Part3不完全な意思表示 3 通謀虚偽表示
2 利害関係をもった第三者との関係 8
                            すぐ解説を見たい場合は、直ちに採点を押してください 
□仮装売買された土地に建てられた建物を賃借した第三者は、無効を対抗できなくなる第三者か 
 Aは、その所有する甲土地を譲渡する意思がないのに、Bと通謀して、Aを売主、Bを買主とする甲土地の仮装の売買契約を締結した。このあと、善意のCが、Bとの間で、Bが甲士地上に建てた乙建物の賃貸借契約(貸主B、借主C)を締結した場合、AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない。(27)
Back Next
解答解説 誤り
  虚偽表示無効を対抗できない第三者とは、<虚偽の権利関係に新たな利害関係をもった第三者>だ。

  A所有・甲土地―――B
      仮装(虚偽)売買
           B建物建てる――→C賃借  
 
Cは、虚偽の土地の売買をしたBが同土地上に建てた乙建物を借りたのだから、虚偽の権利関係(甲土地の仮装売買)に利害関係をもったのではない。よって、虚偽表示の無効を対抗できない第三者ではないので、AはAB間の売買契約の無効をCに主張することが
できる
      ×     ×     ×     ×
前問同様、虚偽の法律関係に利害関係をもったとは言えない者の例だが、虚偽売買をした者に金を貸したという前問より微妙である。
なぜなら、虚偽の甲土地売買契約は無効だから、Aは甲土地から乙建物の撤去を請求することができ、そうなったとき実際に立ち退かなければならないのは建物賃借人のCである。そう考えると、Cは虚偽の法律関係に利害関係をもった第三者であり、善意であれば虚偽表示無効を対抗できない第三者であると解する余地もあると思われる。ただ、本件には判例があり、明確に「仮装売買された土地に建てられた建物を賃借した第三者は、無効を対抗できなくなる第三者でない」とされている。この判例を知っていればわかったろうが、知らないでまともに考えると難問である。

トップページ 一問一答リスト   
該当テキスト