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時の話題2005-12
LAST UPDATE 2005-12-28
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◇印は《日々雑感新掲示板》より転載

パールハーバーとコタバル(05/12/23〜28) ◇戦争の真実と、米軍による白リン剤攻撃(05/12/21) ◇前原民主党(05/12/11) ◇自衛隊イラク派遣延長のねらい(05/12/8〜9) ◇脅かされる子どもの人権(05/12/7〜16)


【パールハーバーとコタバル】vol.296《新掲示板レス》
◆[クイズ第207問への質問に答えて]マレー半島コタバル上陸作戦こそが太平洋戦争の口火を切るものであるという歴史認識こそが正しいと考えます。これは僕の個人的歴史観ではなく、現在の歴史学的見地です。「南進」へ重点を移していた当時の日本は、アメリカとぶつからざるを得ない状況にありました。しかしそれは、日本軍による朝鮮や中国への残虐な侵略に対する国際的批判が高まり、アメリカが石油の対日禁輸にふみきったため、南方の資源を略奪することと一体となった戦いであったのです。コタバル上陸は真珠湾攻撃の約1時間前です。ところが、コタバルでは日本軍も打撃を受けましたが、真珠湾では一方的戦果をあげます。アメリカは日本軍の「奇襲」を事前に知りながら、対日参戦へ国内世論を操作するために自国兵を見ごろしにしたことも今では常識です。当時日本ではコタバル上陸はほとんど報じられませんでした。大国アメリカに一方的打撃を与えたことことばかりを報じたのは、都合のいいことばかりを書かせる大本営発表の故ですし、アジア蔑視とあいまって、今も無視されがちなのではないでしょうか。(Kubocchannさんへの掲示板レス、05/12/23)
◆戦争を望む者とはそれで利益を得るものですが、軍需企業やそれを援護する軍部や政府に大きな責任があることは否めません。近代日本の国家の大儀もそれをカモフラージュする側面が極めて強かったと思います。当然ロシア帝国もスターリンのソ連も同じ穴のむじなです。現ブッシュもまた分かりやすい帝国主義者といわれるところですね。多大な犠牲を強いた国家主義の亡霊をゾンビのごとく蘇らせようとする動きを助ける巧妙な言質が書店やネットにはびこっていますが、「植民地時代にはいいこともしてやった」「大東亜戦争はアジア解放戦争だ」といった都合いい部分だけを拡大解釈する聞こえのいいトリックにはダマされたくないものです。朝鮮・中国への侵略が残虐な目的だけだとは僕も思っていませんし、さまざまな声や事情があったのは理解していますが、残虐な事件を数々起こしたのは史実です。独ソ不可侵条約を破棄してドイツがソ連へ侵攻してまもなく、そんな日本が東南アジア侵略を始めたのでアメリカが対日禁油措置をとったというわけです。(Kubocchannさんへの掲示板レス、05/12/28)[→12月目次]


【戦争の真実と、米軍による白リン剤攻撃】vol.295《新掲示板レスより》
◆ベトナム戦争での枯れ葉剤攻撃を全く反省していないのか、今イラクでは米軍による白リン剤攻撃で民間人に恐ろしい被害が広がっていることが暴露されアメリカ国内でも問題にされています。劣化ウラン弾の被曝問題の提起に対しても詭弁を弄した攻撃がネット上に飛び交い、マスコミもなかなか正面から取り上げません。そして日本では、ブッシュがイラク開戦の根拠のミスを認めたというぐらいのことしか伝えられていません。自衛隊という占領軍のイラク派兵の陰には数々の問題が意図的に隠されていると言えますね。戦争の真実を明らかにし、市民の目をごまかそうとするベールを剥ぎ取るためにも、フーセンの羊さんのような活動は貴重だと思います。(フーセンの羊さんへの掲示板レス、05/12/21)[→12月目次]

【前原民主党】vol.294《日々雑感より》
◆前原民主党主が本性をあらわにしだした。逮捕されたタカ派西村議員以上に厄介な存在ではないか。集票組織のしがらみをたちきり、今こそ自立した市民として立ち上がるときだ。競争と管理の論理を打ち破る実力を手にすることができるか否かは、そうした市民の政治的自覚にかかっている。(700、05/12/11)[→12月目次]

【自衛隊イラク派遣延長のねらい】vol.293《日々雑感より》 『週刊金曜日』投書欄に掲載されました。
◆自衛隊のイラク派遣延長が閣議決定された。本当のねらいは、イラクの復興支援なんかではなく、九条改憲にはずみをつけるためだとしか思えない。もしも派遣自衛官に犠牲者がでれば、それこそ武力行使を支持する世論操作に利用されるだろう。64年前のこの日、アメリカ政府は日本軍の真珠湾(パールハーバー) 奇襲攻撃を事前に知りながら当地の米軍基地に知らせなかった。アメリカ国内の世論を対日参戦に傾けるために3000人の自国兵を犠牲にしたのだ。たまたま今日、来春発刊予定の歴史教材集で担当している原稿を完成させたのだが、その一つが130年前の江華島事件だ。日本軍艦雲揚の井上良馨艦長は朝鮮に対する武力行使を唱えていた人物だ。そんな人物を朝鮮王宮近海に派遣すれば、挑発行為にでることは予想されていたはずだ。軍事力行使に世論の支持をとりつけ、それを正当化するシナリオは常に繰り返されてきた。そのことを12月8日に噛み締めなければならないとは、なんとも悔しい。(699、05/12/8)
◆25年前のこの日、ジョン=レノンが夢と命を奪われたような悲劇もまた、理不尽な暴力を正当化する手前勝手な論理の押しつけだった。改めて、日本国憲法と教育基本法の改悪に反対する。(05/12/9筆)[→12月目次]


【脅かされる子どもの人権】vol.292《日々雑感より》
◆幼い子どもを弄ぶかのような事件がこうも続くと、怒りを越えて世を憂いる気持ちになる。政治的思惑からの教育論議はさておき、人を人として大切にする意志の弱さや希薄さの背景をさぐりたい。自らの内なる暗き情動を、それへの抵抗を容易にねじ伏せることができそうな幼児に仕向ける卑怯さはどこからくるのか。他人の痛みへの想像力の欠如からか、主客未分化の幼児性からか、内なる自我の延長でしか世界を把握できない未熟なアイデンティティからか、過度のストレスの倒錯した発散からか、心的耐性の欠如からか、地域や家庭における人間関係の希薄さからか、道徳教育や人権教育の不足からか、子ども時代の人間関係におけるトラブル解決の経験不足からか、都合のよい相手を容易に選択し排除するネット社会の影響からか、管理と競争が激化する社会環境が人間精神を歪めるからか、人生の展望を見失わせる経済社会のしわ寄せか、子どもの人権があらゆる機会に軽視されている結果なのか。社会を構成する大人の一人として、教育に関わる労働者として、子を持つ親として、自らの責任を安易に棚上げすることなく、どうとらえ、どう対応すればよいのかを真剣に考えたい。(698、05/12/7)[→12月目次]
◆今日16日のお昼前、勤務校近くの小学校に面した路上で小6男児が何者かに首を締められるという事件が発生。犯人は逃走中というニュースに緊張が走った。数時間後、容疑者が逮捕されたが、しばらくは奈良県内でも類似事件の続発を警戒する日々が続くことになるだろう。景気は回復傾向といっても、経済的生活格差は拡大するばかりだし、税制がその拡大をさらに大きくし、教育政策が競争を煽る。それでも戦争を可能とするための国民統合原理としての国家主義や管理・監視の強化がここ数年の風潮だと思う。「北風と太陽」の例えの如く、やわらかな陽の光のないところに心安らぐ空間は生まれないと思うのだが、それはあまりに牧歌的な戯れ事なのだろうか。目先の防犯対策はもちろん必要だが、それだけなら自縄自縛をもたらすだけだと思うのだ。(703、05/12/16)[→12月目次]



























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