4th.STAGEを駆けるJ&Jコンビ。その前に木に吊るされた肉が現れる。その肉には「HP」と「→」を組み合わせた焼印(かな?刃物の傷にも見えるが普通に考えれば焼印だろう)が刻まれている。

‘06 01月号
 #10 大草原の小さな墓標 @ 


4th.STAGE『広い広い大草原の小さな墓標』
参加者総数1918名 3rd.STAGEリタイヤ者数551名
キャノンシティ→カンザスシティ  走行距離約1250q 最短予想日程21日

 今回のゴールはカンザス。最短でも3週間の長丁場であるが、舞台は約半分を進んだところである。

4th.STAGE 第11日目
カンザスシティまで650q地点通過


「ジャイロ見なよ。あいつだ……こっちに向かって来るぞ」
「何の用だっつーんだ?他にどっかに仲間は?」
「あいつは一匹狼だ。現在155Pで総合3位。アメリカ人…年齢不詳、本名・略歴も不明。でもいい馬に乗っている。作法や身のこなしはイナカ者じゃあない」
 説明ありがとうジョニィ。
「どうする?ヤツと口きくか?」
「いや無視(しかと)する」
 2人の思惑にかまわずカポッカポッと近づくホット・パンツ。少し神経質そうな顔をした細身長身の男である。
シュッ!と先を輪にしたロープを2本木にかける。
「ごきげんよう」「挨拶はこのくらいにして用件を言う。これからおまえらを木に『吊るす』
「オレの牛を食ったな?食料用にあらかじめ金を払ってレースのコース上に放牧しておいたものだ」
「牛ドロボウは……『縛り首』だ…」
「そのロープを首に回せ!それが『法』……その場において……裁判も不要」

『?……何を言ってんだ…?…こいつ…』
 何のことかわからないジョニィに対してホット・パンツの馬にある焼印を見てジャイロはピンと気付く。
「あ……!その焼印は…」
 先程ぶらさがっていた肉にもあった刻印…そしてその肉を600gほどもらったこと…。
「ちょ…ちょっと待ちな…オレはこの国の法律をよく知ら……」
「!?」「!?」
 ホット・パンツの姿が消えたッ!と、頭上から襲い掛かってくる!!

 ジャイロッ!ホルダーの釦を外し鉄球をまさに投げようとした刹那!
ブシュウウウゥウ
 ホット・パンツがスプレー缶のような物から何かを発射する。
結果、鉄球がジャイロの手から離れない!かなり粘り気がある物質が照射されたようだ。そしてそれはジャイロの顔をも侵食する。
「ホット・パンツ」「こいつは『スタンド使い』だッ!!!」
 指を立てタスクを構えるジョニィ。だがジャイロの左腕を掴んだホット・パンツが逆にスプレーをジョニィに発射する。
「これはッ!オ…オレの左腕がッ!減っている!!?」
 そして再びホット・パンツがスプレーをジャイロの顔面にミマウ!
うおおおおおおおお」
『これは『肉』だ!オレの『腕』を……オレの『肉』を腕からけずりとってッ!』
「肉をスプレーにして吹きかけているッ!」
「ぐッ……息がッ……!肉が一体化してる!呼吸がッ!!」
 肉をスプレーにして…って何とも生臭そうな能力ダッ!

ズギュン

 能力発動ッ!アイ・オヴ・ザ・ハリケーンが眼を開く!ホット・パンツの身体を透視し脊髄に鉄球をぶつける。
「うぐっ」
 効果はてきめん、身体を激痛が貫き思わずスプレーを取り落とすホット・パンツ。
「ジョニィッ!今だッ!撃てッ!こいつの両腕の動きを封じた!こいつの腕の動きを封じた!だが2秒しかもたないッ!」
「早く撃てッ!オレはそいつから離れたッ!い…息が止まるッ!」
 しかしジョニィは撃たない。
「聞くんだ!牛の肉には『銃創』があった!すでに死んでいたんだ!だがぼくらじゃあないッ!荷物に銃器は所持していないッ!必要ないからだ!」
 スプレーを掴んだホット・パンツの手元の地面にタスクで穴を開ける。
「しかも肉に開いた傷は大口径のものだ!!その穴の大きさと一致してないッ!調べてもいいッ!」
 理詰めに説得をかけるジョニィ。
「いいからジョニィ、そいつを撃てッ!かきむしっても顔から肉がとれねえッ!!」
 スッと起ち上がるホット・パンツ。ジャイロとジョニィの肉が消滅していく。
クルクルと回すガンアクションならぬスプレーアクションで腰のケースに収める。
「確かに…そして妙なヤツらだ…だがおまえら肉は食ったよな。オレの牛を食った!だから謝ってはやらないぜ」
「なんだてめえ偉そうによォ〜〜〜。ほとんど食ったのはコヨーテだ!(だが…この『肉の泡スプレー』……)」
 馬の踵(きびす)を返しさるホット・パンツ。
「待て!君はそのスタンド能力をどこで身につけた!?」
 ジョニィの呼びかけに止まるホット・パンツ。
「アリゾナの砂漠でか?『2nd.STAGE』レース中に?『悪魔の手のひら』」
「………別に興味あるわけじゃあないが…他にもそーゆーの何人かいるわけ?」
「わからない……ぼくらには……何も見当もつかない」
 そして別れるホット・パンツ。

「オレだったらヤツを撃ってたな」「だまそうとしているのかも…もしヤツがウソつきだったとしたらどうする?」
「ぼくらの方がやられていたかも……」「でもあのホット・パンツ、『遺体』の事は何も知らないみたいだ。『敵』じゃあないと思ったんだ。政府とかテロリストではない」
「かもな!だがハッキリしてる事もある……『オレは嫌いだっつー事だ』。今のヤローは…ホット・パンツ」
 相変わらず口がわるいジャイロ。
「…とはいえだ、ヤツのおかげでひらめいた事がある……」「『回転のスキャン』でヤツの背骨の位置を見ている時にひらめいた」
「T・U・R・B・O・とはラテン語で『旋風』という意味があるが『ターボ』なんて言葉はルート上にも地図にもどこにも載ってはいなかった」
「『ターボ星座』『ターボ山』『ターボ岩』『ターボ沼』『ターボの木』」
「こじつけられそうな名前はどこにもないしなぜTURBOなのかよくわからなかった…」
「だがよ、今ひらめいた事っつーのはTURBOつぅー意味じゃあなくてこのアルファベット1個1個で位置を示しているとしたら『どーだ?』つー事だ」
「このアルファベットの中の模様は『模様じゃあなく』数字だぜ」「『1』と『0』だけの『数字』。つまり『2進法』だ」
「2進法つーのはよ10進法になおすと『1は1』で『2は10』つーこったろ?」
「『3は11』『4は100』『5は101』『6は110』だろ?」「ペン貸せよ。計算しよう」
 この結果、「Tは39」「Uは6」「Rは24」「Bは94」「−は40」「Oは6」である。
「地図で調べてくれ!読みあげるぞ」「最初の『T』はラテン語でヨコ線の事を言うから」
北緯39度!6分!24秒!
「『B』は次って意味…」
西経94度!40分!6秒!
「その数字が交差する場所は!?どこだ?」
 地図で場所を探すジョニィ。ある一点を見つける。
カンザスシティ
「4th.STAGEの『ゴール』だ!そこにすごく近い場所ッ!」
「どうやらレースのルートと『一致』ってわけだな」
「次の『遺体』のある場所が決まったぜッ!」
 レースとディテクション(発見)の目的地が同じとなる。
「……だが昔の聖人が地球の緯度・経度なんて決まり事知ってたのかな?」
 もっともなジョニィの疑問。これは思考のオーパーツだ。
「数字には普遍性がある。『予言』てやつかもしれない」
「はっ!!Dioはッ!!」「あいつは!!あいつの『左目』でもこの事に気付くだろうかッ!!」
「Dioが気がきかねえマヌケならなあ〜〜〜そーゆー事はねーだろうなあ〜〜〜」
 
苦汁をなめたジャイロはDioを軽視しない。
「気付いてるって考えた方がいいぜ!だがテロリストどもにはわからない事実……どっち道よォーー」
「オレらの目的が1番乗りで『ゴール』!つー事は一致する!」
「『カンザスシティ』…か、次の『遺体』の場所」

 話しをしているジャイロとジョニィはボロボロの家の前に出る。
「……………?」
「この家…ちょっと止まってよジャイロ。この場所!さっきも通過しなかったか?」
「ここらの家なんてよー、どの家も似たような建て方ばっかだからな」
「みッ、見ろッ!ジャイロ」「『肉』だぞッ!ここは!あの『肉』の場所だッ!」
 あの肉…冒頭にあった肉。ホット・パンツの牛であった肉である。
「どこで間違えた?20分近くもロスしちまったぞ!くそ!あのホット・パンツの野郎がさっき右へ別れたからオレもてっきり右と思い込んで逆方向へ向かっちまったんだ!」

 この後、2度3度と同じ場所に舞い戻ってしまう。1度戻るたびに20分のロスをする。

「君たちも迷ったのか?今ので何度目だ?」
 再度ホット・パンツ。
「そこで止まれー――――ッ!!」「そこでだッ!これ以上オレらに近づくなッ!これは警告だッ!」
 このタイミングで現れられたら、確かに怪しい。
ホット・パンツはコンパスを覗いている…しかし針は安定していない。
「オレもかれこれもう1時間近くここでロスしている。どの道を通ってもどう行ってもこの場所に戻ってしまう!ここの果樹園の木は『プラム』だ。鉄分の多い作物……そのせいか方位磁石も正確には示さない」
「ホット・パンツ、それ以上近づかないでくれ!ボクらは君が何かだましてるんじゃあないかと疑っている!!」
「オレがここへ戻ったのはすでに4回目だ。地面の足元を見てくれ!!4回この道を通過してるだろう……なぜなのか?知りたいのはこっちの方なんだ」
 確かジャイロとジョニィも4回目のはず。
「オマエがだからどーだっていうんだ!?さっさと向こうへ行きな!!いいか!!オレらは永遠におまえなんか信用するワケにはいかねーんだからな……」
「それならオレの方は君らを信用する。君らは悪い人間じゃあないからな。もし悪人ならすでにオレが君らを始末してるさ……それでどうだ?」
 ………??
「…………」「今の何だ?ジョニィ?あいつ今、何の事を言ったんだ?」
「どうやらお互い迷ってるみたいだから信頼しあっていっしょに道を探さないか?と言ってるみたいだ」
「さっきも言ったけどボクの意見は『彼は敵じゃあない』と思う」
 確かに悪いやつではなさそうです。裏表のない感じですし。ただ…言い回しが解りにくいです。
「ヤツにクソくらえって言ってやりなジョニィ」
「君が自分で言えよ」
「くそくらえッ!バーカ!落ちてころべ!
 ありゃッ。本当に言っちゃったよこの人(笑)
「どうせ探す道はいっしょだろ?街道へ出るまで協力し合おう!」
「仮におまえなんかを信用したとして、協力し合ってオレらに何のメリットがあるっていうんだ?」
「いっしょにいればうまい料理を食べさせてやる」
 そういって1つの小荷物をジャイロの方へ投げる。油紙に包まれた中身は…
「ジャイロ!あいつ毎日こんなの食べてんのか!!ローストビーフサンドイッチだ」「スゴイぞ!オニオンと卵も入ってる」
 そ…それはスゴイな!ジャイロとジョニィがよだれをたらすのもしかたがない。どうやってこの保存がきかない物を手に入れているんだろう?
「毒は入ってない。なあ見ろよ!あの家……中に誰かいるみたいだぞ。ボロボロだと思ったが人が住んでいる……」
 ホット・パンツが示すとおり煙突から煙が立ち、扉の側の窓のカーテンが揺れる。まるで誰かが居たように…。
「あの住人に道を聞こう!道を聞かなきゃ何も始まらない」 

「くそッ!またここだッ!」「くそっあの野郎〜〜〜」
「またこの場所だッ!」
 またまた道に迷った騎手が現れる。
「おまえらもか!おまえらも道に迷っているのかッ!」
 ジョニィが気付く。
「あれは『ガウチョ』だ……3rd.STAGE10位でフィニッシュ!!」
 なかなかの実力者である。
「またあの野郎がいる!」
「ドアのとこのカーテンのそばにいやがる」
「何度も何度もあいつに道を聞いた…この果樹園を出ていく方法を………!」
「そしたらヤツはいつもこう言うんだ………」
 この不可思議な現象から脱する方法があるらしい。それは…
『オレを殺したらここを出ていける』……と……」「もうガマンならねえ」
「もう限界だ!オレはあいつを許さねえッ!」
 馬からおりるガウチョ。
「てめー表へ出て来い!このウソつきめェー――――ッ」
「望みどおり撃ち殺してやるッ!でたらめの腰抜け野郎ッ!!姿を見せろォォー――――ッ」

 ドアを開けて男が現れた。新聞を手に持っている。ヒゲを生やしているため若いようにも中年のようにもみえる、ワイルドな風貌。唇の下のヒゲがドクロに見える。
 ガウチョに向かって一礼。
「改めて……よろしくお願い申し上げます」
 新聞をテラスの椅子に畳んで置く。

「ふざけやがってェェッ!!そんなに死にたけりゃあ〜〜〜〜っ」
「始末してやるッ!これが最後だッ!ここを出ていく『本当の道』を教えろー――――ッ」
 階段を降りてくる男。
「オレはウソつきではないが…別にそう呼びたければそれでもかまわない……だが正しい道はひとつだ」
「ここを出て行きたければオレを殺すしかない。それが進むべき道、いずれ決断しなくてはならない事柄……」

「フハッ!てめー――っ、手がふるえてるぜェー――ッ」
 ガウチョが叫ぶ。
「ああ、確かに…恐怖のせいかもしれない」
「それも正しい…自分ではそう思わなくても極度の緊張で肉体が動かない事もありうる」
「心をきめなくてはならない。ここで対等となる話をしよう…その腰の拳銃は1873年型コルト」
「お互いのこの距離ではその弾丸は狙って発射されても命中しない」
 銃の知識もある……
「そのコルトの射程内ではあるが空中での飛投誤差で十数センチほど右へそれて着弾する」
「正確に当てるにはあなととオレとの距離をあと『5歩』縮める必要がある。『5歩前』で撃っても命中度は低い」

 そしてついに銃撃戦の火蓋が切って落とされる。
ドグオッ!!
 まずガウチョが一発。男の左肩にかすり後ろの照明用ランタンを割る。
さらにガウチョは前身しながら発砲を続ける。しかし男の言うとおり命中率は低く3発の弾丸は男をそれる。
ボゴオッ
 逆に男が撃った一発がガウチョの胸に命中する。
「『5歩』…この位置から正確に命中し始める。だが『威力』としてはまだ弱い。弾丸は筋肉と胸骨体で止められ心臓までは達しているが完全に破壊したわけではない」
「あと更に一歩近づけば………」
 胸に銃弾を受け血を吐く。弾丸は当然に肺をも傷つけている。そのガウチョに一歩近づき……
ドグォオオォン
 弾丸はガウチョの胸を破壊し貫通した。
右手が再び震え始め、緊張のあまり握りこんだグリップは歯で引き離さなければならない。
そして銃をホルダーに戻すとガウチョ(の死体)に再び礼をする。
「感謝いたします」
 家に戻るり扉を閉める。  ダム

「なんなんだ〜〜あいつは!!?あの家で何してる!?レース場で殺人が起こった!!ガウチョがッ!どういうトラブルだ!?」
 ジョニィ愕然。
『スタンド使いか…!いや…だがどの部分が!?』
 ジャイロ。
「『殺人』?……今のはどこも違法じゃあない……」
 ホット・パンツ。
「そんな事だあオレらにはどうでもいい事だ。関わるならおまえひとりでやってくれ。オマエさんの牛を殺したのもきっとヤツだぜ」
「行くぞジョニィ。こんな場所、いつまでもいられるか!さっさと立ち去ろう!」

 と…ジャイロは言うものの、再びこの場所に戻ってくるのは火を見るよりは明らか。
何故こんなことが起きているのか?どうやったら抜け出せるのか?またどうしてこの場所なのか?そしてホット・パンツとの共闘はあるのか?次号を待つのみ!

今週のめい言

「ここを出て行きたければ
 オレを殺すしかない」


ホット・パンツ。4th.STAGEのスポット・ライト・キャラとでも言うべき人物。3rd.STAGEの覇者であり細身の男性。「作法や身のこなしはイナカ者じゃあない(ジョニィ談)」や世間ズレした態度、かなりの軍資金を持っていることから裕福な上流階級または商人の子息だと思われる。本名、身分を隠していることから世俗的な関わりを嫌う貴族の出身かも。

○運命か偶然か…それとも何者かの意志なのか?何とホット・パンツもスタンド使いであった。能力は「肉の泡を吹きかけること」。スタンド自体と思われるスプレー缶は実体化しておりホット・パンツの腰のケースに普段は収まっているようである。ちなみにホット・パンツは左利き。覚えていて損はない情報。

○本編ではスプレーを顔に吹きかけて視界を奪い、呼吸を止めるという使い方をしていた。この呼吸を止めた時点でもしホット・パンツがジャイロ達から離れていたらこの物語の主人公は変わっていたかもしれない。吹きかけられた泡は顔面と一体化して「かきむしっても顔から肉がとれ」ないという厄介な物だが、解除すれば数秒で消え去る。

○実はかなり面白そうな能力。鉄球をジャイロの手にくっつけたようにスプレーを「接着剤」のように使うのがかなり面白いと思う。スプレーを接着剤的に使用する場合は「解除するとすぐに効果が消える」というのが大きな利便性を持っている。好きな時に天井からナイフを降らせるということも可能でしょう。

『TURBO』の謎解明。2進法でした。私的には2進法というのは頭をよぎったものの、キリストの時代には「0」という数字は伝えられていなかったはずだと思い予想からはずしていました。正解は「2進法で座標を表していた」でした。ちなみに「あらき100%」を運営しているマサさんが大正解していましたね。お見事ッ!!

○そういえば2進法でキリスト教といえば「153」という数。キリスト教の聖数「10」と「7」を足すと「17」。1+2+3+…+17=153。この153というのはペテロ・シモンがキリストの指示に従って網を投げた時に捕まえた魚の数である(ちなみに「魚」はイエス・キリストのシンボル)。この153を2進法で表すと「10011001」……美しき対象性ッ!!

「迷いの果樹園」…やはり一番に思い出すのは4部「杜王町」に存在していた「オーソン脇の小道」。通常、不可能な曲がり方向と回数で元の場所に戻ってきてしまう。この場合、ジャイロとジョニィは二手に分かれてこの果樹園を探索するのが良さそうですが…敵やどんなアクシデントがあるか解らないのでバラバラになるのはヨロシクないでしょう。ここでまだ共闘していないホット・パンツが役立つ。「ボロボロの家」から去ったはずのジャイロ&ジョニィは再び戻ってきてしまう。それを見越して「家」の前から動かなかったホット・パンツと今度こそ手を結ぶと予想。

○そして「あの男」…敵ではなさそうだが「迷いの果樹園」は自分を「殺したらここを出て行ける」とうそぶく。こういう抜け出せない場所というのは(1)幻覚…出口が目の前にあっても解らない。スタンドで言えばティナー・サックス。(2)指針狂唆、コンパス等方角や位置を示す機能を奪う。霧のように視界を遮るのもこれにあたる。スタンドで言えばジャスティス…武装錬金のアリス・イン・ワンダーランドがかなりピッタリである。(3)空間自体が閉じている。つまりゲームでよくある無限ループというものである。スタンドでいうと―ピタッとくるものがないのですが強いて言えば―アトム・ハート・ファーザーだろうか。この3つのうちから単独または複合となる。

○ガウチョを射殺した後、歯でこじ開けなければならない程に拳銃を握りこんでいたことから、殺すことには慣れていない。自分を殺せと言いながら相手を殺す。そして射殺した後には感謝の礼をする。ホット・パンツの言うようにこれは単なる殺人ではなく「決闘」である(SBR1巻のジャイロとスリの件を参考のこと)。「あの男」が欲しているのは何なのだろうか?

○「あの男」の欲しているのは「決闘」という「真剣勝負の場」なのだろうか。予想としては、この現象をつくりだしているのは「あの男」ではない。もう1人居る。その「もう1人」が男に命じて決闘をさせるようにしている。男が従っているのは自身もこの現象から抜け出したいためか…もしくは大切な物(者)を握られている。「決闘」は「もう1人」の趣味…ただ見たいだけ。

○もし大統領の刺客ならばジャイロとジョニィが来るのを待っていたのかもしれないが、私的には4部のように本編とは関係ないエピソードがあっても良いナァとは思っています。では!

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