『トライクスペシャリティーズの車両は日本車ベースで、
リア周りもヤマハ製、ホンダ製のシャフトを使っています』
なにも、「ニッポン万歳!」と言いたいのではありません。
例えば、ウインカーやテールレンズ、ハンドルグリップなどが中国製では問題か?
これは装飾品であり、気に入らなければスグに交換すれば済むし危険も無い。
現にこれらは、メジャーなアフターマーケットメーカー品を扱う日本の店頭でも既に海外製品にシフトしています。
修正の利かない主要部分、が海外製だと問題なのです。
中国製の車輌がどのような内容なのかは、散々乗って経験したユーザーさんの方が詳しいハズ(笑
パワー不足とかガソリンホースがダメだとか配線類がダメだとか、スグ錆びるとかステップが折れるとか。
皆さん同じような体験で一通り出尽くしていますので、そちらを参照してください。
グーグル検索結果→ 中華トライク トラブル 中華トライク 不具合
最近の問題点は、日本製の車両に簡易に中華のリア周りをくっつけてトライクにしたものが多くあること。
(多くが「日本製」を前面に謳い、リア回りが輸入品である事を伏せている・・・)
そっちの方が「車体丸ごと中華」よりも問題です。
何故か? 少し考えてみてください。中華なんでエンジンがダメ、とかなら、路上でエンストとか、始動できず立ち往生で済みます。
ところが、日本の車輌なら、エンジンは好調・快調に走っちゃいます。
そしてリア周りのトラブルが起こると・・・。
実際に私の知人で丈夫なマッチョマンがリアシャフト折れで、本人の骨も折れて8ヶ月の入院を強いられましたし、その人の友人は夫婦タンデムで、これまたリア折れで2人とも入院。
デフが僅か数千キロでのトラブルは多々報告があります。
オイルがスグ無くなるとか、凄い異音が出だした、などはまだしも、ホーシングごと折れれば最悪で、そりゃ運転技術や運動神経でカバーできることもなく、危ないですよ。。。
実際に私が手に入れた事がある他社製は“トライク”で検索している人なら誰でも知っている大手の、日本全国で販売しているV-Twinマグナ・トライク。
これも表向きには謳っていませんがリア周りはモロに中国製の物そのままです。
ホーシング構造は見ての通りパイプですのでシャフト単体よりも太いのですが、それでも2人乗ると容易に反る程度の強度で、補強のパイプが何本か入っています。
デフの周りにU字型のパイプが付いているのも同様理由の補強です。
(手を加えて折れなければOKという物ではなく、中の軸の素材強度や設計も問題で、中のシャフトの細くなった首の部分が折れて空回り、全く前進しないというトラブルも聞きました)
デフが中華かどうかは何台か見れば形に特徴があるのでスグ分かります。
(その販売店の他の取り扱い商品などでも分かるかも)
分からない人は売主にキチンと聞いて下さい。
「日本の組み立てで・・・」、とか誤魔化し気味だったら、後で揉めた時の為にも書面でもらうようにすることをお勧めします。
当方にも、数社から中国製品のリア回り品取り扱いのオファーがありました。
確かに簡単・手間なしで、安く、何台も造れるので、造る側にはメリット多いですが、乗り手のデメリットを考えると採用するには至りません。
「中国製」は多少の改善を重ねているものの、大幅に、というか基本ベースからやり変えないと信頼性と安全は、まだあと何年かは絶対無理ですね。
装飾部品などはデザインを良く研究(真似?!)していたり、同じ見た目のものが安かったりで非常に大躍進ですが、安全に関わる部品や、また車輌の場合なら、正直、50ccまでのオモチャに留めておくべきでしょう。
また、国産であっても、「当社オリジナル国内生産」とか「完全ワンオフ設計」のリア周りはどうでしょうか。
ホントにメーカー並みに強度やコストを研究し尽くしていれば面白い逸品でしょう。
技術的にも凄いですし、ホントのカスタムですよね。
ただ、既にある物で必要十分な結果を得られるのであれば、その方が良いと私は考えます。
「世界に一台のワンオフ・カスタム車」、に強くこだわるトライク・スペシャリティーズでも、リア周りは国内メーカーの既存の物を上手く利用・流用して造っています。
バイク丸ごと、自分でイチから造る人って居ませんよね?
エンジンも歯車やネジ、ピストン、設計に至るまで自分では造りませんよね?
大メーカーが莫大なコストを掛けて造り、既に流通している良い物があれば、当然のごとく、上手く利用していく。
これはコスト面でも有利なのは勿論、
その構造や重量や強度など綿密に計算され、材料も厳選された上で成り立つ信頼性や精度も同時に手に入れることが可能となります。
また、後々の長い目で見ると、ワンオフ作製は困ることがあり得ます。
機械モノですので、メンテナンスや修理は必要です。修理出来る構造だったり、全国どこでもパーツが手に入る造りなら良いですが。
ヤマハやホンダのフル純正2輪でさえも自動車以上のメンテを要し、消耗品扱いの部分を新品に換えていって好調を維持していくです。
例えばチェーンが掛る「スプロケット」。
これも走行中にずっと大きなチカラが加わり、少しずつ削られていく消耗品です。
歯数(丁数)を変えて走りを好みのセッティングにしていくという役割もあります。
純正はスチール製で幾分長持ちだったり、AFAMやサンスターといった有名メーカーから軽量アルミ製や加速重視、最高速重視など歯数変更品などが、車種別に多数用意されています。
こんな部分までワンオフだったり、何を使っているかスグに分からないようであればメンテナンスに不利となりますので遠慮しておいた方が良いでしょう。
そんな世間の状況と比較して、ヤマハ・ブラスターやホンダATCのリア周りは秀逸。
まず、無駄が少なく洗練された形状が美しい。
片手で持てる重量感でありながらも、もちろん頑丈。
さすが、ヤマハやホンダがメーカーの威信を掛けてリリースしているだけあるクオリティで、最低限の重量でありながら、必要十分な強度を出す素材と形状を採用しています。
国産バギーは80年代の物なんかでも今もキチンとしたカタチで残っている、と言うだけでなく、現役でオフロードをガンガン飛んだり跳ねたりもしています!
部品も全国のバイク屋さんで普通に手に入りますからね。
その点では、やはり乗ってて安心、維持も安心、と明言できるでしょう。
また、バイク屋さんなどで修理を依頼する際にでも、日本車でさえも3輪になっているだけで敬遠されることがある現状で、中華車両や主要部分中国製などだと、確実に不利に影響してしまうでしょう。
もちろん、「ブランド」としてのステータスも洋服やカバンなどと同様、アジア諸国の物よりも「日本製」が鼻高々です。
これもクオリティの裏付け、長年の実績あっての事。
変わった目立つ乗り物だからこそ、深く一考したいポイントです。