その9
2006年3月13(月)〜17日(金)
2006年3月15日(水)


 午前7時少し前に目が覚める。寝起きが良いとはいえなかった。ぼんやりした頭をシャッキリさせるため、シャワーを浴びる。今日も7時30分行動開始。

 戦争記念館は前に見学したとき、2時間くらいで回ることができた。それから考えると、屋外展示→館内レストランで食事→屋内展示、それから模型店めぐりや在来市場見学に行くとよさそうである。戦争記念館へは11時ごろに着けばよかろう。それまで散歩と朝食だ。時間になり、Dあに君が部屋に来る。デジカメにビデオカメラ、それにリュックを担いですぐに外へ出た。

 Dあに君はすぐに食事と思っていたようで、僕が散歩を提案したので少し驚いた様子だった。僕が向かう先は東廟傍の在来市場、黄鶴洞ノミの市である。中古品が多く、別名「泥棒市場」との異名を持つ、いわゆる貧民のための市場である。僕は傍を通りかかったことはあった(韓国その7です。)が、ちゃんと見たことはない。

 韓国、特にソウルは近年、急激な経済成長を受け再開発の波が押し寄せ、昔の風景が次々と消えていっている。しかし急激過ぎたために、都会的なビルのすぐ裏側に取り残された地帯が広がる、いびつな光景が誕生した。僕はこんな風景が好きだ。当事者には聞こえが悪いが、親しみを込めて貧民街と呼んでいる。こういった場所は、今のうちに見ておかなければならない。

 事前の模型店リストにここの住所もあった。朝早いので開いていない可能性が高いが、場所だけでも確認しておきたい。僕の説明を受け、Dあに君はついてくる。


正面のアパート裏が貧民街だ。

歩行者用信号が青になるや否や、
いきなり点滅ってどういうこと?(笑)
前を行く学生は、貧民街そばの学校に向かうのであろう。
D「中学生?」
ペ「一緒に登校するけ。(笑)」

前を行く中学生とは歩道橋でお別れ。
僕たちは高校の建物に沿って左折。


校門前を横切る。


ペ「なんで腕立て伏せなんだ?」
遅刻したのか?
体罰を目撃。
D「日本じゃ考えられん」


小売店が増える。
ペ「このあたりが貧民街のはずだが……ぜんぜん店がやっていない」

路地に侵入。

2006年3月15日、7:46:10
ポスターを撮影。
プロレスではない。キャバレーなのだ。
大人の夜、とある。

2006年3月15日、7:56:23 2006年3月15日、7:56:31
ガイドブックには午前8時ごろからの営業とあるが、まったくひと気がない。


D「あの足場、怖いわあ〜。日本じゃあんな組み方絶対しないっスわ」
おかしい、絶対におかしいとDあに君、興奮。


白物家電の通りだろうか?
冷蔵庫や洗濯機が軒下に納まりきらず、外にはみ出ている。
盗まれる恐れがない、ということだろうか?

中は複雑で、どこを歩いているのか判らなくなってくる。
模型リストにあった場所、確認できず。


Dあに君は建設現場が気になる。
2006年3月15日、8:00:03
モアイのような…。石屋?
2006年3月15日、8:00:14
カンカンナイトって…。

  2006年3月15日、8:02:04



まだ目覚めていない街。
道の両側は屋台の雰囲気。多分夜はにぎわう場所なのだろう。

2006年3月15日、8:02:10
後で歩いた場所を確認できるように、来た方向を記録。

前方のアーケードは市場のようだ。
向かってみる。


ペ「えー、何とか市場というところにきました。何とかは読んでません。(笑)」
入口のハングル斜め読み。
散歩は思いのほか、楽しいものになる。

アーケード在来市場へ。

 狭い通りへ。この辺りは建具屋さんなのか。小学生についてきてしまったが……。

D「ここ、学校なんかな?」
ペ「ここがすでに学校だったら、俺ら不法侵入だよ。(笑)」
D「でも一般の人も歩いて……。学校の先生だったり。(笑)」


 この道から出たほうがよいのでは、と不安気なDあに君。建物を見て、こんな大きな学校はないだろうしなあ、とつぶやく。

ペ「こ、こんなでかい学校ないって。(笑)」
D「1人、1教室なんスよ。(笑)」
ペ「それは伸び伸びとさせすぎじゃあないのかな?態度でかくなるよ。(笑)」

 6号線新堂駅傍に出た。歩いたようで、あまり離れたところにいない。少し先が小学校だったようだ。ここで僕たちは朝食を摂りにDoota!方面に向かう。道を渡った向こう側は中学校と刑務所だ。学校の横に刑務所があるというのも、よく考えるとすごい。

■そっとして置いてください


 運動場方面から昨日のプンシク店へ。今日は辛さを抑えたお尻に優しいメニューということで、鍋焼きうどんにする。ぎゃ〜Dあに君、海苔の風味が利いてる、としみじみ。

D「料理には必ず入ってるんスかね?韓国海苔、昨日のにも入ってました」

 ホテルに戻るが、そのまま帰ったのではつまらないので、違う道を選択。プレアタウンから平和市場を通る。早朝なので、さほど見るべきものもなく残念な状態。Dあに君は街灯の根元に注目。

D「ダブルナットになってない。これ、危ないっスわ」

 街灯は地面から伸びたボルトにナットで固定するのだが、日本は2個ナットを使う。1個目のナットで固定、2個目のナットで1個目のナットを緩まないようにしている。それがここは1個のみなのだ。

ペ「誰かいたずらで外したんじゃないが?おかしいよ。もう1回いたずらされたら倒れる」
D「怖いわあ〜」



完成した河をしばし眺める。

2006年3月15日、9:23:04
憩いの場的建設がなされているようだ。

2006年3月15日、9:23:11

2006年3月15日、9:23:17

2006年3月15日、9:23:25


気温は相変わらず低いが、晴れ渡って気分がいい。


 Dあに君にビデオカメラ撮影を任せる。地下鉄6号線東廟前駅出発、628三角地駅下車。Dあに君は6号線の「乗換えを知らせるメロディ」にはまる。僕は「今、開きます」という韓国語を習得。

■三角地
2006年3月15日、10:43:20
地上に出てすぐのところ。
6号線とつながっている4号線側の出口から出てしまう。
そのおかげで……。

2006年3月15日、10:43:40
道路の向こうに模型店発見。
こんなところにあったっけ?

問屋街にもある、H店の支店らしい。
すでに訪れた気もするが、帰り寄ってみよう。


戦争記念館が見える。

■戦争記念館

正面入口到着。僕は6年半ぶり、2回目だ。
その反対側は……。


地図に載せられない軍事施設。
韓国陸軍本部。

2006年3月15日、10:50:27
戦争記念館に入る。
平日のためか、ほとんど人を見かけない。

屋外展示は無料なので、ここは公園気分で楽しめる。
丸いドーム状の建物手前、かまぼこ状の建物に
「スペースフェスティバル2館」とある。

宇宙関連の展示かと期待して中を覗き込むと、
準備中なのか撤収中なのか、展示物が散乱していて入れなかった。
惑星の模型が転がってる。

■モデラーの視点


 少し歩くと米陸軍のM4シャーマン戦車のお出迎え。たぶん事故でもあったのであろう、フックなどの突起物が赤色で塗られていた。前はあったかな?

M4シャーマンへ。

プラモデル作りに役立つアングルで撮影できて満足。

2006年3月15日、10:54:35
奥に置いてある陸軍トラック。
かなり離れていたので、近寄らなかった。

■新しい展示


 下を見たら水陸両用装甲車が。シードラゴン?前はなかったぞ。じっくり観察せねば。これもタミヤの製作参考になる。

LVT-P7へ。



LTV-P3の前で。
デジカメのメモリが一杯になったので、
竜山で買ったメモリに入れ替えた。
ペ「おお、1Gはめちゃめちゃ撮れるぞ」

2006年3月15日、11:07:33 2006年3月15日、11:07:55
初期の水陸両用兵員装甲車は履帯幅が狭いなあ。

■外だけでお腹一杯


 続いてT-34戦車。最近僕はロシア(ソビエト)戦車が好きだ。よく模型雑誌で鋳造表現と称し、パテで砲塔表面を荒らしているのを見受けられるが、実物はそこまでざらざらでないことが判る。タミヤは正しい。(笑)

T-34へ。


巨大なB-52戦略爆撃機。
これが展示してある博物館は世界でも珍しいのではなかろうか?

B-52へ。
100mくらい離れているのに、この大きさ。


2006年3月15日、11:20:08
T-37練習機。
D「機首に刀が」


ペ「銃剣攻撃だな。最後はこれで特攻を……」



戦車がずらり。

2006年3月15日、11:22:23
M26とDあに君。


T-59と僕。


2006年3月15日、11:22:40
C-119輸送機。

2006年3月15日、11:23:05
荷物投下風景の写真展示があった。


無料部分だけでボリュームありすぎ。
Dあに君はうれしい悲鳴を上げる。

K-1へ。

おっ、僕の好きな兵員輸送車がある。

M577へ。

2006年3月15日、11:27:24
M48A2C。

2006年3月15日、11:27:38
M107。

2006年3月15日、11:27:56
S-100。
タミヤから昔プラモデルが出ていたね。



5"/38砲。
艦砲だ。
Dあに君は弟が見たら狂喜乱舞もの、と興奮。


40mm4連装艦砲。
前にI川君が座っていたものだ。


超アナログ照準。
こりゃあ当たらんわ。


そろそろ一休みしよう、ということで館内レストランへ。

 つづく。


[3月14日火曜日へ] [3月16日木曜日へ]
[TOPページへ]