讃美歌330番 「あめなるわが家を あおぎ見れば」

歌詞:When I can read my title clear   曲名:HARP
作詞:Isaac Watts、1707             曲:Stephen Jenks,1772-1856

 


歌詞はワッツの "When I can read my title clear" で、彼の Hymns and Spiritual Songs (1707) で発表された。原詩の第1節は以下である。アメリカでは PISGAH の曲などと組み合わされてきたが、歌われることはあまり多くない。
 
When I can read my title clear to mansions in the skies,
I bid farewell to every fear, and wipe my weeping eyes.
And wipe my weeping eyes, and wipe my weeping eyes
I bid farewell to every fear, and wipe my weeping eyes.
 
「あめなるわが家を」は、『譜付・基督教聖歌集』(1884, 1895)および明治36年版『讃美歌』(1903)に HARP という曲名で収録されたが、これまで原曲は不詳とされて、ジェンクス(Stephen Jenks, 1772-1856, アメリカ)が作曲したことしか伝えられてこなかった。ワッソンの賛美歌曲索引によると、アメリカでは HARP ではなくて COMMUNION ”聖餐”(または RESIGNATION”服従”) の曲名で、The Brethren's Tune and Hymn Book (1872) などに収録されているという(1872年以前の讃美歌集は挙げられていない)。また、ワッソンの索引には含まれていないが、Joseph Hillman, The Revivalist (Troy, NY: Joseph Hillman, 1872 ed., no. 322) に LOVING LAMB として、"In evil long I took delight" の歌詞で載っており、変ロ長調で、一箇所にフェルマータが付いている点以外は編曲も HARP とほぼ同じである。

なお、この曲は、 "Amazing Grace"(讃美歌第2編167番) の「原曲」と称してときどき引き合いに出される "Loving Lamb(s)" であると思われる。しかし、いずれも5音音階で旋律(特に前半)も似ているが、原曲の可能性はないだろう。ジェンクスは343番「こよなきめぐみの」の作曲者でもあり、シェイプ・ノート歌集の『セイクレッド・ハープ』にいくつかの曲が収録されている(Evening Shade, Mount Vernon, Babel's Streams, North Salem, Liberty など)。

背景の旋律は新たに作りました。

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