ゾイド戦史(ZAC2040〜44年)

年代(ZAC) ロールアウト(または初登場)したゾイド 主な出来事
2040   表だっては特に何もなし。暗黒大陸ではゼネバス軍の再建が行われていたのだろう。
2041 ウオディック、シーパンツァー、ディメトロドン、各種アタックゾイド <バレシア湾上陸作戦>

バレシア基地の撤退から僅か一年と数ヶ月、暗黒大陸で力を蓄えたゼネバス皇帝は新型ゾイドを中心とした軍団を率いてバレシア湾を急襲した。ウオディックによる魚雷攻撃で駐留していたゾイドを叩き(ウルトラ様含む……)、クジラ型輸送船ゾイド・ホエールカイザーで上陸部隊を次々送り込む。ディメトロドンの妨害電波で共和国軍の通信網は無力化し、指揮系統は寸断され北部沿岸地帯はあっけなくゼネバスの手に戻った。このゼネバスの率いた新型ゾイド達には、暗黒大陸の技術が一部取り入れられたと思われる。彼は暗黒皇帝ガイロスと盟約を結んでいたのだろう。覇王の野望を知らずに……。余談だが、ディメトロドンが脚光を浴びたのはこの時が最初で最後である。後のゴルヘックスも似たようなものだが……。

<帝国占領軍の撤退>

帰ってきた新生ゼネバス帝国軍は共和国軍を凌駕していた。共和国軍は各地で敗退を重ね、帝国軍は故地を次々奪回していく。遂に共和国軍は中央山脈を越え、本国に撤退を開始した。追いすがる帝国軍だが、「ブルーパイレーツ」と呼ばれる超小型ゾイド(アタックゾイド、或いはコマンドゾイド)で編成されたコマンド部隊が国境の山岳・森林地帯に拠ってゲリラ的に追撃軍を迎え撃ち、味方の撤退を助けた。どうでもいいが、昔こいつらはチョコのお菓子付きで100円くらいだったはずである。今はガシャポン(もちろんお菓子ナシ)で200円である。……我々旧ゾイダーは足下を見られている。

2042 コマンドウルフ、シールドライガー、ブラックライモス <アルメーヘンの戦い>

帝国全土を奪い返したゼネバスは、今度は逆に共和国侵攻作戦を命令した。そのためには国境を流れるパーナム川にかかる橋を確保しなくてはならない。いくつかある候補の内、攻撃目標に定められたのは共和国首都まで最短の距離にあるアルメーヘンの橋であった。帝国軍はプテラスの翼を装備したイグアン部隊による空挺作戦を実施、指揮官フロスト中佐(バトルコミックではものすごく濃い顔をしている)はゴドス部隊と激戦を繰り広げる。一方共和国軍はバリゲーター部隊を密かに渡河させようとしたが、トビー・ダンカン少尉のサイカーチスが速攻でこれを沈めた。戦闘開始から20時間以上が経過した頃、ゴドス部隊が退き代わりにカノントータスの大部隊が現れた。ここにきて遂にフロスト部隊は壊滅、直後にアイアンコングMKU部隊が増援にかけつけ共和国軍を蹴散らした。しかし、フロスト中佐がその勝利を見ることはなかった。……赤く塗装され翼を持つフロストイグアン(カージナルと呼ばれる)は多くのゾイダーを魅了し改造を行う者も多い。実際、とてもかっこいいと思う。

<シールドライガー大活躍>

共和国領になだれ込んだ帝国軍は共和国軍の築いた防衛線への攻撃を開始した。戦法はシンカーの爆撃で防衛線に穴を開け(プテラスは迎撃に来なかったのだろうか?)、ブラックライモスがその穴を守り、サーベルタイガー・ヘルキャットの高速部隊がそこから奥深くに侵入、続いてレッドホーン、アイアンコングの大型ゾイドが進入して支配地域を拡大するというものである。だが、共和国軍のエリクソン大佐はこれを巧妙に逆手に取った。故意に防衛線に隙をつくり、帝国軍が侵入してきたら南北から大軍を送って穴の口を塞ぐ。そして包囲した帝国軍を、彼自らが開発に携わったシールドライガーを中心とする部隊で攻撃したのである。この作戦は図に当たり、帝国軍の進撃速度は大いに鈍った。……この頃のサーベルタイガーとシールドライガーの性能差は歴然としていた。エウロペ戦役時になって虎はやっと獅子に追いつくのだが、それがガイロス帝国の手によるものだとは皮肉である。

2043   <シールドライガー奇襲作戦>

共和国軍「ブルーパイレーツ」帝国軍トラック(帝国側なのに何故かマンモス改造型ツインホーンでちた……)を捕獲、積み荷を調べたところ、これまでにない巨大ゾイドのものであることが判明した。事態を重く見た共和国軍は、トラックを元通りに直し、発信器を取り付け帝国軍に回収させることで研究所の位置を割り出した。ダリオス市の北方100kmの地点である。エリクソン大佐率いる高速機動戦隊は、中央山脈を越え帝国の偵察部隊を奇襲で排除し研究所に向かう。一方共和国の動きに気付いた帝国の研究所は、「トップハンター」トビー・ダンカン少尉に新型ゾイドを与え脱出を命じた。さて、エリクソン大佐はサラマンダーによる空中補給(両軍通じてはじめての試みらしい)を受けた後、研究所に襲いかかる。だが、その時研究所が自爆し機密は葬り去られた。後には新型ゾイドの足跡が残っていた。尚、バトルコミックではこの基地にマーガレットというダンカン少尉のガールフレンドが描かれていた。自爆の際脱出したらしいがその後のことは不明である。

2044 デスピオン、ロードスキッパー、ドントレス、デスザウラー、ブラキオス、ダブルソーダ、ゴルヘックス、ベアファイター <仮面騎士団の進撃>

帝国の新型ゾイド「デスザウラー」に乗るダンカン少尉は特殊部隊「スケルトン」と合流、ゼネバス直々の命により「スケルトン」の隊長に就任し(少尉という階級はこの際考えないことにしよう)共和国首都への攻撃を命じた。「スケルトン」の中核を成すミニゾイド(24ゾイド)はレーダーの電波を吸収する改造が施されており、気付かれることなく行動が可能だった。ゼネバスは、雨期が来る前に共和国の首都を落とすつもりでいた。その為には進軍速度が遅く発見されやすい大軍ではなく、単独で素早い進撃ができる強力なゾイドが必要と考えた。ここにデスザウラーの開発理由があったのだ。そしてスケルトン部隊はデスザウラーの手足となり偵察、補給、連絡、護衛にあたる。帝国軍の快進撃が始まった。……この24ゾイド、パイロット人形が可動し、とてもよくできているのだがサイズが普通のゾイドと違う(1/72と1/24)ためあまり売れなかったようだ。現在ではガシャポンでムリヤリ1/72サイズにして一部復刻されている。完全な復刻が望まれるが……。

<ゾイドゴジュラス基地炎上>

共和国地上部隊を次々撃破していく帝国軍の前方の基地に、ゴジュラスの大部隊が集結していた。スケルトン部隊の面々は突破するか迂回するか議論したが、ダンカン少尉は突破を決断、夜間に攻撃を開始した。迎撃するゴジュラスだが、デスザウラーは次々と撃破。たまりかねた共和国軍は基地もろともデスザウラーを爆破しようとしたが、デスザウラーは荷電粒子砲で大地に穴を開け、強力な爪で地中を掘り進み(あの形状で潜るのみならず、掘り進むのである)無傷の状態で再びその姿を現した。ちなみによく間違われることだが、対ゴジュラス戦においてデスザウラーは荷電粒子砲を使っていない。この機体が通常兵器、格闘戦能力においても冠絶していたことの証左である。

<ウルトラザウルス対デスザウラー>

無敵の快進撃を続けるデスザウラーに対し、エリクソン大佐はEマークの付いたウルトラに乗り迎撃を試みた。首都直前にかかる橋を一つだけ残して爆破、侵入経路を限定し、あらかじめ川底に潜む。そこをデスザウラーが通り掛かった瞬間に不意打ちをあびせ、デスザウラーを川の中へ叩き落とした。もがく敵に至近からウルトラキャノンを浴びせるエリクソン大佐。続いてデスザウラーの上にのしかかり、水中に引きずり込む。およそ20分、ウルトラはデスザウラーを水中で押さえ続ける。しかしエリクソン大佐が勝てると思った瞬間、水中からデスザウラーの手が伸びウルトラのコックピットを握り潰した。勝利したダンカン少尉は兄の仇の顔を見るためエリクソン大佐を引きずり出す。瀕死の大佐はダンカン少尉に名を問うた。聞いた大佐は言った、ダンカンの名は自分の知る内で、最も勇敢な軍人の名だと。トビー・ダンカン少尉は衝撃を受けた。兄の仇と憎悪していた男の口から兄を褒め称える言葉が出てきたのだ。「もう一度言ってくれ」ダンカン少尉は言ったが、答えはなかった。優しかった兄の顔と重なる穏やかな表情のエリクソン大佐。トビー・ダンカンの目から涙があふれ出た。彼は声をあげて泣いた。……男なら泣かずにはおれない名場面である。

<共和国首都陥落>

帝国軍は遂に共和国首都へ攻め込んだ。激しい戦闘の末、最終防衛ラインを突破し首都に突入する。しかしそこはもぬけの殻だった。実はヘリック大統領は20kmに渡るトンネルを掘り、全ての戦闘員、非戦闘員を脱出させていたのだ。共和国の首都は陥落した。しかし、共和国の中枢は健在だった。……全市民を連れて脱出する作戦、凄まじい。共和国恐るべし。

<帝国北洋艦隊殲滅作戦>

12月、ウルトラの大艦隊で海上に逃れたヘリック大統領は、帝国占領下の共和国北部海岸クック基地に攻撃を仕掛けた。氷山になりすまして接近し、砲戦仕様のゴルヘックスで砲撃(「弱い」ゴルヘックスおそらくは唯一の活躍シーン)、敵部隊壊滅後バリゲーターに乗って離脱。帝国軍はアイアンコング、ブラキオスの部隊でこれを追跡、大氷山地帯でヘリック専用ウルトラザウルスを発見する。追跡部隊は包囲し攻撃しようとしたが、実は逆に罠にはめられており総攻撃を受けて壊滅した。ヘリック大統領はデスザウラーに勝てる戦力ができるまで、デスザウラーが行動できない場所、つまり海上と島嶼部に主力を温存させるつもりだったのだ。そのために帝国海軍を叩く必要があった。しかし、この戦いはある一人の復讐者を産んだ。教え子を戦死させたフランツ=ハルトマン大尉……。

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