アメリカ放浪記!!(byしげ)

第24章
〓 SALT LAKE CITY〔Utah〕 〓


カモメがシンボル?
モルモン教の総本山。テンプル・スクエア。
旅の軌跡に行く
ソルトレイク・シティ(ユタ州)  

 気温も風も気持ちいい。日本でいうと春という感じだろうか?今まで行った何処よりも過ごし易く感じる。ここに来るバスでは、ロッキー山脈越えがあり、久しぶりに雪を見た。一番始めに行ったフェアバンクスでは嫌というほどの雪を見たが、その後は暑い所ばかりだったので、この一面の銀世界を見ると、なんか変な感じがする。フェアバンクスにいたのが本当に昔のように感じてしまう。場所が変われば、景色も変化するのは当然だけど、移動する度に気候、気温、植物、そして人(人種)も全て変わってしまうのには、いつもながら驚く。さすがは合衆国、アメリカ。
 
  ソルトレイクの観光シーズンは冬だ。2002年の冬季オリンピックが開かれることでも分かるように、雄大な自然へのゲートシティとして、また世界一の雪質とも言われるスキーリゾートの中心としても栄えている。しかし、その他の時期も見所が多く。今までとは違った形でぼくの目を楽しませてくれる。
 
  この町の中心にはテンプル・スクエアと呼ばれる、モルモン教の総本山があるのだ。そう、この町はモルモン教徒の町なのだ。とにかくスケールのでかい、壮大な寺院が建っていて、その周りの大礼拝堂では世界最大のパイプオルガンリサイタルや、聖歌隊のコンサートを無料で見ることが出来るのだ。モルモン教の歴史を描いた映画も無料で見れる。
 
  テンプルスクエアに入ると、日本人ぽい2人の女性が声を掛けてきた。英語で「日本人ですか?」、「旅行ですか?」と聞いてくる。あれっと思っていろいろ話を聞いていると、彼女達は台湾人で、このモルモン教でシスターとして働いているという。毎日、観光客にモルモン教の説明をしているのだそうだ。世界のあらゆる国からシスターは集まって来ていて、観光客も世界中から来ている。どこの国から来た観光客でも、自分の母国語で説明を受けることができる。日本人のシスターもここで大勢働いていると言うので、彼女達に日本のシスターを呼んでもらって、ぼくもモルモン教の説明を受ける事にした。ただ暇だっただけなのだ。ここは宗教臭くなく、そんな軽いノリでも全然問題ないのだ。はじめは勧誘されるのかとも思ったけど、シスターも久しぶりに日本語が話せることもあってか、上機嫌で話が弾む。一応、モルモン教の歴史を聞くが、その他は楽しくお話をしてる。そんな感じだった。分かった事といえば、"ブリガム・ヤング"この人がモルモン教の英雄で、本当は一夫多妻主義なのだが、今はアメリカの法律にしたがって、一夫一妻制をとっていることくらいだった
 
  ユースで知り合った人と、車でグレート・ソルトレイク、州議事堂にも行ったのだが、グレート・ソルトレイク:巨大な塩水湖は車から降りた瞬間にすごい臭いが襲ってきて、とてものんびりなんてしていられない。しかも真っ白な塩が一面に続いていると思いきや、緑のヘドロが多くてとてもきれいとは言えなかった。だからほとんど毎日のようにテンプルスクエアに通って、コンサートやパイプオルガンを聴いていた。コンサートはバッハなどのオーケストラで、少し悲しい歌が多かった。普段そういう音楽を聴かないのだが、この時ばかりは、オーケストラの圧倒的な迫力と、旅が終わりに近づいたことが重なって、目を閉じて聴いているとあやうくモルモン教に洗脳されそうになった。バイオリンの音や歌声がやけに悲しく聴こえた。
 
  この町はどこを見渡しても、ゴミ一つ落ちていない。町自体はこじんまりしているが、雄大な景色に囲まれていて、きれいな所だ。治安もかなりいいように思える。ケント・デリカットの言う事もまんざら嘘ではないようだ。
 
 このソルトレイクシティで、心地よい風に吹かれてゆっくりした後は、ラスベガスでも行って、ゴージャスな雰囲気に浸ることにしよう。

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