Q:トリケラトプスと鳥のもっとも最近の共通の祖先とそのすべての子孫ってなんですか、これ?
A:これはツリー・オブ・ライフのなかから恐竜と呼ばれる部分を探す手順を指示した説明文です
先のコンテンツで恐竜とはツリー・オブ・ライフのなかのこの部分であることを説明しました。
_________トリケラトプス
| | |____イグアノドン
| |______ヒレオサウルス
|________ブラキオサウルス
|_______メガロサウルス
|______コンプソグナトス
|_____ティラノサウルス
|____ディノニクス
|___カラス
恐竜を研究する恐竜学の世界では恐竜のことを、トリケラトプスと鳥のもっとも最近の共通の祖先とそのすべての子孫、であるとしています。これを聞くと、なんですかそれ?って思う人が多いのでちょっと説明しましょう。先のコンテンツでは生命の樹からオーウェンさんが使ったイグアノドン、ヒレオサウルス、メガロサウルスを含む部分をどう折りとるか?という話をしました。さて、トリケラトプスと鳥の・・・・という文章は次ぎのような指定から成り立っています。
1:鳥とトリケラトプスその2種類の動物のもっとも最近の共通の祖先
2:その祖先とそのすべての子孫
1の指定はこういう意味です。
鳥とトリケラトプス、この2種類の動物のもっとも最近の共通のご先祖さまを探しなさい
探すにはまずトリケラトプスと鳥からツリー・オブ・ライフの根元に向います。
============ラゴスクスやワニ、プテラノドンなど
|__________トリケラトプス
| | |____イグアノドン
| |______ヒレオサウルス
|________ブラキオサウルス
|_______メガロサウルス
|______コンプソグナトス
|_____ティラノサウルス
|____ディノニクス
|___カラス
そうして鳥とトリケラトプスからたどったそれぞれの線が最初にまじわる場所を探します。
============ラゴスクスやワニ、プテラノドンなど
|_A________トリケラトプス
| | |____イグアノドン
| |______ヒレオサウルス
|________ブラキオサウルス
|_______メガロサウルス
|______コンプソグナトス
|_____ティラノサウルス
|____ディノニクス
|___カラス
さて、Aの部分で交わりました。ここが”鳥とトリケラトプスのもっとも最近の共通の祖先”、にあたる部分です。ここで注意を!!。この”もっとも”という指定は重要です。この制限がないとどんどん根っこの方にいってしまいますからね。大事なのは、もっとも最近の、つまり、最初に交わった部分、です。
では次ぎに第2の指定、”その祖先とそのすべての子孫”の意味を説明しましょう。”その祖先”とはAの部分のこと。そして、”そのすべての子孫”とはここからのびるすべての枝のことです。ようするにAからのびるすべての枝を折りとりなさい、そうすればイグアノドン+ヒレオサウルス+メガロサウルスを含むツリーオブ・ライフのパーツが手に入ります。そういう意味なのです。
じゃあ折ってみましょう。
============ラゴスクスやワニ、プテラノドンなど
|_
A________トリケラトプス
| | |____イグアノドン
| |______ヒレオサウルス
|________ブラキオサウルス
|_______メガロサウルス
|______コンプソグナトス
|_____ティラノサウルス
|____ディノニクス
|___カラス
はい、これでオーウェンさんが研究した3種類の動物をすべて含む生命の樹が折りとれました。ようするに恐竜が折りとれたわけです^^)。まあ聞けばどうってことのない簡単な話ですね。
ちなみにツリー・オブ・ライフから恐竜をぽっきり折るには次ぎのような折りかたもあります。
イグアノドンとメガロサウルスのもっとも最近の共通祖先とその子孫のすべて
このやり方では次ぎの部分から折ることになります。
============ラゴスクスやワニ、プテラノドンなど
|_A________トリケラトプス
| | |____イグアノドン
| |______ヒレオサウルス
|________ブラキオサウルス
|_______メガロサウルス
|______コンプソグナトス
|_____ティラノサウルス
|____ディノニクス
|___カラス
結果的には最初の折りかたと同じですね。一般的に使われるのは鳥とトリケラトプスを使った折り方です。うろ覚えで申し訳ないんですが、鳥&トリケラトプスのやり方の提案の方が先だったのだと記憶しています。実際、1986年のゴーティエの論文でいっていることってこれだよなあ・・・・。どっちのやり方をしても恐竜の顔ぶれは変わりません。