午前7時少し前に目が覚める。寝起きが良いとはいえなかった。ぼんやりした頭をシャッキリさせるため、シャワーを浴びる。今日も7時30分行動開始。
戦争記念館は前に見学したとき、2時間くらいで回ることができた。それから考えると、屋外展示→館内レストランで食事→屋内展示、それから模型店めぐりや在来市場見学に行くとよさそうである。戦争記念館へは11時ごろに着けばよかろう。それまで散歩と朝食だ。時間になり、Dあに君が部屋に来る。デジカメにビデオカメラ、それにリュックを担いですぐに外へ出た。
Dあに君はすぐに食事と思っていたようで、僕が散歩を提案したので少し驚いた様子だった。僕が向かう先は東廟傍の在来市場、黄鶴洞ノミの市である。中古品が多く、別名「泥棒市場」との異名を持つ、いわゆる貧民のための市場である。僕は傍を通りかかったことはあった(韓国その7です。)が、ちゃんと見たことはない。
韓国、特にソウルは近年、急激な経済成長を受け再開発の波が押し寄せ、昔の風景が次々と消えていっている。しかし急激過ぎたために、都会的なビルのすぐ裏側に取り残された地帯が広がる、いびつな光景が誕生した。僕はこんな風景が好きだ。当事者には聞こえが悪いが、親しみを込めて貧民街と呼んでいる。こういった場所は、今のうちに見ておかなければならない。
事前の模型店リストにここの住所もあった。朝早いので開いていない可能性が高いが、場所だけでも確認しておきたい。僕の説明を受け、Dあに君はついてくる。
正面のアパート裏が貧民街だ。
歩行者用信号が青になるや否や、
いきなり点滅ってどういうこと?(笑)
前を行く学生は、貧民街そばの学校に向かうのであろう。
D「中学生?」
ペ「一緒に登校するけ。(笑)」
前を行く中学生とは歩道橋でお別れ。
僕たちは高校の建物に沿って左折。
校門前を横切る。
ペ「なんで腕立て伏せなんだ?」
遅刻したのか?
体罰を目撃。
D「日本じゃ考えられん」
小売店が増える。
ペ「このあたりが貧民街のはずだが……ぜんぜん店がやっていない」
路地に侵入。
ポスターを撮影。
プロレスではない。キャバレーなのだ。
大人の夜、とある。
ガイドブックには午前8時ごろからの営業とあるが、まったくひと気がない。
D「あの足場、怖いわあ〜。日本じゃあんな組み方絶対しないっスわ」
おかしい、絶対におかしいとDあに君、興奮。
白物家電の通りだろうか?
冷蔵庫や洗濯機が軒下に納まりきらず、外にはみ出ている。
盗まれる恐れがない、ということだろうか?
中は複雑で、どこを歩いているのか判らなくなってくる。
模型リストにあった場所、確認できず。
![](k09c/00/006.jpg)
Dあに君は建設現場が気になる。 |
![2006年3月15日、8:00:03](k09c/00/007.jpg)
モアイのような…。石屋? |
![2006年3月15日、8:00:14](k09c/00/008.jpg)
カンカンナイトって…。 |
まだ目覚めていない街。
道の両側は屋台の雰囲気。多分夜はにぎわう場所なのだろう。
後で歩いた場所を確認できるように、来た方向を記録。
前方のアーケードは市場のようだ。
向かってみる。
ペ「えー、何とか市場というところにきました。何とかは読んでません。(笑)」
入口のハングル斜め読み。
散歩は思いのほか、楽しいものになる。 狭い通りへ。この辺りは建具屋さんなのか。小学生についてきてしまったが……。
D「ここ、学校なんかな?」
ペ「ここがすでに学校だったら、俺ら不法侵入だよ。(笑)」
D「でも一般の人も歩いて……。学校の先生だったり。(笑)」
この道から出たほうがよいのでは、と不安気なDあに君。建物を見て、こんな大きな学校はないだろうしなあ、とつぶやく。
ペ「こ、こんなでかい学校ないって。(笑)」
D「1人、1教室なんスよ。(笑)」
ペ「それは伸び伸びとさせすぎじゃあないのかな?態度でかくなるよ。(笑)」
6号線新堂駅傍に出た。歩いたようで、あまり離れたところにいない。少し先が小学校だったようだ。ここで僕たちは朝食を摂りにDoota!方面に向かう。道を渡った向こう側は中学校と刑務所だ。学校の横に刑務所があるというのも、よく考えるとすごい。 |