蚕育(こそだ)て頃と庭起(にわおき)きがその良し悪しの瀬戸際です。この蚕貝(こがい)作りの首かざりと繭は助けていただいた命の恩の置土産(おきみやげ)です。」と養蚕の業を教えて念仏と共に昇天した。これから日本に養蚕業が広まったと云う。これは蚕姫(こかいひめ)金色の物語で仏説蚕養の神の御由来である。
 昭和五十一年十月
 寄贈者 五浦観光ホテル別館大観荘
      代表取締役社長 村田素雄

● 告
左記の貝探類を無断採取又は違反した者は漁業法に依り罰せられます。
 
あわび、うに、海草類、磯釣りに用いる餌(磯みヽづ)を取る為薬品を使用したり岩礁を破壊すること。
潜水する為のアクアラング及び潜水服を着用し又は小器ドライバー等を使用し潜水すること。
茨城県/川尻漁業協同組合

【備考】

 関連サイト: 日立市観光ガイド  茨城県林業技術センター    
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