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時の話題2008-12
LAST UPDATE 2008-12-29
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今月の目次
◇印は《日々雑感新掲示板》より転載
派遣切りと外国人労働者(08/12/26〜28) ◇ケータイ禁止令(08/12/25) ◇知的障害者と性犯罪(08/12/15) ◇第13回ちがうことこそすばらしい!こども作文コンクール(08/12/13) ◇第42回人権と部落問題講演会(08/12/10) ◇寒風とクリスマスイルミネーション(08/12/6)

【派遣切りと外国人労働者】vol.507《日々雑感より》
◆8万人以上もの人々が仕事を失うという調査報道だが、問題の根幹は、社会保険を台なしにする派遣労働を導入した小泉内閣にある。今回の改正も、経営者の抜け道が用意され、社会保険の理念は完全に無視されている。まして、外国人労働者の強引な解雇は、その家族、とりわけ子どもたちに残酷な悪夢をもたらしている。今、僕に何ができるのだろうか。(1451、08/12/26)
◆日系ブラジル人労働者らへの緊急雇用対策を政府が実施するという。一刻も早い対応と、産業界の尻拭いではなく人権保障としての取り組みを期待する。(1453、08/12/28)[→12月目次]


【ケータイ禁止令】vol.506《日々雑感より》
◆全国各地で「ケータイ禁止令」が出されている。小中学校への持ち込み禁止・高校での使用禁止がほとんどだが、確かに、命と人権が危機にさらされる事象が相次ぐ状況を考えれば、学校現場で歓迎されているのは頷ける。しかし、単に「持って来るな」というだけではいけない。ケータイトラブルの一義的責任は子どもに買い与えた保護者にあるが、学校の友達とのトラブルも多くある以上、健全な発育を担うべき教育機関として、「情報モラル教育」を棚上げにする訳にはいかない。多くの子どもたちがケータイを所持・使用し、トラブルを引き起こしている実態から目をそらし、やっかいな仕事は引き受けたくないという態度こそ、人との関わりのマイナス教材であることに気づかねばならない。「ケータイ禁止令」がいけないというわけではない。「情報モラル教育」が伴っていなければ、「責任逃れ」という、それこそ「しんどいことには向きあわない」という、憂慮すべき風潮を助長する「隠れたカリキュラム」になると言いたいのだ。子どもに持たせても安全な携帯の開発もよいだろう。しかし、「フィルタリング」にせよ「安心ケータイ」にせよ、機械的・産業的な対応である。「心の教育」というと、予算削減の体のいい言い換えだったり、国家に都合の良い規範意識の刷り込みだったりするから、注意を要する言い回しなのだが、「人が人に向きあう」温かな力を育むという「教育の原点」としての「心の教育」を再確認すべき時だと考える。(1450、08/12/25)[→12月目次]
 ※ケータイと子どもたちの人権


【知的障害者と性犯罪】vol.505《掲示板より》
「人権侵害になりますか」 まゆ (2008/12/14 23:48 [PC])
 私は過去、知的障害の男性に痴漢されたり後つけられたり、無理やりキスされそうになったり、近づいてきて大声出されたり、嫌がらせを受けたりしました。1人の男性限定ではありません、家の近所に養護施設があり出会います。色々されトラウマになり街中で知的障害の人を見ると避けます。怖いからです、またあんな目に遭うのではないかと思うからです。知的障害者全員がそのような人ばかりではないとはわかるのですが怖かった思いがフラッシュバックし偏見を持ちます。
 千葉の成田ゆきまろチャンの事件で容疑者が知的障害者だとニュースで知り、ますますイメージが悪くなりました。
 もちろん批判だけしているだけでは社会が良くなるわけではないと思いますが、過ちを犯したら責任能力なしではなく罪をつぐなって頂きたいです。私のような意見の人もいると思うので障害者の人も皆が住みやすい世の中に本当になるのか?と思います。
◆つらい思いをされたんですね。男性の僕には想像のつかない苦しみがあるのだろうと思います。
 知的障害者に対する偏見とは分かっていても、構えてしまうお気持ちは察することができます。無理もない事なのかもしれません。
 しかしながら、気がかりなのは、痴漢行為と知的障害者の結びつけ方です。まゆさん自身も書かれているように、知的障害者全員が痴漢行為するわけはありません。さらに、痴漢行為をするのは知的障害者とは限りません。むしろ、健常者の方が多いのではないかとさえ思います。
 もし、「知的障害者=何をするか分からない」という偏見がレッテルをもたらしているなら、事実としての体験が間違った観念に結びついてしまっていると言えるのではないでしょうか。これは、誰もが陥りやすい偏見の形成と伝播であり、様々な差別問題に起こりうることだと考えます。たとえば、「男はオオカミ」「痴漢される女の方こそ悪い」「外国人はこわい」「○×高校の生徒はなってない」など、自分とは違うカテゴリーに属する人々をひとまとめにして悪者扱いする意識には、巧妙な責任逃れと集団へのいわれなき偏見がひそんでいると思うのです。
 「責任能力なしではなく罪をつぐなって頂きたい」という、まゆさんの意見には賛同します。知的障害者や精神障害者の犯罪責任については、一方では社会防衛、他方では福祉の見方があり、それらのせめぎ合いが続いてきました。僕は、社会防衛ばかりを唱えて排除することには反対ですが、同じ社会をともに生きるものとして、責任を問い償いを求めるべきだとも思います。障害者であるがゆえに、守られるべきだと思うとともに、責任を伴う生き方を社会が用意するべきだとも思うわけです。
 『性犯罪被害にあうということ』(小林美佳著、朝日新聞社、2008)を読むと、理屈抜きの苦痛・戸惑い・混乱・逃避などが否応なしに訪れることが分かるように思います。僕の書いたことは、そんな気持ちが理解できない男の「キレイごと」なのかもしれません。しかし、現実の差別や偏見にも通じるところがあるのではないかと思い、迷いつつ返信させていただきました。(08/12/15、まゆさんへの掲示板レス)[→12月目次]

 ※vol.481 「『性犯罪被害にあうということ』

【第13回ちがうことこそすばらしい!こども作文コンクール】vol.504《日々雑感より》
◆近畿2府4県の在日外国人教育団体が構成する「関西ネット」主催の「第13回ちがうことこそすばらしい!こども作文コンクール」入選作品法被が生駒市であり、午前中のクラブ指導の後、スタッフとして参加。小中高に夜間中学を含め、20本の作品が表彰され、田渕奈良教育大教授の丁寧で元気の出る講評のあと、それぞれ本人による朗読があった。随分込み上げ、泣いてしまったkurochanである。生きる力に乾杯だ!(1443、08/12/13)[→12月目次]

【第42回人権と部落問題講演会】vol.503《日々雑感より》
◆宇陀市文化会館で行われた奈人推協第42回人権と部落問題講演会に参加。2本の講演があり、まず大阪大学大学院の平沢安政教授が世界人権宣言に関する話をしてくださり、人権文化構築にかかわる視点や視野についてたくさんのヒントをいただいた。続いて音楽療法士の赤堀葉子さんが歌唱参加型のトークで愛と勇気のエンパワメントを体感させてくださった。これも、kurochanにとって大きなヒントとなる。(1441、08/12/10)[→12月目次]

【寒風とクリスマスイルミネーション】vol.502《日々雑感より》
◆よく冗談で、「身も心も財布も寒い!」などと言うkurochanだが、冗談じゃなく「身も心も財布も寒い」師走を迎えている人々が、この国にあふれている。「自助努力」や「自己責任」などという政治的詭弁でお粗末すぎる政策責任のすり替えをしてもらっては困る。今年は特にクリスマスイルミネーションが物悲しい。「Yes Virginia」といきたいところだが、排外的ファシズムが忍び寄る扇動にも警戒すべき状況だろう。あー、指がかじかむ。(1437、08/12/6)[→12月目次]


























<アンカージャンプ用の画面余白です>