2013年 8月 外国語教育メディア学会(LET)第53回 全国大会(東京)
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ミント音声教育研究所は、外国語教育メディア学会(LET)第53回 全国大会(東京)において、2つの研究発表と1つのワークショップをおこなう。
- チャンク単位の音声と文字の同時提示後の一斉音読がWPM・読解スコアに与える影響
- 共同研究発表
- 山口 高嶺 (早稲田大学)
- 神田 明延 (首都大学東京)
- 湯舟 英一 (東洋大学)
- 田淵 龍二 (ミント音声教育研究所)
- 池山 和子 (恵泉女学園大学)
- 鈴木 政浩 (西武文理大学)
- ネイティブ音声主導型チャンク音読が促進する音韻符号化と速読 ― 聴覚認知特性から見た映画音声と読解用教科書音声の比較
- 共同研究発表
- 田淵 龍二 (ミント音声教育研究所)
- 湯舟 英一 (東洋大学)
- 30秒スキット作成講座: 映画映像コーパス活用で広がる授業の幅!
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もくじ |
- チャンク単位の音声と文字の同時提示後の一斉音読がWPM・読解スコアに与える影響
- ネイティブ音声主導型チャンク音読が促進する音韻符号化と速読 ― 聴覚認知特性から見た映画音声と読解用教科書音声の比較
- 30秒スキット作成講座: 映画映像コーパス活用で広がる授業の幅!
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表題 | : | チャンク単位の音声と文字の同時提示後の一斉音読が |
| | WPM・読解スコアに与える影響 |
| | Effects of Chunk-based Oral Reading |
| | on Reading Speed and Comprehension |
発表者 | : | 山口 高嶺 (早稲田大学) |
| | 神田 明延 (首都大学東京) |
| | 湯舟 英一 (東洋大学) |
| | 田淵 龍二 (ミント音声教育研究所) |
| | 池山 和子 (恵泉女学園大学) |
| | 鈴木 政浩 (西武文理大学) |
時所 | : | 8月 9日(金) 12:00-12:30 E-410教室 |
- 本研究グループでは,ここ数年CALL教材でチャンク単位での文字・音声提示方法により,読解効率を向上させる実践研究に取り組んでおり,本研究大会でも毎回その成果を公表してきた。この手法による第一期科研費研究(2009-2011)として文字のチャンク提示による黙読訓練を行い,読解効率が高まることを検証した。第二期科研費研究(2012-)では,従来の文字のチャンク提示だけでなく,文字と平均2秒程度の音声を同時にチャンク提示する方法の学習効果も分析してきた。ここで使用される音声は教材に付属の標準的な母語話者によるものであり,チャンク提示にはすべてミント音声教育研究所制作のMultimedia Player Mintを用いることによって,教員による提示のぶれや,同一教員であっても同種の授業を複数の授業で担当する場合のぶれを少なくするよう統制を試みている。
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- 今回発表するのは、2012年度に1年間を通じて、データの欠損のない3大学88人の学生を対象に,チャンク単位での提示直後の音読の有無や英語力の違いといった点で,文字のみの提示の速読群(D群)に比べ,音声も同時に提示した音読群(英語力の比較的高いA群・英語力の比較的低いB群・英語力の比較的低く10分程度の処遇に限ったC群)が、WPM・読解スコア・読解効率(WPMに読解スコア正解率を乗じた値)にどのような影響を与えたか,同時に,学習者の英語学習に対する意識の変化がどのようなものだったか,英語力の異なる音読群での変化はどうであったかである。
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- 3つの時期(前期開始時・前期終了時・後期終了時)における結果を,対応あり1元配置分散分析を行った結果,A群に,WPM向上効果だけでなく,読解スコアの向上が前期終了時に見出された。B群には,有意差のある変化は見られなかったものの,前期終了時の段階で英語学習に対する肯定的な意識の変化が見られている(山口2012)。D群では、読解効率に年間を通じて有意な上昇が見られた。
⇒結果報告はこちら
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2 | ネイティブ音声主導型チャンク音読が促進する音韻符号化と速読 ― 聴覚認知特性から見た映画音声と読解用教科書音声の比較 | もどる もくじへ | |
表題 | : | ネイティブ音声主導型チャンク音読が促進する音韻符号化と速読 |
| | ― 聴覚認知特性から見た映画音声と読解用教科書音声の比較 |
| | Audio-enhanced chunked reading will develop |
| | phonological encoding and reading speed. |
| | --- A comparison of classroom text/audio CDs and cinemas |
| | from Auditory Recognition Points of View |
発表者 | : | 田淵 龍二 (ミント音声教育研究所) |
| | 湯舟 英一 (東洋大学) |
時所 | : | 8月 9日(金) 10:40-11:10 E-410教室 |
- 近年の英語熱にもかかわらず日本人の苦手意識は解消されないようである。原因はさまざまで一概に論じることはできないが、第一筆者はひとつの解決手段として「チャンクで義音字一体」を提唱してきた。画像や映像をともなった音声にあわせて文字を同期提示する方法であり、平均2秒程度のチャンク音声提示とすることで聴覚認知に適合させるのである。
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- この手法による第一期科研費研究(2007-2008)ではさまざまなチャンク提示法を試し、順に現れる提示法がもっとも効果的であることを発見し、それに基づいて第二期科研費研究(2009-2011、大学生対象)では順に現れる提示法による黙読訓練を行い、「テキストのチャンク提示は読解効率を高める」ことを検証した。そして第三期科研費研究(2012-2014)ではテキストと音声の同時チャンク提示による音読訓練を行い、初年度(2012)の処遇で「音声利用が必ずしも読解を阻害しない」ことを明らかにした。
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- 一言で音読と言っても従来の音読と異なる点は「平均2秒程度のチャンク音声を誘引としてフレージングテキストを参照しながら繰り返し発声する」である。これを「ネイティブ音声主導型チャンク音読 Audio-enhanced Chunked Reading」と呼ぶことにする。この手法により音韻符号化が促進され速読に結びつくことを期待している。
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- この期待の理論的根拠は、
- (1) 文字や単語レベルではなくフレーズ単位で音韻符号化を行うことにより認知単位が大きくなり、処理速度が増す、
- (2) ヒトの聴覚認知単位としては2±1秒の特性が知られている、
- (3) 実際に英語音声の呼気段落長は平均2秒程度に収斂される。
- 授業や学習では平均2秒程度に制御可能な音声教材が必要となる。
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- この観点から大学教科書付属の音声CDと映画音声の特徴を解析したところ、興味深いことが明らかとなった。聴覚認知単位2秒前後を大きく越える3秒半以上の呼気段落の割合が映画では4%であるのに対して、大学教科書では13%ととても多かったのだ。今回の発表では「ネイティブ音声主導型チャンク音読」訓練の速読効果を理論とデータの両面から明らかにする。
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【資料】 学年別音声教材BG長の振る舞い
横軸は呼気段落長(秒)で継続時間長、縦軸はWPS(words per second)で発話速度。丸印は各ジャンルの平均値。学年が上がるごとに呼気段落長が増えていることがわかる。
映画や物語朗読との比較
これに対し映画や物語の朗読などの呼気段落長は平均2秒程度で、中学2年程度と重なっている。ただし、話速は1秒間に3単語ほどと、中2の2単語の1倍半である。
⇒結果報告とQ&Aはこちら
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- 音と映像が飛び出すクラウド型映画データベースによる授業実践講習。
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- 場面検索、スキット切り出しから、ペアレッスンまで、映画映像コーパス検索サイト・セリーフ http://www.mintap.com/ を使った授業例紹介。
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- 単語熟語の検索、正規表現、ファンクション教材の作り方、音声変化の収集、英米発音の違い、シャドーイング、なりきり英会話ペアレッスン、リスニングドリル。
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- 時間があれば「・・・を当てよう」などのゲームも披露する。
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