シェイプ・ノート

■シェイプ・ノート歌唱は19世紀のアメリカ南部(とくに農村地域)の歌唱学校(singing school)において盛んで合った歌唱スタイルで、楽譜を読みやすくするために考案された三角・四角・菱形・円のシェイプ・ノート(shape note)と呼ばれる音符を採用した歌集(たいていは横長のやや大きめのハードカヴァー)を使っている。とくに有名なものには、ウイリアム・ウオーカー(William Walker)編のこの『サザン・ハーモニー』と、1844年(初版)出版のベンジャミン・フランクリン・ホワイト(Benjamin Franklin White、ウオーカーの義弟)編『セイクレッド・ハープ』(The Sacred Harp)がある。『セイクレッド・ハープ』はシェイプ・ノートの代名詞ともされるくらい代表的な歌集であり、改訂版がいまだに使われている。シェイプ・ノート聖歌集の特徴として、主旋律はテナーに置かれている。

■シェイプ・ノート歌唱はすでに過去のものと受け取られることもあるようだが、いまだに健在で、そればかりか近年に至ってはしばしば「リヴァイヴァル」という表現が使われるほどますます盛んになってきて南部のみならず全米各地(さらにはイギリスでも)シング(歌唱集会)やコンベンション(歌唱大会)が開かれている。

■ここにリンクしている楽譜とメロデイ―を参照される際は、テナー・パートの譜面に注目していただきたい。

讃美歌第2187番「聖徒よ、よろこびもて」の曲はThe Sacred Harp1844とあります。(この讃美歌の旋律の原曲がThe Sacred Harpであるかどうかについては議論があります)

2編167番に戻る