2014年 6月 第132回 LET 関東支部研究大会(東京)
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■日程 | 2014年 6月 14日(土)(予定) |
■場所 | 明治学院大学 白金キャンパス (東京) |
外国語教育メディア学会(LET)関東支部 第132回 研究大会(東京港区白金台)において、ミント音声教育研究所は以下の研究発表をおこなう
- リーダビリティの原理と速読効果
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もくじ |
- リーダビリティの原理と速読効果
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表題 | : | リーダビリティの原理と速読効果 |
| | ─日本人向けリーダビリティ公式開発─ |
発表者 | : | 田淵 龍二 (ミント音声教育研究所) |
- この発表は英文の読みやすさ度に関するものであり、昨年春の発表「新しい読解速度計測ソフト制作に向けて ―読みの速さと正確さの相互関係―」の第2弾である。
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- Baddeleyらによれば読書時には文字を内声として音韻ループに送る。これを文字の音韻符号化と言う。さて発声時の音声には2秒前後のまとまりがあり,音声を取り込む音韻ループには2秒前後の時間制限があることが分かっている。
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- そこで筆者は読書時の内声にも2秒前後のまとまり(以下チャンクと呼ぶ)があり,このチャンク形成のしやすさが読みやすさを決める要因のひとつであるとの原理仮説を立てた。この仮説を元に,綴りや区切りなどの書記情報から内声のチャンク時間長を予測し,この予測時間長を変数とした英文のリーダビリティ公式を英語母語話者向けと日本人英語学習者向けの2種類作成した。
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- この両者を教育界で定評のあるFlesch-Kincaid公式と比較し0.95を超える高い相関を得た。また科研費研究で収集した読解データ(16課題文81人分)ではWPMとリーダビリティ値の相関係数の絶対値は0.9を超えた。
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- リーダビリティ公式は1920年代以降の長い歴史があり,その多くは単語の親密度や文の長さを変数としている。今回の新しい公式は音韻符号のチャンク予測時間長を変数とするものであり,呼吸活動を伴わない読書時の内声にも2秒前後の音のまとまりが存在する可能性が示唆された。
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- これは一定の分量の単語を2秒前後のチャンクとなるような速さで読むことが理解を促進する可能性を示している。
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- さて新公式は音韻符号チャンク予測時間長と文長(平均チャンク数)を2変数とし,学年レベルを出力する。チャンク時間長の予測式,チャンク数の計測法,学年を予測する基準文書,重回帰分析による公式定数の算出法,検証に使った各種文書,日英の新公式は当日発表する。
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- また日英の新公式を適用してリーダビリティを計測するソフト・ミングルも紹介する。このミングルではFlesch-Kincaid公式をはじめとした主要な8つのリーダビリティ値も同時に算出し相互比較が可能である。
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- 参考文献と資料
- ⇒Mingle8+2 Official Website
- ⇒映画音声コーパスを利用したBreath Group長の分析 / An Analysis on the Duration of Breath Groups in a Speech Corpus of Movies
関連記事
⇒新しい読解速度計測ソフト制作に向けて ―読みの速さと正確さの相互関係―
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