レトロな町並み12−吉野

竹林院群芳園

 桜と紅葉の名所としても知られる吉野山は、奈良県を代表する観光エリアです。2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録され、吉野山一体もその中に含まれています。古事記や万葉集等、歴史の舞台にも早くから登場し、天武天皇が皇子時代に隠棲したり、持統天皇が離宮を造ってしばしば滞在したり、源頼朝に追討された源義経が吉野山を経由して東国へ脱出したと言われています。また、南北朝時代には後醍醐天皇が吉野に朝廷(南朝)を置いており、数々の史跡が残っています。昔ながらの狭い道の急坂に沿って、民家や土産物屋、寺院等が並んでおり、歴史が偲ばれます。訪れた日は、生憎の激しい雷雨に見舞われ、週末にも関わらず殆ど観光客の姿はなく、静かに寺社や庭園を散策しました。

【竹林院群芳園】
 聖徳太子が創建したと言われる寺院で、宿坊としても有名です。庭園は千利休が造ったと言われ、大和三庭園の1つになっています。宿泊客以外でも有料で散策することができます。雨天が降りしきる中、美しい庭園を静かに散策しました。一般の観光客も宿泊できる宿坊は、昔ながらの重厚な木造建築で、何とも言えない風情があり、時間が止まったような気分になります。

吉野水分神社

【吉野水分(みくまり)神社】
 子宝の神として知られており、豊臣秀頼が再建したと言われています。桃山様式の本殿や拝殿があり、本殿は、3殿が1棟続きになっており、庭を挟んで拝殿があります。狭い急坂を登った山頂近くにあり、深い山々の自然と眺望を楽しむことができるようですが、残念ながら訪れた日は激しい雷雨のため、殆ど視界がありませんでした。靄に包まれた幽玄で神秘的な山々の雰囲気を堪能しました。

【金峯山寺(きんぷせんじ)】
 吉野山のシンボルと言われている、修験道の根本道場です。昔ながらの重厚で荘厳な建物が印象的です。

 他に吉野には、吉野神宮、吉野温泉、吉水神社等の見どころがあります。電車で訪れる場合は、近鉄吉野駅から徒歩でロープウェーの千本口駅へ行き、ロープウェーで吉野山駅へ上り、そこから歩いて散策することになります。竹林院や吉野水分神社へはかなり登ることになります。自動車の場合も道路が狭く、桜の時期は通行止めになるため、ロープウェー吉野山駅より下にある駐車場に止めて歩くことになります。昔ながらの狭い急坂の参道を歩くことが、吉野山の長い歴史を偲ぶ旅には必要なようです。


→レトロな列車旅・町並み・食事処 INDEXへ

→信州の温泉案内/レトロ旅行倶楽部トップページへ戻る

→レトロな日本旅館のある温泉 INDEXへ