ゼロから始める かんたんメンテ 原付編

駆動系その2(クラッチまわり・トルクカム)

クラッチまわりの交換

 引き続きHONDA車を例にします。HONDA以外のメーカーでも大体の手順としては同じです。

クラッチまわりの脱着の手順

クランクケースカバーを外す

1. クランクケースカバーを外す

 エアクリーナーBOX、クランクケースカバーを外し、駆動系が見えるようにします。

ドライブフェイス、ベルトを外す

2. ドライブフェイスとベルトを外す。

ドライブフェイスを外し、続いてドライブベルトも外しておきます。ベルトは前側だけ外しておけばいいです。

クラッチアウターを外す

3. クラッチアウターを外す

 ユニバーサルホルダをクラッチアウターの丸い穴に引っ掛けてアウターを固定します。クラッチを留めている中央のナットにレンチを掛けます。ホルダを時計回り&レンチを反時計回りの方向に力を掛けるとナットが外れます。ナットを外したらクラッチアウターが外れます。

純正プーリーを抜き取る

4. クラッチASSY

 クラッチASSYを引き抜きます。ベルトもこの時一緒に外します。クラッチシューに油分が付かないように注意。

クラッチASSYの分解

5. クラッチASSYの分解

 クラッチASSYを分解します。まず、中央にある大きいナットを「センターナット外し」を使って外します。とても固く締まっているので、写真のようにナットにナット外しを掛けて地面に叩きつけます。叩き付けてある程度緩んだらそこでストップ! まだナットを回してはいけません。

しっかり押さえる

6. 押さえ付けてから

 両足でクラッチを地面にしっかりと押し付けます。そのまま押し付けた状態でセンターナットを外します。センタースプリングの力が強力なのでしっかり押さえつけておきます。ちゃんと押さえておかないとクラッチが飛びます。

インナー外す

7. クラッチインナー外したところ

 クラッチインナーを外したところです。手に持っているのがクラッチ、下に残っているのがセンタースプリングとトルクカム、一番下にあるのがドリブンフェイス。横においてあるのが先ほど外したナットです。

クラッチ

8. クラッチ

 クラッチインナーです。指差しているのがクラッチスプリング。クラッチミートのタイミングを遅らせるにはこのスプリングを交換します。やたら強くしすぎるとクラッチが滑り、半クラ状態でずっと走る羽目に。

クラッチ

9. センタースプリング

 センタースプリングです。このスプリングを強力なものに交換することで登坂時や再加速時の素早いキックバックが可能になりますが、エンジンパワーが無いと変速しきれなくなりますので交換するならパワーに見合った強度のものを。

トルクカム

10. トルクカム

 溝の角度で性能が変化します。溝が寝ているほど、走行中の負荷によるキックバックが素早くなる。社外品は溝の角度が何パターンか選べるようになっているのが多い。交換するときフェイス面にグリスや油が付かない様に注意のこと。フェイス面に油分が付着するとベルトが滑る原因になります。もし付いたらパーツクリ−ナーで綺麗にしておきます。

元に戻す

11. 元に戻す

 目的のパーツを交換したら元に戻します。ばらした時と逆の順序で組み立てていきます。まず、足で押さえておいてナットを締めます。しっかり奥まで締め込んだら、緩めたときと逆の向きで地面に叩きつけてナットを締めます。あとはクランクケースカバーを取り付けておしまい。

 以上です。駆動系は原付スクーターの一番ややこしい部分であると同時に一番面白いところでもあります。納得がいくまでトライ&エラーでベストセッティングを見つけましょう。

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