アメリカ放浪記!!(byしげ)

第11章
〓 SAN ANTONIO〔Texas〕 〓


むっちゃん起きてる?
むっちゃん、しょうちゃん、マサ。
旅の軌跡に行く
サンアントニオ(テキサス州)  

 あれっ!朝、エルパソからサンアントニオに向けて、慣れたグレイハウンドで行こうと思ったのに・・・。
 
 何が起こったのかを説明しよう。
 
 朝、出発しようとして、エルパソのユースにいたら、3人の日本人と出会った。彼らはレンタカーでここまで来ていて、しかも3人別々の一人旅なのだ。まず、サンディエゴでマサとしょうちゃんが出会い、二人で話をしているうちにアメリカを旅するには、やっぱり車が必要だという結果に到達した。そこで彼らは金を出し合い、そのまま1ヶ月間レンタカーを借りてしまった。二人のアメリカ一周レンタカーの旅が始まった。しかし4人乗れる車に2人は寂しい。そして他の人が乗れば、マサたちもその人から交通費を貰って助かるし、乗った人もバスよりはるかに安い金額で目的地まで行けるので助かる。そしてあっと言う間に友達になれる。この一石三鳥で合理的な考えにはまってしまったのが、3人目のこうちゃんなのだ。こうちゃんはフラッグスタッフからエルパソまで、彼らの生贄として一緒に来てしまったのだ。とりあえずこうちゃんはエルパソに残ることを決めていた。そして新しく生贄となったのがこのぼくとむっちゃんである。
 
 ぼくはニューオリンズまでの通り道である”サンアントニオ”まで連れて行ってもらう予定にした。そしてむっちゃんはマサたちと一緒に”ニューオリンズ”までの予定。とにかくラッキーだ。格安でしかも快適なレンタカーで行けるのだ。途中、気になった所があればすぐに寄れるし、いつも一人ではない。マサ、しょうちゃん、むっちゃん、みんないい奴だ。出会ってすぐ打ち解けることが出来た。
 
 マサ:金髪のお調子もの。サーフィンが好きで、いい波に乗りたいために、一年間ハワイに住んでしまったというツワモノ。何事にも積極的で、常に大胆。英語もかなりいける。
 
 しょうちゃん:見た目はおとなしく、しっかりもの。この4人の中では影の支配者。全てがしょうちゃんの一言で決まる。車が好きで、道中の運転はほとんど彼がしていた。日本では植木屋。しかし動物好きなので、この旅に出てから、ペットショップに勤めようかと迷っている。
 
 むっちゃん:本当におとなしい子。こんな子がアメリカを一人で旅できるのかと思うほど。しかし酒を飲むとむちゃくちゃ明るくなる。イギリス留学中に知り合った人に会いに行く途中。そのついでにアメリカを旅行してる。
 
 しげ:ぼくの事である。会社を辞めて、ほとんど勢いでアメリカまで来てしまった。特にこれをしたいと思って、アメリカに来た訳ではないが、何か見つかるんじゃないかと思って出てきた。無計画、無神経、単純、いい加減・・・それが彼のいい所。
 
 この最強の4人でまずはサンアントニオを目指すことに。車は快調に10号線を飛ばす。おせじにも車の中は広いとも言えない。なんせ4人分のバックパックと生活するためのキャンプ道具一式が乗っているのだ。それでもバスよりははるかに快適だ。気のおける友達に囲まれて、少しはわががまも言える。車内はお互いの旅行の話からプライベートまで話が絶えない。とにかく楽しい。
 
 サンアントニオまでは約9時間の予定。車は延々とハイウェイを飛ばす。しかしアメリカのハイウェイはいろいろなものが走っている。コンボイは映画でもお馴染みだが、近くでみると本当にでかい。ぼくのイメージするアメリカの一つだ。しかし本当に奇妙なものも走っている。”家”だ。トラック(普通ではないでかさ)の荷台に乗って、当たり前のように家が横を通り抜けて行く。本物の家だ!はじめは信じられなかったけど、一日2〜3台は走る家と出会う。工場で造ってそれをそのままトラックに載せて持って行くのか?うーん、合理的だ。
 
 砂漠地帯を延々と走り、午後9時30分にやっとサンアントニオに着いた。しかしなんか様子がおかしい。警備員の数がやけに多いのだ。とにかく街の中心まで行くと、酔っぱらった人が街に溢れている。これはなんかの祭りがあると思って、ぼくらは駐車場に車を置き、祭りの会場まで行くことにした。多分、宗教かなんかの祭りだ。しかし、かなり盛大で、みんな本当に酔っぱらっている。これは参加しないわけには行かないと思い、とりあえずみんなで一杯やる。しかしここはアメリカ、酒、タバコには本当に厳しいのだ。酒を飲む度にパスポートを見せないといけない。かなりテンションが下がる。しかしそんなことは言ってられないのだ。みんな飲めや、踊れやのどんちゃん騒ぎなのである。ぼくらは酒で陽気になって、同じように酔っぱらっている外人さんと一緒に踊る。楽しい!みんな今日会ったばかりなのに・・・。かなり意気投合してる。
 
 ・・・夜中12時。人もいなくなって、祭りも終った。しかしだ!ぼくは今日この場所に泊まる予定だったのだ。もうとっくにユースも閉まっている。高い金を出して、ホテルに泊まる気にもなれない。酔った勢いと、今日の楽しさが忘れられなくて、また自ら生贄になった。しかし、一応サンアントニオの街を4人で観光して、アラモの砦を写真に収めてきた。かなりいい街だなって印象だ。街には運河みたいのが流れてて、そこを船が行き来してる。街も石で造られた建物が多く、情緒があって、雰囲気がいい。また帰りでも寄ろうと思って、なくなくサンアントニオの街を出発した。

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